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2008-04-24 第169回国会 参議院 内閣委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十年四月二十四日(木曜日) 午前十時開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
岡田
広君 理 事 芝 博一君 松井 孝治君 有村 治子君 松村 龍二君 委 員
相原久美子
君 石井 一君
神本美恵子
君
工藤堅太郎
君 自見庄三郎君
島田智哉子君
簗瀬 進君 柳澤 光美君 岩城 光英君
北川イッセイ
君 鴻池
祥肇
君
中川
義雄
君 風間 昶君 糸数 慶子君
国務大臣
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
国民生
活)) 岸田 文雄君 副
大臣
内閣
府副
大臣
中川
義雄
君
大臣政務官
内閣
府
大臣政務
官 西村 明宏君
事務局側
常任委員会専門
員 小林 秀行君
政府参考人
内閣
府
国民生活
局長
西 達男君
公正取引委員会
事務
総局経済取
引局取引部長
鵜瀞
恵子君
経済産業大臣官
房審議官
橘高
公久
君
環境大臣官房審
議官
黒田大三郎君
防衛省経理装備
局長
長岡
憲宗
君
参考人
独立行政法人国
民生活センター
理事
島野
康君
特定
非
営利活動
法人京都消費者
契約ネット
ワー
ク理事長
京都産業大学法
科大学院教授
野々山
宏君 ───────────── 本日の会議に付した
案件
○
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ─────────────
岡田広
1
○
委員長
(
岡田広
君) ただいまから
内閣委員会
を開会いたします。
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
及び
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
、両案を一括して議題とし、
参考人
の
方々
から御
意見
を伺います。 本日は、
独立行政法人国民生活センター理事島野康
君及び
特定
非
営利活動法人京都消費者契約ネットワーク理事長
・
京都産業大学法科大学院教授野々山宏
君に
参考人
として御
出席
をいただいております。 この際、
参考人
の
方々
に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ当
委員会
に御
出席
をいただきまして、誠にありがとうございました。
参考人
の
方々
から忌憚のない御
意見
をお聞かせいただき、今後の審査の
参考
にいたしたいと存じますので、よろしく
お願い
をいたします。 それでは、議事の進め方について申し上げます。 まず、
島野参考人
、
野々山参考人
の
順序
でお一人十五分以内で御
意見
をお述べいただき、その後、各
委員
の
質疑
にお答えいただきたいと存じます。 御発言いただく際は、その都度
委員長
の指名を受けてから
お願い
をいたします。 また、各
委員
の
質疑
時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に
お願い
いたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、
島野参考人
から
お願い
いたします。
島野参考人
。
島野康
2
○
参考人
(
島野康
君)
島野
です。よろしく
お願い
します。 本日は、このような
機会
を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
国民生活センター法改正案
に関連しまして、
消費者相談
を
中心
に、
国民生活センター
の
業務
と
裁判外紛争解決手続
、ADRの整備について御
説明
いたします。若干
意見
も申し述べさせていただきたいというふうに思います。 私
ども国民生活センター
は
独立行政法人
でございまして国の
機関
でありますが、
業務
の実施に当たりましては、
地方公共団体
の
組織
であります
各地
の
消費生活センター
と協力、連携しながら
消費者
の
利益
を守る、擁護するというための
業務
を実施しております。
消費生活センター
は、今申し上げましたように、
地方公共団体
の
組織
でございまして、
国民生活センター
と直接的な
つながり
、
組織
的な
つながり
はございません。当然ながら
上下関係
があるわけでは全くなく、連携を取って
業務
に当たっているということでございます。 具体的には、悪質・
悪徳商法
や
製品事故
、そういったことの
消費者被害
を防ぐために、
一つ
は
消費者相談
への
対応
、二番目には
全国
の
相談情報
の
収集
、
分析
、
提供
というもの、三番目は
製品事故
の
原因等
を調べるための
商品テスト
、四番目は
消費生活相談員等
の
研修
といった
事業
を行っております。 現在、
全国
に五百か所以上ある
消費生活センター
になりましたが、昭和四十年でしたか、第一号は
兵庫県立神戸生活科学センター
というのができまして、そのころはぽつぽつしかございませんでしたが、今は五百か所以上
消費生活センター
がございます。
消費生活センター
には
消費者
から
年間
百万件を超える
苦情相談
が寄せられているわけであります。これは十年前と比べると約三倍になっておりまして、二〇〇〇年度に比べても約二倍という水準であります。
相談件数
が多いというだけではなくて、
内容
も非常に複雑多様化しております。そしてまた、
悪質化
といいますか、悪質なものが増えてきているというのが
一つ
の特徴だというふうに思います。この中で、
国民生活センター
は、
消費者基本法
第二十五条に
規定
されていますように、
消費者
問題の
現場
、第一線の
業務
を実施している
全国
の先ほどから申し上げている
消費生活センター
などの
中核的機関
としての役割を果たしている、担っているというところであります。 そこで、今般、
国民生活センター法改正案
で提案されております
裁判外紛争解決手続
と密接に
関係
しております
消費者相談
の
業務
について御
説明
したいというふうに思います。 当
センター
が実施しております
相談
といいますのは、
消費者
からの
苦情相談
を直接受ける直接
相談
、これは大体最初は
電話
でございますが、その直接
相談
と、
各地
の
消費生活センター
ではやや
解決
がちょっと難しいなというような
相談
が
消費生活センター
を経由して受け付けて処理するという、
消費生活センター
の
相談員
さんから受ける
経由相談
というものに分かれております。いずれの
相談
も
消費者
問題に関する知識や
相談処理能力
を持った
専門
の
消費生活相談員
が
対応
しているところであります。 当
センター
におきましては、これまで
政府
において決定された
整理合理化計画
というのがございまして、
各地
の
消費生活センター
に対する
中核機能
を強化しなさいということでありまして、その観点から、
消費者
から直接
相談
を受ける先ほど申し上げました直接
相談
というのは段階的に縮小して、
経由相談
の強化を進めてまいりました。
年間
の
処理件数
としては、直接
相談
と
経由相談
、それぞれ約四千件ちょっとというようなところでありまして、
合計
八千から九千件
程度
の
相談対応
を実施しております。 次に、
相談
の
対応処理
についてでありますが、直接
相談
、
経由相談
の
合計
で、
平成
十八年度を見ますと全体で約八千五百件の
相談
を受け付けておりますが、八割ぐらいについては
助言
というような
格好
で
対応
しております。
助言
といいますと非常にもう簡単なような感じが受け取られるかもしれませんが、
契約書
をきちっと確認したりその
約款
を調べたり、いろんな形で調べて、それで
助言
をするというような
格好
で、
電話
ですぐ答えるというようなことももちろんありますけれ
ども
、かなり
助言
でも難しいというところであります。
当事者同士
で自主的な
解決
が難しい
案件
については、当
センター
が
消費者
と
事業者
の間に立って
あっせん
を行っております。これが約三百件ぐらいでありますが、この
あっせん
によって
トラブル
が
解決
されたものは二百五十件
程度
でありまして、六十件ぐらいは
解決
に至っていないということであります。 当
センター
が実施しておりますこれらの
相談
の
対応
とか、更にその先の
紛争解決
の
仕組み
ですね、それは現行の
国民生活センター法
上では全く明確に
規定
されていないという問題があります。このため、
消費者トラブル
を
解決
する上で当
センター
が現在行っている
あっせん
にはかなり限界がございまして、例えば
交渉
の入口で、
事業者
に
電話
しても
担当者
が不在であるとして
交渉
に応じなかったり、我々から
電話
しても当
センター
からの
電話
に出ないというようなこともあります。
交渉過程
については、事実
関係
の
調査
を拒否すると。一方的な
申出で処理
はできませんので、両者からいろんな話を聞くということなんですが、それにも
調査
を拒否するという場合もございます。さらには、合意した場合でも、クーリングオフの何とかがあったということで解除を認めて
支払金額
を返すというようなことを言っておいても、なかなかその
合意内容
の履行をしないということすらあるわけでございます。 今般、提案されております
国民生活センター法改正案
については、
苦情処理
のための
あっせん業務
を明確に
規定
するとともに、
消費者
、
事業者
間の
紛争
を
裁判
によらず簡易迅速に
解決
するための
仕組み
を導入しております。この
改正案
は、
消費者
の
利益
を守る上で有効な方策ではないかというふうに考えております。また、こうした
紛争解決
の
仕組み
を整備することによって、現在実施しています極めて多数の
相談処理
においてもより一層
実効性
のあるものになるのではないかと、
実効性
あるものにしていく効果も持つものではないかというふうに考えております。 以上が
消費者相談業務
に関することでありますが、そのほか、先ほど申し上げましたような
順序
で簡潔に御
説明
いたしますと、
相談情報
の
収集
、
分析
、
提供
でありますが、これは、
全国各地
の
消費生活センター
において受付処理した
消費者相談
の
情報
は、
全国消費生活相談情報ネットワークシステム
ということで、
愛称PIO
―NETと、こう言っていますが、その
システム
により
国民生活センター
に集約されます。当
センター
では、これらの
情報
を
整理
、
分析
した上で
消費者
や
行政機関
に対して
情報提供
をしておるわけであります。これも、
報道機関
の力を借りたりしまして
報道機関
に公表するとともに、
自分たち
の持っております
出版物
だとかリーフレットとかテレビとかホームページなどの
各種媒体
を活用して広く
情報提供
をしているところであります。 次に、
商品テスト
でありますが、
各地
の
消費生活センター
から
テスト依頼
がございます。こういう
製品
で
事故
が起きたという
申出
があるけれ
ども
、その
原因
は何だろうかということで究明を依頼されるわけでありますが、その
製品事故
の
原因
を究明するための
テスト
が
一つ
と、
事故
の
未然防止
、
拡大防止
、つまり
再発防止
のために複数の
銘柄
を、例えば
コンニャクゼリー
の
事故
であったとすると、
A食品
、
B食品
、
C食品
というような
幾つ
かの
銘柄
を
対象
とした
問題提起型テスト
という
テスト
も実施しております。こうした
テスト
結果は
マスコミ等
を通じて公表するとともに、
行政機関
とか
業界団体
に対して
制度
や規格あるいは
基準
の
改善
を要望して、しかるべき
対応
を求めているところであります。 最後になりますが、
全国
の
消費生活相談員
や
消費者行政職員
などを
対象
といたしました
研修
も行っております。そして、
相談員
や
行政職員
の日ごろの
業務
に生かしていただいておるところであります。また、
消費生活相談員
の資質あるいは
能力
の向上と人材の確保を図るために、
消費生活相談員
の
資格認定制度
、
平成
三年度からでありますが、これも実施いたしているところでございます。 以上、やや簡単でございますが、
国民生活センター
の
業務
の
説明
を
中心
として、本当の若干の
意見陳述
とさせていただきます。 ありがとうございました。
岡田広
3
○
委員長
(
岡田広
君) ありがとうございました。 次に、
野々山参考人
に
お願い
いたします。
野々山参考人
。
野々山宏
4
○
参考人
(
野々山宏
君)
特定
非
営利活動法人京都消費者契約ネットワーク
の
理事長
をしております
野々山
です。よろしく
お願い
いたします。 本日は、このような
機会
を与えていただきまして、ありがとうございます。私は、
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
に対しまして、
消費者団体訴権
を行使する立場から
意見
を述べさせていただきます。 まず、
特定
非
営利活動法人京都消費者契約ネットワーク
について若干御
説明
させていただきます。 当
法人
は、
京都
におきまして
消費者契約
に関する問題に取り組んでおります
消費者
や
消費者団体
、
消費生活専門相談員
、学者、
司法書士
及び
弁護士
らで構成している
NPO法人
であります。
会員数
は、現在のところ、個人、
団体
を合わせまして約百名となっております。これまでの
活動
としましては、一九九八年十一月に
任意団体
として発足いたしまして、二〇〇二年に
NPO法人
ということで設立をさせていただいております。 これまでに
消費者契約
をめぐる諸問題につきまして、
被害救済
とかあるいは
消費者契約法
の制定あるいは
改正
などの
法律改正
に取り組みまして、
消費者団体訴訟制度
ができる以前よりその
制度
の
実現
とその担い手を目指して
活動
してきております。 具体的な
被害救済
あるいは
約款
の
改正等
の
活動
といたしましては、
アパート
、
マンション
の
賃貸借契約
やあるいは
NOVA
などの
外国語学校
あるいは
結婚式場
、
携帯電話
などの様々な継続的な
サービス契約
の中には
不当条項
が非常に多くあるわけでありますが、その
不当条項
の
改善
の
申入れ
をしてまいりました。それから、
高齢者
に対する
訪問販売
などの不当な
勧誘行為
に対しましても、そのような
活動
をしている
事業体
に対しまして不当な
事業活動
をやめるように
申入れ
をしております。さらに、その
申入れ
に対してそれを
改善
しない場合、あるいは現実に
被害者
が生じているような場合につきましては、
会員
の
弁護士
あるいは
司法書士
が
弁護団
を構成して
裁判
の
提起
をしております。具体的には、敷金の
返還訴訟
とかあるいは
NOVA
の
解約金返還訴訟
を行ってきております。 それから、二〇〇七年、昨年の十二月二十五日に当
法人
は、
改正
されました
消費者契約法
に基づきまして、
内閣
府から
消費者団体訴訟制度
の
訴権
を行使できる
適格消費者団体
の
認定
を受けております。
認定
前の
活動
におきましても、
不当契約条項
の
改善
あるいは不当な
勧誘行為
に対する
防止
などの
消費者被害
の
救済
に一定の
成果
は上げてきたと自負しているところでありますけれ
ども
、今後は
訴権
を活用して
消費者被害
の
未然防止
や
拡大防止
を
実現
することが可能となったわけであります。 この
適格消費者団体
の
認定
を受けた後でありますけれ
ども
、本年の三月二十五日に当
法人
は
全国
で初めて
消費者団体訴訟制度
に基づく
訴訟
を
提起
しました。中身は
アパート
、
マンション
の
賃貸借契約
の
不当条項
の
差止め
というものであります。相手は
京都
では大手の
賃貸業者
、
賃貸
の建物を経営している
業者
であります。私
ども
は、今後も
消費者団体訴訟制度
を活用しまして
消費者被害
の
未然防止
あるいは
拡大防止
に努めていきたいというふうに考えております。 次に、
消費者団体訴訟制度
の現状について私
ども
の認識をお話ししたいと思います。
消費者団体訴訟制度
は、二〇〇七年の六月に
改正消費者契約法
が施行されましてスタートしております。その後、昨年の八月に
消費者機構日本
、
消費者支援機構関西
という
二つ
の大きな
消費者団体
が
適格消費者団体
に
認定
されております。その後順次、私
ども
あるいはその他広島あるいは全
相協
その他の
団体
が順次
認定
されておりまして、現在五
団体
であります。
兵庫
の
消費者団体
が現在申請中と聞いております。 これらの
適格消費者団体
が今どのような
活動
をしているかと申しますと、それぞれ不当な
契約条項
やあるいは不当な
勧誘行為
に対してその
改善
を求める
活動
をしております。より多くは、不当な
契約条項
の使用を
改善
するように求める
活動
をしております。現在のところ、
訴訟
に至らず
改善
が図られることが多いというふうに聞いております。私
ども
の
実感
としてもそうであります。 現在、
差止請求訴訟
が
提起
されているのは、先ほど申し上げた当
法人
の提訴のほかには、
消費者支援機構関西
が、
貸金業者
の繰上げ
弁済
に対して
違約金
を付加する
条項
、
貸金業者
からお金を借りて繰上げ
弁済
をしたら、それは
違約
であるとして利息のほかに
違約金
を付加する
条項
を付けているところがあるわけでありますが、これについて、このような
契約条項
を使うべきではないという
訴訟
を
提起
