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2008-03-28 第169回国会 参議院 予算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年三月二十八日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      浅尾慶一郎君     直嶋 正行君      大門実紀史君     小池  晃君  三月二十八日     辞任         補欠選任      直嶋 正行君     浅尾慶一郎君      山田 俊男君     佐藤 正久君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         鴻池 祥肇君     理 事                 尾立 源幸君                 櫻井  充君                 津田弥太郎君                 羽田雄一郎君                 水岡 俊一君                 椎名 一保君                 伊達 忠一君                 林  芳正君                 山口那津男君     委 員                 相原久美子君                 浅尾慶一郎君                 石井  一君                 植松恵美子君                 大石 尚子君                 大久保潔重君                 川合 孝典君                 自見庄三郎君                 辻  泰弘君                 友近 聡朗君                 内藤 正光君                 直嶋 正行君                 中谷 智司君                 平野 達男君                 福山 哲郎君                 藤原 良信君                 森 ゆうこ君                 森田  高君                 米長 晴信君                 荒井 広幸君                 有村 治子君                 加納 時男君                 河合 常則君                 佐藤 信秋君                 佐藤 正久君                 末松 信介君                 田村耕太郎君                 谷川 秀善君                 南野知惠子君                 松村 龍二君                 山田 俊男君                 山本 一太君                 谷合 正明君                 渡辺 孝男君                 鰐淵 洋子君                 小池  晃君                 福島みずほ君    国務大臣        内閣総理大臣   福田 康夫君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地方分        権改革))    増田 寛也君        法務大臣     鳩山 邦夫君        外務大臣     高村 正彦君        財務大臣     額賀福志郎君        文部科学大臣   渡海紀三朗君        厚生労働大臣   舛添 要一君        農林水産大臣   若林 正俊君        経済産業大臣   甘利  明君        国土交通大臣   冬柴 鐵三君        環境大臣     鴨下 一郎君        防衛大臣     石破  茂君        国務大臣        (内閣官房長官) 町村 信孝君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣(防災、        食品安全))   泉  信也君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、規        制改革国民生        活、科学技術政        策))      岸田 文雄君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        渡辺 喜美君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    大田 弘子君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣少子化        対策男女共同        参画))     上川 陽子君    内閣官房長官        内閣官房長官  岩城 光英君    副大臣        財務大臣    遠藤 乙彦君        厚生労働大臣  西川 京子君        厚生労働大臣  岸  宏一君        農林水産大臣  岩永 浩美君        国土交通大臣  平井たくや君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       松浪 健太君        農林水産大臣政        務官       澤  雄二君        国土交通大臣政        務官       山本 順三君        環境大臣政務官  並木 正芳君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  宮崎 礼壹君    事務局側        常任委員会専門        員        村松  帝君    政府参考人        国土交通大臣官        房長       宿利 正史君        国土交通省土地        ・水資源局長   小澤 敬市君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君    参考人        日本銀行総裁  白川 方明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○委嘱審査報告書に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成二十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成二十年度特別会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成二十年度政府関係機関予算内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  この際、御報告いたします。  本委員会は、平成二十年度予算三案につきまして、内閣委員会外十二委員会にその審査を委嘱しておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書提出されました。  つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  なお、このほか、報告書は別途印刷をして委員の皆様に配付することといたします。     ─────────────
  4. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十年度予算案審査のため、本日の委員会日本銀行総裁白川方明君参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 平成二十年度予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、締めくくり質疑を五十七分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新日本四十分、公明党九分、日本共産党四分、社会民主党護憲連合四分とすること、質疑順位につきましては通告表のとおりでございます。     ─────────────
  7. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 平成二十年度一般会計予算平成二十年度特別会計予算平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより締めくくり質疑に入ります。直嶋正行君。
  8. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。  今日は、予算委員会締めくくり総括ということでございますが、この予算委員会でも大きな焦点になりました道路特定財源について、昨日総理が急遽記者会見をされました。私も、その会見、残念ながら見ることができなかったんでありますが、後からいろいろと話を聞かせていただきましたが、今日は、まあ昨日の今日でございますので、この内容について、まず総理に幾つか御質問させていただきたいと思います。  このペーパー参考資料を今配らせていただいたと思いますが、これは私が作ったもので、加工しましたが、昨日の記者会見で報道陣に配られたペーパーだというふうに伺っております。  まず総理に、この七項目になっていますが、昨日の総理の御提案はこの七項目でよろしいんでしょうか。まず確認させていただきたいと思います。この内容で合っていますか。
  9. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ちょっと確認していませんけれども、まあ大体合っていると思います。
  10. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ちょっと御自身でよく一度目を通していただけますか。大丈夫ですね、大丈夫ですね。ちょっと、大体というんじゃちょっと。
  11. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) まあ、ほとんどは合っていると思います。
  12. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 じゃ、その違いの部分をちょっと御説明いただけますか。
  13. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ちょっと細かいところなんですけどね。三番、第三、「改正時に廃止し、二十一年度から一般財源化。」。これ、お配りしたのは「廃止し二十一年度から一般財源化。」で、こちらは「廃止し、二十一年度から一般財源化。」。これ、この違いなだけなんですけどね。
  14. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 はい、分かりました。ありがとうございました。  それでは、私ども、まずこの位置付けがよく分かりません。総理が御発表された後、例えば与党首脳もいろいろ発言されていますが、どうも与党内の手続経ていないとかいろんな議論がありました。  それで、まず順番に伺いたいと思いますが、今朝、閣議があったというふうにお伺いをいたしておりますが、総理のこの昨日の御提案については、閣議での扱いはいかがされていたんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
  15. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 閣議でこれは話題にしておりません。
  16. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それはなぜですか。
  17. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 関係閣僚とは事前お話をしておりますので必要はないと、こう思ったわけであります。
  18. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 冬柴大臣、間違いございませんか。
  19. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 総理のおっしゃったとおりでございます。(発言する者あり)
  20. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 もう今出ていますが、私も、そのおれは聞いてないというシーンは拝見させていただきました。ということは、これは内閣として一致した見解であると、我々はこういうふうに理解させていただいてよろしいんでしょうか。
  21. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 関係閣僚事前に承知しておりますから、そういう意味においては私が全責任を持って、内閣全員でという今の段階ではありませんけれども、しかし、私が責任を持っているということでありますから、同じ意味だというふうに考えて結構だと思います。
  22. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 じゃ総理、その関係閣僚、今、冬柴大臣はお答えいただきましたが、ほかにどなたとどなたでしょうか。お教えいただきたいと思います。
  23. 福田康夫

