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山口那津男君 公明党の
山口那津男です。
私は、自由
民主党・無所属の会及び公明党を代表して、ただいま議題となっております
平成二十
年度一般会計予算、同
特別会計予算、同
政府関係機関予算、以上三案につきまして、賛成の討論を行うものであります。
今、我が国内外の情勢が大きく変化する中で、
国会に求められる役割は、将来の
日本の姿を見据え、国民の目線に立って不断の改革を進め、行政をリードする
意思決定を果断に下すことであります。
福田総理は、さきの所信表明演説で、自らの
内閣の使命は、国民の活力を引き出し、国民が活躍する舞台を用意することであり、将来の不安をなくす仕組みをつくり、だれもが成長を実感できるような経済社会を構築することであるとの
意思を示されました。
本
予算案は、そのような
福田内閣の基本姿勢にのっとり、財政健全化路線を堅持しつつ、国民や社会のニーズに的確にこたえるものとなっており、一日も早い成立を望むものであります。
以下、賛成する主な理由を申し上げます。
その第一は、本
予算案が生活の安全、安心、地域の活性化、成長力の強化、環境立国戦略、教育再生などの重要な政策課題にしっかりとこたえている点であります。
具体的には、医師確保、救急医療
対策や学校、住宅等の耐震化などの安全・安心施策、税源偏在是正措置や事業承継円滑化、農商工連携などの地域活性化への取組、再生医療や次世代スーパーコンピューターなど科学技術振興費増額による成長力強化策、温室効果ガス排出枠取得費増などの環境
対策、学校支援地域本部事業などの教育再生策等々、生活者や地域にきめ細かく配慮されたものとなっております。
賛成理由の第二は、全体として財政健全化路線を堅持し、歳出改革に対する
政府の強い姿勢が示されている点であります。
政府・
与党は、二〇一一
年度における国、
地方の
基礎的財政収支の黒字化という財政健全化目標を掲げて、継続して改革に取り組んでおります。今回の
予算編成では、税収の伸びが小幅にとどまるなど容易ならざる環境の中、基本方針二〇〇六等に示された歳出見直しの
内容を着実に実現させました。そして、新規国債発行額は四年連続の減額、公債依存度は
平成十年来の低水準にまで回復させています。さらに、財政投融資特別会計の金利変動準備金から約十兆円を国債の償還に充てることにより国債残高を縮小させ、財政再建に向けた
政府の力強い
意思を示しております。
賛成理由の第三は、
政府が徹底した無駄の削減を進めていることであります。
行政の無駄や非効率を放置したままでは国民の信頼を得ることはできません。中でも、これまでの見直しが十分でないとの指摘を受けた随意契約について、
福田総理の指導の下、適正化、透明化に向け徹底した見直しを行っているところであり、
平成二十
年度予算案においてもこうした取組を反映し、四百億円に上る削減を実現しております。また、独立行政法人改革を踏まえ、独立行政法人向け財政支出については約千六百億円の削減を実現するとともに、特別会計の歳出を徹底して見直しております。
以上が本
予算案に賛成する理由であります。
本
委員会における審議は、二月二十九日、
衆議院から
送付を受け、さきの
両院議長あっせんに係る
与野党合意の趣旨にのっとり、十分な審議時間を確保すべく開会が準備されました。それにもかかわらず、三月十三日まで審議入りができなかったことは誠に遺憾なことであります。大幅に遅れたとはいえ、その後、
委員各位の努力によって、基本的質疑、二回の集中審議、公聴会、委嘱
審査等を経て採決のときを迎えたことは喜ばしいことであり、辛うじて
予算の自然成立を回避し、
参議院の存在感を示したものと言えます。
しかしながら、
予算は
年度内に成立しても、関連する
歳入法案が成立しなければ
予算を執行することはできません。いまだに
歳入法案の
年度内成立の見通しが付いていないことは極めて残念なことであります。
これまで、
参議院で
与党が過半数を占めていないときは幾度もありました。しかし、
歳入法案は
国民生活に密接にかかわることから、
年度内に成立させてきているのです。昭和五十年以降、
年度内に本
予算が成立せず
暫定予算を組んだときでさえ、
歳入法案が
年度内に成立しなかったときは一度もありません。
年度内に
予算が成立しなくても
歳入法案は成立させるというのは、
国会の慣例と言っても過言ではありません。まして、この度、
予算の
年度内成立の見込みが立ったにもかかわらず、
歳入法案の見込みが立たないというのは異例中の異例と言わざるを得ません。
参議院の運営の主導権は第一党である
民主党にあります。
民主党自ら
提出している
歳入法案の対案も含めて、
年度内にきちんと判断を示すことが国民に対する
責任であると確信いたします。
このことをあえて付言いたしまして、
平成二十
年度予算案に対する賛成討論を終わります。(拍手)