しております。この二件が現在
消費者団体訴訟
として
提起
されているものであります。 これらの
消費者団体訴訟制度
の運用、活用に対して
事業者
の皆さんがどのように
対応
しているかということでありますが、私
ども
の
実感
としましては、
事業者
の方に
契約書
や
販売方法
について見直すという、できるだけ適法なものにしていくというコンプライアンスの精神が進んできているというふうに
実感
しております。私
ども
あるいは他の
適格消費者団体
が
改善申入れ
をしておりますけれ
ども
、
消費者団体訴訟制度
がスタートする前については、このような
改善申入れ
に対しまして無視するところが多かったわけであります。しかしながら、最近は、
申入れ
に対して、それを契機に社内で
検討
してこれを回答してくるということが非常に増えてきております。全面的な
改善
をするところもありますけれ
ども
、一部
改善
してくるところが非常に増えてきております。その場合においても、私
ども適格消費者団体
と
協議
をしたいということで、
協議
の上で
改善
を行うことも増えてきております。 ただ、
消費者機構日本
のお話を聞きますと、これらの
改善
は、
消費者契約法
に関するものについてはその
改善
を積極的に行ってきますが、
特商法
を理由とする
改善
に対しては十分進んでいないという実態があるというふうに
報告
を聞いております。 それからさらに、
改善申入れ等
をしなくても、
事業者
の方が御
自分
で、
自分たち
の
消費者向け
のパンフレットや、それから
販売
に関する
説明方法
につきまして、
消費者
の視点からの
意見
を
適格消費者団体
に求めてくるケースも出てきております。これに対しては、
適格消費者団体
の方で
意見書
を
検討
しまして
意見書
をお渡しするという
活動
もしております。 私
ども
、
実感
としましては、
消費者団体訴訟制度
がスタートして以降、
事業者
と
消費者団体
との
関係
が非常に対等なものになってきている、その中でより良い公正な
取引
が
実現
しているという
実感
を持っております。
消費者団体訴訟制度
は、まだ
国民
には十分にその存在が浸透しておりません。これは
訴訟
が少ないからだというふうに私は思っておりますけれ
ども
、
取引
の
現場
におきましては着実に
成果
が上がっているというふうに
実感
しております。 このような
消費者団体訴訟制度
の実情と今回の
改正
の問題でありますが、スタートいたしました
消費者団体訴訟制度
には
課題
も多くあるわけであります。これは、
消費者団体訴訟制度
の
改正
を議論した
平成
十八年のときにも指摘されてきたことであります。その
幾つ
かにつきましては、
消費者契約法
の一部を
改正
する
法律案
、
平成
十八年の
法律案
の際に、
参議院
の当
内閣委員会
の
附帯決議
にも
幾つ
かが指摘されております。 それらの
課題
の中の
一つ
に、
消費者団体訴訟制度
の
対象
が
消費者契約法
に抵触する
行為
に限定しているという問題があります。しかも、それが
差止め
に限られているということであります。これは極めて狭い
範囲
でしかその
訴権
の行使ができないということであります。これにつきまして、
参議院
の
内閣委員会
の
附帯決議
の第八項に、以下のような
附帯決議
の
内容
が決議されております。
消費者被害
の
救済
の
実効性
を確保するため、
適格消費者団体
が
損害賠償等
を請求する
制度
について、
司法アクセス
の
改善手法
の展開や
犯罪収益剥奪
、
不当利益返還
の
仕組み
の
検討
を踏まえつつ、その
必要性等
を
検討
すること、また、
特定商取引法
、
独占禁止法
、
景品表示法等
の
消費者関連諸法
についても、
消費者団体訴訟制度
の導入について
検討
を進めることとあります。 今回の
改正
は、ここに挙げられている
課題
の後半の部分の
一つ
の
実現
と私
ども
は評価しております。 今回の
改正案
に対する評価でありますけれ
ども
、まず、
景表法
、
特商法
へ
消費者団体訴訟制度
が導入されることは歓迎しております。これらの
法律
が
消費者被害救済
に役立つということは明らかでありますので、また、
消費者団体訴訟制度
の
適用範囲
が広がってくるという意味で、
消費者被害
の
未然防止
、
拡大防止
のためには非常に重要な
課題
であるというふうに考えており、その
実現
を歓迎しております。 さらに、当初、この
改正
を行う際には、
法律
の
所管官庁
に対して別々に
適格消費者団体
の
認定
、更新、監督が行われるかのような
方向性
が出されておりましたけれ
ども
、
改正案
につきましては
消費者契約法
に横断的に一本化されております。このことにつきましては、
適格消費者団体
や
行政
のコストや
事務
の軽減に資するものとして評価しているところであります。 ただし、
問題点
もある、今後の
課題
もあるというふうに考えております。 今回の
改正
に当たりまして、
公正取引委員会
あるいは経産省の下で
産構審等
では
報告書
が出されているわけでありますが、特に
産構審
の小
委員会
の
報告書
では、
特商法
の中の
行政命令
の
対象
となる
行為
、例えば
特商法
七条を具体的に挙げておりましたけれ
ども
、そういう
行政命令
の
対象
となる
行為
も
消費者団体訴訟制度
の
差止め対象
とすべきであるとされてきました。しかしながら、
改正案
では、
特商法
七条などの
行政命令対象行為
の多くは
差止請求
の
対象
になっておりません。
景表法
におきましても、四条一項三号の
公正取引委員会
が指定した
不当表示
も
差止請求
の
対象
にはなっていないわけであります。 これらの
差止請求
の
対象
になっていなかったものといたしましては、
書面交付義務違反
あるいは
禁止行為
の一部、それから
指示事項
あるいは再
勧誘
の
禁止違反
などの
行政命令
の
対象
となる
行為
についても
対象
となってきませんでしたので、これらが
差止め対象
となることは非常に重要であるというふうに考えております。
消費者被害拡大防止
や予防には極めてこれらが入ることが重要であるというふうに考えております。 ただ、
行政命令
の
基準規定
でありまして、
特商法
のこれらの
規定
は
行政命令
の
基準規定
ということでありますので、
司法規定
である
差止請求
の要件にこれを法文上組み替えることは、
法改正
でこれまで経験がなくて、かなり法技術的には
困難性
があることは私
ども
承知しておりますので、今後の
検討課題
としていただきたいというふうに考えております。是非、
附帯決議
に盛り込んでいただくことを求めるものであります。 さらに、
消費者団体訴訟制度
全体にも
課題
が残されております。とりわけ、以下の
課題
について今後早期に
検討
を開始されることを要望いたしております。
一つ
は、
損害賠償
や不当
利益
吐き出しを目的とする
金銭請求制度
の創設であります。このことは、
平成
十八年の
参議院
の
内閣委員会
の
附帯決議
にも記載されていることであります。
二つ目
は、
推奨行為
、これは
事業者団体
やあるいは大きな企業がこのような
条項
を使いなさいということを推薦する
行為
でありますが、そういうようなものを
差止め
の
対象
とすること、あるいは後訴の制限が行われておりますが、そういう後
訴制限効
の排除も、これを今後なくすように
検討
されるよう要請するものであります。 そしてさらに、
適格消費者団体
を始めとする
消費者団体
の体制強化のための支援を是非
お願い
したいと考えております。
適格消費者団体
の
活動
範囲
は現在広がっております。
事業者
との
協議
や
訴訟
をする
機会
も増えてきております。一方で、
消費者団体
の
活動
の多くはボランティアで支えられております。当
法人
も、少ない予算の中で
会員
のボランティア
活動
によって取り組まれているわけであります。
活動
範囲
が広がることが今後私
ども
の
活動
では予想されるわけでありますけれ
ども
、それに
対応
する
適格消費者団体
の人的、経済的体制の強化が急務だと考えております。 当
法人
でも、現在、
会員
の拡大などの努力を続けておりますが、是非、資金確保あるいは
情報提供
などの支援策を
検討
していただきたいと思っております。例えば、
適格消費者団体
への寄附を税額控除とする
制度
が
実現
するならば、
適格消費者団体
の
活動
に賛同する
国民
からの支援も得やすくなるというふうに考えております。 終わりに当たりまして、当
法人
は、今後も
消費者団体訴訟制度
を活用し、
消費者被害
の予防、
拡大防止
をする諸
活動
に取り組んでいく所存であります。
消費者団体訴訟制度
の広がりは、安心できる
国民生活
や公正な
事業活動
の
実現
にとっては有益であると確信しております。今後とも、
消費者団体訴訟制度
がより良い
制度
となることに御尽力いただくことを
お願い
して、
意見
とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
岡田広
5
○
委員長
(
岡田広
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
からの
意見
の聴取は終わりました。 これより
参考人
に対する
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御発言願います。
相原久美子
6
○
相原久美子
君 おはようございます。民主党の
相原久美子
でございます。 今日は、
国民生活センター
の
島野参考人
、そして
京都
の
野々山参考人
、お二人においでいただきまして本当にありがとうございます。それで、
幾つ
かということで御質問させていただきたいというふうに思います。 先に
国民生活センター
の方にお伺いしたいと思います。 実は、先日、私も民主党の一員といたしまして
国民生活センター
の方にお邪魔をさせていただきまして、いろいろと御
説明
をいただいたり、
現場
を見させていただきました。その上で、少し私自身も感じた、そしてこの状況を皆さんがどうとらえているのかという点で御質問させていただきたいというふうに思います。 まず、
平成
十九年に実施されました第三十八回の
国民生活
動向
調査
、これによりますと、窓口に実際に
相談
を寄せた件数というのは全体の約四%にすぎないのではないかと、あとはなかなか
相談
に応じられていないのではないか、そういうふうな統計上の数字が出てきております。 それで、実はこれは多分に
相談
に行かないでも済むというケースもあろうかとは思いますけれ
ども
、実は
国民生活センター
にお邪魔をさせていただいて感じましたし、それから各
消費者
生活
センター
、その
情報
も伺いますと、やはり人的な体制の不備というんですか、少なさ、これがどうしてもなかなか
相談
の
対応
ができないというケースになるのではないかというふうに思われるのですが、これについて
国民生活センター
側から率直なところの御
意見
をいただければというふうに思います。
島野康
7
○
参考人
(
島野康
君) 先ほど冒頭に申し上げましたように、
政府
の方針でございまして、直接
相談
というのは、
各地
にいろんな
消費生活センター
がいっぱい、今五百か所もできたということですから、そういうところの中核的機能をしなさいということで、直接
相談
の窓口をやや制限したわけですね。あれを全部、
相談
の
電話
回線をいっぱい広げていればかなり多くの件数も来ると思いますけれ
ども
、そういった形で
経由相談
の方に力を入れてきたということですね。
平成
十一年度ではたったの六百七件が
経由相談
だったんですが、今は五千件を超えております。ということで、そちらの方にシフトしてきたというのが
国民生活センター
の、何といいますか、
政府
の方針に沿ってやってきたということですね。 ただ、当初、
消費生活センター
に
相談
があるというのはそんな件数余り多く、先ほど申し上げましたように、十年前のもう三倍になっているわけですから、やや余裕があったときもあるわけですね。ところが、今は百万件を超えるということになると、もう
相談員
さんは忙しくて忙しくてというところで、やはりちょっと人数的にやや足らないとか、そういうところも見られるのではないかと。これはもう自治体の方ですと自治体の自治
事務
でありまして、これを何人にした方がいいとかというようなことは
政府
の方でも言えないと思いますけれ
ども
、これ、各自治体がもう少し
消費者
行政
に力を入れていただければ有り難いなというのは先生おっしゃったように率直な感じはいたします。
相原久美子
8
○
相原久美子
君 ありがとうございます。
現場
は政治に翻弄されているという部分もあるのかなというふうにお伺いいたしましたが。 二点目でございますが、最前線で
相談
を担っている
相談員
さん、これは、先ほ
ども
おっしゃっておりましたけれ
ども
、資格を有し、そして様々な
法改正
についても対処をしなければならない。そして、
消費者相談
そのものが多様化し
悪質化
してきているということのようです。しかし、この基幹的で本格的な
業務
であるここの
相談員
さんのところは、お伺いいたしますと非常勤職員だということでございますが、正規の職員ではなくて非常勤職員として配置している理由というのがありましたら、お伺いしたいと思います。
島野康
9
○
参考人
(
島野康
君) これは、当初、消費生活
相談
というのは余り、何といいますか、それこそ和解みたいなので合意をしてこれこれしましょうという、余り
法律
的な
専門
性をそれほど有したものではなかったような気がするんですね、当初、昭和四十三年に
消費者
保護基本法ができたとかそういったとき。そうすると、買物
相談
だとかあるいは品質に対してどうのこうのの
相談
ということで、いろんな社会的な知識を有した、主婦経験といいますか、そういう生活を重視したような
方々
といいますと、余り、常勤の
方々
だとなかなか難しかったような時期もありまして、元々はそういう
方々
が、あるいは地方ですと婦人
団体
の長とかそういう方がやられていたんで、非常勤というのが割合、十日ぐらいだったら行けますよみたいなのが元々だったんですね。 ただ、今は、先生御指摘のように、もう
法律
が今現在、日本で施行されているのが千七百八十一本ぐらいあると思いますが、その中に、本来的
消費者
法とか機能的
消費者
法というとかなりありますね。そういうのをかなり勉強されて、法的にどういうふうに考えればいいんだとか、あるいは判例は今どういう状況にあるのかと、
消費者
法における司法の積極主義みたいなことを言われる先生もいますけれ
ども
、そういうことをいろいろいろいろ勉強しなくちゃいけないということで、非常勤でずっとそういう形でやっていくのがいいかどうかというのは今後いろんな形で
検討
されるべきことではないかなというふうには思います。
相原久美子
10
○
相原久美子
君 ありがとうございます。 時代の変遷とともに体制についても考えていかなければならない、そういう時期に来ているのかなというふうな思いがいたします。 次に、
野々山参考人
にお伺いしたいと思います。 昨今は本当に、昨年はやりました「偽」という字に表れているように、企業モラルが問われているのではないかというような
消費者トラブル
が多発しております。その意味で、広範な
国民
の生命、財産を守るという意味で皆さんが御活躍いただいているということに対して敬意を表したいというふうに思っておりますが。 調べてみますと、今回の
訴訟
制度
にかかわる部分では、
適格消費者団体
、この数が、調べてみますと少ない。先ほ
ども
御
報告
いただきました。それで、この
適格消費者団体
になるための
認定
ですね、ここで、私は当然として
基準
はあるべきだと思うんですけれ
ども
、何かこの
適格消費者団体
になるために
認定
の
基準
のところで皆さんがお考えになっている点がありましたら、お答えいただければと思いますが。
野々山宏
11
○
参考人
(
野々山宏
君)
認定
基準
は、
活動
実績あるいは予算とか、そういう体制の問題があるわけでありますけれ
ども
。
一つ
は、私
ども
、なかなかきついなというのは
活動
実績の問題があります。なぜかといいますと、これらの
適格消費者団体
になる
団体
は一定の
専門
性を要するところがありますので、様々な
団体
が集まって、そして新しいネットワークを築いて、そこから
認定
の申請をしていくということがあるわけですね。そうしますと、そのネットワークをつくってから、今のところ二年の
活動
実績がないと
認定
をしてもらえないというのがあるわけです。それまでのそれぞれの
団体
の
活動
が十分評価されてこないという面があります。そういう意味では、
団体
が構成員となっているようなこういう新しいネットワーク
組織
、
適格消費者団体
を目指す
団体
については、その構成員となっている
消費者団体
の
活動
等も十分評価して
認定
をしていただきたいということであります。現在、
兵庫
県のネットワークが申請していますが、当初はもっと早く申請を出しましたけれ
ども
、その点が若干問題になって
認定
が遅れてきたということがあります。 それからもう
一つ
は、体制の問題であります。 私
ども
は、特に私
ども
の当
法人
はそれほど多くない予算の中でボランティアで
活動
しておりますけれ
ども
、そういう
活動
について、やはり脆弱であるという評価が下りますと
認定
が下りないということになります。ですから、やはりそういうボランティアでやっていることも十分評価はしてもらっていると思いますけれ
ども
、その点の評価、体制の評価についても実際の
活動
を十分考慮してもらいたいというふうに思っております。
相原久美子
12
○
相原久美子
君 ありがとうございます。
活動
資金等々についてお伺いしようと思ったんですが、きちっと要望等々についても先ほど御
説明