  24. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 つまり、財務大臣総務大臣御存じで、ほかの閣僚皆さん御存じないということでしょうか。  経済産業大臣、いかがでしょうか。突然で恐縮です。
  25. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 詳細についてではありませんが、こういう考え方に関してどうだろうかと、意見は求められました。
  26. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それじゃ甘利大臣、恐縮ですが、立ったついでにもう一つ。これは、ですから内閣の一致した見解だということで私ども理解させていただいてよろしいんでしょうか。
  27. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 総理関係閣僚と相談の上に決断されたことでありますから、内閣意思だと思っております。
  28. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 そういう理解で、じゃ、よろしゅうございますか。  鳩山法務大臣、いかがですか。
  29. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 私は日ごろから総理大臣に対して、どんな御指示があっても総理指示の下に従って頑張りますと申し上げておりますので、内閣一体という中の私は一人だと思っております。
  30. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 内容はよく分からないけれども皆さん総理がおっしゃったことであるから内閣一致した見解だと、こういうふうに理解させていただきたいと思います。  それで、総理、次にお伺いしたいんですが、昨日、福田総理会見された後、ニュースで自民党伊吹幹事長が、総理提案党内手続を取ったものではない、政府として呼びかけたという理解だとおっしゃっていました。その発言を聞く限り、とても総理意思疎通ができていたというふうに思えないんですが、これは政府与党一体とした提案ではないということなんでしょうか。議院内閣制制度上、趣旨からすると、こういう違いがあるというのは理解できないんですが、いかがでございましょう。
  31. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 党の方とも事前お話はしております。与党政務調査会長には事前に連絡を取って協議もいたしておるところでございますので、私としては何ら党の方がこれに反するとかいったような、そういう意味における懸念はないと、こう思っております。
  32. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 担当の方とは御了解を得たということですが、例えば自民党の中の党内手続というのは行われていないというのは、これは間違いございませんか。
  33. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 余り他党のことを御心配いただかなくてもいいんですけれどもね。  私は、このことを行う前に、幹事長を始め与党の主要な役員にはお話をいたしております。ですから、与党皆さんの大方の御理解を得ながらこの話を進めたと、こういうことでございます。
  34. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 こうやって申し上げているのは、七番目に、与野党協議会を通じ云々かんぬんというのがあるんです。私ども与党と、だから総理与党協議してくれとおっしゃっているんですよね。ですから、議院内閣制でもありますし、政府与党がきちっと一致した見解であるということでないと、私どもとしてどういう扱いをしていいかよく分からないところがありますので、これでもう間違いないということでございますね。
  35. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 御党の事情はよく分かりませんけれども、私どもの方はどうぞ御懸念なくお願いいたしたいと思います。
  36. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 他党のことまで御心配いただきまして、誠にありがとうございます。  それで、この配付資料をちょっと御覧いただきたいんでございますが、これの三、四、五のところでございます。総理は昨日の会見で、道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し、二十一年度から一般財源化と、こういうこと。四番、暫定税率も含めた税率は、環境問題への国際的な取組み、地方道路整備必要性、国・地方の厳しい財政状況を踏まえて検討。五、道路中期計画は五年として新たに策定とおっしゃっています。しかし、これらを実現しようとしますと、既に政府提出されている法案税制関連法案財政特例法案とは内容整合性が取れなくなりますが、この点はどのように御理解されていらっしゃいますか、お答えください。
  37. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 昨日、私は、年度末まであと数日を残すのみという、こういう段階に立ち至ったものでございますから、国民生活混乱をもたらさないという総理大臣責任を全うするために、あの両院議長のあっせんに基づいて、平成二十年度予算案の裏付けとなる歳入法案年度内成立を期して新たな考え方をお示ししたのでございます。  お示ししたその考え方は、これまでの国会審議野党皆さんからいただいた意見を受け止めて、そして見直すべきは大胆に見直すと、こういう決意の下に、野党皆さんに受け入れていただけるものとして提案をいたしました。与野党において、そういう意味において早急な協議を行っていただきたいというお願いをしたわけでございます。  政府としては、提出法案最善のものとして提出いたしましたけれども国会において年度末までに結論に至るように、最大限に野党意見を取り入れた考え方をお示しし、与野党合意によりまして法律の手当てが必要なものについては適切な時期に手当てしていただきたいと考えておるわけであります。
  38. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ちょっとよく分からないところがあるんですが、後で手当てするということですか。今の法律はそのまま通せと、こうおっしゃっているわけですか。
  39. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは、平成二十年度については、昨日申し上げました中に、例えば民主党が現実的な提案をしてくださるということがあるならば協議に応じたいということを申し上げているところでございます。
  40. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ということは、協議次第によっては修正してもいいと、こういうふうにお考えだという意味ですか。
  41. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 政府としては、この法案が、二十年度予算歳入歳出法案については最善のものとして提出しているものですから、これは当方の方から修正とかそういうことは、これはいたしません。しかし、御党の方からこういう提案どうかという現実的な提案であるならば協議に応ずるということを申し上げたところでございます。
  42. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 例えば、総理の御提案の中に、二十一年度から道路特定財源一般財源化すると、こういう提案ございます。これは、おっしゃったように、私かなり思い切った提案だというふうに思っています。思い切った御提案だと思っています。  しかし、一方で、今の閣法は十年間道路特定財源制度を維持するというのが、これが法律ですよ。税率も十年ですよね。道路中期計画、十年計画に基づいてそういう提出をされているわけですよね。  ですから、じゃ二十年度だけ決めて二十一年度以降は改めて協議するよと、こういうことでよろしいんでしょうか。
  43. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私が昨日申し上げましたのは、道路中期計画計画期間五年として最新需要推計などを基礎に新たな整備計画を策定すると、こういうふうに申し上げております。それと同時に、新たな整備計画は二十年度道路予算の執行にも厳格に反映させると。そして、繰り返しますけれども、二十年度予算における一般財源としての活用等については、民主党から現実的な提案があれば協議に応じると、こういうふうに申し上げています。
  44. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 つまり、税金とか道路計画、十年間先に決めておいて、それはそれでもう決めておいて、それから内容協議しようと、こういうことになるんですか。私は、本来は、そういう御提案されるんでしたら、法案そのものをやはり再提出すべきだと、こう思いますが。
  45. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) まず、私が冒頭、昨日申し上げましたのは、平成二十年度歳入法案については予算とともに年度内に成立していただきたい。これは何のためかといったら、地方財政とか国民生活混乱を回避するためなんです。ですから、まずはこの二十年度法案通していただきたい。その上で、先ほど来申し上げているようなお話協議をさせていただきたいと、こう申し上げているんです。
  46. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ですから、例えば税率でいうと、十年間決めましたと、協議始まりました、まとまりません、じゃずっとそのままいくと、こういうことになるんですかね、まとまらなければ。
  47. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) それは、これから最新需要推計などあるでしょう。そういうものを基礎に新たな整備計画を作るんですよ。我々の考え方は、是非そういう整備計画を作るときに野党の方々にも御参加いただきたい、そういう与野党協議をしましょうと、こういう提案を申し上げているわけです。
  48. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 私は法律の話をお聞きしている。まあいいです。ここは別に話合い、協議をしている場でもないと思いますので、承っておきたいと思います。  それで、ちょっと中身踏み込んで御質問したいんですが、例えば総理の御提案、これは私どもは二十一年度じゃなくて二十年度からと申し上げていますが、それはおいておいて、総理の二十一年度から道路特定財源一般財源化するということでここで明言されています。  しかし、一方で総理は三月十四日の参議院予算委員会で、もし完全に一般財源化することになると暫定税率根拠がなくなる、これは我が党の林議員の質問に答えてそうおっしゃっておられます。とすれば、一般財源化をすれば、当然暫定税率も廃止するということになると思うんですが、そういう理解をさせていただいてよろしいでしょうか。
  49. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ですから、そういう根拠はなくなりますよ。しかし、それは本年の税制抜本改革時に、昨日私が申しているように、環境問題への国際的な取組、地方における道路整備必要性、国・地方の厳しい財政状況を踏まえてこの税制抜本改革をすると、こういうことであります。そのときにその税率は決まるということであります、基本的にはね。
  50. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ということは、その協議でまとまらなければそのまま、根拠はないけれども暫定税率は続くということになるんですね。これは矛盾じゃないんですか。明らかに矛盾しちゃっているんじゃないでしょうか。
  51. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) いや、決めるんでしょう。決めるんですよ。税制抜本改革をしなければいけない時期は刻々迫ってきているんですよ。そうお思いになりませんか。  ですから、そのときに決めるんだって、そのときに暫定が継続されるとか、そういうことを私は一言も言っておりません。
  52. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 分かりました、分かりましたじゃなくて、よく理解できません。  そうしますと、例えば今の続きでいいますと、ちょっと国土交通大臣にお聞きしたいんですけど、暫定税率を十年延長していくと。しかし、これは一般財源化しちゃうと根拠がなくなると。それからもう一つは、中期計画は五年にするということになるんですけど、国土交通大臣はここで、暫定税率を十年続ける根拠中期十か年計画だと、こうやって衆議院参議院説明されてきたんですよね。これはもう全然、今までの説明は無駄ということになるんですかね。
  53. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは、総理の紙をずっと私も読ませていただきましたけれども与野党協議して、そして衆参両院議長の勧告もありましたけれども与野党で新たな合意をして議員修正されればですよ、ということが、修正されて年度内に成立させる、成立させるとは書いていませんけれども年度内に決めるということになっている。そういうものの流れで総理は、一般国民、あるいは地方自治体の首長は大変、これが切れるということになりますと税収失うわけですから大変な混乱が生ずるじゃないでしょうか、そういうことを回避するために提案しておられるわけで、今後これを総理提案を受けて与野党協議をしてまとめていただく、そういうことが前提です。  私どもは、まとまれば、そしてまた議員提案によって法案修正されれば、それは十年が五年になったりするでしょうけれども、そういうことが行われるまでは私は今提案しているものが最良だと思っております。したがって、そういう合意ができて、そして修正ということがきちっと国会で決まるまでは私は今までの説明どおりでございまして、それが提案しているものが一番いいものであると、こういうふうに思っております。
  54. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 じゃ、総理、もう一点確認だけしておきたいと思います。今のやり取りの中にもありましたが、一般財源化をするということは、いわゆる社会資本整備特会の道路整備勘定をなくする、つまり特別会計をなくするということになると思うんですが、そういう理解をしておいてよろしいですか。
  55. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) はい、そのとおりでございます。
  56. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それでもう一点、私どもは実は二十年度から暫定税率の廃止と一般財源化ということを申し上げさせていただいています。それで、我々としては、総理のおっしゃる協議をするなら二十年度も含めての協議になるというふうに思っておりますが、その余地はあるんでしょうか、ないんでしょうか。
  57. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) この二十年度予算、もう四月一日から執行するわけですよ。もう時間がございません。なかなか審議していただけないものですからね。ですから、今この段階でもって改めてこの法案を出し直せ、作り直せというふうな話をされても、これはもう時間的に無理でしょう。もう半年間いろいろな議論を積み重ねてここまで来たものでございますから、今急にというわけにいきません。  ですから、先ほど申し上げているように、もし御希望があり、それが現実的な提案であれば、それは今後この法案が成立してから協議をさせていただきたいということを申し上げているわけでございます。
  58. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ということは、もう二十年度協議の余地がないんだと、こういうふうに受け止めさせていただいてよろしいでしょうか。
  59. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) もう三度目申し上げますけれども、現実的な提案がございますれば協議に応じるということでございます。
  60. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 もうちょっと確認しておきます。  実は昨日、自民党さんと公明党さんの幹事長の方から一つ提案がございました。これは、道路特定財源暫定税率分を除いたいわゆる日切れ法案について延長したいと。一か月だったと思います、三十日だったと思いますが、いわゆるつなぎ法案的な御提案があったんです。私どもは、これには賛同し難いと今思っていますが、しかし、これは二十年度歳入法案年度内成立を前提にしたものではないと思います。総理がおっしゃった趣旨とは異なると思うんですが、この違いを私どもはどのように理解すればよろしいんでしょうか。
  61. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 二十年度予算、これは入りと出も通常であれば三月三十一日まで。しかし、もう現実にあと残すところ数日という段階になって、確かにガソリンにつきましては今いろんな内容で対立があります。しかし、それ以外の部分については、まさに御党からも御提案があるように、ほかの部分はいいよということになって、そういう御党からの法案が出されていたのか、しかしまだつるしになっているのか、私よく正確には分かりませんが、ということでありますので、その部分についてはやっぱり国民生活混乱をできるだけ最小限にしておきたいという意味から、伊吹幹事長提案をされた現行のガソリン以外の部分の租特については三十日ですか、延長するという現実的な提案をこの段階だからこそ出さざるを得なくなっていると、御提案を出さざるを得ないというか、検討をお願いせざるを得なくなっているということでお出しをしているのであって、私ども、今生きている法案衆議院で可決し今参議院で御審議が始まらんとしている歳入法案でございまして、本当はこれが年度内に全部可決あるいは否決していただくのが一番いいわけでございますが、残念ながらそのめども立っていないという状況の下でありますので、伊吹幹事長のような御提案が出てきたということでございます。
  62. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 私どもも、いろいろ議論していく上で考えておかなきゃいけないんです。  今、町村官房長官がおっしゃったように、国民生活に迷惑を掛けちゃいかぬと、これは同じです、立場はね。だけど、三十日延ばして、逆に言えば土俵ができるんじゃないですか、三十日という。だから、総理がおっしゃる年度内ということではなくて、さっき現実的とおっしゃいましたが、まさにそれは土俵を広げようと、こういう趣旨で理解させていただいてよろしいでしょうか。
  63. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 同じことを申し上げるようですが、本来であれば三月三十一日の夜中の十二時までにそうした法案が全部可決をされればいいわけです、あるいは参議院で否決をして衆議院に回付していただければいいわけでございますが、それができないかもしれないということを考えたときに、現実的に代替策として伊吹幹事長の御提案が出てきたと、このように御理解をいただければと思います。
  64. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 分かりました。承っておきます。  それで、ただ一言申し上げておきますが、あの御提案は三十日ですから、四月いっぱいですね、まさにこれ六十日ルールの日にちが四月二十九日ですから一致しているんです。これを先に通してしまうということは、以前も議論しましたが参議院の議論の意味がなくなってしまうと、こういうことになります。参議院の存在意義がなくなってしまう。しかも、六十日間、六十日ルールというのは当然あるわけですから、私どもはこの御提案、三十日に延ばすという御提案には乗り難いと、このように思っております。
  65. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 趣旨において全く同じ提案法案民主党さんがお出しになっているにもかかわらず、なぜ伊吹提案に反対をされるのか、私にはどうもよく分からないわけでございます。  そして、今、直嶋委員が六十日を発動するのか云々という話がありました。私どももそういうことを決めているわけじゃございませんが、しかし、それは最後は行き着くところはやはり憲法なり国会法なりの規定に基づいてそれは最終的に法案の処理をしていく、それは当然のことであって、それが発動されたからといって、例えば先般の新テロ特措法で、あれだけ参議院でも御審議をいただきました。本当はもうちょっと早く法案を出していただければと思いましたが、十二月末ごろになって法案を出されました。結果として、六十日たったところで三分の二条項ということになりましたけれども、しかし、ああした議論が参議院の存在を無視したり軽視したりということになったでしょうか。私はそうは思いません。あれだけ熱心に参議院与野党皆さん方が審議をされたというその実績というものは大変重いものがございます。  したがいまして、これは政府の立場で是非与党野党皆さん方にお願いをしたいのでありますけれども、残念ながら法案審議が、歳入法案の審議がいまだ始まっていないというこの異常な状態とも言うべき姿を早く正常に審議を始めていただきたい。  私ども法案をお出ししているのです。しかも、衆議院で可決された法案が現に参議院にあるんですから。それを審議しないでやや一か月、これは私は、正直言って誠にいかがなものかと率直に思わざるを得ないのでございまして、どうぞひとつ、直嶋政調会長のリーダーシップで法案の審議を始めていただきますように、是非ひとつよろしくお願いを申し上げます。
  66. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 これは、衆議院の強行採決等、与党さんの対応の問題が根本的にあるということは申し上げておきます。  それで、私どもも、しかし、日切れ七本、国税でいうとですね、これはやはり成立をさせた方がいいと思っています。しかし、問題があるんですよね。これを成立させれば、直ちに衆議院参議院が否決したものとみなして三分の二で再議決をすると、これは与党の幹部の方もそのようにおっしゃっているんです。そんなことをされては私どもはたまりませんから、この法案を採決をできないと、こういうことになるわけです。  総理はどうなんですか。こういうことをお考えなんですか。
  67. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) どうお答えしたらいいかよく分かりませんけれども、しかし私は、やっぱりきちんきちんと審議をし、審議をした結果採決をするというのがもう当たり前のことなんですよね。それを、そもそも審議が始まらないこと自体がまず入口からしておかしいのではないかなということを申し上げているのでありまして、是非、本当に審議をし、そして採決をしていただきたいということを何度も何度も総理御自身もこの場でお願いしてきたところでございます。
  68. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 私は、憲法五十九条の三分の二を適用するのかどうかというお考えを聞いているんですよ。審議は、予算委員会を審議、いや、もういいです、官房長官に聞いてもしようがないので、総理見解を聞かなきゃいけないんです。  総理、お答えいただきたいと思います。
  69. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは、国会の中の運営の問題もありますので私どもから余りとやかく言えるものではない。  私どもから申し上げることは、もう本当にあとわずかの状態ですね。今官房長官お話ししましたけれども、ちょっと異常な状態ですよね、参議院の今の状態というのは。だって、一か月間ですね、一か月間も委員会が開かれないというのは、これはだれが見たって、余り院の中のことは言うつもりありませんが、だれが見たっておかしいですよね。(発言する者あり)おかしくないんですか。そういうのがおかしいと私は思うんだけれども。  現在は、年度内に結論を得るために協議をして、そしてお話合いでもって解決していこうということに全力を尽くしているところでございますので、協議の決裂を前提としてお話をしているわけではございません、まず。  いずれにしても、重要なことは、国民生活とか、また国民経済等に無用の混乱を生ずる、国民に御迷惑をお掛けするというようなことは、これは国会としてすべきではないというように思いますよ。ですから、そういう観点から、この問題にどう対処すべきかというのはもうおのずからお分かりになることだと思っておりますので、委員の御良識を信じておるところでございます。
  70. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ちょっと総理、今の参議院は異常だというのは取り消していただけませんか。これは問題ですよ、本当に、去年の選挙の結果こうなったんですから。取り消してください。(発言する者あり)
  71. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御静粛に願います。
  72. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) それは、異常というのは、委員会が開かれていないのが異常なんですよね。予算委員会じゃないですよ、財政金融委員会歳入法案の審議をする大事な委員会が三月一回も開かれていないというのはこれは異常であると、こういうふうに申し上げたんです。
  73. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 これは、まあ私の立場で言うべき話かどうか知りませんが、予算委員会の審議が遅れたことが財政金融委員会を開けない原因になっているわけです。これは、参議院が異常じゃないんですよ。衆議院が異常な採決の結果、参議院法案を送ってきた、予算を送ってきた、このことが根本原因なんですよ。そこの反省なくして参議院だけ異常だと。(発言する者あり)何か今、与党の人まで参議院の方が異常だ異常だと言うのはこれこそ異常だと思うんですが、私は、それは根本的に総理の判断は間違っておると、このように思っております。  さっき申し上げたように、私どもも、国民生活に大きな影響を及ぼす法案を、これは与野党意見が対立しているわけではありませんから成立をさせることに、もちろんそういう思いは強いわけであります。しかし、さっき申し上げたように、直ちに憲法五十九条の二を、あれはそういう適用を私はできないと思うんですよね。参議院の江田議長も、もしそういうことをやるとすればこれは問題があると、こういう発言をされています。憲法解釈を疑問視されていると、こうした憲法解釈をね。  ですから、これは総理のリーダーシップで、そういうばかなことをやっちゃいかぬと衆議院によく言っていただければよろしいんじゃないかと思いますが、そうしていただけませんか。
  74. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 町村官房長官
  75. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 いやいや、官房長官の問題じゃないんです。
  76. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) それはそれぞれの院がお決めになることで、それは総理大臣が、この法律の解釈をこうしなさい、ああしなさいと言うことでないことは誠に自明なことでございます。
  77. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 総理、同じですか、御見解は。
  78. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は、今考えていますことは、何としても今月中にこの法案上げていただきたいということです。そのことが国民のために一番いいことだというように確信しているからそう申し上げているわけでありまして、是非、あとわずか数日ですけれども、よろしく御審議願い、そして結論を出していただきたい、このことをお願いを申し上げます。
  79. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 もう一つ、ちょっと確認しておきたいと思います。  この数日、マスコミ、メディアの報道の中で、今の状況からいうと四月一日以降、暫定税率が切れる可能性もかなり高くなっているということで、そういう状況を踏まえて、年度末ぐらいに総理記者会見をして、衆議院で可決して、今参議院にある閣法ですね、さっきから議論になっていますが、これをいわゆる六十日ルールを適用して三分の二で再議決しますと、こういうことを宣言する、あるいは記者会見で表明すると、こういう報道がなされていますが、総理は今そのことをお考えになっているんでしょうか。
  80. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ただいま私がお答えしたとおり、今私が考えているのは、何としても国民生活に影響を与えないように、国民に御迷惑をお掛けしないようにという、その思いだけでございますので、それ以後のことは私は考えておるわけではありません。  何ですか、記者会見で何か発表するという話でございますけれども、そこまで思いが至っていない。記者会見するんであれば、ああ、これで良かったということが言えるような記者会見をしたいと思っております。
  81. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 じゃ、今はそういうことはお考えになっていない、そういう表明もされないと、こういうことで理解しておいてよろしいですか。
  82. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私が何と言っても、信じてくださるかどうかは直嶋委員の方でございますのでね。しかし私は、再三申し上げるように、そういうことを、先のことは考えておりません、何としても今月末ということを考えておるわけでございます。
  83. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 もう大分時間が足らなくなってきましたが。  あと、この暫定税率の問題について一点、ちょっと総理の御感想をお伺いしておきたいと思うんですが。  最近、マスコミ各社で、例えばガソリンについて暫定税率の廃止に賛成か反対かという世論調査、幾つか出ています。大体そういうものを見ると六割以上が暫定税率の廃止に賛成と、こういう答えが出ているようです、まあ新聞によって違うということは当然ですが。また、四月以降、暫定税率が下がった場合に、下がったままにしておくべきだという方と、それから、いやまあ元に戻したらいいじゃないかと、こういう方と見比べると、過半数以上は下がったままにしておくべきだと、上げるとかえって混乱すると、こういうお答えもあるんですけれども。  こういう世論の動向というのは、総理は当然御存じですよね。国民の皆さんは、かなり暫定税率についてはやはり廃止をした方がいいと、こういうふうに思っている方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。どうなんでしょう、御所見を伺っておきたいと思います。
  84. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 暫定税率は、これはない方がいいというのは二つ意味があると思いますね。  一つは、ガソリンの値段が下がると。これはこんないいことないですよ。下がってくれれば、私ももしそういうことが可能であればうれしいですよ。しかし、そういうことができない今事情があるということ。それからもう一つは、やはり国土交通省における、また公益法人等におけるいろいろな問題があったという御指摘を受けました。このことは我々大いに反省をしておるところでございまして、私、昨日申し上げましたことは、そういうことを根絶しようと、こういうことであります。その上でこの二十年度予算をお認めいただきたいと、こういうふうなことでございます。  世論は世論でございますけれども、それは今申し上げました二点について御批判、そしてまた安い方がいいんだと、こういうふうな率直なお気持ちを述べられたというように、お考えになっているということだと思いますが、しかし、政府といたしまして考えますことは、暫定税率を下げる、要するに二十五円下げるんだということによって税収は減るわけですね。その税収を減った分をどうやってカバーするのかと、この問題はどうしても考えないわけにはいかないわけであります。  それが減ってしまって、そのことによって生ずるいろいろな国民的な御不便ということもございますから、それはガソリンは安くなる、しかし、ほかの面でいろいろ影響を受けるということがあるんであれば、そしてその分が非常に大きな影響を与えるということになれば、政府としてはそういうふうに暫定税率、今年度に限ってお認めいただくということについてはよく説明して御了解をいただかなければいけない、こういう問題だと考えております。
  85. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今、総理、二つお答えになりましたが、ちょっとひとつ、これ見ていただけませんか。(資料手交)たまたま今朝の新聞に載っていたんです。  総理はガソリンが安くなった方がそれはいいと、こう簡単におっしゃったんですが、この急激なやはり燃料の値上がりで、自動車のユーザーだけじゃなくて、例えば運送業者とか本当に困っている方多いんですよ。これは生活実感からいいますと、この二、三年の原油の値上がりに基づくガソリン価格のアップというのはすごいものですよ。だって、平成十七年ぐらいまで百十円ぐらいだったですけど、今百五十円ですよ。  今総理にお渡ししたのは、実はそれ以外のものは、値上げの春、家計直撃という、今日たまたまこれ新聞に載っていました。もう値上げの予定のオンパレードですよ。農水省も小麦の価格を何かどんと上げると、こういうことをもう既に決められていますよね。食料品から始まりまして、電気代、ガス代まで、四月一日からこんなにたくさん値上がりするんです。ですから、私たちは単にガソリンが安くなったらいいと、こういうことではないと思うんです。  さっき総理がおっしゃった、本当に道路特定財源の使い方、道路整備の在り方も含めて考えると暫定税率は廃止しても十分やっていける、このように思っていまして、そういう意味で主張しているんですが、こういう一連の値上げの中で、本当に総理暫定税率いったん下がったものをまた上げるということをやってよろしいんでしょうかね。どうなんでしょうか。
  86. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) この値上げラッシュというこういう情勢、私も大変憂慮いたしております。この値上げは、ガソリンもちろん上がっておりますけれども、それ以外に小麦だとか大豆が値上がりする、そしてその結果しょうゆが値上がりするといったような、様々な商品が値上がりしている、特に輸入商品が値上がりしている、こういう現実があるということはよく承知しております。  ですから、そういう意味で、それはそれでまた別途いろいろ考えていかなければいけないことはあるのかもしれませんけれども、それはそれとして、このガソリンについて、だから安くするということで通用するのかどうか。むしろ、これから、ガソリンについて申し上げれば、これは原油は今後ももしかしたら上がるかもしれぬということであれば、ガソリンも当然上がってくるわけですね。それは世界の趨勢なんですよ。  そういう世界の趨勢の中でも、ガソリン価格は日本では比較的ヨーロッパの国々から比べれば安い状況にあるという中で、さあ、果たして環境問題などを考えたときに、今下げるんですかというようなことになり得るわけでありまして、いったん下げると、また上げるの大変ですよ。  ですから、そういうことも含めて考えて、今回下げて果たして本当にいいのかどうかということもお考えいただきたいと思いますよ。もしガソリン価格が下がる。それは、ユーザーはいいです。ユーザーはいいけれども、しかしそれの財源不足によって生ずる、例えば建設業とか道路工事関係者とか、そういうような方々の経済活動は停滞するわけですからね、その分。そうでしょう。もう既にそういう動きが一部始まっているというふうなことも聞いておりますけれどもね、そのことによって日本のGDPは間違いなく下がるというように思います。ガソリンは、それは下がっていいかもしれないけれども日本のGDP全体の経済考えたらば、それは下がるかもしれないということも併せて考えていただきたい。  昨日、民間の経済研究所が発表している、これ、ガソリン値下げならどうなるかということによりますと、道路建設、減収分、中止で、実質GDPは下振れすると、こういう研究結果出しております。  そういうふうなことも含めて私どもとしては考えていかなければいけないと考えておりますので、まずはガソリン価格を下げて、そしてそれによる税収減を、これを防がなければいけないということに重きを置くべきではないかというのが私の判断であります。
  87. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 私ども総理の御判断とは違います。二・六兆円というのは絶大なる減税効果を発揮すると思います。これももちろんこのタイミングで暫定税率が切れるということ、期限が来るということに合わせて、そのことも含めて提案をさせていただきました。  本当は、今日は一問一答でいろいろ詰めたかったんですが、昨日総理から重要な御提案があったので、急遽そちらを確認させていただきました。  最後に、ちょっと私の方から、恐縮なんですが問題提起をさせていただいて、是非総理にもお考えをいただきたいということでちょっと申し上げてみたいと思います。  これは、先ほど申し上げましたように、今回の税制、十年間暫定税率延長するということの根拠は五十九兆円の中期道路計画です。道路財源というのは受益と負担の関係ですから、道路を造ることによって受益を受ける人から税金もらっているわけです。  しかし、最近は必ずしもその受益と負担の関係に整合性があるとは思えません。ちょっと一方的に申し上げますけど、何かの機会でまた御返事いただければと思います。  一つは、この五十九兆円はありますが、それとは別に予算のシーリングが掛かっているということであります。これまでの実績は三%以上でありますが、十年、三%で計算しますと、必要な財源は五十九兆円ではなくて四十九兆円になります。これは前回申し上げたとおりです。それから、毎年毎年のシーリングの中で当然道路に使わないものがあります。使途拡大、一般財源にしている部分、これらが約年間六千億あります。十年数えると六兆円になります。  それから、本来、道路を造るということから考えると、国の道路整備に使うというのが道路特定財源の本来の趣旨でございます。しかし、最近見ていますと、総理にお配りした資料の二枚目見てほしいんですが、過去数年間の、横長の表、一番下ですね、済みません、その次です、三枚目です。申し訳ありません。  道路整備とそれから道路整備以外のいわゆる環境整備と、こう言われていますが、道路環境と言われていますが、ここには道路に直接関係のないものもたくさん入っています。これ見ると、むしろ道路整備は減少して、それ以外の周辺の環境整備が金額が増えている。これ比率でいうと、道路整備は全体の中で七割切っています。こういう実態を考えると、私はこういう環境整備の部分は受益と負担の関係に直結しないと思っています。ざっとこれ計算しますと、十年で七兆円です。  それから、最後の一つは長大橋、東京湾に橋架けるとか伊勢湾に橋架けるとか、これも五十九兆円に入っています。こういうものを、例えばアクアラインだとか、本四・明石海峡大橋なんかのデータをベースに見ますと、ざっと六兆円から十兆円必要なくなります。そうすると、五十九兆円というのは大体三十兆円以下になります。道路特定財源の本則は年間二・八兆円ぐらいですから、ほぼそれに見合ってきます。  そういうことを申し上げて、御所見があればお伺いすることにして、ちょっと櫻井議員に申し訳なかったんですが、私の方の質疑を終わらせていただきたいと思います。
  88. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 答弁されますか。
  89. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 いいですよ、じゃ。総理なかったら、もう。
  90. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 額賀大臣
  91. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 受益と負担については直嶋委員が御指摘のある部分もありますけれども、我々はユーザーの理解を得るように努力をしているわけでございまして、その中で、今度は改正法案を出しまして、道路整備を上回る分については一般財源化を図る。その一般財源化も、今まで一般財源として道路関係に使っていたその範囲の中で一般財源化を図っているということでありますから、ユーザー側にも理解を得られている範囲で行っているというふうに私は思っておりますし、また、ユーザー側に丁寧に説明をして理解を得るようにしたいというふうに思っております。
  92. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 一言だけ言います。  幾ら説明しても、これは理解得られないと思います。受益と負担の関係に全く反しています。そう申し上げて、終わります。
  93. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。櫻井充君。
  94. 櫻井充

