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政府参考人(
加茂川幸夫君) 博物館の評価につきましては、現行の望ましい基準、先ほど申しました公立博物館の設置及び運営上の望ましい基準でございますが、ここにおきましても自己点検評価についての規定がございます。ただ、
実施状況を見てみますと、これは古いデータでございますが、
平成十六
年度に自己評価を行った博物館は、調査対象二千三十館中三一・五%にとどまっておりまして、望ましい基準にございます自己点検評価が十分に
実施されているとは言えない
状況にあるわけでございます。
状況としましては、近年よく話題になります行政の透明化でありますとか、またPDCAサイクルによる評価、そしてこれらを運営改善に結び付ける
考え方が普及してまいりましたので、公的な機関の自己評価もかなり進んできております。例としてふさわしいかどうか分かりませんが、公立
学校における自己評価は、ほぼ一〇〇%に近い
実施状況にあるわけでございます。
社会の中での位置付けあるいは職員数の違いはございますけれ
ども、
学校と同様に、言わば公の存在となっております
社会教育施設、博物館につきましても、評価とそれによる運営改善を進めることが必要であるということは論をまたないと思っておるわけでございます。
そこで、今回審議を
お願いしてございます改正案におきましても、博物館における評価システムの更なる
充実とともに、これに基づく運営改善のための
取組を一層促すため、博物館法に、博物館における評価とともに、その結果に基づく運営改善に関する努力義務規定を新たに
お願いをしておるわけでございます。
この具体的な博物館の評価についてでございますが、私
どもとしては、単に入館数、利用者数でありますとか資料の数だけではなくて、きめ細やかな点検項目を設定することが望ましいと
考えております。
やや細かな
お話になって恐縮ですが、設置理念や目的に基づく運営方針が取られているかどうか、あるいは施設設備の
整備状況はどうか、所蔵資料の管理
状況はどうか、さらには調査研究の内容、展示内容、
教育普及・
学習支援活動の在り方、市民参加・連携
状況、さらには広報
活動、こういった広範な点検項目につきまして、できれば定量的に又は定性的に評価を継続することが必要だと
考えておるわけでございます。
さらに、利用者といいますか
住民の満足度について調査を行うことについても配慮が求められるのではないかと
考えておる次第でございます。その際には、博物館
協議会との連携
協力でありますとか、外部の
方々の
協力を得る外部評価の方式を導入することもやはり
考えていかなければならないと思っております。
なお、
委員からは、本来、設置目的に応じた評価であるべきだという御
指摘がございまして、私
どももこの評価は、情報公開、情報の積極的な提供と相まって、利用者、
地域住民のサービス向上、博物館の本来の使命の
充実に資することが何より大切だと
考えておるわけでございます。ただ、評価でございますので、評価に基づくその運営改善が、例としてはそれほど多くはないとは思いますけれ
ども、冗費の削減でありますとか効率的な運営に結び付くことも場合によってはあるわけでございます。
設置者の
主体的な判断にゆだねられていることではございますけれ
ども、繰り返しになります、利用者のサービス向上を第一とした評価の
取組が求められておるものと
考えております。