いただきましたので、あと一点のみ。
消費者
生活
相談
を行っているという意味では、今こちらの方にいらっしゃいますように
国民生活センター
、それから
全国各地
の
地方公共団体
が設置しております
消費者
生活
センター
、こういうところがあるわけですけれ
ども
、皆さんの
団体
との連携というのはあるのでしょうか。
野々山宏
13
○
参考人
(
野々山宏
君) 具体的な連携というのは、定期的な懇談会等開いております。それから、
情報提供
等につきましては、各自治体の
センター
との間で
協議
をして、どのような
情報
を出してもらえるかということにつきましてお話をしております。それから、
相談
者の中には、こういう
団体
があるので
情報提供
をして
消費者
全体のために
差止請求
等について
検討
してもらったらというアドバイスをしてもらったりしていただいております。そういうことから当
団体
の方に
情報提供
していただいているということもあります。そういう形でも、ネットワークというか
意見
交換をさせていただいております。
相原久美子
14
○
相原久美子
君 ありがとうございます。 時間ですので、私
ども
も、私たち自身も
消費者
でございますから、やはり
消費者
として皆さんの
活動
、これには本当に御期待を申し上げるのですが、ただ、それは皆さんの善意にだけということではなくて
行政
としてもしっかりかかわれる、そして我々も
法律
等々によるバックアップができるというような形で考えてまいりたいと思います。 本日は本当にありがとうございました。
有村治子
15
○有村治子君 おはようございます。自由民主党の有村治子でございます。 今日は、
国民生活センター
理事
の
島野
さん、そして
京都
消費者契約
ネットワークの
理事長
、
野々山
さん、それぞれに貴重なお話を伺いました。またお二方が代表される
団体
や、同じ機能を持って、目標を持って、安心できる
国民生活
、消費生活のために、粘り強く、またたゆまない御尽力をいただいていますことに、まず心からの敬意を申し上げ、
幾つ
かの質問をさせていただきたいと存じます。 まず、
島野
理事
にお伺いさせていただこうと存じます。 今日のレジュメを拝見させていただきまして、二番、最近の
消費生活センター
に
年間
百万件を超える
苦情相談
が出ている、これは十年前の三倍にも上るというふうに御指摘がありました。
内容
も複雑化、多様化、
悪質化
というふうにおっしゃいましたけれ
ども
、例えばどんな
消費者トラブル
が起こっているのか、
悪質化
というものの典型的な類型とかパターンとかあるいは現在の潮流というものにはどういうものがあるのか、お教えいただきたいと存じます。
島野康
16
○
参考人
(
島野康
君)
悪質化
という、複雑化、多様化というのはよく分かる話だと思いますけれ
ども
、
消費者
問題というものはいろんな面で広くなってきましたけれ
ども
、いわゆる業法違反といいますか、業法に対する違反というのが多く見られたんだと思うんです。 ところが、いわゆる刑法違反というか、確信犯的に、もう捕まったら向こう行くよというようなのが、特に
高齢者
などに対して金員を詐取するというようなのも
センター
に入ってくるようになりました。これは我々の方ではなかなか手に負えない部分があって、
野々山
弁護士
等にもいろいろ御
助言
いただいたり、
弁護士
会と連携したりしてやる場合もありますが、先ほどの違法収益吐き出し法制などについてもいろんな面で
検討
される余地があるのかなというふうに思ったりします。 個々の事案を言いますともう本当に多いですので、簡単にこの辺でというふうに思います。
有村治子
17
○有村治子君 先ほどのお話を伺いまして、
悪質化
というのは、私も、いわゆる確信犯、うっかりミスというのではなく、やっちゃえばいいやというような、そんな
消費者
に対する欺瞞というか偽善ということをやっているのがあるのかなというふうに思っておりました。これは
国民生活
、私たち
消費者
であり生産者であるということのやっぱり
国民
としての倫理観を高めていくことも重要かなというふうに思っております。 次の質問に入らせていただきます。 昨年末に出された「
国民生活センター
による
消費者
紛争解決
制度
の在り方について」の附属データを拝見させていただきますと、昨年の
調査
では、
国民生活センター
の存在を知っている人は半数に満たないという結果を御
報告
されています。一方、
消費生活センター
、
全国
で、私の認識が間違っていなかったら、五百三十一か所というふうに承りましたが、この
消費生活センター
の存在を知っているという人は八割近くに上っておりまして、この状況からいたしますと、
紛争解決
委員会
の存在については、
国民
の皆さんのより近いところにある
消費生活センター
経由で認知されることが重要と考えられますし、また事案についても、先ほど
島野参考人
からお話があったように、
消費生活センター
経由で
委員会
にもたらされることが多いのだと推察をいたします。 そういう意味で、
国民生活センター
については、
紛争解決
機関
という機能を持つということを周知徹底していただく一方、現実的には、五百三十一か所の
消費生活センター
との連携による
紛争解決
というのが現実的なファンクションかと思います。 そういう意味で、先ほどレジュメの三でおっしゃいましたけれ
ども
、いわゆる
経由相談
の中で、
各地
の
消費生活センター
で
解決
困難な
相談
について受付、処理をするというのはどういうすみ分けがあるのか。それぞれの
消費生活センター
、また
国民生活センター
の持ち味、強み、またすみ分けについてお話しをいただければ有り難いと存じます。
島野康
18
○
参考人
(
島野康
君) 今、
センター
の認知度というので先生御指摘になりましたけれ
ども
、私
ども
の、ちょっと手元にないんですが、
国民生活
動向
調査
、先ほど相原先生が引用しました四%の云々というのですが、あそこの
調査
ですと、私の記憶なんですが、
国民生活センター
及び
消費生活センター
を知っているというのは八六%ぐらいになると思うんですが、
国民生活センター
だけを知っている、
消費生活センター
だけを知っている、あるいはいずれかを知っていると、まあそういう意味でありますが。といって、結構新聞等には毎日のように
国民生活センター
というのが報道されていますので、やや認知度、もうちょっとあるのかなと。だから、そう思いましたけれ
ども
、そういう
調査
もあるんだったらもう少し頑張らないといけないなというふうに思いましたが。 すみ分け論なんですが、
各地
の
消費生活センター
といいましても、名前が生活科学
センター
があったり消費生活総合
センター
があったり、あるいは週数日開くだけの
センター
もあるということになりますと、
経由相談
の難しさといっても、相対的といいますか、Aという
センター
では結構難しいけれ
ども
Bという
センター
ではそんなに難しくない場合もありますね。であるから、余り
基準
を設けて、これは
国民生活センター
の
経由相談
になじむとか何々ということはしませんでした。その
消費生活相談員
がこれは難しいなとかあるいはこれは聞きたいなと思ったら自由に訪ねていただくというような
格好
でつくったものが
経由相談
の窓口であります。 あと、
紛争解決
委員会
、
委員会
のお話になりましたけれ
ども
、これもやっぱりいろんな面で周知しますとか、
各地
、
国民
に対する、こういうものを
国民生活センター
に行ったらADR
機関
としてこういうことをやっているよというのは、この法案が通していただければ、それこそ死に物狂いじゃないですけれ
ども
、多くのメディアの御協力も得ながら周知徹底を図りたいというふうに思います。 ただ、
各地
の
センター
がというか、
地方公共団体
が扱う
紛争
と
国民生活センター
の
委員会
で扱う
紛争
というのは、我々は、やや重要の
消費者
紛争
と、いわゆる何県かで広域的にあるものとか、本当に新手なものとか、非常に重篤なものとか、そういうのを今は考えているところであります。
有村治子
19
○有村治子君 またレジュメの三の③についてお伺いします。
あっせん
処理ということで先ほど御紹介がありました。三百件ほど受け付けられて、
解決
に至ったのは二百五十件、約六十件は
解決
に至らずという、そんな御言及がございました。この六十件というのは、なぜ
あっせん
では
解決
に至らないのか、どのような傾向、あるいはどのようなパターンがあるのか、御紹介いただきたいと存じます。
島野康
20
○
参考人
(
島野康
君) これは
あっせん
不調と我々は言いますけれ
ども
、
事業者
が全く先ほどのように、ラウンドテーブルではありませんが、
一つ
のところに着いてくださいよ、着いたとしても全く、言い方はちょっと厳しいかもしれませんけれ
ども
、聞く耳を持たないというものとか、先ほどより、もう
あっせん
しようにも
あっせん
しようがないというようなのも、我々がちょっとケーススタディー的にやりますと、三分の二ぐらいは
事業者
側によるものかなと。ただ、
消費者
側にもやや、かなり過大な要求をされる方もなくはないということで、このくらいが一般的ではないかなといろんな
専門
家などにも話を聞きながらやっても、いや、それじゃちょっとというのも、それはなくはないわけですね。 ですから、多くは
事業者
側によると思いますけれ
ども
、
消費者
にもややそういう部分もなくはないということですね。
有村治子
21
○有村治子君 ありがとうございます。 今の話を伺っても、利害
関係
が異なる両者の中で
あっせん
をするという、大変な御尽力をいただいているんだなと拝察を申し上げます。 それでは、
京都
消費者契約
ネットワークの
野々山
理事長
にお伺いさせていただきたいと存じます。 今の
島野参考人
の話に関連するんですけれ
ども
、今まで
京都
で大変な御活躍を、何もないところからNPOとして立ち上げられたことに本当に敬意と関心を持ちつつ伺いますけれ
ども
、
アパート
、
マンション
の契約とか
高齢者
に対する
訪問販売
というような、それを是正する実績おありになるようでございますが、
申入れ
と書いてあるんですが、この
申入れ
がどのくらい機能するんでしょうか。それが機能しない場合は
裁判
の
提起
ということで書いてあるんですが、
申入れ
からちょっと
裁判
というのは随分と拘束力というか、コミットしなきゃいけない労力も随分とこの間には差がある、ギャップがあるような気もいたしますが、
申入れ
というのはそもそもどのくらい機能するものなんでしょうか。
野々山宏
22
○
参考人
(
野々山宏
君)
消費者団体訴訟制度
ができる前は、
申入れ
は全く法的な根拠のないというか法的な裏付けのないものであります。
消費者団体
がその
活動
として
事業体
の方に
改善
を要求していくわけですね。そうすると、
事業体
の方でコンプライアンスの精神の下でそれに
改善
していければ
対応
できますけど、悪質
業者
、およそそういう
対応
のない者については無視されるということが多くありました。また、悪質
業者
じゃないとしても、
改善
の気持ちが全くなければ無視をする。
賃貸
関係
のところでは
申入れ
を何回もしていますけれ
ども
、それに対して
改善
するということでのお答えをいただいたことはないわけであります。そういう意味では、本当に
事業者
の皆さんの自覚にまつことが、この
消費者団体訴訟制度
ができる前はそれに負うところが多かったわけであります。 ところが、
消費者団体訴訟制度
ができますと、もし
申入れ
に対してこたえなかった場合、それが
消費者契約法
の各法規に抵触するような場合につきましては、提訴が後に控えているということになるわけですね。おのずとそこには真剣に
検討
しなくては企業の
対応
を誤るということがあるわけであります。そういう意味で、
消費者団体訴訟制度
ができ上がった以降につきましては、
申入れ
については、コンプライアンスを考えているところではそのほとんどが
対応
を
検討
をしていただいております。ただ、それを全く無視する悪質
業者
につきましては、当然それは、あとはもう
訴訟
をしていくということになるわけであります。 そういう意味で、
消費者団体訴訟制度
ができ上がったことによりまして、私
ども
からの、
適格消費者団体
からの
改善
要求に対しては効果が出てきているというふうに考えております。
有村治子
23
○有村治子君 時間の
関係
で最後の質問になろうかと存じます。お二方のうちどちらか、あるいは御両人とも適切であればお答えいただきたいと思います。 先ほどから何度か出ておりますけれ
ども
、ADR、
裁判
外
紛争解決
については、オルタナティブ・ディスピュート・レゾリューションでしたっけ、ちょっと耳慣れないなという感じがいたします。今後これが、私も
行政
書士の先生方のADRにかかわったことがあるんですけれ
ども
、ADRあるいは
裁判
外
紛争解決
というのは、今後、語句として、概念とともにやっぱり語句も広げていくためには大事なことだと思うんですが、この語句はこれから定着していくんでしょうか。それとも、もう少し
国民
にフレンドリーな言葉になっていくべきとお考えになられるのか、その辺、教えていただきたいと存じます。
島野康
24
○
参考人
(
島野康
君) ADRって割合なじみ、おっしゃるように、ないかもしれませんね。 私も昔、朝日の「論壇」というところに製造物責任法の早期制定をと書いたことがありますけれ
ども
、そのときに担当の方が、製造物責任法ってだれも知らないよと、こんなの違う言い方をしたらどうですかというふうに
電話
で連絡をいただいたことがあるんですよ。ところが、それはもう製造物責任法というのを広めたいという部分もあったので、それで
お願い
しますと。今だと、製造物責任法って、PL法と言うとかなり皆さん知っておられることだと思うんですね。 だから、ADRも、オルタナティブ・ディスピュート・レゾリューションなんて言うとなかなか分からないんですが、日本語に訳しても
裁判外紛争解決手続
なんて言うとまた分からないかもしれませんけれ
ども
、多分だんだん機能することによって、ただ置いてあるだけだと全く人の耳にも入らないと思いますけれ
ども
、それが活用されていることによって人々に普及していくのではないかというふうに思っています。
野々山宏
25
○
参考人
(
野々山宏
君) 私も適当な言葉があればいいとは確かに思います。
裁判
によらない
紛争解決
手段、
紛争解決
手続とか、そういうような言葉でうまく浸透していけばいいわけですけれ
ども
、今、
島野
さんがおっしゃられたようにやはりADRというものは次第に浸透してきているんではないかというふうに私も思いますので、適当な言葉が出てこないのであればこの言葉をこれからも広めていくということになるかというふうに思っております。
有村治子
26
○有村治子君 以上で質問を完了させていただきます。御協力ありがとうございました。
風間昶
27
○風間昶君 公明党の風間です。 今日はありがとうございます。 まず、
適格消費者団体
に
認定
されました
野々山
さんにお伺いしたいというふうに思います。
認定
されて四か月弱でもうすばらしい
活動
をされていることにまず敬意を表します。 それで、問題は、今まで四つの
団体
が
認定
されて、これから更に増えてくる可能性があると思います。先ほどお話の中で、要するに
活動
資金の問題で、恐らく
会員
のボランティアあるいは賛同者の
方々
の資金がメーンだと思うんですけれ
ども
、まさか企業に寄附を
お願い
するわけにいかないでしょうから、それも
一つ
の方法かもしれませんが、税制控除を具体的にどういうふうに、もし端的に分かりやすく、私素人ですので教えていただければ有り難いということ。もう
一つ
、国からの公的支援も
一つ
の方法かと私は思うものですから、これについてのお考えをお伺いしたいということが
一つ
。 それから、財政の話じゃなくて今度は、
消費者
救済
のために被害を未然に
防止
することが本来の私は目的でなければならないというふうに思いますが、
消費者団体訴訟制度
ができて、ある意味では、何というんでしょうか、
紛争解決
の手段で
裁判
、
訴訟
が目的になっていることになると、これはある意味では、それは当該者の方からは理解されるかもしれぬけれ
ども
、多くの
国民
の
方々
からは大きな運動論として展開していくにはかなり厳しいと思うんですが、その懸念を払拭していくにはどうしたらいいかという、この二点をお伺いしたいと思います。
野々山宏
28
○
参考人
(
野々山宏
君) 財政の問題につきましては、現在私
ども
の財政を支えているのは会費と寄附であります。寄附は個人の方から寄附をいただいておるわけでありますが、会費は個人が
年間
三千円、それから
団体
が六千円で一口として何口でもということで
お願い
はしているわけです。それで集まっても百人
程度
の
会員
ですのでたかが知れているわけであります。個人の方の寄附を入れても現在百数十万円の予算で
活動
しております。パートの方を
事務
の方で
お願い
しまして
事務
作業と、あとはもうほとんどボランティアでやっているということであります。 同じようなこういう
団体
が世界にあるわけですけれ
ども
、いずれも様々な資金を集めているわけであります。
一つ
は、イギリス等で行われているように本を発行します。雑誌を発行しまして、その雑誌の収益でやっていると、ただ私
ども
はまだまだそこまでの力はないわけであります。それから、ドイツ等では公的な資金、自治体とかあるいは国が資金援助を直接しております。アメリカ等へ行きますと、これは寄附が多いんですね。寄附をする、恐らく、私も細かく税制のことを調べたわけではありませんけれ
ども
、税制の様々な優遇措置が公的な
活動
をしているところに対する寄附にはあるというふうに考えております。
認定
NPOになればそれは現在の
制度
の中でも所得控除という形ではなるかと思いますけれ
ども