    ○櫻井充君 民主党・新緑風会・国民新日本の櫻井充です。  今日は締めくくり総括、それから採決までできるということで、参議院の第一党の筆頭理事としてほっとしております。本当に鴻池委員長、それから林筆頭を始め関係者の皆さんに心から御礼を申し上げたいと、そう思います。  我々は今、私もこの委員会を主宰していくメンバーの一人として責めを負わなければいけない部分もあるかと思っております。しかし、もう一方考えていただきたいのは、今、直嶋委員から指摘がありましたが、このガソリン税を下げるということが我々は国民の皆さんに対して必ずプラスになるんだと、そう確信しております。ですから、そのことを実現するためにあらゆる方策を使ってくるというのは、私はこれは至極当然のことなんじゃないだろうかなと、そう思います。  ですから、これが議論の中で、例えばスイスのように国民投票をやってくださればいいんです。スイスは、高速道路が足りない、そして土日は渋滞で大変だと、その場合に、このぐらい増税して高速道路を造るんですがといったときに、どちらがいいかを判断するんですね。これは残念ながら国民の皆さん理解が得られず、増税するぐらいなら道路は要らないといって、これは政府提案が棄却されるわけです。  国民の皆さんが今何を欲しているのかということを改めて考えていただきたいと私は思います。今、国民生活は極めて厳しい状況にあって、その経済状況を考えてみると、私は減税こそが大事な点なんじゃないかと思うんです。  岡山の駅で家出した少年が無差別殺人を起こしましたが、この彼は、実を言うと高校ではクラスで一、二番の成績で、国立大学への推薦入学を勧めたけれども、経済的事情で進学を断念した。結局、そこから自暴自棄に陥ってこういうことを起こしてしまっていると。このぐらい厳しい状況にあるんだということを我々みんなが本当に真剣に考えるべきではないのかなと、そう思っております。  今の経済状況に関して、総理はどのように認識されているでしょうか。
  95. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 現在の経済情勢というお話でございました。  これは、現在というだけでなくて、ここしばらく景気は回復してきた、しかしながら個人の所得がそれほど増えていないといったような、そういう実態があるということは、これは事実なんだろうというふうに思います。ですから、そういう中でもって国民の間に閉塞感が生まれているんだといったようなこともございますし、そういう実態を考えますと、何はともあれ経済を活性化しなければいけない、そういうふうに思っております。このことをまずしなければ、この問題解決はないんだろうというように思います。  そしてもう一つ、やはり雇用関係を、これを適正化するということもそういう中に、その政策の一つとして大きな位置を占めるんだろうというふうに思いますので、この点についてもしっかりとした政策が必要だということで、今政府として新雇用戦略というものを講じてまいりたいというように考えておるところでございますので、いずれにしましても、現経済情勢が国民にとって必ずしも好ましい状況にない、特に物価高、インフレ、品目によりますけれども、インフレの品目別にあるというような状況、こういうふうな状況を考えれば、そういう状況を打開するためにどうしたらいいかということは日々頭を悩ませているところでございます。  何はともあれ、経済を活性化するということが一番大事なんだろうというふうに思いますので、ここに全力を挙げてまいりたいと思います。
  96. 櫻井充

    ○櫻井充君 先ほど総理は、道路予算が減ると道路建設で生活している人たちが苦しくなるからという答弁されましたが、一方で、(発言する者あり)いや、そう答弁されています。ただ、一方で、減税されれば、それで恩典を受けて消費に向かっていくということもこれは考えられるわけであって、あくまで、例えば二兆六千億円のお金が道路建設に回っていくのか、減税として多くの人たちが恩恵を受けるのかというだけの差なんですね、これはお金の使い方からすると。  ですから、我々は、そういう点でいうとガソリン税の減税をした方がいいんじゃないかと、そう感じておりますが、総理、御見解いかがでしょうか。
  97. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私は、二兆六千億というのは、これは国もそうだけれども地方の税収に大きな損失を与えていくことになりますから、地方においては、今度は道路以外の分野にいろんな支出を依存しなければならないということで、地域の経済にも大きな影響を与えていくということになる。  それから、やっぱり厳しい財政事情の中で、この道路特定財源暫定税率を減税するということが直接的に私は消費に結び付くとか、そういうことには果たしてなっていくのかどうか、これは非常に問題があるのではないか。むしろ、地方とか国の財政に大きな打撃を与えて経済の活性化にむしろマイナスになるのではないか、そういう思いがいたすわけでございます。  その上で、やっぱり私どもは、今後、道路特定財源をきちっと水準を維持することによって、我々はどういうことを考えているかというと、環境の問題だとか財政事情の問題だとか、そういうことを総合的に考えた上で、そういう道路特定財源の水準を維持したいということを申し上げているわけでございます。
  98. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 今三つの問題が議論されているように思います。  一つは、先生がおっしゃるのは、経済効果として道路を増やすという歳出と減税とどっちがいいかという問題です。これはまさに経済効果の問題で、それだけを見れば歳出の方が経済効果は大きくなると。  それから二番目の問題は、景気の現状として今二・六兆円の減税を講じるべきかどうかという問題だと思います。景気の現状としまして、今ずっと長く続いてきた景気回復が階段の踊り場のようなところにあります。ただ、これは落ちている段階ではありません。まだ踊り場のような状態で、今踏みこたえている段階であるということを申し上げます。  それからもう一点。もう一点の問題は、昨日の総理の話でいくと、課税するときに何に課税すればいいのかと。ガソリンに、つまり一般財源化するということはおっしゃっているわけですから、ガソリンに課税するのがいいのかどうかという議論になると思います。これは、例えばお酒やたばこに掛けるようにガソリンに課税することでガソリンの消費を抑える、これは世界どの国もやっていることであって、課税するときに何に掛けるのがいいかというのが昨日の総理の発言で、記者会見でおっしゃった一つのポイントであると考えています。
  99. 櫻井充

