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国務大臣(
若林正俊君) 今
委員が新規就農者に対する支援の拡充について御意見がございました。
その前に、何か非常に暗いイメージを皆さんが受け止めるようなお話が前段にあったような気がいたしますけれ
ども、私、ちょっとお許しをいただきまして、
農業に新たに入ってくる人たちの形というようなものをちょっとお話ししたいと思います。
農業高校を出てすぐ就農するという人たちは七百八十五名にすぎません。しかし、
農業高校を出て県の
農業者大学校に進学している人は千三十三名おります。そして、
農業者大学校から新規就農をしている人は九百二十七名。そして、民間の教育機関など、
農業者大学校な
ども含めまして、大学出ての、農学系の大学出た人が五百二十名ほど新規就農しています。それ以外に、社会人の経験者で、三十九歳以下で新規就農をするという人が九千二百名おります。そういうような
状況を念頭に置きまして、三十九歳以下で今新規に就農をしていく人たちは、
全国的に一万二千名強の状態になっております。
そういう
意味では、もちろんこの新規就農者がもう少し多くなるということが望ましいんですけれ
ども、長期
目標との関係でいいますと、一万二、三千名が新規就農で継続的に新規就農をしていけば、全体の二十七年の
目標の経営体の
形成ということについては、それは確保できるんじゃないかというふうに考えております。
さらに、先週の土曜日ですけれ
ども、私は日本
農業賞の表彰に行きました。農林
大臣賞も交付してきたんでありますけれ
ども、三人の経営者にこの日本
農業賞が授与されました。そのうちの一人は実は長野県の農事組合法人なんですけれ
ども、この
代表者であります倉本強さんという人は脱サラなんですね。そして、脱サラで、しかも定年になって脱サラをしましてイチゴの養液栽培に取り組んでおりまして、サラリーマン時代に培ったいろいろな知識を取り込みながら、経験と勘によるところが多いこの栽培技術というようなものを、気温とか日照とか養液濃度などの栽培の基本データを計数化しながら安定した、安全な
生産を図ってきたという人でございまして、更にその施設を規模を拡大すると、相当大きな施設型の
農業をやっているわけです。
ですから、私は、いろんな各世代の中で特徴を生かした
農業が進められていると。ほかにも、若い人だけではなく、中年から
農業を始めた人もおりましたけれ
ども、そういう人たちがたくましく、元気よくやっているということも御認識いただきたいと思うのでございます。
そして、新規就農の施設につきましては、もう詳しく言うと時間がないような顔をしておられますから申し上げませんけれ
ども、その情報の提供から、個人相談から始まりまして、体験・研修
段階、そして参入の準備
段階で各種
農業法人とのマッチングだとか、あるいは資金調達の面でいえば、就農に向けた研修や、機械、施設の導入に対しては無利子の融資制度を設けておると。また、就農可能な
農地情報の提供やあっせんというようなことをいたしておりまして、定着
段階では早期の経営定着化への支援というのを、普及指導センターによる技術・経営指導などを行っております。
詳しく
一つ一つ申し上げませんけれ
ども、無利子資金の供与につきましても、新規就農者がいよいよ
農業をやろうとするときのその
農業経営の
状況に応じまして、私はそれが不足して就農に踏み切れないということはそれほど大きな今障害になっておると思っておりません。むしろ、そういうのをマッチングさせると、現場でマッチングさせるということをもう少しきめ細かくやっていかなきゃいけないんじゃないかというのが私の印象でございます。