、あくまで所得の中で控除されていくことになるわけでありますから、より直接的ではない。税額控除、税額の中から一定、寄附をすれば税額から控除されるような
制度
があれば、それはより個人の方でも寄附をしていこうという気持ちが、動機付けになるかというふうに思っております。そういうような、日本はまだ社会として寄附社会でありませんので、そういう税制等の措置をとることによってそういう背景的なものを、そういう社会的な定着をしていったらどうかと、寄附社会の方にしていったらどうかというふうに思っております。 アメリカの
消費者団体
へ行きますと、壁のところに寄附をしていた方の名前がずっと書いてありまして、ランクをしてあって、一緒に行った通訳の方が
弁護士
だったんですけれ
ども
、その方がその壁の表示を見まして、
自分
の尊敬する
法律
事務
所の方がやはり高い寄附をしているということをおっしゃっていましたので、やはりそういう寄附をこういう公的
団体
にするような
制度
的な措置を是非とってもらいたいなというふうには思っております。 それから、
訴訟
がどうなのかということですが、先ほどの御質問にもお答えしましたけれ
ども
、やはり
訴訟
が目的では私
ども
ないわけであります。不当な
契約条項
とかあるいは不当な広告、不当な
勧誘行為
がなくなることがやはり大事でありまして、そういう意味では、現在のところは
訴訟
に至らず
解決
することが非常に多い。 ただ、それはなぜなのかというと、
訴訟
制度
があるからであります。
訴訟
制度
が背景にあるからでありまして、現在、私
ども
の資金の状況あるいは人的な構成からすると、そんなにたくさんの
訴訟
を起こすようなものはありません。ただ、やはり
訴訟
を起こさなければ、問題のあるものに対して
訴訟
を起こさなければ、その前の
申入れ
に対しても適切な
対応
をしていただけないということは考えております。ですので、やはりそれをバランス良くやっていくことが大事かというふうに思っております。
消費者機構日本
とかあるいは
消費者支援機構関西
という
二つ
の大きな
適格消費者団体
があるわけですけれ
ども
、そこは一千万以上の資金を持って
活動
しているわけでありますけれ
ども
、その中でも百万ないし二百万
程度
の
訴訟
費用で今運営をして、予算で
活動
していると聞いております。そうなってくると、それ自体、一件か二件、二、三件の
訴訟
をできる資金になりますので、実際にお金を払う、
弁護士
に払うということになれば、そういう意味では、そんなにたくさんの
訴訟
が行われるということを前提とした
活動
にはなっていないということになっております。
風間昶
29
○風間昶君 それでは、
センター
の
島野
さんにお伺いします。 まずは、
国民生活
審議会の
意見
の中にもありましたけれ
ども
、
救済
機能強化のために
センター
自身が
事業者
の違法
行為
に対するある一定
程度
の権限を、請求権を含めて持つことが議論されておりますが、この
事業者
そのものに対する請求権を
センター
自身が持つことについての
意見
をいただきたいというふうに思います。 それから、先ほどの、直接
相談
よりも
経由相談
の方が多いということで、直接
国民
センター
が受け入れるやつ、あるいは地方の
消費生活センター
と共同でやるやつ、あるいはその
助言
という三通りのかかわり方があると思いますが、どれが今一番多いのか、教えてください。それが
二つ目
。じゃ、たくさんあるので。
島野康
30
○
参考人
(
島野康
君) いろんな請求権というのは、例えば出頭要求請求権とか文書
提出
請求権とか、そういうことだと思いますけれ
ども
、ADRの手続というのは、基本的に当事者間の合意ということを前提としているのではないかということで、そういう権限を、
出席
の要求権とか、
出席
をしない場合には何か過料を付すとかというのは、ややこういうADRにはなじまないのではないかというふうに思っています。 それから、
経由相談
、あるいは直接
相談
もそうなんですが、もうこれは
助言
というのが圧倒的なものでありまして九割近く、
経由相談
ですと八八%、言わば九割ぐらいが
助言
になっております。
各地
の
消費生活センター
で
消費者
に対するのも
助言
が多くなっているということです。 これはやや古文書のようになっている通達で、
内閣
府の人も余り知らないんじゃないかと思いますけれ
ども
、昭和四十五年五月四日に
国民生活
局長
通達というのがございまして、それは
国民生活
局長
から都道府県の知事あての通達で、
地方公共団体
における
苦情処理
体制の整備についてというので、苦情の
あっせん
という項目がございまして、そこでは、窓口で受け付けた苦情については、単に相手方に伝えるだけでなく、
解決
に必要な
情報
を
提供
し、当事者の希望があれば
あっせん
案を提示するなど積極的に取り組み、その苦情が最終的に
解決
するまで見届ける必要があるというすばらしいものが昔出たことがあるんですが、それはもう、昭和四十五年とか何年とかというと、そんなに苦情が多かったときじゃないんですね。そうすると、
一つ
一つ
結構
あっせん
をしながらやっていくということで、件数の非常に多くなったことにもよりますし、
助言
という形で、そうせざるを得ない面もありますが、そういう形で
助言
が圧倒的になっております。
風間昶
31
○風間昶君 あと三分少々しかないので、よろしく
お願い
したいと思います。 地方の
消費生活センター
との連携は極めて大事で、そのためにハードの部分ではPIO―NETがあるということで理解していますが、
全国
の五百四十七にすべてこれ配置されていない、配置されているとしても機能していないという実態がありますから、要するに、ちゃんと機能できるようにするための、まず、どのぐらい今配置されているのかということを伺って、それを機能させるためにどうするのかというハードの問題。 それから、人の問題ですけれ
ども
、
相談員
が三千数百名いるんだけれ
ども
、資格を持っている人が実際にはそのうちの三分の一ぐらいしか仕事をしていない。仕事をしていないというとおかしいかな、いろんな条件があるんでしょう、非常勤だとかいろんなこともあるんでしょうし、あれなんですけれ
ども
。そのことをしっかり
相談員
の
方々
が、資格
認定
研修
はいいんですけれ
ども
、受けた、資格取れた三千名近くいても、千四百名ぐらいしか実際に
業務
に携わっていないということは、あと眠っている資格
相談員
がおいでになるので、そのことに対してどうしていくのかという問題、
二つ目
ですね。 そして、人の問題でいうと、特に
全国
的な大きな問題になれば、
国民生活
審議会でもいわゆる
消費者
Gメンというものを設置すべきだという
意見
を述べられております。これは、金融の
専門
家とか何かも含めた、法曹の
方々
のこともあるんでしょうし、このことについてどういう今お考えなのか、三点、お伺いしたいと思います。
島野康
32
○
参考人
(
島野康
君) 今のPIO―NETの設置の状況でございますが、
各地
の
センター
というのが、
内閣
府の
調査
ですと五百三十八か所というふうに聞いております。そのうち四百八十五がPIO―NETを今設置済みでございまして、九〇%なんですね。あと一割というところであります。そういったところへ全部、一〇〇%にするというのは、我々の親元といいますか
内閣
府にいろいろ
検討
していただくと、我々もそういう面で
内閣
府に
お願い
しているというようなところであります。 それから、死んでいる、死んでいるといいますか、かなり難しい
消費生活相談員
、
専門
の
研修
といいますか、その資格なんですが、先生おっしゃるように、三千二、三百人ですか、いらっしゃって、今は千五百人、千四百六十名ぐらいが
各地
の
センター
に就職しているわけなんですが、この人たちも、やや、東京とか割に大都市の方が多いんですね。そうすると、
消費生活センター
にキャパシティーじゃないですけれ
ども
、人員がこのくらいの定員しかないというとなかなかそこまで入り切れないのと、その方の中で、資格を持っていても必ずしも
消費生活センター
だけではなくて、企業にいる方もなくはないんですね。ですから、その資格が全く死んでいるということではないというふうに私らは理解しているところです。 もう一点は何でしたっけ。
風間昶
33
○風間昶君 Gメン。
島野康
34
○
参考人
(
島野康
君)
消費者
Gメンですか。
消費者
Gメンについては、また審議会等で言われ、あるいは今後推進会議などでどういう形で、結果的にはどういうふうにそれが
活動
させるのか、どういう性格付けなのかというのをもう少し見させていただいて、まだよく我々も十分理解できない部分もありますので、
国民生活センター
としてどうするというのはちょっと控えさせていただきます。
風間昶
35
○風間昶君 終わります。
糸数慶子
36
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子と申します。よろしく
お願い
いたします。 本日は、
国民生活センター
の
島野
理事
、そして
京都
消費者契約
ネットワークの
野々山
理事長
、お忙しい中
参考人
として御
出席
いただきまして、ありがとうございました。 まず最初に、
国民生活センター
の
島野
理事
にお伺いしたいと思います。
国民生活センター
に集められた消費生活
相談
事例は、
平成
十八年度においておおよそ百十一万件にも及んでいると伺っています。こうした
情報
が
収集
されて、さらに
分析
調査
されることは、
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
における
解決
の
対象
となる重要
消費者
紛争
を判断する上で非常に重要な意味を持つものであります。 また、この
調査
分析
された
情報
が
行政機関
や
関係
団体
に
提供
されることによりまして
消費者
行政
に何が求められているかを示す指標ともなるわけですが、そこで、これらの
情報
集積、
分析
などはどのように行われて、いかなる判断によって選ばれた
情報
が
行政機関
や
関係
団体
に
提供
されているのか、それぞれにかかわる職員数と、それから併せて
国民生活センター
内における体制について御
説明
をお伺いいたします。その際、その現状における所感も是非お伺いいたします。
島野康
37
○
参考人
(
島野康
君) PIO―NETの
収集
ですけれ
ども
、これは先ほど申し上げましたように、四百八十五か所あるところから皆さんの御協力で一件一件入れていただいていると、そういうのが集積するということです。 それで、どういうものを
分析
して出すのかということですが、これはやっぱり新たな手口とか、非常に重篤性があるとか、あるいは何か急増してきたぞとか、そういうのを早期警戒指標みたいな形で、我々の方で今開発中ではあるんですけれ
ども
、そんな
格好
で、今までは職員のやや勘みたいなのがありますが、そういう形で
情報
を
提供
してきたということですね。
国民生活センター
の体制でございますが、職員数は現在百十七名でございます。百十七名でございまして、もちろん総務とか経理というのはもちろんあるわけですけれ
ども
、その
情報
を
分析
するようなところですと
情報
部と、こう申しますが、二十名でございます。それから、やや、体制ですから、
分析
とはちょっと離れるかもしれませんけれ
ども
、
相談
の受付処理をしているのは
相談
部が管理職みんな含めて十四名ということで、
商品テスト
は危害
情報
室と、危害
情報
のを入れまして二十七名と、
研修
部が九名と、そういうような人数配置になっております。
糸数慶子
38
○糸数慶子君 ありがとうございました。 最近の
消費者トラブル
、大変複雑化しておりますし、
解決
が困難になっている事例も多いと思います。
消費者
とそれから直接接しながら
相談
業務
に当たる
消費生活相談員
の資質の維持あるいは向上は切実な
課題
でもあると思うわけですが、
国民生活センター
が実施するこの
研修
の受講を
消費生活相談員
が希望しても、定員の都合でなかなか受けられないこともあるというふうに聞き及んでおります。そうした事実があるのでしょうか。もしあるのであれば、
研修
の充実を
検討
しているのかどうか、併せてお伺いいたします。
島野康
39
○
参考人
(
島野康
君) 昨年の九月ぐらいまでですか、先生の御指摘のように、
研修
を申し込んでも、部屋が六十名とか五十名とかというふうにしか入れませんのでお断りせざるを得なかったということなんですが、やはり要望のあるところは皆、全員受けていただきたいということで、その部屋には入り切れないんですが、その部屋からテレビを引きまして、そこで受けていただくということで、今は一切、一人もお断りすることはないというふうであります。 ただ、一点、そういうゼミみたいな形で、小さいところである事例研究なんてなるとちょっと難しい面、トレードオフみたいな部分がありますので、それはありますけれ
ども
、お断りするということは今現在はございません。
糸数慶子
40
○糸数慶子君 ありがとうございました。 じゃ、続きまして、
京都
消費者契約
ネットワーク
野々山
理事長
にお伺いをいたします。
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
によりまして
適格消費者団体
による
差止請求
の
対象
が拡大して、今後一層の活躍が
適格消費者団体
に期待されるわけですが、しかし現在
認定
されている
適格消費者団体
が五
団体
と、大変少ないように思います。なかなか
適格消費者団体
の数が増えない
原因
は何だと感じていらっしゃるのか、お伺いいたします。
野々山宏
41
○
参考人
(
野々山宏
君) まず、
訴訟
をしていくということについて、これまで
消費者団体
がこれを担っていくという経験がまだないわけであります。そういう意味では、そういう体制をつくるのに多少時間が掛かるということがあります。それから、やはり
訴訟
をしていく上においては、一定の経済的なものとか人的な体制も必要になってくるわけであります。そういう経済的な体制につきまして、現在の日本の
消費者団体
というものは十分なものがまだないということが挙げられます。それによって慎重になっているというふうに思っております。 それともう
一つ
は、
消費者団体訴訟制度
が一昨年制定されましたけれ
ども
、その際の
法律
は、これらの
適格消費者団体
に対しまして極めて強い監督権限、監督
条項
を設けているんですね。それから、
事務
手数料も極めて多いということが挙げられます。そういうものを担っていくということにつきまして、それをやるのも、先ほど申し上げた体制の問題もありまして、そういう監督が非常にきついと、
事務
作業が非常に多いということも
認定
を申請するのを妨げる
一つ
の
原因
になっているというふうに考えております。
糸数慶子
42
○糸数慶子君 ありがとうございました。 続きまして、先ほ
ども
似たような御質問もございましたけれ
ども
、改めてお伺いしたいと思います。
京都
消費者契約
ネットワークにおける
平成
十八年度の収支計算書を見ていきますと、およそ二百五十二万円の収入のうちの約六割の百五十六万円は
消費者
支援基金による補助金の収入でございますね。それで、
消費者
支援基金とは、
NPO法人
企業社会責任フォーラムが
事務
局となって、
事業者
や
消費者
、大学などからの寄附金によりまして
消費者団体
を助成するものであるわけですが、今後、
適格消費者団体
の数が増加する可能性から考えていきますと、この支援基金による助成が今後も同様に続くとは限らないわけですね。 そこで、その支援基金による補助金が減額された場合、
京都
消費者契約
ネットワークの
活動
に支障が生じることがないか懸念されますけれ
ども
、現在の財政状況と併せて、今後の
説明
を
お願い
いたします。
野々山宏
43
○
参考人
(
野々山宏
君)
消費者
支援基金は、
消費者団体訴訟制度
を援助しようということで設立された基金であります。
平成
十八年度のその補助金というのは、一般的な
活動
、それまでの一一〇番であるとか、様々な
活動
に対して補助が出たものでありますけれ
ども
、御指摘のように、資金の、当然有限でありますので、現在ではそういう一般的な
活動
については補助が出ずに、具体的な
訴訟
活動
において、その
訴訟
に係る経費について補助をしていこうという方向であるというふうに聞いております。 私
ども
の
活動
において一般的な運営は、やはり
自分たち
の資金で今はやっておるわけであります。当然、経済的にはかなり苦しい中でやっております。ですから、先ほど申し上げましたように、ボランティアで支えられてきているということがあります。ただ、今後、
事務
作業がどんどん増えてくる、
訴訟
活動
もどんどん増えてくるということになれば体制の整備もしなくちゃいけませんので、その意味では、先ほど申し上げましたような公的資金の援助あるいは税制その他の
制度
的な援助というのを是非
お願い
したいというふうに考えております。
糸数慶子
44
○糸数慶子君 ありがとうございました。 今お答えがございましたように、ボランティアによって支えられているという実態と、今後の公的資金、やはり投入をしていくという状況の中から、むしろ
国民生活
に近いところで活躍をしていらっしゃる、これから活躍していただく
方々
を増やしていくということにつながるかと思います。 そういうことも併せまして考えていきますと、やはりこれからの
国民
の消費生活において最も必要なところでございますので、
国民
の意識という面から考えていきますと、やはりイギリスやアメリカにかんがみて、やはり
国民
も支えていく、ある意味、寄附
行為
であるとか、そういうことももちろん必要とされるわけでございますけど、やはり国からの、ある意味、公的な援助も併せて
活動
ができやすい状況に持っていくべきだというふうに考えております。 これからますます御活躍をしていただくお二方でございますけれ