    ○櫻井充君 景気がいい、いいというふうに主張されているわけですから、議論は多分かみ合わないんだろうなと、そう思います。  そこで、じゃ、もうちょっと具体的にお伺いしますが、現在は日本経済はデフレから脱却したんですか。
  100. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 物価が持続的に下がり続ける状態をデフレと定義しておりますが、この状態は終わっています。しかし、終わったまま足踏みしているというのが現状です。なかなかもうデフレにこのまま戻らないと言い切れる状態には残念ながらありません。したがって、今完全に脱却はしておりませんが、持続的に下がるという状況は止まっております。そのまま足踏みしているという状態です。
  101. 櫻井充

    ○櫻井充君 デフレからは完全に脱却していないんですよ。  そしてもう一つ。全体として物価の価格は大臣のおっしゃるとおりですよ。しかし、大事なことは、物価上昇に転じているものがあるんです。生活必需品です。この手のものが、景気が悪い、可処分所得は減っていますからね、確実に。可処分所得が減っている中で生活必需品の値段が上がっているんですよ。これが家計を物すごく圧迫しています。これはどうやって解決しますか。
  102. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 御指摘のとおりです。  今朝、消費者物価指数が発表されましたけれども、特に身の回りのものは上がっております。しかも、賃金は上がっておりません。これで、家計は厳しいというのはよく認識しております。  それに対して何ができるのかと。一つは、可能な限り景気回復、持続させるというのはもちろんですけれども、併せて最低賃金の引上げですとか非正規雇用の正規化を進めなきゃいけない。それともう一つ、特にサービス産業の賃金が下がっておりますので、構造的にここに対して、サービス産業の生産性を上げていく、賃金を払える状況にしていくという取組が必要だと考えています。その方向で取り組んでおります。
  103. 櫻井充

    ○櫻井充君 それはいつまでできるんですか。(発言する者あり)
  104. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御静粛に願います。
  105. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) まず、最低賃金の引上げにつきましては、昨年から政労使の枠組みで議論しておりまして、今年度の最低賃金は例年に比べると高い上げ幅になりました。これを更に中長期的な引上げに向けて議論を進めてまいります。非正規雇用の正規化については、今、舛添大臣が精力的に進めています。それから、サービス産業の生産性向上、これはプログラムができてきておりますので、新年度からスタートさせます。
  106. 櫻井充

    ○櫻井充君 それによる効果はいつから出るんですか。
  107. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 二十年度からスタートさせますので、二十年度から出てまいります。
  108. 櫻井充

    ○櫻井充君 これ、本当に出るんですね。出なければ責任をお取りになりますか。
  109. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 日本計画経済ではありませんので、成長率に対して責任を取ることはできません。政府としてできることは、民間が創意工夫を発揮してできるように最大限の条件整備をすることだと考えています。  それから、最低賃金につきましては、これは政労使の話合いで今年度から上がっております。
  110. 櫻井充

    ○櫻井充君 計画経済でなくても政府ができることがあるんですよ。それが政策なんですよ。要するに、今のような状況になれば、取るべき対策は二つしかないんです。大きく言えば、金融政策か財政政策かしかないんです。  そこで、まず、じゃ日銀にお伺いしておきますが、今、日銀は何らかの更なる金融政策を取れるんでしょうか。
  111. 白川方明

    参考人白川方明君) お答えします。  金融政策を議論しますときには、往々、短期の金利に皆さん着目して議論するわけでございますけれども、金融政策が持つ緩和の力を評価するときには、短期金利から始まりまして、中期、長期の金利、それからさらに実際に企業が銀行から資金を調達する際の金利、これは国債の金利に上乗せされますけれども、それからその金利の下で金融機関がどの程度企業に対して資金を供給するか、そうしたものを全体的に評価して金融政策の持つ緩和力を評価するというふうに考えます。  そういうふうに考えましたときに、現在、日本の実質の短期金利はこれ現在ほぼゼロでございます。それに対し、これ名目の金利が〇・五%、物価上昇率が、いろんな尺度ございますけれども、今日発表された数字ですと一%ですから、差し引くと、機械的に引きますとマイナス〇・五ですが、ざっくり言いますとゼロという感じでございます。それに対し潜在成長率は、これはいろんな計算がございますけれども、一%台の半ばから後半ぐらいかなというのが一般的な見通しでございます。  そうしますと、この短期の実質金利と、それから成長率の水準、あるいは民間の企業が実際に資金調達するときの国債の上乗せ幅、こちらの方も、アメリカの方は実はこれ今、金融市場が混乱していまして上がってきていますけれども日本の方は幸いこれは割合低い水準で落ち着いております。そういうふうに考えますと、金融政策が持つ緩和の力、それ自体は現在も大きく発揮されているというふうに考えております。
  112. 櫻井充

    ○櫻井充君 大きく発揮されて今のような状況なんです。  さらに、この上乗せの効果というのは期待できるものがあるんですか、政策として。
  113. 白川方明

    参考人白川方明君) 先ほど申しました中期、長期の金利は、市場参加者が先行きの経済をどういうふうに見ていくかということで反映して決まってまいります。したがって、もし経済の力が弱いというふうに皆さんが見るようになりますと、今度は中期、長期の金利が少し下がってくるという形で、その面から金融の刺激力というのがまた出てくるというふうに考えております。  いずれにせよ、経済の全体の姿はもちろん金融政策だけで決まってくるわけではございませんけれども、金融政策が持つ力という面からいいますと、そのような整理が可能だというふうに考えています。
  114. 櫻井充

    ○櫻井充君 もうちょっと分かりやすく説明していただきたいんですが、要するに、もうほとんどゼロ金利ですから、ゴムでいえば伸び切った状態なんだと私は思っているんです。これ以上伸ばせる力があるかどうかだけですよ。その点についていかがですか。
  115. 白川方明

    参考人白川方明君) 短期金利の引下げ幅という面で見ますと、残りは〇・五というのはもちろんそのとおりでございます。  繰り返しになりますけれども、金融政策の持つ力というのは短期金利だけではないということについて御理解をいただければというふうに思います。
  116. 櫻井充

    ○櫻井充君 しかし、これだけのゼロ金利政策を続けてきて、負の側面の方もはるかに多く出てきているわけです。例えば、年金の積立金の運用が悪くて利回りが落ちているから、今度は年金の保険料の保険料率を引き上げるとか、これが全部国民生活に影響を及ぼしてきているわけですよ。  今、金融政策この先何をやるかというのは、僕はほとんどできないと思っております。そうすると、やるかやらないかは財政政策だけなんです。その財政政策をやるかやらないかというのは、これは国の責任ですよ。計画経済とかそういうものとは全く違いますよ。この国というのは、GDPの中だって、これは国が回すべき部分と、それから民間が回すべき部分と、二つあるんです。市場原理だけ言っている方は大臣でいなくていいんですよ。大臣として必要ないんです。それはなぜかといったら、市場のことは市場でやるんだったら要らないんです。この国が政策として何をするのか、そのことを考えることがこれは政府の役割ですよ。  ですから、私は財政出動が必要なんじゃないですかと申し上げているんです。
  117. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 市場原理だけを考えて政策をやっているというのは間違っていると思います。私はそんなことは全くやっておりません。政策として何をすべきかということを常に考えております。  常に財政出動をすればいいというものではありません。バブル崩壊後の十年間、財政出動を続けてきて、今これだけ財政赤字がたまっているんです。財政出動をどの時期にどういう形でやるかというのが経済の処方せんであって、そのことについては冷静に見極めなきゃいけないと思っております。  それで、足下の経済を考えますと、先ほど申し上げました、今階段の踊り場の段階です。まだ下ってはおりません。そして、この震源地はアメリカです。アメリカで今経済が減速している、そして財政金融政策を震源地でいろんな策を取っている、その効果を今しっかり見極めて処方せんを描くことが私の責任だと考えています。
  118. 櫻井充

    ○櫻井充君 実は、財政出動をしたときのやり方が悪かったんですよ。そのやり方が間違っていたから、あの十年間は何にも回復しなかったんですよ。ですから、その次の産業が一体何なのか、何にすべきなのかということをちゃんと念頭に置いて、そこに十年間金使ってきたら全然変わっていましたよ。それをいつもどおりの公共事業だけをやり続けてきて、それだから財政政策に失敗しているんですよ。これは財政政策じゃないですよ、やり方が間違っているんですからね。  そこで総理にお伺いしますが、総理はこの国を一体どういう国にしたいんですか。これは国民の皆さんが、これは新聞なんか見てみると、どういう政治したいのかよく分からないという方が九割いらっしゃいますので、改めてどのような国にしていきたいのか、まず御所見をお伺いしたいと思います。
  119. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 今いろいろな閉塞感があったり問題があるということは先ほど申し上げましたけれども、まず、一人一人の国民が安心して生活を送れるという国づくりをするというのは、これは政治家として基本じゃないかと思いますよ。これは、だれがやってもそういうことを考えると思います。私もそう思っております。  生活の安定を図るためには、まず何よりも経済を順調に成長させなければいけないということは大前提ですよね。また、国民的な議論を展開しながら一人一人の生活を考えるという場合には、現在と将来に安心することができるような社会保障の仕組みをつくるということ、さらに、様々な国の制度や行政組織について一人一人の生活者の目線に立ったものへと根本から見直していくと、こういうことも大事でございます。また、地球温暖化を始めとする環境問題、これは日本のみならず、世界全体にとって待ったなしの課題であるとも考えております。環境、省エネ分野での技術開発を進めていくとともに、世界にも一致して取り組むべきと呼びかけることによってリーダーシップを発揮すべきであるというふうに思っております。  このような取組すべてがすぐに成果が出るという問題ではございません。そうした意味では、先ほどちょっと何か分かりにくいとかいうお話ございましたけれども、それは分かりにくさを、これを払拭することは、今申し上げたようなことを実現しようとする場合に払拭することはこれは難しいというように思っています。しかし、一つ一つ着実にこなしていくということによって、時間が掛かればそういう方向に間違いなく行っているということを国民の方々に確認していただけるような時期が来るのではないかと、こう思っております。
  120. 櫻井充

    ○櫻井充君 多岐にわたって御説明いただきましたが、もう少し簡単に、次の産業は一体何を考えているのか、次の産業の主軸は一体どういうものであるべきだというふうにお考えなんですか。
  121. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 物づくりも依然として重要ではありますけれども、今後の重要分野としてはITであったりソフトウエアであったり、あるいは先生もかねがね主張しておられる健康分野であったり、そういうものも大変重要な分野だと考えています。
  122. 櫻井充

    ○櫻井充君 すぐITとかソフトということをおっしゃいますが、ITやソフトでどのぐらい産業の基盤としてやっていけるとお考えなんですか。
  123. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) これは国によって異なります。ソフトの中に、例えば金融、例えばイギリスの場合は十五年間の間の成長率の半分は金融で得られました。これは国によってどういう組合せでいくかというのは異なります。しかし、今、日本の経済の中で確かに言えるのは、サービス産業の生産性が低いということであって、高齢化の中でここは伸びる余地が大きいということです。  したがって、それは全体として雇用を吸収し成長させていかなくてはいけませんけれども、特にサービス産業に力を入れるというのは当然のことだと考えています。
  124. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、よく生産性低いような話をされます、サービス産業の中でね。じゃ、例えば医療産業というのは、これは効率的に行われていると思われますか。
  125. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 医療の場合は公的な保険によって支払われている部分がありますので、他の産業との生産性の比較というのは簡単にはできません。できませんけれども、医療に関しては例えばIT化をもっと進める、それから医療機関の連携を取るということで、もう少し効率的になる余地はあると考えています。
  126. 櫻井充

    ○櫻井充君 もう少し効率的になる余地ではなくて、日本の医療というのはほかの世界の国々と比べて効率的か非効率的かということをお伺いしているんです。
  127. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 他の国と比べますと、例えば対GDP比の医療費の比率というのは決して高くはありませんので、これは日本の戦後の医療政策というのは非常に優れていて、かなり少ないコストでいい医療をつくってきたと、それは十分に私も認識しております。
  128. 櫻井充

    ○櫻井充君 そういうことなんですよ。要するに、日本の医療というのは効率的にやられているんですよ。その効率的にやられているものもより効率的にといって壊そうとしているんです。  例えば、毎回申し上げていることですが、医療費をもう少し増やしていただいたって、介護の費用をもう少し増やしていただいたって、これは所得が増えるだけなんですから、そこで働いている人たちのね。それを産業として位置付けていかない限りはもうやっていけませんよ。特に、高齢社会になってくる中で、限界集落と言われる田舎などは、職といったら何かといったら、一番はこれ介護ですよ。ですが、今その介護の平均所得が二百万とか二百五十万の世界ですよ。これ、どうしてこれがまともな職になります。こういう人たちを国の政策でつくっているんじゃないですか。  介護保険も医療保険も、これは国が全部値段を決めているんですよ。国が値段を決めて安くしているから、こうやってワーキングプアの人たちがどんどん出てきているんですよ。そこで、だから働かなくなっているんですよ。それをやっているのは経済財政諮問会議じゃないですか。二千二百億いつも毎年毎年減額して、厚生労働省の予算がどんどんどんどん減っていって、そのためにワーキングプアをつくって、経済が伸びない、それから個人消費が伸びない、その原因をつくっているのは経済財政諮問会議じゃないですか。
  129. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 何もかも経済財政諮問会議が悪いというのも、これはまた言い過ぎだと思います。  例えば医師の数については、九〇年代から厚生省の中の審議会で議論されています。それから、医師不足になったのも、例えば医局の医師派遣機能が低下したとか、訴訟リスクが増大したとか、女性の医師が増加したにもかかわらず子育て支援策が不十分であったとか、そういうことの中で生まれてきています。何もかも経済財政諮問会議が悪くて、これさえなくなれば医療が良くなるというのは、いささか単純過ぎる議論であると思います。
  130. 櫻井充

