○近藤正道君 最後です。社民党・護憲連合の近藤正道です。
最初に、
委員会の冒頭、質問がありました
死刑執行について
大臣にお尋ねをします。
四月の十日、
鳩山大臣は東京拘置所、大阪拘置所で計四名の
死刑執行の
命令を出されました。就任してわずか四か月の間に十名
執行を行った
鳩山大臣でございますが、余りいい表現ではないのかも分かりませんけれども、
大臣が当初申されていたベルトコンベヤー式の
執行に私は結果として近いんではないかという、そういう危惧の念を持っております。昨年十二月の十八日に国連の総会本
会議で採択されました
死刑執行停止決議にも正面から挑戦する、そういう中身ではないかというふうに思っております。
先ほども話がありましたけれども、四名の
死刑執行が行われた翌日に、国連
拷問禁止委員会でこの
死刑執行の問題について
政府に勧告をした、その起案の
中心となったマリーニョ・メネンデス
委員が日本に来られまして、私も参議院の院内集会でこのメネンデスさんの話を聞きました。話は
死刑の問題だけではなくて、代用監獄だとか難民申請者の本国への強制送還の話もありましたけれども、
死刑制度についても
お話がありまして、将来的な
廃止を求めつつ、当面は
死刑確定者の権利を
保護するよう熱っぽく
お話をされておられました。
これからが問題でありますけれども、今回
執行された大阪拘置所の一人、Nさんというふうに申し上げておりますが、この方は四回再審の請求を行っておりまして、無罪を訴え続けていた人だそうであります。もう一人のNさん、これも同じくNさんと言っておきますが、この方は重度の人格障害と鑑定されておりまして、いずれも有罪
判決に疑問の残るケースではないかというふうに私は思っております。
また、東京拘置所で
死刑が
執行されたお二人、SさんとAさんというふうに言っておきますが、このお二人は、最終的には
死刑が確定しているんですが、一審では
無期懲役の刑の言渡しの方だったわけであります。本当に
死刑以外なかったのかと、
死刑判断しかなかったのかという点については疑問が残るケースであります。
つまり、この四名とも、私は、慎重の上にも慎重な
死刑執行という観点からいくと疑問の残る、そういうケースだったというふうに私は思っております。
そういう意味で、きつい質問ではございますけれども、
大臣は、今私が申し上げた四名の事情を全部承知の上でやられたのか、そしてこういう四名の事情は
死刑執行指揮書に明確にちゃんと記載がなされていたのかどうか、お尋ねをしたいというふうに思います。