ども
、今日は本当にお忙しい中、こうやって
出席
をいただきまして、
参考人
質疑
に御
出席
いただきましたことを感謝いたしまして、今の
質疑
にかかわる答弁を踏まえて、また午後の
質疑
につなげさせていただきたいと思います。ありがとうございました。 終わります。
岡田広
45
○
委員長
(
岡田広
君) 以上で
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。
参考人
の
方々
に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当
委員会
を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
岡田広
46
○
委員長
(
岡田広
君) ただいまから
内閣委員会
を再開いたします。
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
及び
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
の審査のため、本日の
委員会
に、
理事
会
協議
のとおり、
政府参考人
として
内閣
府
国民生活
局長
西達男君外四名の
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
岡田広
47
○
委員長
(
岡田広
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
岡田広
48
○
委員長
(
岡田広
君)
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
及び
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
、両案を一括して議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
相原久美子
49
○
相原久美子
君 民主党の
相原久美子
でございます。本日はよろしく
お願い
いたします。 まず、
消費者契約法
の
改正案
についてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。 二〇〇四年に成立しました
消費者基本法
では、
消費者
の安全の確保、選択の
機会
の確保、そして
情報
の
提供
、政策に対する
意見
の反映と、本当に
消費者
にとってその被害が生じたときに適切かつ迅速な
救済
の権利が保障されるというものになりました。 そして、この法案によりまして更なる強化が図られる
消費者契約法
、これは
事業者
と
消費者
との間にある
情報
の質及び量並びに
交渉
力の格差があるということにかんがみまして、
消費者
が
消費者契約
の取消しや
消費者契約
の
条項
の無効を主張できる場合を類型的に定めた
法律
であるというふうに思います。 その上で、今回の
消費者契約法
改正案
についてお伺いをしたいと思います。 まず、一点目でございます。
消費者契約法
でも言われております
消費者
の自立支援へと移行する現在の
消費者
行政
における
改正案
の位置付け、そして今後の
消費者
行政
の
方向性
についてお伺いしたいと思います。
岸田文雄
50
○
国務大臣
(岸田文雄君) ただいま
委員
から御指摘がありましたように、
平成
十六年に
消費者
保護基本法を
改正
しました
消費者基本法
、この中で
消費者
というもの、保護される
対象
から自立した存在、自立した主体というふうにとらえ直されまして、
消費者
の権利の尊重、そして
消費者
の自立の支援、こういったものが基本理念とされたところでございます。 そして、その中に、この
消費者団体
に期待される役割といたしまして、
消費者
の被害の
防止
及び
救済
のための
活動
に努めるということが記されております。
平成
十八年に
消費者契約法
を
改正
する形で発足しました
消費者団体訴訟制度
は、今申し上げました
消費者団体
に期待される役割、これを踏まえた形でこの
制度
がスタートしたというふうに位置付けられると存じます。 この
消費者団体
に期待される役割、
消費者
に支えられた
消費者団体
が不当な
行為
について
差止請求
権を行使することによって
消費者
の権利を尊重し、そして
消費者
の自立に資するということになると考えております。今回の
改正
はその
消費者団体訴訟制度
を更に拡大するということで、
景表法
及び
特商法
にも拡張していくということになっております。今御指摘の中でのこの今回の
法改正
の位置付けは、そういうことだというふうに思っています。 将来に向けての
消費者
行政
のありようについて御質問いただきましたが、大きな
方向性
としては、こうした法整備、あるいはこの
制度
の充実に努めなければいけないと思っていますが、あわせて、
消費者
行政
の
組織
自体もいま一度見直す必要があるんではないか、こうした問題意識の下に
消費者
行政
の一元化の議論も今進めているということでございます。
相原久美子
51
○
相原久美子
君 今、
組織
の見直しの点についてもお触れいただきました。今国会における福田総理の施政方針演説で、今年を生活者や
消費者
が主役となる社会へ向けたスタートの年と位置付けていらっしゃいました。そして、
内閣
の一員である
大臣
は、この言葉が意味するところ、多分に今お答えいただいた部分も含まれているかとは思いますけれ
ども
、どういうふうにとらえられているでしょうか。
岸田文雄
52
○
国務大臣
(岸田文雄君)
消費者
、生活者が主役となる社会のこの意味合いでありますが、明治以来、日本の
行政
組織
というのは、生産者あるいはサービスの
提供
者を発想の基点にしてつくられてきたという歴史があるというふうに思っています。こうした産業振興官庁が
中心
に
行政
組織
を形成してきたわけですが、そういった形の中でも
消費者
行政
は大切だということで努力はしてきたわけですが、結果としまして、こうした産業振興官庁それぞれに
消費者
を担当する
組織
が分散するという形になってしまったということかと思います。ですから、
消費者
というのは、
所管官庁
の規制を通じて間接的に保護される存在ということになってしまっていたというふうに認識をしています。 是非こうした体制の見直しを通じて、やっぱり
消費者
の役割、存在というものをもっと主役としてクローズアップして
対応
していく、そうした
組織
を考えなければいけないんではないか、これがこの意味の
一つ
だと思っていますし、更に言いますと、今、
消費者
に対する考え方は、最近欧米諸国では随分と言われているようですが、
消費者
市民社会という考え方、要は
消費者
というものは、まずは経済合理性に基づいて行動する、節約をする、より経済合理性にかなった行動をする、こういったことが求められる、これは当然のことですが、それだけにとどまらずに、やはり
消費者
というものは、
消費者
行動を通じてエネルギー問題ですとか環境問題ですとか、さらには倫理問題とか、こうした大きなテーマについても
消費者
の立場からかかわっていく、役割を果たしていく、こういった考え方、
消費者
市民社会というふうに訳しているようですが、こういった考え方が欧米社会では随分と議論されているようであります。 日本の
消費者
行政
、
消費者
社会においても、こういった考え方もしっかり取り入れた上で、
消費者
に自立した存在としてしっかりとした役割を果たしていただきたい、こういった思いがこの生活者や
消費者
が主役となる社会という言葉に込められているんだというふうに認識をしております。
相原久美子
53
○
相原久美子
君 ありがとうございます。 私自身はそこまでもなかなか思えなかったんですけれ
ども
、本当にしかりというふうに思っておりますので、是非今後についてもよろしく
お願い
したいと思います。 それで、
適格消費者団体
による
損害賠償
請求
制度
、これはそもそも二〇〇六年の
改正
時において
幾つ
かの点が議論になっているかというふうに思います。衆議院及び
参議院
の
内閣委員会
における
附帯決議
に必要性の
検討
が盛り込まれていました。この
損害賠償
請求
制度
、本法案には導入されませんでした。 また、二〇〇八年の三月四日、五つの
適格消費者団体
によりまして、本法案の
改正
に対して、
消費者被害救済
や
事業者
の不当
利益
剥奪の機能強化を求めるコメント等も出されていたわけですけれ
ども
、今回こたえられてないという観点からお伺いしたいと思います。
消費者団体
による
損害賠償
請求
制度
について、二〇〇六年の
附帯決議
、そして今回の
適格消費者団体
の要望にもかかわりませず、本法案に
消費者団体
による
損害賠償
請求
制度
が盛り込まれなかった理由についてお伺いしたいと思います。そしてまた、この
制度
導入に向けた
検討
状況についてもお伺いできればと思います。
西達男
54
○
政府参考人
(西達男君) 先生御指摘のとおり、
消費者団体
による
損害賠償
請求
制度
につきましては、前回の
消費者契約法
改正
の際の両院の
附帯決議
あるいは
消費者団体
からの要望、こういったものが出てきておることは承知をしております。今回の
法改正
は、同じく衆参の
附帯決議
にございました
適格消費者団体
制度
を
景表法
とそれから
特商法
に導入すべきと、これについておこたえをしたものでございます。 今回、
損害賠償
請求
制度
を
内容
としていないことにつきましては、この
制度
の導入に際しては、少額
訴訟
手続の
適用範囲
の拡大など
司法アクセス
の
改善手法
の展開状況、あるいは我が国において新しい
制度
であります
消費者団体訴訟制度
の社会への定着の度合いや実績、さらに
適格消費者団体
に対する社会の評価、こういったものを踏まえる必要があるというふうに考えておりますし、さらに法的な面でも、個々の
消費者
が有する請求権と
適格消費者団体
が有する請求権との
関係
でありますとか、それから
損害賠償
額の算定の方法、さらには
適格消費者団体
が取得した金額の個々の
消費者
への配分方法、こういった更に詰めなければならない
問題点
がございまして、我々としてはこれを更に
検討
していく必要があるというふうに考えているところでございます。
内閣
府といたしましては、諸外国の
制度
も
参考
にしながらこうした
検討
を進めていきたいと思っておりますけれ
ども
、この進捗状況でございますけれ
ども
、まずはそういった諸外国への
制度
の状況について
調査
を開始をしておりまして、具体的には、外部の有識者に対しまして、ドイツやフランス、アメリカ等における
消費者被害
の金銭的な
救済
手法の動向について
調査
を委託して
報告書
をいただいたりしておりまして、こうした動向を踏まえながら更に
検討
を進めてまいりたいというふうに考えております。
相原久美子
55
○
相原久美子
君 諸外国の
調査
をされているということですから
検討
は進んでいるんだろうというふうには思いますが、何よりも今
悪質化
してきているという状況の中で、逃げ得を許さないという観点から、本当に早急な形の
検討
を
お願い
したいなというふうに思っております。 それでは、次なんですが、
消費者契約法
の第四十条、
独立行政法人国
民
センター
及び
地方公共団体
は、当該
適格消費者団体
が
差止請求
権を適切に行使するために必要な限度において、消費生活
相談
に関する
情報
で
内閣
府令で定めるものを
提供
できるというふうになっております。
消費者被害
の
拡大防止
に迅速に対処するためにも、
公正取引委員会
、経済産業省が有する
情報
についても
提供
、交換の連携を図るべきと考えるのですが、いかがでしょうか。
岸田文雄
56
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘の
消費者契約法
第四十条ですが、
国民生活センター
及び
地方公共団体
から
適格消費者団体
に対する
情報
の
提供
について
規定
をしております。 これにつきまして、いわゆるPIO―NET
情報
等の
提供
が行われているわけですが、これは
適格消費者団体
が
差止請求
をする際に大変有益なことだというふうに考えております。そして、それに加えて、他の
行政機関
が有する
情報
の
提供
ということにつきまして、今御質問いただきましたが、これにつきましては他の
行政機関
、
行政
処分等をすることもあり得るということで、性質上機密性が必要であるという場合もあるようではありますが、その辺は配慮しつつも、
公正取引委員会
とか経済産業省が
適格消費者団体
と
情報
交換あるいは
意見
交換を行うことですとか、
専門
的な見地に基づいて
助言
を与えるとか、こういったことは連携の方策としてこれ十分考えてもいいのではないかというふうに思っております。ですから、
内閣
府としましては、こうした
情報
の共有とか連携を進めていくように促していきたい、そのように思っています。
相原久美子
57
○
相原久美子
君
不当条項
の
推奨行為
についてでございます。 最近の新聞報道にもありましたように、
訪問販売
の
事業者団体
による過大な解約損料の設定の推奨、これは
契約書
のひな形があるようでございます。また、今日
参考人
の方にもお伺いいたしましたが、建物の
賃貸借契約
の原状回復
条項
等に見られるように、別の
事業者
が
契約書
を作成、
提供
、そういうような事案があるということです。それで、これによる被害が拡大しているという指摘がございます。今まさに
京都
の
団体
が
一つ
提訴しているという状況のようでございますが、このような実態からお伺いをしたいというふうに思います。 過大な解約損料の設定等、
不当条項
の
推奨行為
について今回の
改正
法で
差止請求
の
対象
としなかった理由についてお伺いしたいと思います。私は、
消費者被害
の発生、
拡大防止
の観点から考えますと
推奨行為
についても
差止請求
の
対象
とすべきではないかと考えているのですが、いかがお考えでしょうか。
西達男
58
○
政府参考人
(西達男君) 先生御指摘の不当な
契約条項
に関してのモデルとかひな形となります
契約書
書式、こういったものを、あるいは
約款
、こういったものを推薦したり提案したりする
行為
、いわゆる
推奨行為
でございますけれ
ども
、これにつきましては、推奨の概念、要するに推奨の
程度
というのが非常に様々でございます。こうした概念が不明確なまま
差止請求
の
対象
とするということになりますと、
事業者団体
等による自主的なルール作りまで萎縮させてしまうおそれがあるのではないかということが懸念されますほか、推奨された不当な
契約条項
を使用する
事業者
に対しては
差止請求
は可能ということになりますし、それから、差止判決が出されれば、それを広くPRする、周知公表することによって事実上同じような
契約条項
が使用されなくなるのではないかと、そういうことが期待されるということを踏まえまして、前回の議論の際もそうでございますけれ
ども
、今回も
差止請求
の
対象
とするには至らなかったところでございます。 ただし、この問題については、御指摘のとおり、前回の
消費者契約法
の
改正
の際のやはり同じく衆参の両院の
附帯決議
におきましても
検討
事項というふうにされておりますところでございますので、こうした
制度
のまた施行状況、実施状況を見ながら更に
検討
を進めてまいりたいというふうに考えております。
相原久美子
59
○
相原久美子
君
附帯決議
にも示された、そして被害が出ているということでございますので、是非とも
検討
を
お願い
したいというふうに思います。 二〇〇六年の
消費者契約法
の一部
改正案
の
質疑
におきまして、
内閣委員会
の今の
理事
でもあります芝先生の質問の中で、
消費者被害
の
防止
に向けあらゆる策を講じていくことが必要なのではないか、こういうような指摘をさせていただきましたところ、当時の猪口担当
大臣
は、
消費者団体訴訟制度
の導入により、
消費者被害
の発生や拡大の
防止
が期待されているとしまして、本
制度
が社会に円滑に定着し、法の目的が着実に
実現
されるように努力していくと答弁なされました。 そこで、お伺いをしたいと思います。昨年六月からスタートいたしました
消費者団体訴訟制度
の活用状況及び同
制度
の
国民
の認知度の把握状況についてお伺いしたいと思います。
西達男
60
○
政府参考人
(西達男君) 昨年六月から施行されました
消費者団体訴訟制度
、この運用開始から現時点までに、現在までに
合計
五つの
団体
が
適格消費者団体
として
認定
をされまして、現在、
消費者
の
利益
擁護のための
活動
を行っているという状況にございます。 この
適格消費者団体
から受けた
報告
によりますれば、それによって把握している限りでは、これまで訴えの
提起
をしたものが二件ございます。それから、訴えの
提起
には至っておりませんけれ
ども
、
裁判
外で
差止請求
がされたものが五件というふうになっております。訴えの
提起
がされましたのはいずれも最近のことでございますので、まだ判決が得られたわけではございませんけれ
ども
、
裁判
外の
差止請求
がされた中には
交渉
によって自主的に
改善
をしたとして
報告
があったものもございまして、徐々にではございますけれ
ども
効果が現れ始めているというふうに認識をしております。 また、
消費者団体
制度
にかかわる
国民
の認知度でございますけれ
ども
、これは詳細に何か実態把握をしているわけではございませんが、前回の契約法の
改正
以来、これは全都道府県において
説明
会を開催したり、あるいはシンポジウムとか、あるいは
適格消費者団体
との
意見
交換会を開催するなど、
制度
の周知、普及に努めているというところでございます。
相原久美子
61
○
相原久美子