    ○櫻井充君 これは、医師不足のことに関しては、それはおっしゃるとおりですよ。しかし、私が申し上げているのは、経済財政諮問会議ができ上がって以降のことを申し上げているんです。  つまり、これまでこんなに急激に悪くなったのは一体じゃどこに原因を求めなきゃいけないんでしょうか。今でさえ医療費は少ないんですよ。世界の中で先進国で最低ですよ。その最低で効率的に我々やってきましたよ。しかし、みんな疲れ果てて辞めているんじゃないですか。みんなそれで開業医に回っているだけの話じゃないですか。その医療費を抑制してきたのは一体だれですか。  八代公述人がある場面でおっしゃっていましたが、診療報酬点数を下げてきて病院は苦しくなっているんだと、今、今度は混合診療を導入するためには仲間割れさせろとか、そういう発言されているじゃないですか。そして、しかも混合診療を導入するということは一体何かというと、民間保険の活用だと言っているわけですよ。  しかし、民間保険というのは本当に国民にとっていい保険ですか。民間保険のメディカルロスは四〇%ぐらいですよ、この国の。つまり、金だけ集めるだけ集めて、そしてなかなか給付しないのが今の制度じゃないですか。アメリカだってそうですよ。メディカルロスは七五か八〇ぐらいですよ。残りはそこで働いている人たちの物すごい給料になっている。それから、株主に対しての配当、政治家に対しての献金、そういうものに使われているじゃないですか、二五が。  つまり、医療は国でやった方がはるかに効率的なんです。アメリカのメディケアとかメディケードのメディカルロスは九八ですからね。ですから、集めたものがほとんど医療に使われているんです。そういうことをずっと言ってきているのは経済財政諮問会議じゃないですか。医療費を抑制しなきゃいけない、公的給付を、首をかしげられるけど、じゃ経済財政諮問会議のあの言っている数字の公的給付の抑制で本当に日本の医療制度がやっていけますか。どう思われます。
  131. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 少し議論の全体像が見えないんですけれども、まず、二〇一一年度に向けてプライマリー収支を黒字化していく、そのために主要分野別に歳出改革の目標値が設定されている、これは閣議で決めています。政府全体で決めています。  その中で、社会保障、五年間で一・一兆円というのをどうやって達成していくか。これは私も舛添大臣とよく連携を取りながら、めり張りを利かせる余地はないか一生懸命検討しながらやっています。機械的にカットすればいいなんということは思いませんし、民間にゆだねればいいなんということは全くそういう議論は出てきておりません。諮問会議の中でも、例えば医師不足にはしっかり対応すべきであると、そういう議論をしております。
  132. 櫻井充

    ○櫻井充君 それは全然違うと思いますよ。ここでこれだけ議論していてもしようがないので先へ行きますけど、しかし大事なことは、最後にもう一度申し上げておきます。総理にちょっとこれは聞いていただきたいことです。  これは、医療や介護は、これは国が運営しているんです、基本的に言うと。国が全部決めるんですよ。この保険点数を引き上げていただければ医療従事者の給料はみんな上がります。これは当たり前のことです。雇用もそこのところに生まれてくるわけですよ。しかし、それを抑制すればどうなるかというと、所得はどんどん落ちるというだけの話なんです。これだけの話です。  ですから、先ほど社会保障をというお話総理はされました。ですから、私は、これは総理にお伺いしたいんです。今の日本の社会保障費というのは適正な規模なのかどうかということです。  何回も申し上げますが、世界の水準から見たら日本の医療費は相当低いんです、少ないんです。アメリカの約半分です。アメリカは民間医療保険が主体ですから、ですから効率的であるような感じがしますが、実は非効率的なんですよ。そういう国よりはるかに効率的に医療をやっているにもかかわらず、それがつぶされているんです、現実的に。これはここの場でも随分議論になりましたが、産科とか小児科とか、それから地方の病院とか、そういう点を考えたら、ここの分野をもう少し大きくしていただかないと、産業として考えていく上で大きくしていただかないと何ともならないんじゃないのかなと、そう思います。  総理、いかがですか。
  133. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は、将来社会を考えた場合に、今までは多くの人を対象にする、マスを対象にする、しかし、これからは一人一人を大事にするというような方向に向かうんではないのかなというふうに思っております。ですから、それだけにお金が掛かってくるのかなという、そういうことも当然考えなければいけないと、こう思っております。  社会保障全体については、今社会保障についての国民会議というものを開いておりまして、様々な角度から検討してもらっておるわけでありますけれども、そこで出た考え方、結論、方向性、そういうものを勘案しながら、どういう社会保障体制がいいのかということを早急に考えていきたいと思います。  ただ、この社会保障体制を構築するためには負担が必要なんですね。この負担との関連でどうあるべきかということなんでありまして、その点について、併せてこの社会保障国民会議で議論してもらいたいというように思っております。一定の結論を出してもらいたいと思います。  是非、この社会保障国民会議にも櫻井委員のような非常にしっかりした御意見お持ちの方に参加をしていただきたいなと、こんなふうに思っておるわけでありますけれども野党皆さんにも代表の方に出ていただくというように、これも道路と一緒じゃありませんけれども、こういうこともやっぱり国民全体にかかわることですから、野党の方にも御参加いただきたいなと、こう思っておりますので、どうぞよろしく御検討ください。
  134. 櫻井充

    ○櫻井充君 御評価いただきまして、本当にありがとうございます。参加させていただけるのであれば参加させていただきたいと思います。(発言する者あり)取り込まれておりません。  それからもう一つ、僕は最近感じていることがありますが、今の例えば石油が高くなったとかそれから食料の値段が上がっているというのは、投機先になっているからなんだと思うんですね。つまり、商品先物というのは、例えばANAとJALとの経営のところを見てみると、原油の高くなることをヘッジするために商品先物をうまく利用したか利用しないかによって差が付いたとか、いろいろあるとは思うんです。しかし、今石油を買い占めている方の九〇%の方が、実は石油を使わないような人たちだけなんですね。これはまるであの米騒動のときと同じでして、要するに、これは投機という名前になっていますよ、しかし、我々から、感覚からいえば、米を買い占めたとかトイレットペーパーを買い占めて、それの値段を上げているのと全く同じなんですね。こういうことを世界で許していいのかどうかということ、これが僕は課題なんだと思っているんです。  例えば、国で、これは生活に必要ですねという分の五〇%なら五〇%、これは国対国の話合いの中で確保して、投機の対象に回すのは一部にするとか、そういうことを考えていかないと、国民生活そのもの、これは日本だけじゃありませんよ、世界の経済がゆがんでくるんじゃないかなと。要するに金持ちだけが買い占めて利益を得ていくんですよ、ますます。こういう社会を変えていかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょう。これ、だれが答えるのかよく分からないんですけれども
  135. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、二月に行われたG7の席でも、やっぱり実需以外で金融的な投機的な動きで油とか穀物が動いていく、そしてまたそれが市場を動かしていく、そういう在り方はこれでいいのかという問題提起をいたしました。  それで、各国でもうちょっとこれは需給、実需に伴って動く形をつくっていかなければならない、そういう思いを共通のものにしていく必要があるのではないかということで、今、研究調査をしているという段階でございます。
  136. 櫻井充

    ○櫻井充君 やっぱり今の国民生活が苦しくなっている原因の一つがここにありますから、ですからそれは本当に政府として国対国との話合いできちんと決めていく必要性があるんじゃないのかなと、そう思います。  それからもう一つ、アメリカ経済の話が先ほどありましたが、ゴールドマン・サックスの試算ですと百二十兆ぐらいまで膨らむんじゃないかという、そういう報道もございました。実際のところ、アメリカ経済が今後どういうふうになっていくと考えていて、日本経済にどういう影響があって、どういう対策を取らなければいけないと考えているのか、御説明いただきたいと思います。
  137. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) まず、金融資本市場の変動につきましては、まだ底打ち感がなかなか出てきません。それが今アメリカの実体経済に波及してきております。これがどの程度の大きさでどの程度続くかというのは今の時点で全く予断を許しません。  それで、まず日本への影響ですけれども、輸出の減少という形で足下出てきております。輸出の減少が続きますと生産の減少につながります。それから、金融資本市場の変動は、ドル安に伴う円高という形で企業収益に影響を与え始めています。  それから、一方で、アメリカの消費というのはこれまで世界経済を引っ張る力を持っておりましたので、この引っ張る力が弱まりますと中国始め新興国の経済にも影響を及ぼしてまいります。現に中国からアメリカ向けの輸出の伸びが鈍化しております。中国の経済がやや伸びが鈍化してまいりますと、当然日本から中国への輸出、新興国への輸出にも影響を及ぼします。  つまり、直接にアメリカ、それから間接的にアジア経由、この二つのルートで日本に効いてまいりますが、これはアメリカの経済の減速がどの程度の深さでどの程度の期間続くかということに依存いたします。今、この間接、直接のルートで起こってくることをじっと非常に警戒しながら見ている段階です。
  138. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうするとまだ見ている段階ということなんですね。  それではもう一つ、外国為替特別会計についてお伺いしておかなければいけないと思います。  これだけ急激に円高が進んで、実はバランスシート上、十数兆円プラスだったはずなんですが、今たしかマイナスになったんじゃないかと思いますが、現在のレートで幾らの損失が出ているんでしょう。
  139. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 確かに、ドル安に伴う円高によりまして評価損が生まれております。  最近の円高によって、仮にですね、仮に一ドル百円で計算した場合には、およそ十八・五兆の評価損を出しておるわけであります。外為特会においては、円高による保有外貨資産の評価損を補うことを目的として、毎年度の利益の一部を積立金としているわけでございます。現時点の積立金は十七・五兆円でありますから、引き算をすると一兆円のマイナスということでございます。
  140. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣は、この先、円高がずっと進んでいくというふうにお考えなんですか。
  141. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 為替水準についてはちょっとコメントは差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、二十年度予算において積立金として一・八兆円を行うということにしております。
  142. 櫻井充

    ○櫻井充君 積立金を一・八兆にするのはそれは自由ですけど、昔は、昔というか、去年まではアメリカの金利と日本の金利と相当金利差があったので、それで運用するということで多分プラスになっていたんだと思うんですね。今、アメリカの金利が一%台じゃなかったかと思いますが、ちょっと違ったかな、ちょっとそのぐらいだったと思う、一・何%だと思いますけど、ほとんど金利差なくなってきているんですね。そうすると、そういうところで果たして運用して今のような額が得られるんでしょうか。
  143. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今数字の手持ちは持ち合わせてはいないんですが、日本の金利とアメリカの金利を照らし合わせますと、また二%以上の差益を得ることができるんじゃないかというふうに思います。
  144. 櫻井充

    ○櫻井充君 しかし、もう一つは、これだけ為替介入をし続けて、もう今百兆ぐらいあるんですか、外為特会が。今年は幾ら予定しているんですか。
  145. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 幾ら予定というのはどういう意味ですか。
  146. 櫻井充

    ○櫻井充君 外為特会で大体毎年何十兆という形で介入するような幅を設けているはずですけれども、それは全く計画はされていないんですか。
  147. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ここ最近は全く介入はしておりません。介入した場合は事後報告をすることになっております。
  148. 櫻井充

    ○櫻井充君 今の外為特会の規模は適正規模だと思われますか。
  149. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今恐らく市場では四百兆円近いお金が動いているわけでございますから、その適正な水準というのはなかなか言い切れないと思いますけれども、できるだけ、いかなる状況があってもきちっと安定した形に作っておかなければならないという思いでおります。
  150. 櫻井充

    ○櫻井充君 答弁になっていないんですが。  これは世界で見たときには相当高い水準にあるんじゃないんですか。
  151. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 外貨準備はやっぱり、我々は貿易立国でありますから、そういう流動性を確保していくこと、あるいはまた為替の安定を図っていくために安定した準備はしておかなければならないというふうに思っております。
  152. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、その準備として今は財務大臣として適正規模だというふうにお考えなんですね。
  153. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 適正な規模であるとか、そういうことを私が言うことが適切であるかどうか。できるだけ私どもは心配のないような形で準備をしておきたいと。
  154. 櫻井充

    ○櫻井充君 でも、それは政府の仕事の一つじゃないんですか。
  155. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ですから、もちろん安定した外貨準備をしておくということは政府の仕事であると思っています。
  156. 櫻井充

    ○櫻井充君 ですから、政府の仕事であったとすれば、適正に行われているかどうかお伺いしているんですよ。
  157. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ですから、いろんな議論はありますけれども、できるだけ流動性確保と安定した形を作っておくために、更に我々はよく世界の市場を見ながら、経済の状況を見ながら考えていきたいということです。
  158. 櫻井充

    ○櫻井充君 問題点はまだまだいっぱいあるんですが、今回の予算というのは、一体どこに今私が挙げたような問題に対してこたえられるような特徴があるのか、改めて御答弁いただきたいと思います。
  159. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 額賀大臣。  櫻井委員、もう一度質問を。
  160. 櫻井充

    ○櫻井充君 片道です。聞いてない方が悪い、聞いてない方が悪い。
  161. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ちょっと失礼しました。  今年の予算案は、一つは、御承知のとおり、成長力を確保していくということ、あるいはまた、国民の安心、安全を確保するということ、この中には、災害対策だとか医師の確保だとかということもあります。それからまた、教育の問題、さらには雇用の問題、そういったことをきちっとしていかなければならないということ、あるいはまた、都市と地域の格差を解消していくということ、そういうことを考えておるわけであります。  もう一つは、財政再建も目標にして、これは二〇一一年度のプライマリーバランスを達成するためにきちっとしていかなければならないということ等でございます。
  162. 櫻井充

