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一川保夫君 御苦労さまでございます。民主党の
一川保夫でございます。
この国会、実質これが
最後だというふうにお聞きしましたけれども、この国会におけるこの
委員会でのいろんなやり取り、それから我々民主党が一生懸命勉強しながら提出しました
農業者戸別所得補償法案というものを
中心にしながらいろんな
議論があったわけでございますし、そういう面では、今日、
食料を取り巻くいろんな話題もたくさんございまして、
農業に従事する人はもちろんのこと、一般の
消費者も含め、そしてまた国民全体にやはり
農業政策、
食料政策というものについて非常に関心が高まってきている時代ではないかなというふうに私は思います。そういうことからすれば、今この時代こそ、
我が国の
農業政策というものをしっかりと点検をして、見直しを掛けるところはしっかりと見直しを掛けていくということは非常に重要な時代ではないかなというふうに私は思っております。
そこで、私自身も週末になれば田舎に帰って農村地域を歩いたりあるいは漁村地域を歩いたりということをよくやりますし、またそういった方々と話をすることも割と好きな方なんですけれども、また一方では、最近の世相なり日本の社会というものを見たときに、最近でも報じられましたように、二年ぶりに
我が国の自殺者が三万人を超えるんじゃないかというような報道がございました。その中身を見ると、意外と農村地域をたくさん抱えているような県で割と自殺者の比率が高いというようなデータもそのとき出ていたような気がするわけですし、また一方では、大都会でも当然自殺者の増加率が増えてきておるわけですけれども、そういうような報道があるということとか、あるいはまた、先日ございましたような秋葉原におけるああいう無差別的な殺人事件、あるいはまた身内内のあってはならないような殺人事件というのもこの世の中非常に目立ってきておるわけです。
一方、私自身もいろいろと田舎の方を歩いてお年寄りの方々と話すると、今日、後期高齢者医療制度ということが特に話題になっておりますけれども、私は、
基本的にあらゆる分野の
政策が、高齢者に対して非常に冷たい
政策が動いているんじゃないかという感じがいたします。そういう中で、これまで戦中戦後、
我が国の復興、発展のために大変
努力してきたお年寄りの方々が、どうも今の時代、年配に対するいろんな敬意だとかそういう思いやりが欠けているんじゃないかと、逆に邪魔者扱いされているんじゃないかというようなことすら発言する、そういう農村地域の老人の方によくお目にかかります。
そういうふうなことをいろいろと
考えながら、私なりに総括的に今日は
大臣の
基本的な姿勢を聞くわけですけれども、これからの
農業政策というのは、これまでのような
基本的な
認識をもうちょっと改める中で新たな発想で物事を
考えていかないと、日本という国そのものが駄目になるんじゃないかなという感じすらするわけです。私が今ちょっと例示的に挙げましたようなこういう世相上の出来事も、こういう分野に対して、私はやはり
農業、農村というそういう産業なり地域が、そういう人間の心をいやすとか、あるいはいろんな人間
関係を良くするという面でまだまだ役割を果たせるんじゃないかなという感じがするわけです。
それが最近、どうも
農業、農村を取り巻くいろんな
政策も、
市場原理主義といいますか、経済効率的なそういう流れがずっと、そういう路線で歩んできておるわけですけれども、それが今日、日本という国そのものを危うくさせている
一つの要因ではないかなという感じがするわけです。
我々小さいころは、学校の行き帰り、小川に入って遊んだりいろんなことをしながら、また地域の伝統文化と接する中でいろんな経験をしてきておるわけですけれども、そういうことすら地域社会としては
維持できなくなってきておる。
そういうことをいろいろと
考える中で、私は
大臣に
基本的なところで幾つかこれからお尋ねしたいというふうに思いますし、そういう中で大胆にしっかりと
政策の転換を図っていただければいいわけですけれども、我々も政治家でありますから、これからいろんな選挙を通じながらそういうことを国民に訴えて、どちらを選択するかという時代は当然来るわけですけれども、本日は、まず
基本的なところで幾つかお尋ねしたいなというふうに思っております。
まず最初に、私は、やはり最近
食料をめぐる
世界的ないろんな
事情について、その専門的な方々からも相当厳しい警告的なお話はよく聞かされます。一般の
農業に従事している人、あるいは農村地域に住んでいる方々も、今、日本という国は飽食の時代、いろんな面で食生活は若干乱れておりますけれども、それに不自由するということはまずないわけでございますが、
世界的には中長期的には
食料不足は間違いなく来るだろうというようなことは言われております。
また、最近の
食料とエネルギー源とのいろんな競合とか、あるいは国対国でも小麦だとか米を
中心としていろんな争奪戦が起こってきているんじゃないかとか、あるいはまた隣の中国又はアジアでは大国であるインドなんかでも、人口は
世界全体の六十五億とか六億とか言われていますけれども、そういう中でもその両国で相当のシェアを占めているというのは事実でございますし、そんなことをいろいろと
考えますと、日本の、
我が国の
農業政策をこれから動かしていくためには、
世界的なそういう
食料を取り巻く厳しい情勢変化というものをやはり
我が国の
農業政策の中にもしっかりと取り入れていく、そういうことは大変大事なことだと思います。
大臣も、いろんな国会の中のやり取りの中では、先ほど来もいろんな
国際会議に精力的に出られていろんな発言はされておるという
報告がありました。それはそれで非常に結構なことなんですけれども、そういう
一つの流れというものを先取りしながら、
我が国の
農業政策にそれをしっかりと反映していかないと、後でそれに立ち遅れてしまっては何にもならないというふうに私は思います。
日本の
国内の
農業政策は、御案内のとおり、新しい今の
基本法に基づいての
基本計画というものを五年ごとに見直しを掛けてやっていらっしゃるわけですけれども、こういった
基本計画も五年ごとにやるということは、その間のいろんな
農業、
食料、農村地域を取り巻く情勢の変化をしっかりととらまえて、それをその
計画に反映して間違いのない
農業政策を実行すべきだというふうに当然なるんだと思いますけれども、私は今の動いている
基本計画には、先ほどちょっと触れました
世界のそういった厳しい
食料をめぐるいろんな
状況変化というのは今の
基本計画の中にはバックグラウンドとしては入っていないんじゃないかなという感じがするわけです。
そうしますと、五年を待たずして、やはり今の
農業政策を今の国際的な
食料をめぐるいろんな
事情に合わせて、なおかつ
我が国の農村地域は非常にいろんな面で悩んでいる、過疎化、高齢化が大変著しく進んできておるわけだし、場所によっては限界集落を超えてもう廃村になっているところもあるわけです。私の地元である能登半島の地域でも、県が調べたところによりますと、十年後も引き続き
農業を継続しますかという問いかけに対しては、はっきりとやりますといったのは三割ぐらいしかなかったというふうにも聞いております。
そういうようなことをいろいろと
考えますと、やはり
我が国の今
農業、農村、
食料を取り巻くこういうもろもろの
政策を是非、農林
大臣は農林省経験豊かなわけですから、しっかりと見直しを掛けて
一つの方向付けをする非常に重要な時代だというふうに私は思うんですけれども、
大臣の御所見を伺いたいと、そのように思います。