君 今日、実は午前中に
参考人
の方のお話を伺いました。
団体
の方のお話を伺いまして、確かに先ほどおっしゃいましたように、この
訴訟
制度
ができたことによって相当の効果は上がっているというようなお話も伺いました。まだまだその認知度という点では問題もあろうかと思いますけれ
ども
、そこは少しPRも積極的に行っていただきたいと思いますが、同様に、この
適格消費者団体
の
活動
資金の部分についての
問題点
があるかというふうに思うんです。 さきに申し上げましたように、二〇〇六年当時の担当
大臣
である猪口担当
大臣
ですね、
消費者
や
適格消費者団体
を支援する
団体
等からの会費収入を通じて円滑に確保されることが重要である、そのように答えられているんですが、しかし、今日
参考人
からもお伺いいたしましたが、
消費者団体訴訟制度
の認知度、これもまだいまいち、そして
適格消費者団体
の
活動
資金が
消費者
やその支援
団体
による会費で潤沢に賄われているとは言い難いとかがありました。もちろん、今日の
参考人
の要望もございました。 そこで、現在
活動
しております
適格消費者団体
の
活動
資金状況について、把握していらっしゃいましたら、お伺いをしたいと思います。
中川義雄
62
○副
大臣
(
中川
義雄
君) 非常に大切な御指摘だと考えております。 この
制度
がうまくいくかいかないかは、
一つ
にこの
活動
資金をどうやって円滑に確保するかに懸かっていると思うんです。この
法律
に基づきますと、第十三条第三項第六号において「経理的基礎」という言葉が使われておりますが、これは分かりやすく言いますと、
適格消費者団体
が
差止め
関係
業務
を安定的かつ継続的に行うに足る財政基盤だと、私はそう見ているわけであります。この財政基盤を現在どうなっているかということについて若干
説明
させていただきますと、
適格消費者団体
から
提出
された財務諸表による限り、
適格消費者団体
は会費、それから寄附金、その他
消費者団体
を支援する基金、これも非常に大きく
活動
を支援しているわけですが、それから、この基金からの補助金というものによって支えられていると思います。 しかし、このような会費や基金による収入が得られるためには、
消費者団体訴訟制度
をもっと周知徹底する必要があると考えております。
適格消費者団体
の
活動
を広く紹介すること、これは
内閣
府の大きな使命だと考えておりますので、
内閣
府としては引き続きこのような周知徹底を十分やって資金の円滑な確保に全面的に協力したいと考えております。
相原久美子
63
○
相原久美子
君
活動
資金の不足というものがなかなかこの
団体
訴訟
の
法律
をうまく使うことができないという要因にもなるかというふうに思うんです。 それで、ドイツ等では公的な資金援助ということもあるようでございますので、是非私は国ですとか
地方公共団体
が何らかの財政支援をすべきではないかというふうに考えているのですが、この点についてはどうでしょうか。
中川義雄
64
○副
大臣
(
中川
義雄
君) 前回の
消費者契約法
の
改正
の後に、
適格消費者団体
に対する寄附等の支援がされるための環境整備に努めて、このために全都道府県において
制度
説明
会を行い、さらにシンポジウムや
適格消費者団体
との
意見
交換を行う、こういったことをやってきておりますが、しかしまだまだこれを普及するためには環境整備を整えていかなければならないと考えております。 できる限り
適格消費者団体
の
事務
処理の負担を軽減する、そのことにも努めていかなければなりません。そのためには、
国民生活センター
等の有する
情報
、そういったものをスムーズに
提供
するような、そのことをもっと進めてまいりたいと考えておりますし、それから今回の
改正
、いや、その前には申請書類の簡素化だとか、それからインターネットを利用しての周知の徹底、そして今回の
改正
では
内閣
府への手続の一本化、
消費者団体
の負担のためにはそれが有用になるのではないかと、こう思っています。 これに加えて、今お話のあった財政支援についてでありますが、
消費者団体
の必要な
活動
資金の状況をよく見極めて、
制度
の社会への定着の度合いをしっかり見た上でその点についても
検討
を加えていきたいと、こう考えております。
相原久美子
65
○
相原久美子
君 財政的な部分、それと
適格消費者団体
のこれからの数の増というような形についてもお答えをいただいたのではないかというふうに思います。
消費者契約法
については最後の質問とさせていただきます。 今回の
改正
により景品表示法及び
特定商取引法
においても
差止請求
が可能となりました。その意味では
活動
の幅が広がるというふうに考えます。ただ、
適格消費者団体
においても現在の進捗状況、これは数の部分、財政的な部分、非常に困難であろうというふうに思いますので、
認定
について、先ほどちょっと
事務
処理的なところはお話しをいただきましたけれ
ども
、改めて
消費者
が本当に十分に活用できるようなそういう
団体
、そしてそういう
制度
であるべく
内閣
府としても努めていただければ有り難いなというふうに思います。 それでは、
国民
センター
法の
改正
法案について次に質問をさせていただきます。 福田
内閣
の発足後に
消費者
重視の視点が強調されまして、今年、
消費者
行政
一元化のため、
消費者
庁構想というものが出されております。新
組織
の在り方を
検討
するために、
消費者
行政
推進会議が二月より議論を始めております。最近では、この秋の臨時国会に
内閣
府の設置
改正
法案を
提出
して、来年春には
消費者
庁を設置、そのような報道が随分と出されております。 そこで、お伺いをしたいと思います。
消費者
行政
を一元化すべくこのような方向で進められている中で、今回の
国民生活センター
のこの部分だけ
改正案
を
提出
するということの意味合いはどこにあるのかなというふうに思います。この
改正案
を先行させる必要性についてお伺いできればと思います。
岸田文雄
66
○
国務大臣
(岸田文雄君) まず、
委員
御案内のとおり、近年、商品、役務等に関する
消費者
と
事業者
の間の
紛争
、増加傾向にあります。また、
内容
も多様化、複雑化しております。そして、今これは
消費者
行政
も事前監督から事後チェックへという大きな流れがあります。こういったことを考えますと、こうした
紛争
の発生が増えるという趨勢はこれからも続くんではないか、こんなふうに感じています。 こういった状況の中で、
紛争解決
手段として、やはり対等な
当事者同士
の争いを前提とする
裁判
上の
解決
手段だけでいいのか、あるいは
国民生活センター
も、こうした
紛争
に当たって様々な
あっせん
を行っているわけですけれど、こうした
あっせん
にしましても法的な根拠がないということで、なかなか大変困難な場合も多いということを聞いております。こういった中でありますので、やはり新たに
法改正
を行って、
国民生活センター
にADR機能、新たな
裁判
外
紛争解決
機能を早急に備えるということ、これは緊急の
課題
だというふうに認識をしております。 そういった認識の下に今この
法律
を
お願い
しているわけですが、御質問の中で、今
消費者
行政
全体を見直している中でこの
法律
を
提出
する意味合いは何かということでございましたが、要は、今
消費者
行政
の一元化、
消費者
行政
の見直しを行っていますが、これは大きな目的としてこの
消費者
利益
の擁護、増進だというふうに思っています。そして、今この
紛争解決
手段、新たな
紛争解決
手段を
法改正
の中で
お願い
しているのも、大きな目的としてこの
消費者
利益
の擁護、増進だというふうに思っています。目的は同じでありますし、また、今回
お願い
しているADR機能は、
紛争解決
委員会
という、今度、第三者
委員会
、独立した
委員会
にこうした機能を
お願い
しておりますので、全体のこの
組織
がどうなったとしてもこうした独立のADR機能というのは大変重要でありますし、やっぱり存続するものだというふうに思っています。 この緊急性とこうしたADR機能の特殊性、両方を考え合わせまして、こうした
消費者
行政
全体の見直しと言わば並行する形で議論を進め、そして
法改正
の方を今先行して
お願い
しているということでございます。
相原久美子
67
○
相原久美子
君 まず、そもそも論から入らせていただかなきゃならないんですが、そもそも
消費者
紛争
にかかわる和解、仲裁というようなものは国がやるべきなのか、それともちょっと国から距離を置いたところでするべきなのか、それとも完全な民間でするべきなのか。
政府
としては、どのような性格の
団体
がこういう
消費者
紛争
を担うべきかということで考えていらっしゃるのかなと。 今お話ありましたように、今後の
消費者
行政
の一元化の政策次第では、この
紛争解決
委員会
が設置される
機関
、在り方自体も大きく変わってくることも考えられると思うんです。今若干ちょっと踏み込まれたかなというふうに思うのは、独立した
機関
であると、
国民生活センター
に置くにしてもというようなことはお話しになっていたわけですけれ
ども
、全体を含めてもう一度お答えをいただければと思います。
岸田文雄
68
○
国務大臣
(岸田文雄君) まず、御質問の最初の部分ですが、こうしたADR機能、
裁判
外
紛争解決
機能をどういった
団体
が担うべきなのか、民間なのか
行政
なのかあるいは独法なのか、この主体についての御質問がありましたが、まずこの機能が民間が担うべきなのか公が担うべきかというこのことにつきましては、結論は両方が協力し合わなければいけないというふうに思っています。 民間の
団体
におきましてもこうしたADR機能はしっかりと担っていただくこと、これは期待されるところであります。ただ、民間の場合、こうした
消費者
紛争
というのは概して少額の
紛争
が多いものですから、民間が担った場合、手数料等で
活動
を支えていくのが大変難しいという事情があるようであります。結果としまして、
関係
団体
とか
関係
業界が様々な形で支援するという形で民間のADR機能を支えているというケースが多いようでございます。そうなりますと、特殊な分野におきましては大変強みを発揮する、特徴を発揮して大きな
成果
を上げるということになるのでありましょうが、ただ、業界にまたがるような
課題
についてどう
対応
するのか、あるいはアウトサイダーに対してどう
対応
するのか、なかなか難しい面もあるようであります。 ですから、公の
機関
におきましては、ADR機能を担う際にはやはり分野においてしっかりとバランス感覚を持つ、要は
特定
の分野に偏らない、こういったしっかりとした
活動
をしなければいけないというふうに思っていますし、公正中立性は当たり前でありますし、また、
全国
的にもあまねくバランスよくこうした
活動
が享受できるようなことを考えなければいけないんではないか、このように思っています。民間と公の役割分担はそういうことだというふうに思っていますので、ですから、公の方が逆に民間の
機関
に対してこうした強みや特徴があればこうした
案件
を紹介するというような連携も考えられるのではないか、こんな
関係
だと思っています。 そして、公の中で今回どうして
国民生活センター
にこの機能を担わせるかということでありますが、
国民生活センター
、御案内のとおり、
消費者基本法
の中でこうした苦情の
あっせん
等において中核
機関
として位置付けられています。様々な実績もあります。それなりの信頼性も確保しているものと思います。公の
機関
の中でどこが担うかということを考えますと、国が直接やるということになりますと、新たな
機関
をつくらなければいけない等々の行革との
関係
もありますので、まずは
国民生活センター
にこの役を担っていただく、公の中ではそういった形が一番適切ではないか、こういった判断の下に今回
国民生活センター
にADR機能を
お願い
している、こういったことでございます。 そして、こうした一元化の議論の中でこのADR機能、
国民生活センター
のADR機能がどうなるかということにつきましては、こうした今申し上げたような中での
国民生活センター
のADR機能ですから、民間と協力していくという意味においてもこれからも大切だというふうに思いますし、
行政
の中においても独立した大変重要な存在だと認識しておりますので、全体が大きく変わったとしてもその役割、機能は変わらないと思っておりますので、全体の位置付けはこれから議論が進むわけですが、この機能はしっかりと大きな役割を担っていただきたいと思いまして、こういった形で
法改正
を
お願い
している、そういうことでございます。
相原久美子
69
○
相原久美子
君
国民生活センター
につきましては、
消費者
の、先ほどおっしゃっておりましたように、
利益
の擁護、促進を図るという後見的な
機関
として存在しています。
相談件数
につきましても、経由と直接
相談
と合わせましても
年間
一万件に近いと聞いております。衆議院での審議の中でも言われましたように、仲介
委員
、仲裁
委員
については中立公正な立場で職務を行うとされております。私も公正はいいと思うんですけれ
ども
、しかし、中立というスタンスは
消費者
の後見的な
機関
である
センター
の性格とはややそごがあるのではないかと。最初に
センター
に
相談
をする
消費者
も戸惑いを感じるのではないか、違和感を持つのではないかというふうに思うのですが、そこでお伺いをしたいというふうに思います。
紛争解決
委員会
の仲介
委員
、仲裁
委員
については、その
委員会
が
国民生活センター
に置かれる
機関
として、
消費者
と当事者の
情報
力の格差、
交渉
力の格差からして
消費者
の立場に即したことを前提とする考え方、これについてはいかがでしょうか。
岸田文雄
70
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘のように、
国民生活センター
、第三条におきまして
国民生活
の安定及び向上に寄与することを目的としておりますので、その中に設けられますこの
紛争解決
委員会
もやはり
消費者
利益
の擁護、増進を図ることを目的としているというふうに認識をしております。ですから、
消費者
と
事業者
の
情報
力ですとか
交渉
力の格差、こういったものを踏まえつつ、必要に応じて
消費者
のために積極的に後見的な役割を果たすということ、これが期待されているというふうに認識をしております。 一方、御指摘のとおり、第二十条第四項及び第三十条第五項におきまして「中立かつ公正な立場において、」というふうに記されております。これは、まず中立かつ公正な立場においてその
委員会
が運営されませんと、これ
事業者
も和解、仲裁に応じることは考えにくいということでありますので、この基本は大切にしなければいけないというふうに思っています。 ただ、それもやはり必要に応じて
消費者
のために積極的に、先ほど言いました
交渉
力等の格差を踏まえて後見的な役割を果たす、これが前提になっているというふうに考えております。こうした後見的な役割を前提とした上で、この
法律
の中にありますような中立かつ公正な立場において
活動
する、これが
紛争解決
委員会
の立場だというふうに認識をしております。
相原久美子
71
○
相原久美子
君 ありがとうございます。
紛争解決
委員会
が
案件
を迅速に処理し、
消費者
等に負担を掛けないためには、常勤を想定してない仲介
委員
、仲裁
委員
を助けて、事案の
解決
に向けての前段の
業務
にかかわる
事務
局が重要になるだろうというふうに思います。そこで、
国民生活センター
の見込みでは、
委員会
は
年間
二百件ほどの
紛争
を取り扱い、
委員
への謝金も最低三千万円
程度
は必要であり、
事務
局規模も最低二十人
程度
は要するのではないかという発言が衆議院の審議の中でもなされております。 そこで、この件についてお伺いしたいと思うのですが、
紛争解決
委員会
の
事務
局の重要性について、衆議院の審議等でも指摘されております、現行の
国民生活センター
の百十七名の職員数からしますと、他部門の人員から体制をつくるのではなくて、
センター
の職員数そのものを増やすのでなければ、重要
消費者
紛争
の
解決
をも含めて
国民生活センター
として
国民
の期待にはこたえられないのではないかというふうに思いますが、どのような体制を想定されているのでしょうか。
中川義雄
72
○副
大臣
(
中川
義雄
君) ただいま御指摘のように、
国民生活センター
がADR
機関
の
事務
局としての役割をしっかりやっていくためにはそれなりの体制が必要だと思っているんです。ただ、
委員
も御承知のように、
行政
改革推進法では、
独立行政法人
については五%減員しろというような
法律
があるものですから、これとの間でどう調整するかという難しい問題もあると考えておりますが、しかし、総理も大変この問題については熱心に考えておりますので、
内閣
といたしましては、
事務
局体制の整備に当たっては
国民生活
審議会、それから
消費者
行政
推進会議、そういった
専門
家の
意見
も十分聴きながら、そしてまたこの議会でいろいろと議論されるそういう御
意見
、そういったものを十分参酌しながら
事務
局体制はしっかりとしたものを構築しなければならないと、法で規制はされているがそこをどうやって切り抜けていくのか、これが我々にとって与えられた大きな
課題
だと思って、大きな責任を持ってやっていきたいと、こう考えております。
相原久美子
73
○
相原久美子
君 やはり、新たな役割ということになりますし、
国民
の安心、安全の担保ということになりますので、是非ともその辺は、国センに投げるだけではなくきちっと
政府
としても責任を持っていただければというふうに思います。 次に、
独立行政法人
のこの計画、先ほ
ども
おっしゃっておりましたが、様々な今
課題
となっておりますところで、この
国民生活センター
においては、東京