    ○櫻井充君 はっきり言って、医師の確保にしても、それから医療秘書の保険点数のことにしても、余りに中途半端過ぎて結果的には効果が出ないんじゃないのかなと、私はそう思っています。めり張りを付けるんであればもうちょっとちゃんとめり張りを付けていただかないと変わらないんじゃないのかなと、そう思います。  最後に、道路のこと全般についてもう一度総理にお伺いしたいと思います。  総理は、先ほど現実的な提案であればと。これは民主党としてではありません、ただ私個人ではなくて、私の周りの二十人程度の人たちと話をして、一つ考え方としてこういうことではいかがなのかと。例えば、その暫定税率を、もし全額、二兆六千億欠損になると大変であるというのであれば、例えば一兆円程度のまず減額を行うと。そしてその上で、その上で今度は二年間なら二年間の期限を区切り、先ほど総理から御提案のあったような中期計画を見直すとか、一般財源化するとか、その上で計画が出て初めて税率が決まってくるのだから、そこのところで税率の調整をするとか、そういうことをやられるというのも私は一つの選択肢ではないのかなと、そう思いますが、総理、いかがでしょう。
  163. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) もうあと数日でもって四月一日、新年度に入るわけですね。その計画を変えると、すぐ変えるというのは、これはできないですね、物理的にも無理な話ですから。  ですから、まずはこの法案を通していただいて、そしてその上で、その上でそれが現実的である、そういうような御提案、党としての御提案というのであれば協議に応じたいと、こういうことを再三申し上げているわけであります。  前提として、この歳入歳出法案、両方一緒に是非よろしくお願いします。
  164. 櫻井充

    ○櫻井充君 だって、総理は先ほど直嶋委員とのところで提案を、現実的な提案なら受けるという話だったんですよ。今はもう日程的に無理ですというのは、さっき言っているのと違うじゃないですか。
  165. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は終始そういうつもりで、今も答弁申し上げたつもりで言っておったんでありまして、まずはこれ通さなきゃ駄目ですよ。  それで、四月一日って本当あとわずかで予算の組替えしろというんですか。技術的に無理でしょうが、そんなことは。ですから、何にしろ、我々としては、今の法案を実行することによって国民生活に影響を与えない、そして混乱を生じない、地方地方の自治体も混乱しない、こういうことを是非御協力をお願いしたいと、こう思っているところです。
  166. 櫻井充

    ○櫻井充君 総理、それは間違っていますよ。だって、なぜかというと、これは税率を下げることを前提でやっていますけど、だけどそれは税率下げたって税収が落ちるという保証ないんですからね。ここのところは大事なことですよ。  それから、元々、税率は一定であったとしても、税収が落ちるということはあるんですよ。そしたら、税収が落ちたらどうするんですか、これは。補正予算組んだりしているじゃないですか。だから、今の総理の答弁は全然違うと思いますよ。
  167. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 今のお話よく分かりませんけれども、今から一兆円の補正予算でも組めとおっしゃる、そういうことなんですか。(発言する者あり)
  168. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  169. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
  170. 櫻井充

    ○櫻井充君 総理、組替えが必要だというお話をされました。しかし、予定していた税収が入ってこないときも、これ組替えせざるを得ないこともあるわけでしょう。これは、補正予算組んだりしているというのは、そこのところはまさしく年末に、年末というか、年度越えて補正予算するわけで、年度というか、一月とか二月に補正予算組むんでしょう。これは別に暫定税率をいじらないときだってそういうことをしているわけですから、ですから、やり方としては僕はできると思っているんですけど。だから、できない理由にはならないと思いますよ。
  171. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 一兆円でも、これ減額になるわけですよね。その影響は、四月一日から直ちに地方自治体に影響を与えるわけですよ。そういうようなことが混乱だと、こういうふうに申し上げているわけでありますので、ですから、それは、そういう方法を取るということはよろしくないということを私は申し上げているわけであります。  それは、将来それは税収は増えるか減るか、それは分かりませんよ、今から。分かりません。こういうようになるだろうという、そういう可能性が高いということでやっているわけでありますからね。経済計画というのも大体そういうものでありますので。ですから、今からそういう、将来のそういう経済計画上の誤差を前提としたただいまの御質問には、これにはちょっとお答えするのは難しいと、こういうことでございます。
  172. 櫻井充

    ○櫻井充君 総理、これ、参議院予算委員会の冒頭、いい案であれば予算案修正するんだという話をされていましたよね。そうすると、あの時点にいろんな提案があれば修正は可能だったけど、今はもう日程的に無理だということなんですか。
  173. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) いつどういうような状況で修正してもいいというふうに私から申し上げたか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  174. 櫻井充

    ○櫻井充君 たしか、自民党の脇委員が質問に立たれた際に、脇さんは予算案を替えるというのはおかしいと言われたときに、総理はそうでない答弁をされて、私と認識が違いますねというふうに脇先生が言われていたと思いますが。
  175. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) その辺はちょっと、その議事録でも見ないとよく分かりませんからね、正確な答弁できませんから差し控えさせていただきますけれども。  いずれにしても、この歳入歳出法案を通していただいて、年度内に、その上でお話ししましょう。
  176. 櫻井充

    ○櫻井充君 我々は、何回も申し上げますが、ガソリン税で減税をやるということは、これ経済的に大きな意味合いを持つと思っています。  例えば、富山県だと八万一千円の減税になるんですね、一世帯。東京都は二万三千円なんですよ。これ、一般的な所得税減税でやると所得の高い地域の人たちが減税の恩典が強いんですよね。ですから、所得税減税でやると、景気のいい東京の人たちが更に景気が良くなって、所得の低い人たちが多くいる、本当に申し訳ないけど、地域にとっては余りいい政策でないと。  そういう点から考えてくると、こういう減税を行った方が私は経済にとって意味があるんじゃないのかなと、そう思っていますが、いかがですか。
  177. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 先ほど大田大臣からも答弁申し上げたように、ガソリン税を下げるというよりも財政をこの場合は維持した方がいいと、財政規模を、というのが先ほどの大田大臣の答えでありましたけれども、私もそのように思っております。
  178. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は、繰り返し申し上げますが、ガソリン税は減税した方が恐らく国民の皆さんの生活にとっていいと思っています。ですから、我々民主党はこのガソリン暫定税率を引き下げたいと、廃止したいと、そういうふうに思っております。そのためにいろんな手法を使ってくることはこれは至極当然なことであって、それを我々は批判される必要性は全くないんじゃないのかなと。  それから、総理はよくおっしゃるのは、国会の審議は国会がお決めになることであって我々が口出しをすることではないというふうに常々おっしゃっているわけですから、そういう点であれば、これを早く審議しろとか採決しろということは筋違いなのではないのかなと、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  179. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で直嶋正行君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  180. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 次に、渡辺孝男君の質疑を行います。渡辺孝男君。
  181. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  参議院での予算の審議もいよいよ大詰め、締めくくり総括の質疑となりました。早速質問に入らせていただきます。  公明党は環境問題を大変重要視しているわけでございます。そこで、鴨下環境大臣に質問をさせていただきます。  今回の揮発油税等の燃料課税の暫定税率が廃止されると環境への影響、例えばCO2排出量で推測するとどの程度増加すると考えられるのか、お伺いをしたいと思います。
  182. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) 今もう既に自動車の保有がほぼ社会に行き渡っていると、こういうような今日の我が国の状況を考えますと、ガソリン等の価格の低減が一台一台の走行距離の増加をもたらすと、こういうようなことで、価格と走行距離の間で過去のデータをずっとたぐりますと相関がございます。    〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕  そういうような趣旨で、国立環境研究所の試算におきましては、京都議定書第一約束期間のこの五年間の平均で年間約八百万トンの排出量が増加すると、こういうような結果を得ております。
  183. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 今お答えいただきました年間八百万トンのCO2排出量増加というのはなかなか具体的なイメージがわかないんでありますけれども、これは例えばCO2を吸収、固定化する森林に例えればどれくらいそういう森林が日本で失われたことに匹敵するのか、この点を若林農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
  184. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) お答えいたします。  我が国の森林面積は二千五百万ヘクタールございます。これらの樹木の中には五十五億トンの二酸化炭素が言わば蓄えられているというふうに考えていいと思います。これを基に計算しますと、一ヘクタールの森林には約二百二十トンの二酸化炭素が蓄えられていると、こういうことになってまいります。  そこで、八百万トンの二酸化炭素の量は、我が国の森林にこれを当てはめて試算をいたしますと、約四万ヘクタールの森林が蓄えている二酸化炭素量に相当いたします。ちなみに、この四万ヘクタールというのは東京都二十三区の面積の約六割程度、こう考えていただければいいと思います。
  185. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 かなり大きな環境負荷、地球温暖化に対する環境負荷になってくるということが分かるわけであります。  さて、七月に開催される予定の洞爺湖サミットでは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減などが大変重要な課題の一つとなる見込みでありますけれども、その直前にガソリン等の燃料課税の暫定税率が廃止されることになり、例えば、先ほどお答えありましたけれども、CO2排出量の増加になってしまうというような可能性が出てくるということは、やはり洞爺湖サミットの前にそういうことが起こるということは議長国日本にとって、また日本国民にとっても余り好ましいことではないのではないかと、私はそのように思うわけでありますけれども福田総理、その点どのようにお考えでしょうか。
  186. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 御指摘のとおりでございまして、ガソリンなどへの燃料課税は地球温暖化対策上一定の役割を担っていると、こういうふうに考えられまして、広い意味では環境に関連する税制であるというように考えてもよろしいかと思います。  イギリス、フランス、ドイツなどは、日本が今百五十円ぐらいですけれども、二百二十円から二百五十円。イギリスは二百五十円なんですね。そういうようなことでもって、それも環境対応ということで国民の理解を得ながら上げてきているというようなことを考えますと、やはり我が国は欧州のそういう国々と比べ税率が低いという、そういう状況にあるということであります。  そういうような状況を考えますと、ガソリン税などの暫定税率を廃止するということは地球温暖化対策に逆行するというふうに言ってもいいんじゃないかと思います。七月の洞爺湖サミットの議長国としては、正直申しまして余り好ましいことではないような思いがいたしております。
  187. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 福田総理は三月二十四日に、全国の知事会などの地方六団体から租税特別措置法改正案また地方財政関連法案について要請をお受けになったということでありますけれども、私は、そのような要請も踏まえて、総理は昨日、国民生活混乱を避けるという、そういう観点で新提案をされたものと、そのように理解をしているわけであります。  公明党としてはその内容を評価しているところでありますけれども福田総理に、この新提案をされたことについて御所見をお伺いをしたいと思います。
  188. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 去る二十四日に、全国知事会など地方六団体から、道路特定財源暫定税率の維持と、それから関連法案の速やかな成立などを求める緊急声明を受け取りました。地方自治体では、議会が開かれて、そして来年度予算がそれぞれ議決されている中でもって、とりわけ暫定税率の継続を含む税制関連法案参議院審議が一向に進展しない現状に強い憂慮とそれから危機感を抱かれていると、こういう表れでないかと思っております。  国、地方合わせて二・六兆円の歳入欠陥が生じますので、国だけでなくて地方予算執行にも深刻な影響を与えます。この点については、既に多くの地方自治体で暫定税率維持を前提とした来年度予算が議決されておりまして、地方行政の混乱への懸念をそのときにお聞きしたわけでございます。  私としては、この緊急声明を重く受け止めて、そして国民生活混乱を回避し、地方財政への重大な影響を招かないためにも、参議院での関連法案の審議が速やかに開始されることを強く希望いたします。昨日、道路特定財源に対する新しい提案をお示ししたのもそのためでございます。  残された時間はわずかでございますが、一日も早く年度内にこれらの法案の成立がいただけますように、最後まであきらめずに、引き続き全力を傾注してまいりたいと思っております。
  189. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 先ほども述べましたとおり、公明党としては新提案を評価をしておるところでございます。  昨年末の与党税制改正大綱にも、実は税制抜本改革のときに、自動車関係諸税の簡素化について、また暫定税率も含めて検討すると、そういう項目が入っておるわけでありまして、昨日の提案はこの延長線上にあるものではないかと我が党は考えておりまして、そういう意味でも評価をしているところであります。  とにかく国民生活混乱を避ける、また地方のやはり新年度の事業をスムーズに行うということも考えまして、また、様々な今、経済関係、いろいろな課題が山積しているわけでありまして、こういう状況を考えますと、やはり本予算案、そしてまたそれと関連する歳入法案年度内にきちんと成立することが大事であると、そのように公明党として考えておりまして、公明党も一生懸命その成立に努力をしていきたいと、そういう思いでございます。  以上で質問を終わります。
  190. 伊達忠一

    ○理事(伊達忠一君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  191. 伊達忠一

    ○理事(伊達忠一君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
  192. 小池晃

    小池晃君 日本共産党小池晃です。  総理の昨日の道路特定財源の問題についての記者会見についてお伺いします。  総理道路特定財源制度の廃止とおっしゃいましたが、これは道路特定財源の全額を一般財源化するという意味でしょうか。総理
  193. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 昨日お示しした新たな考え方では、道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し二十一年度から一般財源化と明記しております。また、一般財源としての使途の在り方は与野党協議会協議、決定としたところであります。ですから、野党におかれましても、与野党協議の中で建設的な提案をいただくように期待いたしております。  現行の課税の趣旨から考えますと、納税者たる自動車ユーザーの理解をいただくことも必要となりますけれども、新エネルギー開発、地球温暖化対策、救急医療体制の整備など、様々な政策に使えるようにすべきというようにも考えておりまして、いずれにしても、特定財源制度を廃止し、課税の趣旨を含め、税制抜本改正の中で整理すべき課題と認識いたしております。    〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
  194. 小池晃

    小池晃君 ちゃんと答えてくださいよ。私、全額一般財源化という意味ですかと聞いているんです。総理は、記者会見で一回、全額一般財源化視野に入れてやるっておっしゃったんですよ。これは、だから昨日の表明は全額一般財源化ということなんですねと、特定財源の廃止というのは。
  195. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 視野に入れてというようには言ってないですよ。どこでそういうふうにお聞きになった……
  196. 小池晃

    小池晃君 昨日じゃないですよ、十九日。それは十九日。
  197. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 十九日というのは、ああ、大分前の話ね。分かりました。そういうことは言っていません。
  198. 小池晃

    小池晃君 答えてください。全額一般財源化なんですね、じゃ、昨日おっしゃったのは。
  199. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) そのつもりで発表しているつもりでございます。
  200. 小池晃

    小池晃君 私たちは、道路特定財源が際限なく道路建設を進める自動装置になってきたという問題点を指摘をし、一般財源にすることを提案してまいりました。世論も七割が一般財源を支持して、ようやく総理一般財源化とおっしゃった。  これは、特定財源制度にはこれ以上国民の理解を得られないというふうに判断されたということですか。
  201. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) それは、この予算委員会衆議院予算委員会ございました、参議院の方でもございましたけれども、そういう野党の皆様方の御指摘を謙虚にお聞きして、そして総合的に判断したことでございます。
  202. 小池晃

