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国務大臣(
若林正俊君)
平成二十年度
農林水産予算の概要を御
説明申し上げます。
平成二十年度
一般会計予算における
農林水産予算の額は、
関係府省計上分を含め、二兆六千三百七十億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆千七十四億円、非公共事業費が一兆五千二百九十六億円となっております。
平成二十年度の
農林水産予算は、強い
農業づくりと農山漁村の活性化、食と農に関する戦略的な取組、
資源・環境対策、美しい森林づくりや力強い
水産業の確立などを進める観点から、既存の
予算を
見直した上で大胆に
予算の重点化を行うなど、新たな政策展開が図られるよう編成いたしました。
以下、
予算の重点事項について御
説明いたします。
第一に、強い
農業づくりと
地域を元気付ける農山漁村の活性化に取り組みます。
まず、昨年から導入いたしました品目横断的経営安定対策につきましては、担い手の経営発展に向けた努力を促すという制度の基本を維持しつつ、市町村特認制度の創設など
地域の
実態に即した
見直しを行った上で、水田・畑作経営所得安定対策として着実に実施します。あわせて、高齢者や小規模な農家も安心して集落営農に参加できるよう、支援を充実します。また、米政策につきましては、主
食用米の需給バランスを取るための
生産調整を確実に実施することとし、麦、大豆、
飼料作物等の
国内生産を進めるとともに、
飼料用などの非主
食用米の低コスト
生産を定着させてまいります。
さらに、農地制度の改革に必要な農地情報の整備を進めるとともに、耕作放棄地を解消することを目指し、
地域ぐるみでの取組を支援します。
次に、農山漁村の活性化に向けた
地域の創意工夫を積極的に後押しするため、農山漁村への定住や都市との
地域間交流を一層促進するための整備を行うとともに、
農林水産業と商業・工業等の連携を促進します。加えて、鳥獣被害の深刻化・広域化に対応し、農山漁村の暮らしを守る鳥獣害防止対策を講じます。
このほか、防災・減災対策や都市
農業の振興を着実に進めてまいります。
第二に、食と農に関する戦略的な取組を推進します。
まず、米や
飼料作物といった
食料自給率の向上に影響の大きい品目を重点に置き、消費と
生産の両面からの取組を戦略的に推進します。
また、
食料供給コストを縮減すべく、
生産と流通の両面におけるコスト縮減に向けて、
生産資材の流通・
利用の効率化や物流の合理化を着実に進めます。
現下の原油価格の高騰を踏まえ、
施設園芸の省
エネルギー化などの対策に加え、税制優遇や金融措置を一体的に講じ、農林
漁業者の経営体質の
強化を図ります。
農場から食卓までの食品安全を確保するとともに、昨今の食品偽装事件の発生等を踏まえ、食品事
業者のコンプライアンスを徹底させるなど、食品に対する国民の信頼を確保するための取組を促します。
日本型食生活の普及と教育ファームの展開による食育の推進とともに、
農林水産物・食品の輸出を拡大するための支援、イノベーションを先導する
技術開発の加速化や知的財産の創造、保護、
活用に取り組みます。
第三に、
地球的視野に立った
資源・環境対策を推進します。
まず、
食料自給率の低い
我が国において、
食料供給と競合しない稲わらや間伐材等の未
利用のバイオマスを有効に
活用し、国産バイオ燃料の
生産拡大に向けた取組を進めます。
このほか、温暖化防止・適応策や国際協力を柱とした
地球温暖化対策を推進するとともに、田園
地域、森林、
海洋を保全し、生物多様性を重視する
農林水産業を推進し、本年の北海道洞爺湖サミットに向けて、
農林水産分野における取組を積極的にアピールしてまいります。
第四に、未来に向けた美しい森林づくりの推進と国産材の復活に取り組みます。
まず、京都議定書に基づく森林吸収目標の達成と森林
資源の次世代への継承のために、多角的な森林整備を推進いたします。
また、森林や山村の
地域資源を
利活用した
地域の新たなビジネスを創出し、林業、木材産業の再生と適切な森林整備、
地域の活性化を図ります。
さらに、木材の加工流通体制の整備や林業
生産コストの削減により、国産材の競争力の向上を図ってまいります。
第五に、力強い
水産業と豊かで活力ある漁村を確立します。
水産基本計画に即して、
水産資源の回復・
管理を推進するとともに、漁船
漁業構造改革や新たな
漁業経営安定対策の導入等により、国際競争力のある経営体を育成確保します。
また、燃油価格の高騰を踏まえた省
エネルギー技術の開発等を推進するとともに、安全で新鮮な国産
水産物を安定的に消費者に届けるため、品質・衛生
管理機能の
強化や産地市場の統廃合等を通じた流通の効率化を進めます。
さらに、漁港、漁場、漁村の多面的機能の発揮に向け、
地域の創意工夫を生かした漁村づくり等を支援してまいります。
次に、特別会計については、
平成二十年度から、国営土地改良事業特別会計を一般会計化するなど必要な
見直しを行った上で、それぞれ所要の
予算を計上しております。
最後に、財政投
融資計画については、
農林漁業金融公庫、
日本政策金融公庫等による財政
融資資金の借入れなど総額二千二十七億円を予定しております。
以上で、
平成二十年度
農林水産予算の概要の
説明を終わります。