事務
所について移転も含めその在り方について
検討
をするとされています。しかし、どの辺りから
委員
の方を選任されてくるのかちょっと分かりませんけれ
ども
、各
委員
の方ですとかそれから
消費者
の利便性を考慮しますと、東京
事務
所の移転というのは見直す必要があるのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
西達男
74
○
政府参考人
(西達男君)
国民生活センター
につきましては、本部が神奈川県の相模原にございまして、一方、東京の方には東京
事務
所がございます。それで、先生御指摘のとおり、この
紛争解決
を
国民生活センター
が担うということになりますと、これは相模原の本部ではなくて東京
事務
所の方で機能を担うことになるんではないかというふうに思っております。 したがいまして、この
整理合理化計画
でもございますけれ
ども
、この東京
事務
所において実施する
業務
を精査しつつということでございますので、こうした新たに担う
業務
、こういったものも勘案して、移転を含めてのこの移転というのは、相模原に移転するだけではなくて東京の都内でまた更に適切な立地を求めて移転するということを含めての移転でございますけれ
ども
、その移転の在り方、東京
事務
所の在り方について更に
検討
をしてまいりたいというふうに考えております。
相原久美子
75
○
相原久美子
君
消費者
紛争
につきまして、これ手数料なしで行うものとなっております。そうであれば、
紛争解決
に要する費用、これは国からの運営交付金で賄うしかないというふうに考えますけれ
ども
、国は先ほど言われたように
独立行政法人
への運営交付金についても削減を進めております。今回の
事務
所費というか
事務
局の体制だけの問題ではなくて、この重要
消費者
紛争
にかかわって、恐らく出張等々ですとか様々な附帯のものが出てくるかというふうに思うのですが、そういう部分の予算というか増額部分についてはどう考えているんでしょうか。
中川義雄
76
○副
大臣
(
中川
義雄
君)
委員
御指摘のような制約があることは十分承知しております。しかし、この
国民生活センター
の新たな使命としてのADR機能を十分に発揮していくためには、財政基盤もしっかりさせなければならないことも大切だと、こう思っております。 その中でどのようにやりくりするかはこれからの問題ではありますが、やはり
国民生活センター
の予算のうち、合理化できるといいますか軽減できるものは軽減しながら、この機能だけはしっかりさせなければならない、そんな考え方で今後とも進めていきたいと、こう考えております。
相原久美子
77
○
相原久美子
君 あくまでも
国民
の立場に立って、
消費者
の立場に立ってということで
お願い
をしたいというふうに思います。 重要
消費者
紛争
については、
内閣
府令でその定義について三点ですか、ただされております。ここについてはちょっと省略させていただきますけれ
ども
、この
一つ
にあります、被害が複数の都道府県にまたがるものというような記載があるのですが、相当多数の被害と複数の都道府県にまたがる被害ということになりますと、例えば私などは北海道の出身です。北海道、一都道府県という形で言われましても、あの全道で被害が拡大するとなると、これはまた大きな被害だろうというふうに私
ども
は思うのですが、被害の
範囲
が一都道府県にとどまっていても重要
消費者
紛争
となるのかどうか、お伺いしたいと思います。
西達男
78
○
政府参考人
(西達男君) 今御指摘の重要
消費者
紛争
につきましては、
内閣
府令において詳しい定義を定める予定でございまして、これについては現在
検討
中でございますけれ
ども
、ただし、これまでの
国民生活
審議会等での
意見
も踏まえますと、複数都道府県において同種の被害が相当多数生じているような事件、あるいはその時点では一都道府県内に収まっておりましても、その後に同様の被害が相当広域、多数発生するような事件、こういったものを扱うことが適当であろうというふうに考えております。 ただし、具体的に何件の被害があればということについては、個々の被害の
内容
とか状況に応じて異なり得るというふうに思われますので、具体的な数字については定めることは困難であろうと思っておりますけれ
ども
、ただし原則的には、一都道府県内でしか発生していないような
紛争
については、
消費者基本法
での国と地方の役割分担ということにかんがみても、一義的には
地方公共団体
あるいは都道府県が
紛争
処理に当たるべきであろうというふうに考えておりまして、
国民生活センター
は、それによっては対処し難い事情のあるものについて、その処理に当たるのが基本というふうに考えております。 これは
消費者
の利便性という観点から見ても、身近な
地方公共団体
で担当していただくというのが適当かなと考えてございますけれ
ども
、ただし、先ほ
ども
述べましたとおり、ある時点では一都道府県内に収まっていても、その後に同様の被害が相当多数に及ぶ、あるいは広
範囲
に及ぶというものについては
国民生活センター
の
委員会
で扱うことが適当であるというふうに考えておりまして、そのような場合にはこの重要
消費者
紛争
に当たるという方向で
内閣
府令を定めていきたいというふうに考えております。
相原久美子
79
○
相原久美子
君 多分これからまた定められるというふうに思いますが、こういうときだけ分権分権と言わないでいただきたいんですよ、実は。やはり
消費者
の被害の
拡大防止
ということが一番の観点でこの
委員会
ができるわけです。それと、今、地方の
紛争
処理
委員会
というふうに条例等々で定められているところの実態も多分御存じだろうと思います。ですから、是非本当に積極的な形でこの被害
防止
に努めるのだという観点から
検討
をいただきたいというふうに思います。 次に、
紛争解決
委員会
が行う仲介、それから仲裁手続について、手続終了時に必要と認めるときは結果の概要を公表できるとしております。すべての事案の公表をすることにはなっておりません。
紛争解決
委員会
の透明性の確保のためには、事案についての年次
報告
、これを行い、
提起
された
紛争
の
内容
、処理経過等について概括的に把握できるようにするとともに、事例集を作成するなど、
消費者被害
の
未然防止
と
委員会
運営の透明性を担保するために
情報
開示の措置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
岸田文雄
80
○
国務大臣
(岸田文雄君)
紛争解決
委員会
で取り扱います
紛争解決
につきましては、同種のそして多数の
紛争
がこの背後には存在するものと考えています。ですから、
一つ
の
紛争
を
解決
するということは、同種の多くの
紛争
の
解決
にもつながるでしょうし、未然発生
防止
にもつながるというふうに考えます。ですから、この法案におきましては
紛争解決
手続による結果の概要を公表できるように措置しているということであります。これ、結果の概要の公表
制度
、
解決
基準
の安定が図られる、あるいは予測可能性が高まる、あるいはこの
委員会
の透明性が高まる等々、これは大きな意味があるというふうに思っています。是非、この結果の公表につきましては積極的に進めていかなければいけない、そのように思っています。 今の質問の中で、年次
報告
とか事例集はできないかという御指摘でありました。取りあえず、今そういった予定は存在いたしませんが、何か工夫ができないか、御指摘もいただきましたので
検討
したいと思います。
相原久美子
81
○
相原久美子
君 前向きな
検討
をよろしく
お願い
いたします。
国民生活センター
は私も先日お邪魔をいたしまして、中を見させていただきました。御
説明
も伺いました。
センター
の最前線で
電話
相談
をしている
相談員
は十四人、しかもその身分は全員非常勤職員。恐らく国の非常勤職員と勤務時間を同じくしているということだろうと思いますので、通常、常時十四人が受けているという状況ではありません。また、雇用更新をしているとはいいながら一年雇用の不安定さがある。
消費者
問題が高度化し、
悪質化
し、適用
法律
の
改正
も掌握しなければならない、このような本当に
専門
性の高い
相談員
でございます。 先ほど、
国民生活センター
の方からもお伺いをいたしました。そもそもの、できた当初は
相談員
の
業務
はこれほどの
専門
性も必要なく、そして周りの状況も違ってきたと。今はやはり高度な
専門
性、スキルのアップということが必要だということが言われております。ところが、新聞報道等々にも大きく指摘をされておりますけれ
ども
、こういう
センター
にいる最前線の
相談員
の方、この方はなかなか
地方公共団体
のように権限の付与がないということで、
あっせん
とか何かの
行為
に移ろうと思っても
事業
主等々がなかなかそれに応じてくれないというような悩みもあるようでございます。 そういう点で、処遇についても
一つ
、それからこういう権限の問題についても
一つ
なんですが、この辺についてお伺いできればというふうに思います。
岸田文雄
82
○
国務大臣
(岸田文雄君) 消費生活に関します
相談
、ますます
内容
が複雑になり、また多様化しております。 御指摘のように、
苦情相談
件数も大変高水準が続いているという中でありますので、
相談員
に求められる
専門
性もますます高まっているということでございます。
相談員
の役割、ますます重要になってきているというふうに認識をしておりますが、一方で、御指摘のように、予算の制約ですとか厳しい定員事情から非常勤職員という形態を取らざるを得ない等々、この処遇につきましては大変厳しいものがあるということ、認識をしております。 まず、
内閣
府としましては、こうした状況をしっかりと認識した上で、
相談員
の皆さん方の働きやすい環境整備に努めなければいけないというふうに思っていますが、その際に、やはり予算要求等でしっかりと努力することによって環境整備に努める、こういったことを考えていかなければいけないんではないか、そのように思っています。 そして、権限ということにつきましては、御指摘のように、従来、
苦情処理
における
あっせん
対応
ですが、法的な根拠がない等々、
相談員
の皆様方、いろいろと苦労をされておられる、困難に直面しているということがございます。ですから、今回もADR機能をしっかり
法律
の中に明記する形で新たな権限を
国民生活センター
に付与して、しっかりとこうした
紛争
処理に当たっても役割を果たしていただきたい、こういったことを考えたわけでありますし、また、それ以外の権限につきましても
国民生活
審議会等々で様々な議論が行われています。こうした議論も
参考
にしながら今後また
検討
を続けていきたい、そのように思っています。
相原久美子
83
○
相原久美子
君 できればADR機能を使わなくても済むくらいの段階で迅速な
解決
が望ましいわけですので、
検討
をよろしく
お願い
いたします。 次に、
全国
の
消費生活センター
についてお伺いをしたいというふうに思います。
国民生活
動向
調査
によりますと、
相談
窓口に
申出
のない
相談
、相当数の
消費者被害
が存在するのではないかというふうに指摘されております。そして、一方では、
内閣
府
消費者
調整課の
調査
で、この十年における
地方公共団体
の
消費者
行政
関係
予算そして担当職員数は大きく削減されてきております。このような状況は結果として
相談員
の不足ですとか
電話
回線の不足、そして窓口の開設時間、開設日の縮小につながってきていて、先ほど申したように、結果として、
相談
をしたくても
相談
ができないという実態が出てくるのではないかというふうに思います。 このような
地方公共団体
の現状、これは総理の言われる
消費者
重視の
行政
から大きく乖離しているのではないかというふうに思いますが、御見解を伺いたいと思います。
岸田文雄
84
○
国務大臣
(岸田文雄君) まず、地方の
消費者
行政
につきましては、
地方公共団体
が処理する自治
事務
でありますが、おっしゃるように、予算、人員等も減少傾向が続いているというふうに認識をしております。一方で、地方の
消費者
行政
の窓口は、やはり
国民
との接点という意味で、
消費者
行政
にとりまして大変重要な位置付けにあるというふうに認識をしております。ですから、今、
消費者
行政
の一元化あるいは見直しの議論が行われているわけですが、その議論の中でも、
消費者
行政
を見直す際に、国だけが変わってもなかなか
成果
につながらない、国の
行政
組織
の見直しとセットで地方の
消費者
行政
組織
も見直していかなければいけない、国と地方が連携してこの改革を進めることが大切だ、こういった議論が行われているところであります。 是非、
消費者
行政
の中で、地方の
消費者
行政
の在り方、
消費生活センター
を始めとするこうした窓口の在り方についてもしっかりと
検討
を行って充実に努めていかなければいけない、そのように思っています。その際に、国もこうした地方の
消費者
行政
窓口の重要性にかんがみて、何ができるのか、地方自治体も何ができるのか、さらには、こうした財政厳しい中でありますので、例えば、こうした地方の
消費生活センター
の
相談員
の皆様方を支えるために、NPOですとか公益
法人
ですとか、こういった仕掛けも活用することができないだろうか、こんな議論が今行われているところであります。 国、地方自治体、そしてそれ以外の民間のセクターも含めて、こうした地方の
消費者
行政
の体制、窓口をしっかり支えていかなければいけない、このように考えておりまして、今こういった議論の行方を見守っているところでございます。
相原久美子
85
○
相原久美子
君 まさにそういう状況が次のちょっと質問につながっていくわけですけれ
ども
、相当数の今報道がなされております。いかに
消費者
行政
に
国民
の期待が集まっているか、そしてメディアも注目しているかということだろうと思うのですが、二〇〇八年二月の
全国
消費者相談
員協会
調査
、これでは
相談員
の約七割が一年雇用契約、そして五六%が年収二百万円未満である、このような結果が出ております。最近の新聞にも、官製ワーキングプアの代表であると、このように報道されている。経験とスキルが要求される職において、雇用の不安と生活不安を抱える人たちに頼る
消費者
行政
であってよいのかというふうに思います。
消費者被害
の拡大を未然に防いでいく
相談員
の人員の充実と処遇も含めた
改善
、これが
消費者
の声をいち早く吸い上げる、そして
未然防止
につながっていくのではないかというふうに思います。引き続きますが、見解をお伺いしたいというふうに思います。
岸田文雄
86
○
国務大臣
(岸田文雄君) 今も申し上げましたように、地方の
相談員
の皆さん方の役割、ますます重要度が増しているというふうに認識をしております。 こうした
相談員
の皆さんの待遇につきましても、国として様々な支援をしなければいけない。従来はこの
経由相談
を
国民生活センター
で
対応
するとか、あるいは
研修
を行うとか、
情報
の
提供
を行うとか、様々な形での環境整備を行ってきたわけですが、更に一層の支援を考えるべきではないか、こういった議論が
国民生活
審議会あるいは
消費者
行政
推進会議、こういった中でも行われておりまして、まずは
消費生活センター
、この地方の窓口を
法律
的に位置付けることができないかどうか、こんな議論もありますし、その上でどんな支援ができるんだろうか、こんな議論が行われているところでございます。 そして、その中身としまして、先ほど申し上げました国からの支援、地方交付税の話とか地方交付金の話ですとか、こんな在り方について見直すことができないか、こんな議論もありますし、そもそもこれは自治
事務
でありますので、
地方公共団体
にまず
消費者
行政
に対する認識をしっかり持ってもらってしっかり支援をしてもらわなければいけないんではないか。そして、財政厳しい中でありますので、民間セクターにおいても、こうした
相談員
の皆さん方、特に人件費の部分はいろいろな制約があるものですから、そういった部分について何か支える仕掛けをつくることができないだろうか、こんな議論が今行われておりまして、是非その辺でしっかりとした結果を出したい、そのように思っております。
相原久美子
87
○
相原久美子
君
国民生活センター
の
情報
の部分でちょっとお伺いをしたいと思います。 機能の
一つ
としましてPIO―NETによる
情報
の
提供
がありますが、この
情報
を地方が十分に活用するためには
各地
の
消費生活センター
とつながっていなければならないだろうというふうに思いますが、現在つながっているのはどの
程度
か、そして今後の計画についてお伺いしたいと思います。
西達男
88
○
政府参考人
(西達男君)
国民生活センター
と
各地
の
消費生活センター
をオンラインで結んでおりますPIO―NETの端末でございますが、この設置
基準
として、週四日以上
相談
窓口を開設している
消費生活センター
あるいは
相談
窓口に設置するという
基準
で運用しておりまして、
平成
二十年三月末、今年の三月末現在で四百八十五か所、これは設置率は約九〇%に当たりますけれ
ども
、に設置をしておるところでございます。 今後のPIO―NETの端末の設置につきましては、先ほど
大臣
からもお話がありましたように、現在、
消費者
行政
推進会議において、地方の
消費者
行政
の充実強化あるいは
消費生活センター
の充実強化、こういったことが議論されております。こういった
検討
を更に踏まえて、普及のためにも
対応
してまいりたいというふうに考えております。
相原久美子
89
○
相原久美子
君 週四日以上ということになりますと、逆に言えば週四日開いていないところがまたあるということだろうというふうに思いますが、
消費者
はそれぞれ地方にたくさんおります。そして、まさに
情報
