○紙智子君 その認識は本当に不十分だというように思います。
松岡元
大臣、それから
緑資源の
機構の元
理事らがかぎを握っていると言われていたわけですけど、こういう当事者の皆さんの自殺もあって結局立ち消えになっているという側面もあるわけです。十分解明できていない。あるいは、
緑資源機構のこの
談合事件は政官業の癒着解明にまで発展する可能性があったわけです。ところが、この
緑資源の一
事業の
談合事件へと矮小化されてしまったんじゃないかと、こういう声もあるわけで、疑問は残されたままだというふうに言わざるを得ないと思うんです。そのことは今後も踏まえておかなければいけないというふうに私は思います。
そのことを言いつつ、次にお聞きしますが、大規模
林道事業の自然破壊の実態についてです。
各地にこの
林道の工事のつめ跡が残ったままです。山形の朝日連峰を貫く真室川・小国線、ここはクマタカが生息していると、そこに幅員七メートルの
舗装道路は要らないということで運動が起こって、高まって、この区間は中止に追い込まれましたけれども、既に移管された区間で崩落が続いていると。維持補修が町の財政を圧迫している実態です。
このほかにも同じようなところが、例えば広島の細見谷だとか各地にあって、私の
地元の北海道でも平取・えりも線、このえりもに向かっていく
道路の途中ですけれども、平取—新冠区間というのは自然保護
団体の皆さんが地盤の悪い地すべりの
地域だと、地帯だということで
指摘をしていたのに、ここに
林道を造っていったわけですね。
これ台風でこの区間が六・九キロの半分以上の三・五キロが
道路が崩れ落ちたわけです。沢に大量の土砂が流れ込んで河畔林をなぎ倒すと。ここは私も直接見に行ったんですけれども、至るところが崩落している状態でした。二十七億円の
事業をやって、更にこの災害復旧費の適用を受けて、三億三千六百万円税金をつぎ込むことになったわけですね。大規模
林道のこの被害復旧
事業は毎年約百億だというんですね。
さらに、この
道路の先にまだあるんですけれども、様似—えりも区間というところがあって、ここは日本生態学会が工事中止を求める
意見書を出していました。
地域の植生とか、それから動物の分布状態ということでそこで
分析しているんですけれども、非常に貴重な種類で、しかも絶滅危惧の植物や動物が大変多い
地域だと、だからやめてほしいということだったわけですけれども、それと加えて、この区間は崩落しやすい地質だと、地形的な特徴もあるんだということで触れていたわけですけれども、
森林開発公団、それから
緑資源公団、ここによる二つの環境影響
調査の
評価では、そういった自然的な特徴なども含めて全然掌握されていない、土石流などの災害の影響については全く問題にしていないと、こういうことで学会として
指摘をしていました。こういう批判に対してどのように認識をしているのか、これは
林野庁長官にお聞きしたいと思います。