    小池晃君 国民のこれだけの世論の前にやはり一般財源化というふうにせざるを得なくなったと。  この道路特定財源維持する根拠として道路中期計画というのがございました。これは、ほかの公共投資計画は全部総額方式やめたけれども道路だけは総額先にありきでやってきた、道路中期計画一般財源化するのであれば、この道路中期計画はそもそも必要がなくなるはずであります。それなのに、昨日の提案ではなぜか道路中期計画は五年として新たに作成と。今までも五年の計画だったわけですから、今までと同じということになる。なぜ五年なんですか。一般財源化というのであれば、当然中期計画は白紙撤回とすべきじゃないですか。
  203. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 道路中期計画の素案では、道路整備やその効果の発揮には通常相当期間を要する、これはそういう御理解をいただけると思いますけれども、今後十年間で取り組むべき目標を明らかにしたものでございます。  国会の審議の中では、人口減少社会への突入といったような将来を見通すことはますます困難になる、こういうような時代の中で従来の五年の計画期間を十年とすることはいかがなものかという、こういう御指摘もあったことを踏まえまして、昨日は、この新しい考え方では、秋までには人口動態についても最新のデータを活用して交通需要推計を行い、これを踏まえて計画期間を五年とした新たな整備計画を作成すると、こういうことにいたしたわけであります。  中身については、これは与野党協議機関を設置して、その場で協議してまいりたいと思っております。
  204. 小池晃

    小池晃君 道路を造る計画を作ること自体私は否定しませんが、総額方式の公共事業計画というのはほかにないはずです。道路だけが残っているわけです。十年を五年にしろという議論をしたんじゃないんです。そういう総額先にありきの計画が際限なく道路を造る仕組みをつくってきたんだから、これをやめるべきだと言ってきたのに、なぜ白紙撤回じゃないんですか。なぜ五年なんですか。今までと変わりないじゃないですか。
  205. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) それは、計画を作るためにはいろいろなデータを使いますよ。その場合に、従来の中期計画のその数字は違ったとしても、同じようなデータを使うということはあり得るわけですね。それは、ですから、昨日申したのは、最新の必要なデータを活用して、そして交通需要推計を行うと、そういうことを申し上げておるわけであります。
  206. 小池晃

    小池晃君 それだったら際限なく道路を造る仕組み変わらないじゃないかと言っているんですよ。結局、数字をちょっと変える、十年を五年に短くする、五年間際限なく道路を造る仕組みつくるだけの話じゃない。一般財源化するんだったら、総額先にありきの計画というのはもうやめるとすべきじゃないかと言っているんです。
  207. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 道路計画道路計画ですよ、五年間。しかし、実際に予算の上で翌年どれだけをするかというのは、これはそのときに本当に必要な道路をどこをどう整備するかというのは毎年考えて作るわけですね、実行計画は。ですから、その五年計画道路整備の全体像を明らかにするという意味においては必要なんだというように思います。  しかし、実際には予算策定のときに毎年実行計画を作っていくと、こういうことで、従来もそれはそういう考え方を基本にしておると思っております。
  208. 小池晃

    小池晃君 だから、結局従来どおりになるんじゃないですか。総額先にありきの中期計画残せば、際限なく道路を造る仕組み残ってしまうわけですよ。結局そういう仕組み残したいんじゃないかというふうに言わざるを得ない。  しかも、一般財源化が必要だと言いながらなぜ再来年なんですか。来年度から直ちに一般財源化すればいいじゃないですか。──いや、総理総理が言ったことですから、これは。総理、答えてください。
  209. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 二十年度から一般財源化しろと、こういう御意見ですか。
  210. 小池晃

    小池晃君 当然です。
  211. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) それは、一般財源化もしております。しかし、それを拡大しろという、そういうことですか、それとも全部をそうしなさいという話なんですか。
  212. 小池晃

    小池晃君 全額ですよ、全額。
  213. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) そうしますと、暫定税率根拠は失われるということにもつながりますよね。  ですから、それはその分減額しなさいと、こういうお話をされているんでしょうか。もしそういうことであるならば、二・六兆円の財源が不足するわけですね。そうですね。その結果生ずることは、国民の混乱地方自治体の財政の困難といったようなことを直ちに生ずるわけですからね。実際、そういうような危惧というのは非常に日本全国広がっておりますので、そういうことは私どもは避けなければいけないという考え方であります。  ですから、この二十年度歳入歳出法案については年度内に是非成立させて、そして国民生活に影響を与えないようにしたいと、こういう考え方でございます。よろしくお願いします。
  214. 小池晃

    小池晃君 混乱する混乱すると言うけど、土壇場でこういう提案をしてきたのはだれですか。総理じゃないですか、こんなぎりぎりになって。提案してきた以上、それは責任取るのは政府与党の仕事じゃないですか。  一方で一般財源化だと言いながら十年間特定財源続ける法案通してくださいって、どう考えたって矛盾しているでしょう。おかしいじゃないですか。年内に法律通しなさいと言うけれども、一方で十年間続けなさいという法律通しなさいと言いながら来年からやめましょうって、こんな無責任提案ないじゃないですか。だから、もしやるというのであれば直ちにやる、その責任政府与党でしっかり取る、これが筋じゃないですか。
  215. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 委員の御意見の方が混乱をさせるもとだというように私は思います。  混乱をさせないためにこの法案を期限内に上げていただくということが必要だということは再三申し上げておるわけでございます。
  216. 小池晃

    小池晃君 これは国民は望んでいるんですよ、暫定税率の廃止も一般財源化も。世論調査では六割、七割と望んでいる。国民の望んでいることにこたえるのが政治の責任じゃないですか。もしいろんな問題が生じるのであれば、それを解決するのは与党責任政府与党責任じゃないですか。  私、混乱する混乱すると言うけれども、結局、道路中期計画という枠組みは維持したい、こういう無駄な道路建設、際限なく道路造る仕組みを維持するってやっているから財源なくなるということになるんですよ。これをやめれば財源の問題だって解決する。  私たちは、まさに来年度から道路特定財源一般財源化をする、課税根拠が失われるのだから暫定税率はなくす、そしてその根拠になっている道路中期計画はこれは撤廃をする。暫定税率なくし、私たちは二酸化炭素の排出量に考慮した環境税の検討というのを進めるべきだというふうに考えておりますけれども、こういう形で、一方で十年間維持する法律を通してくださいと言いながら今年中にやめてしまうという非常に無責任提案は撤回すべきだと。これは、そもそもこの十年間維持する法案そのものを撤回する、このことこそ国民に対する私は責任ある態度だというふうに思います。  そのことを指摘して、私の質問を終わります。
  217. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  218. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
  219. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  まず、総理は二月二十六日の衆議院予算委員会で、社会保障費の抑制には限界がある旨の発言をされました。骨太方針二〇〇六では五年間、二千二百億円ずつ社会保障費のカットを言っております。総理は政策転換をされるんですか。
  220. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 我が国の財政状況を見ますと、これは本格的な人口減少社会が到来するという中で、次世代に負担を先送りするということがないように、二〇一一年度に国、地方基礎的財政収支の黒字化を確実に達成するというようなことを引き続いて考えておりまして、歳出全般にわたる抑制努力を行っていることは、これは変わらない考え方です。  特に社会保障については、高齢化の進展などがございまして経済の伸びを上回って増大していくことが見込まれておりますので、これまでも歳出抑制努力を行いつつも、他の分野と違いまして毎年度予算額は増えているんですよ、それでも。そういうような状況の中で、必要な予算は一生懸命確保に努めてまいったわけでございます。  社会保障の国民の暮らしを支えるセーフティーネットとしての役割の重要性、これは十分認識しておりまして、こうした認識に立って、その持続可能性を確保していくために、給付の合理化、効率化にも引き続き取り組んでいく必要があると考えております。
  221. 福島みずほ

    福島みずほ君 舛添厚生労働大臣は、二千二百億円のカットをもうできないというふうに言っています。総理、政策転換をすべきではないですか。
  222. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 正確に申し上げますと、そろそろ限界を感じているということを申し上げておりまして、もちろん、いろんな合理化、抑制の努力は政府全体としてやっていかないといけない。そういう中で、今年も二千二百億円の捻出を何とかやりましたけれども、そういう中での非常な限界を感じているということを申し上げました。  これは政府全体として、社会保障費は、今総理がおっしゃいましたように、前年比三%増を確保しましたし、診療報酬も上げました。様々な努力も今後とも続けながら、国民の命を守っていくと、この政策課題に取り組んでまいりたいと思います。
  223. 福島みずほ

    福島みずほ君 厚生労働大臣総理も限界があると言っている。でも、ひどい政府ですよ。これから五年間、二千二百億円、社会保障費のカットをやると言っているわけだから。  総理道路特定財源のお金の使い道と比べて、社会保障費、形式的に二千二百億円カットすることの政策転換をすべきだと考えますが、改めていかがですか。
  224. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これから社会保障費は増えていくでしょう。その財源をいかにして確保していくかということは大変大事なことでございます。そういう観点からしても、今回、暫定税率を廃止して二・六兆円が財源からなくなってしまうというようなことは困るのでありまして、是非、暫定税率維持に、平成二十年度は維持で御協力を願いたい、早く法案通していただきたいと思います。
  225. 福島みずほ

    福島みずほ君 私の質問とずれていると思いますが、社会保障費のカットに関して閣議決定をした骨太方針は撤回すべきではないかとお聞きしたんです。
  226. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 何度も繰り返しますけれども、やはり日本の財政を、これを健全化するということもとても大事なことでしょう。社会保障の水準を維持すると、こういうことも、これも大事ですよ。ですから、両方を達成するということにおいて、社会保障の在り方、その負担の在り方、これはいろいろな角度から議論していかなければいけない。そういう意味でただいま社会保障の国民会議開いておりますので、その場でもって方向性を見定めてもらいたいと考えておるところでございます。
  227. 福島みずほ

    福島みずほ君 道路特定財源のこんなお金の使い道をして、これから五年間、二千二百億円形式的に社会保障費のカットをやることを維持するという政府は、国民の生活を見ていないと断言をせざるを得ません。  昨日の総理記者会見についてお聞きをします。  閣議決定を経なかった理由は何でしょうか。
  228. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは政府の方針ですから、政府の方針と申しますのは、私の考え方を中心にして政府の方針としたいと、こう考えておるところでございます。
  229. 福島みずほ

    福島みずほ君 事前閣議決定を経なかった理由は何ですか。
  230. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 閣議決定しなくても政府の方針として総理大臣が方針を出すということは、これはよくあることでございます。そして、それを実行する上でもって必要に応じて閣議決定をするということはございますけれども、それはそういう段階でいずれすることになると思います。
  231. 福島みずほ

    福島みずほ君 いずれっていつですか。
  232. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私、昨日申し上げたのは、野党皆さんとも協議をしたいということを申しておりますので、その後で閣議決定をするということは当然考えることでございまして、それは必要なときに必要な状況の中で行うということでございまして、今それを明言することはできません。
  233. 福島みずほ

    福島みずほ君 二十一年度から一般財源化すると決定をされた理由は何ですか。
  234. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 二十年度はこれは無理だということです。現実的に無理であるというように考えまして、二十一年度からするというように申し上げました。
  235. 福島みずほ

    福島みずほ君 一般財源化に切り替えた理由は何ですか。
  236. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは、これまで様々な議論ございました。私は野党の皆様方の御意見によく耳を澄ませて、そしてお聞きした上で総合的に判断したものでございます。
  237. 福島みずほ

    福島みずほ君 総合的とはどういうことですか。
  238. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 全体を見てということです。
  239. 福島みずほ

    福島みずほ君 冬柴大臣、これでよろしいんですね。
  240. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 総理大臣が申されているとおりでございます。
  241. 福島みずほ

    福島みずほ君 来年度から一般財源化ということは、今まで冬柴大臣がおっしゃっていたことと合致していますか。
  242. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 総理大臣はそのようには申しておられません。  この道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し二十一年度から一般財源化と、こうおっしゃっているわけでございます。これは一対でございます。
  243. 福島みずほ

    福島みずほ君 二十一年度から一般財源化ということはこの委員会冬柴大臣がおっしゃっていたことと合致しますか。これでいいんですか。
  244. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) それは合致しません。  しかしながら、こういうふうに総理がおっしゃったとおりの条件が整ったときには、私は内閣の一員でございますから、しかもこういうことで与野党合意をし、そして衆参の両院議長がおっしゃったように、議員提案修正法案が通れば、それはそれに従うのは当たり前の話でございます。
  245. 福島みずほ

    福島みずほ君 暫定税率の廃止について、現時点における総理考え方はどうでしょうか。(発言する者あり)いや、ちゃんと言いましたよ。
  246. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) どなたへの質問ですか。
  247. 福島みずほ

    福島みずほ君 総理に、暫定税率についての総理考え方はどうですかと質問いたしました。どういうふうに考えているか。(発言する者あり)はい、そうです。──いや、それは総理に、いや、済みません、総理、ごめん、総理にお願いします。だって、総理が昨日記者会見でおっしゃったわけで、この委員会重要ですから。
  248. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 二十年度暫定税率でお願いすることになっておりますよ、それは。そして、二十一年度から暫定税率も含めた税率、これは環境問題への国際的な取組、地方道路整備必要性、国・地方の厳しい財政状況を踏まえて検討すると、こういうことになっております。これは、税制抜本改革時に決めていただきたいと、こう思っておるわけであります。
  249. 福島みずほ

    福島みずほ君 暫定税率について、今総理はどうお考えですか。五年以内に廃止するという考え方なんですか、どうなんですか。
  250. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ですから、暫定税率は二十一年度から廃止すると、こういうことを言っているわけなんですけれども
  251. 福島みずほ

    福島みずほ君 分かりました。二十一年度から暫定税率を廃止するのであれば、社民党は一般財源化にも賛成、暫定税率は四月一日から下げるべきだと考えますが、二十一年度から暫定税率廃止ということを重く受け止めます。
  252. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ただいま私、勘違いしまして、こう言い換えます。いいですか。道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止して二十一年度から一般財源化すると、こういうことであります。  だから暫定税率……
  253. 福島みずほ

    福島みずほ君 暫定税率についての総理のお考えを聞いたと思ったんですが。
  254. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) だから、暫定税率分を含めた、これ暫定税率、二十年度暫定税率は維持するんですよ、これは。そして、暫定税率分を含めた税率というのは、先ほど申しましたいろいろな環境問題とか様々な理由、そういうものを勘案して検討すると、こういうことであります。
  255. 福島みずほ

    福島みずほ君 野党暫定税率廃止がほとんどです。社民党もそうです。総理のおっしゃる暫定税率考え方では私たちにとって全くゼロ回答ですが、いかがですか。
  256. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ですから、平成二十年度の話をしているんですか、それともその先の話をしているんですか。
  257. 福島みずほ

    福島みずほ君 先の話です。
  258. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) だから、暫定税率分を含む税率については税制抜本改革時に決めていただくと、こういうことを申し上げているんです。
  259. 福島みずほ

    福島みずほ君 二十一年度に廃止すると言い、あるいは、全くそれは先送り、まだ分からないという話であれば、私たちにとっては理解が不可能です。  今日総理は、この委員会法案を早く上げていただきたいと言いました。法案は、十年間暫定税率を維持する、一般財源化は基本的に織り込んでいません。総理の本心を教えてください。法案を上げてほしいということと昨日の記者会見は明確に矛盾しています。──いや、総理
  260. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ですから、何度も申し上げていることなんです。まあ、一部ちょっと言い間違いありましたけどね。さっきから申し上げているのは、特定財源制度というものは、これは二十一年度から一般財源化すると、こういうふうに言っている。これはいいですね。暫定税率、二十年度暫定税率ございます。そして、この暫定税率分も含めた税率、要するに税率そのものを抜本税制改革時に考えていただくと、こういうことですよ。  それは、いろいろな税あるでしょう。今、社会保障国民会議やっておりますよ。だから、消費税をすぐ上げるとか、そういったような話をしているわけじゃありませんよ。消費税上げるというのは、これはいつ上げるかということはその社会保障国民会議の議論であるかもしれぬし、そしてまた同時に、税制抜本改革時の議論であるかもしれぬし、また年金の公的部分の引上げというようなこともございますからね、そういうことも含めて全般について、どういう税体系がいいのかということは税制抜本改革時に考えていただくことなんですよ。  そのときに、環境の問題とか、それから地方道路整備とか、それから地方、国の財政状況とか、いろんなことを勘案して税率は決まってくるものだと、こういうことでありますから、そこで、その場で決まるということでありますから、暫定税率そのものを維持するとかしないとかそういうことではなくて、暫定税率税率を含めた税率をどうするかというのは、ほかのいろんな要素を含めて考えるべき問題だと考えております。
  261. 福島みずほ

    福島みずほ君 総理は、法案を上げてくれと言いながら、それと違うことを昨日の記者会見でおっしゃっている。暫定税率についてはゼロ回答、一般財源化の道を打ち出しながら、極めて残念で、支離滅裂だと言わざるを得ません。  次に、全国の道造りに熱心な女性団体が一堂に会するイベントが本年一月二十六日に六本木ヒルズで行われました。二百五十万円、借りるのにはお金が掛かっていると聞きました。ヒルズに問い合わせました。これは全国みちづくり女性団体交流会議です。ここに近畿元気・女性が語るみちづくり・地域づくりフォーラムの肩書で参加しているAさんは、阪神国道事務所と契約しているコンサルタント社員であり、かつ女性による道造り活動の促進を随意契約で受注している業者です。国が契約した業者が、税金で女性団体の立場で発言できるのでしょうか。
  262. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 個人の立場でこういう会議に参加されるかどうかというのはいろいろ議論があると思いますが、全国みちづくり女性団体交流会議の問い合わせ先に確認しましたところ、この方については、会議のプログラムの一つであるトークセッションに登壇された事実はないというふうに聞いております。
  263. 福島みずほ

    福島みずほ君 平成十七年九月の契約書には、全国で展開されている女性のみちづくりに関する活動と連携し、女性モニター活動の組織的な活動を参加者自らが行い、市民団体やNPOの立ち上げに向けた全体会議の企画検討及び実施をすることになっています。  全体会議をやっているんですが、ワークショップでは何とリハーサルをするとなっています。NGOでリハーサルをやるところなどありません。このコンサルタントと、総額幾らの金額を払っているんでしょうか。
  264. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 今おっしゃいました女性モニターが先進事例を学習するための経費につきましては、金額は五年間で合計八百万でございます。
  265. 福島みずほ

    福島みずほ君 契約書がありますけれども、この金額は違いますし、事前のレクでは一億円というふうに答えていました。つまり、女性団体の立ち上げも含めた契約書をやり、その人間、コンサルタント会社自身の社員が、自分が自ら運動をやる。道フォーラムの契約書や全部シナリオを手に入れました。国土交通省がシナリオを書いているんですよ。本当にシナリオを書いている。ここでささやく、お茶を出す、ここでこういうふうに意見を言わせるというふうにやっている。こういうことにお金を使うことそのものが国土交通省自身がお金をコンサルタント会社などに払い、そこで運動をやらせているということで、許せないということを申し上げ、私の質問を終わります。
  266. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  267. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) この際、先ほどの直嶋正行君の質疑に関し、福田内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田内閣総理大臣
  268. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 先ほど直嶋議員の質疑の中で、社会資本整備事業特会の道路整備勘定をなくすという理解をしてよろしいかと、こういう質問に対しまして、私からそのとおりでございますと答弁いたしました。  これは特定財源をなくすという、そういう趣旨と受け止めたのでありますけれども、特会の勘定については一般財源化によりまして自然になくなるものではございません。訂正をさせていただきます。
  269. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) これにて締めくくり質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、平成二十年度予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  270. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) それでは、これより討論に入ります。  討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。大久保潔重君。
  271. 大久保潔重

    大久保潔重君 民主党・新緑風会・国民新日本大久保潔重でございます。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました平成二十年度予算三案に対し、反対の立場から討論をいたします。  福田内閣が発足して約半年が経過しました。この間、参議院野党が過半数を占めるねじれ国会への対応に苦しまれ、日銀総裁人事でも迷走を余儀なくされ、内閣支持率は下げ止まらない状況であります。中国製冷凍ギョーザの中毒事件では、日中外交に影を落としましたし、小泉、安倍政権の負の遺産というべき地域や所得の格差は広がるばかりか、実体経済での明るい兆しがありません。  当予算委員会は、少子高齢化に伴う本格的な人口構造の変化に対応し、今後の国の在り方をどうするかという大事な審議の場であると私は認識しております。  しかし、海上自衛隊のイージス艦の衝突事故問題、道路特定財源問題、年金記録漏れ問題など、総理始め所管の大臣の詭弁というべき答弁に終始されたことを非常に残念に思いますし、著しく我が国の政治に対する信頼を失っていることを懸念しております。  増税という安易に国民に負担を押し付けるのではなく、プライマリーバランスをどうやって黒字化するか。税金の無駄遣いを徹底的に排し、政治の仕組みを変えることによって必要な財源を確保する。そして、今国民生活に必要な、例えば農林水産業、教育、医療や福祉などの社会保障などにきちっと予算の配分がなされているかとの観点から、以下、本予算に反対の理由を申し上げます。  政府の本予算における新規国債発行額の減額の実態は、政管健保に対する国庫負担約一千億円を健保組合や共済組合に負担転嫁したり、地方交付税特別会計の借入金返済一・二兆円を先送りして、一般会計から交付税特会への繰入れを圧縮した結果の単なる数字の帳じり合わせであり、不透明極まりない会計手法であると言えます。  政府の財政再建に向けた目標は、経済成長戦略による税収増をてことしておりますが、昨年末の閣議了解された経済見通しで名目成長率が大幅に下方修正されたことをかんがみるに、極めて楽観的な見通しが前提となっております。  また、先進国中最悪の財政赤字で、赤字国債が異常とも言えるスピードで拡大していることは、見合いとなる資産がない点で、将来世代に大きな負担だけを残すものと言え、根本的な予算の組替えが必要と考えます。  本予算案は、社会保障費の自然増二千二百億円を抑制し、医療、介護、障害者福祉などを切り捨てる内容であります。後期高齢者においても、一方的に負担を押し付け、必要な医療を制限しており、また昨今の医師不足や地域医療の崩壊に何ら有効な対策がなされておりません。  次に、道路問題ですが、中期計画五十九兆円の積算根拠があいまいな上、意味不明な道路事業や随意契約の多さ、血税の無駄遣いなどが次々に明らかになりました。それでもなお国民に暫定税率十年延長の負担を掛け続ける政策に、正直あきれております。特別会計を改め、無駄な事業を見直し、国民生活の負担を軽くして、流通コストを低くする政策に転換する必要があります。  社会保障や環境、教育問題など喫緊の課題が山積する中、なぜ道路だけが特別会計なのか。道路特定財源で国が地方をコントロールする、あるいは道路官僚や道路族の権益のために国民に負担を掛ける仕組みを即刻改めるべきと考えます。  最後に、福田総理、私は長崎県の出身であります。長崎県は日本の最西端に位置し、離島、半島を多く抱えております。しかし、いにしえの時代から中国大陸や朝鮮半島の文化がまず長崎県の対馬、壱岐と入ってまいりました。魏志倭人伝の中にも、対馬国、一支国とはっきり明示をされております。また、遣唐使の時代にあっては、五島列島の三井楽から最後の船出をしていきました。また、元寇、蒙古襲来の折には、大変な我が県犠牲を被りましたけれども、そういう我が長崎県の離島、半島地域が防波堤になってこの国土を守ったというような歴史もございます。  このように、何百年も何千年も前から人がそこに住んで、そしてあるときは国土を管理し、またあるときは国境線を監視してきたこれらの地域が、わずかこの数年間で本当に人口が減少をして、地域経済が疲弊をし、そして、もう島では暮らせない、こういうふうな状況になっています、わずかこの数年間で。  また、先日私は、この国会の近くのあるコンビニエンスストアの横、ごみ箱を開けて、そして捨てられた弁当箱を探してそれをすすっている人を見たときには、本当にこれが日本なのかと目を疑いました。  政治の責任は本当に大きいものがあります。是非、地方そして国民生活をしっかりと光を当て、手を差し伸べる政治の実現を主張しまして、反対討論を終わります。(拍手)
  272. 鴻池祥肇

  273. 山口那津男

    山口那津男君 公明党の山口那津男です。  私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して、ただいま議題となっております平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算、以上三案につきまして、賛成の討論を行うものであります。  今、我が国内外の情勢が大きく変化する中で、国会に求められる役割は、将来の日本の姿を見据え、国民の目線に立って不断の改革を進め、行政をリードする意思決定を果断に下すことであります。  福田総理は、さきの所信表明演説で、自らの内閣の使命は、国民の活力を引き出し、国民が活躍する舞台を用意することであり、将来の不安をなくす仕組みをつくり、だれもが成長を実感できるような経済社会を構築することであるとの意思を示されました。  本予算案は、そのような福田内閣の基本姿勢にのっとり、財政健全化路線を堅持しつつ、国民や社会のニーズに的確にこたえるものとなっており、一日も早い成立を望むものであります。  以下、賛成する主な理由を申し上げます。  その第一は、本予算案が生活の安全、安心、地域の活性化、成長力の強化、環境立国戦略、教育再生などの重要な政策課題にしっかりとこたえている点であります。  具体的には、医師確保、救急医療対策や学校、住宅等の耐震化などの安全・安心施策、税源偏在是正措置や事業承継円滑化、農商工連携などの地域活性化への取組、再生医療や次世代スーパーコンピューターなど科学技術振興費増額による成長力強化策、温室効果ガス排出枠取得費増などの環境対策、学校支援地域本部事業などの教育再生策等々、生活者や地域にきめ細かく配慮されたものとなっております。  賛成理由の第二は、全体として財政健全化路線を堅持し、歳出改革に対する政府の強い姿勢が示されている点であります。  政府与党は、二〇一一年度における国、地方基礎的財政収支の黒字化という財政健全化目標を掲げて、継続して改革に取り組んでおります。今回の予算編成では、税収の伸びが小幅にとどまるなど容易ならざる環境の中、基本方針二〇〇六等に示された歳出見直しの内容を着実に実現させました。そして、新規国債発行額は四年連続の減額、公債依存度は平成十年来の低水準にまで回復させています。さらに、財政投融資特別会計の金利変動準備金から約十兆円を国債の償還に充てることにより国債残高を縮小させ、財政再建に向けた政府の力強い意思を示しております。  賛成理由の第三は、政府が徹底した無駄の削減を進めていることであります。  行政の無駄や非効率を放置したままでは国民の信頼を得ることはできません。中でも、これまでの見直しが十分でないとの指摘を受けた随意契約について、福田総理の指導の下、適正化、透明化に向け徹底した見直しを行っているところであり、平成二十年度予算案においてもこうした取組を反映し、四百億円に上る削減を実現しております。また、独立行政法人改革を踏まえ、独立行政法人向け財政支出については約千六百億円の削減を実現するとともに、特別会計の歳出を徹底して見直しております。  以上が本予算案に賛成する理由であります。  本委員会における審議は、二月二十九日、衆議院から送付を受け、さきの両院議長あっせんに係る与野党合意の趣旨にのっとり、十分な審議時間を確保すべく開会が準備されました。それにもかかわらず、三月十三日まで審議入りができなかったことは誠に遺憾なことであります。大幅に遅れたとはいえ、その後、委員各位の努力によって、基本的質疑、二回の集中審議、公聴会、委嘱審査等を経て採決のときを迎えたことは喜ばしいことであり、辛うじて予算の自然成立を回避し、参議院の存在感を示したものと言えます。  しかしながら、予算年度内に成立しても、関連する歳入法案が成立しなければ予算を執行することはできません。いまだに歳入法案年度内成立の見通しが付いていないことは極めて残念なことであります。  これまで、参議院与党が過半数を占めていないときは幾度もありました。しかし、歳入法案国民生活に密接にかかわることから、年度内に成立させてきているのです。昭和五十年以降、年度内に本予算が成立せず暫定予算を組んだときでさえ、歳入法案年度内に成立しなかったときは一度もありません。年度内予算が成立しなくても歳入法案は成立させるというのは、国会の慣例と言っても過言ではありません。まして、この度、予算年度内成立の見込みが立ったにもかかわらず、歳入法案の見込みが立たないというのは異例中の異例と言わざるを得ません。  参議院の運営の主導権は第一党である民主党にあります。民主党自ら提出している歳入法案の対案も含めて、年度内にきちんと判断を示すことが国民に対する責任であると確信いたします。  このことをあえて付言いたしまして、平成二十年度予算案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
  274. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  平成二十年度一般会計予算平成二十年度特別会計予算平成二十年度政府関係機関予算、以上三案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  275. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 少数と認めます。よって、平成二十年度予算三案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  276. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十五分散会