がどんどんどんどん逆の意味で入ってきているわけです。被害がそれだけ進むということになりますので、それに
対応
するためのまた
情報
も本当に必要だろうと。地域は特に何日かしか開いていなくても、その
情報
があることによってということが明らかでございますので、是非とも早急に設置できるような形で
検討
いただければなというふうに思います。 最後になりますけれ
ども
、これは本当に蛇足的な質問で申し訳ないのですが、今回の
改正案
では、
センター
の
業務
として第四十条に、
訴訟
の準備又は追行の用に供するための資料
提供
について新たに
規定
されました。これにかかわり、第四十八条では
消費者
の罰則
規定
が設けられております。 多分に私も使用外目的というのはこういうことだろうなとは何となくは分かるのですが、
消費者
がこの法案を周知するためにもこの罰則にかかわる目的外使用とはどのようなことを想定しているのか、お聞かせいただければと思います。
西達男
90
○
政府参考人
(西達男君) 先生御指摘のとおり、本法案の第四十条第一項で、和解の仲介の申請をした
消費者
がその手続によって
解決
されなかった場合であって、また、目的となった請求について
裁判
所に訴えを
提起
するときは
国民生活センター
からその必要な資料の
提供
を受けることができるというふうにされておりまして、ただし、その資料の
提供
を受けた
消費者
は、その
訴訟
の準備又は追行の用に供する目的以外の目的に使用してはならず、それに違反した場合は三十万円以下の過料に処せられるとなっております。 この目的外利用ということでございますけれ
ども
、具体的には、
国民生活センター
から
提供
された資料を
消費者
がその相手方
事業者
に対する嫌がらせとかあるいは信用を失わせるということを目的としてインターネット上のサイトやブログに掲載するとか、あるいは相手方である
事業者
の競争相手、競争
事業者
に売却するとか、そういった場合を想定しておるところでございます。
相原久美子
91
○
相原久美子
君 ありがとうございます。 時間が若干残りましたけれ
ども
、質問については終わりたいと思います。 最後でございますが、二
大臣
いらっしゃっております。今回の
改正案
について私
ども
は反対するものではございません。ただ、しっかりとやはり
消費者
の立場に立った
行政
をしていくというところで、この運営をしていくためにもまだまだ
課題
が残されているというふうに思います。是非とも、
政府
としてしっかりとした支援、対策を行っていただければというふうに思います。 終わります。
有村治子
92
○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。 福田
内閣
の
一つ
の大きな目玉であり、また日本の現在の状況からしても大変大きな潮流であります
消費者
行政
の一大改革に向けて、岸田
大臣
、
中川
副
大臣
始めリーダーシップを強く発揮されながら新しい動きが今できようとしていること、そのことに敬意を表しながら質問をさせていただきたいと存じます。 まず最初に、
消費者
行政
総論についてお伺いをさせていただきます。 今まで各省庁縦割りになってきた
消費者
行政
を統一して、一元的に推進するために強い権限を持つ新しい
組織
の在り方が
検討
されています。その
組織
に
消費者
の的確な保護を優先する機能を持たせて、また
消費者
を主役とする
政府
のかじ取り役を担わせるということを目指して、現在
消費者
行政
推進会議が開催をなされていると理解しております。 現在、新
組織
の在り方について鋭意御
検討
いただいていると存じますけれ
ども
、この議論の
方向性
として新しい
組織
がどのようなものになる見込みなのか、その大きさやあるいはどういった
専門
性を持たれることになるのか、予算規模などについても現時点で分かる
範囲
で御
説明
を願いたいと存じます。
岸田文雄
93
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘のように、この
消費者
行政
を一元的に推進するための新しい
組織
の在り方につきまして、
消費者
行政
推進会議で議論を行っているわけですが、昨日まで六回の議論を積み重ねてまいりました。 これから五月末までに取りまとめを行うということで今議論を行っている最中ではありますが、現在のところ、様々な議論の中で、大きな
方向性
として申し上げるならば、まずは
国民
から見て分かりやすい
行政
組織
をつくらなければいけないということで、
国民
から寄せられた苦情、
相談
、こうした
情報
を一元化するような
仕組み
をつくらなければいけないんではないか。そして、集約された
情報
をやっぱり受ける新しい
組織
が必要ではないか。そして、新しい
組織
において
情報
を
分析
し
対応
する。そして
対応
する際には強い権限が必要ではないか。監督権、総合調整権ももちろんでありますが、法執行権も備えるべきではないか。こんな議論が行われています。要は、この
消費者
行政
の司令塔的新しい
組織
をつくるべきではないか、こんな議論が行われています。 そして、昨日の会議で、総理からこうした議論につきまして
方向性
が示されました。
組織
の形につきましては、今申し上げましたような
方向性
だというふうに思いますが、総理から、その中で、地方の
消費者
行政
の重要性ですとか、さらには
組織
の肥大化を招いてはならないというようなこと、さらには、
消費者
行政
の活性化も重要であるけれど産業の活性化という面も大切だと、これが両方とも活性化するような仕掛けをつくらなければいけない。こうした総理の発言もございました。 こうした発言も踏まえまして、今五月の議論の取りまとめに向けて議論が続けられているという現状でございます。
有村治子
94
○有村治子君 的確な御答弁、ありがとうございます。 今御紹介をいただきました総理の御発言にもありました、やはり私たち
国民
は、
消費者
であり、かつ生産的な
活動
をしている、そういう生産者の立場でもありますので、ともすると、生産者が何かこちら側にいて、
消費者
がこちら側にいるような、そんな感覚を持つことも少なくないんですが、やはり生産者がしっかりとした倫理とか、それを、倫理観に基づく高い
専門
性を発揮して商品を世に出して、そしてそれを見識ある
消費者
が求め、たたえていくというような相互作用がなされることがすごく大事だと思いますので、その両方の視点の啓発を引き続き御指導賜りたいと存じます。 これはちょっと質問通告をしていないんですが、私の七
年間
の議会の中で初めて、ちょっと恐縮ですが、質問通告していないので後ほどお答えいただければ大変有り難いと存じますが。 私も一昨年まで文部科学
大臣政務官
を仰せ付かっておりました。そのときに痛感をしたんですけれ
ども
、例えば、これから私が取り上げます
外国語学校
の
NOVA
とか、あるいは進学塾、大手予備校とか、いわゆる文化教室、カルチャー
センター
とかというその所管というのは、文化庁とか文部科学省ではなくて経済産業省なんですね。それで、例えば英語の英検の指導なんかをする、あるいは留学の指導なんかをするというのも、文部科学省とは一切御縁がなくて経済産業省ということにちょっと私は違和感を感じます。 そして、その
説明
は、そういう塾産業とか語学学校の産業の育成だから経済産業省だという御
説明
なんですが、これはやっぱり学習指導要領に準拠していただく、あるいは文化を推進する文化庁がその検証をしていくという意味でも、それぞれ連携をしていただいた方が
国民
のためにはなるんじゃないかなというふうに思っております。 この辺の連携の是非についても、後ほどコメントをいただければ大変に有り難いと思います。経済産業省さんからコメントをいただければ有り難いと存じます。今答えられますか、それとも後にいたしましょうか。──じゃ、よろしく
お願い
します。
橘高公久
95
○
政府参考人
(橘高
公久
君) 私、直接には
消費者
政策を担当させていただくということで、大変先生に恐縮でございますが、いわゆる当該担当部局としてきちんとお答えするという立場にないことをあらかじめ一言お断り申させていただきますが、ただ、先ほどお触れになりましたような英語学校問題な
ども
含めまして、多少の経験を踏まえて申し上げますと、基本的には、おっしゃられましたような、様々な教育関連の民間
事業
が行っておるような分野につきまして、まずもって大事なことは、教育を預かっておられる立場の文部科学省という立場と、それから私
ども
、広い意味でサービス業、こういう分野も含めましたサービス業を担当させていただく、そして、それは
内容
的にも営業的にも健全な意味で営業してもらうという産業所管の立場と、それぞれございますので、分担しつつも、何か問題がある、あるいは業界としていろいろ
検討
し取組をしていただかないといけないときには、やはりそれぞれ、同じ分野につきまして両省に
関係
する
組織
でございますとか、あるいは窓口間の連携というものを図っておりますものですから、先ほどおっしゃられました中で、何か機械的にこういうものは経産省が専ら担当するとか、この部分は専ら文科省に
お願い
をするというような意味での、何といいましょうか、縦割り的な運用にならないように実態上も心掛けているというふうに理解をしております。
有村治子
96
○有村治子君 質問通告がなされた質問ではなかったにもかかわらず、実に的確なコメントをちょうだいして大変有り難いと存じます。 私が政務官のときに初めて、文部科学省といわゆる学習塾との顔合わせを、私政務官として、文部科学省の代表としてさせていただきました。そのときに
実感
をしたことは、初めての顔合わせだったんですが、やはり子供たちと日々向き合っていらっしゃる進学校あるいは学習塾、補習校の先生方ですから、今の子供たちが十年前、二十年前の子供たちと比べて何が違うのかということを実に的確に、いわゆる放課後の後から次の日の朝に至るまでの子供たちの動向というのはこの
方々
にノウハウがあるんだなということをすごく痛感をいたしました。 そういう意味では、今でも文部科学省にそのときからの交流の窓口というのは残っているというふうに聞いておりますけれ
ども
、引き続きこの部分は経済産業省さんから文部科学省あるいは文化庁に適宜御紹介を賜りたいと
お願い
を申し上げて、次の質問に入らせていただきたいと存じます。 それでは、語学学校
NOVA
をめぐる
トラブル
の経緯を踏まえながら
幾つ
か質問をさせていただきます。 御承知のとおり、大変な、そのCMの言葉などが
国民
的な、一時的とはいえ、認知度を上げた
NOVA
でございますけれ
ども
、この
NOVA
に関する
相談
というのは長年
各地
の
消費生活センター
に寄せられ続けてきました。
平成
九年度には既に五百五十二件ほどあった苦情は、十年後の
平成
十九年度には九千四百三十二件にも及んでいたと伺っております。この十年の間に、苦情の数は何と約十七倍にも膨れ上がっています。
平成
十九年の六月、
NOVA
は、書面記載の不備、誇大広告、それから不実告知、役務
提供
契約の解除によって生ずる債務の履行拒否などの
特定
商
取引
の違法
行為
が
認定
され、
行政
処分を受けています。しかし、その後も解約関連の
トラブル
は止まらず、同年十月には元受講生十数人が集団
訴訟
に踏み切りましたが、
NOVA
社は同月下旬に会社更生法適用を申請するに至りました。
平成
十九年八月、
国民生活センター
は、
NOVA
に関する緊急アンケート
調査
を
全国
の
消費生活センター
などに対し実施しています。この
調査
によっては、
NOVA
に関する
相談
のうち、
あっせん
で
解決
できたと答えられた方はそのアンケート
調査
に答えたうちの三・四%にしかすぎませんでした。たった三・四%です。
あっせん
解決
が困難になった主な
原因
として、その二番目に挙げられている理由は
NOVA
社自社の契約
システム
については経済産業省の了承済みであると
NOVA
社が主張してきたからというものが挙げられています。 経済産業省が
NOVA
の解約
条項
について合理性が認められないとは言えない、つまり一定の合理性はある旨の通知文を
平成
十四年七月一日に各自治体の消費生活
行政
担当に向けて出されており、結果的には
行政
のお墨付きを盾にして
NOVA
が適正な解約
交渉
に応じようとしなかった様子が浮かび上がってきます。経済産業省はなぜこのような通知書を出されるに至ったのか、その経緯を御
説明
願いたいと存じます。
橘高公久
97
○
政府参考人
(橘高
公久
君) お答え申し上げます。
平成
十四年当時、調べてみますと、経済産業省、当時
NOVA
から
幾つ
かの
相談
を受けたわけでございます。その中で、背景としまして契約の中途解約時における清算金の計算方式について
消費者
の方からも随分
相談
があるということで
NOVA
社から
相談
があったわけでございます。 当時、経済産業省といたしましては、まずもって
NOVA
がどのような
仕組み
でどのような
説明
をしてこの契約をし、また清算金を支払っているのかというようなところにつきましてまずきちんと実態を聞かなければいけないということで
説明
を聴取いたしました。それを踏まえまして、基本的な考え方といたしましては清算においてどのような単価で計算をするかということにつきましては、あくまで実際に
説明
をし、それに基づいて
取引
をされているということが計算の根拠として大事であって、実際に用いられていないような割高なポイント単価というようなものを恣意的に用いて清算を行うというようなことは合理性がないというふうにまずもって指導をしたわけでございます。 ただ、その際、あわせて数量割引といいましょうか、あるいはある
程度
まとまって買った場合には少し割引をするというようなそういう数量割引の考え方というもの自体については一般的な商慣行からしますと場合によっては合理性があるんではないだろうかという判断を当時いたしまして、実際に
消費者
との
取引
において
NOVA
社の場合においても用いている単価であれば清算に当たりまして契約時とは異なる単価を用いると、契約時にはそのディスカウント単価で、清算時にはディスカウント単価とは違う単価を用いるというようなことも場合によっては合理性があると認められる場合もあるのではないかということを併せて
意見
交換をしたということでございます。 御指摘の通知文でございますが、以上のような
NOVA
から聴取した現状、それから経産省から指導をいたしました指導
内容
、そして求めに応じまして示しました解釈、こういうものを一連の
一つ
の文書にいたしまして本省から各経済産業局に通知をしたと、このようなやり取りであるので周知をするということで通知をいたしたものでございます。 当時の記録によりますと、本省から経産局にあてて出しましたのは
平成
十四年の六月十日ということになっておりますが、さらにその後、各
関係
方面に一定の時間の中で通知がなされたものと考えております。
有村治子
98
○有村治子君 非常に分かりやすく御
説明
をいただきました。今るる御
説明
をいただきました判断、またその判断に基づく経済産業省の
行為
というのは正しかったと認識されているでしょうか。いかがでしょうか。
橘高公久
99
○
政府参考人
(橘高
公久
君) 今お答え申し上げましたように、当時といたしましてはやはり事実
関係
の聴取を踏まえまして、担当部局としましては真摯に厳正に
検討
をして判断をしたものと認識をいたしております。 しかしながら、これは
委員
もその後の経緯を恐らくよく詳しく御承知であろうかと存じますが、
平成
十九年に至りまして同様の解約の際のポイントをめぐります最高裁の判決が出されましたことを受けまして、これはやはり最高裁の判決ということで我が国の
制度
に基づきまして、これを尊重する必要がございますので、私
ども
の解釈通達もその点につきましては解釈通達を変更をした次第でございます。
有村治子
100
○有村治子君
NOVA
に関しての
相談
は十年以上にわたっております。また、
相談件数
が千件を超えた、つまり最後の二年で大変急増しているようですね。
平成
十七年以降急増していたにもかかわらず、経済産業省により
行政
処分の
対象
となったのが
平成
十九年、最後の年だったことをかんがみますと、経済産業省の
対応
は遅過ぎたのではないかという指摘もあります。
消費者被害
の拡大に心ならずも手を掛けたという批判も残念ながら免れないのではないかと思われますけれ
ども
、なぜ経済産業省の
対応
がこのように遅れてしまったのか、その御
説明
を願いたいと存じます。
橘高公久
101
○
政府参考人
(橘高
公久
君) 今
委員
からお示しありましたように、経済産業省としての本件に対する処分のタイミング等々につきまして、いろいろな御批判を含めた御
意見
があることは十分承知をいたしております。 これも少し当時の経緯を確認をいたしてみますと、
NOVA
社におきましては、特に今お話にもございましたように、
平成
十七年度以降、まず営業として店舗数が急拡大をしたと。店舗数が
全国
的に五割近く一年の間に増えるというような状況の中で、当然講師の必要数が増えるわけでございますが、なかなかにわかに店舗数の増加に
対応
して一定の質の高い講師を確保することに非常な困難が生じたというふうに認識をしております。 その結果といたしまして、苦情件数が十八年度に入ってかなり増えたわけでございますが、特にその
内容
につきまして、元々はいつでもアポイントが、予約が取れるということが
一つ
の利便性の売りだったわけでございますが、その肝心かなめの予約が、いつでも取れるどころか、なかなかいつになったら取れるのか分からないというような、大変予約をめぐる
トラブル
が増えてまいりました。これは言わば契約を最初結ばれるときの前提になる話でございますので、私
ども
といたしましては、大変こういう苦情が増えたということを認知をいたしました時点から、非常に緊張感を持って
分析
を始めたわけでございます。 ただ、当時、
国民生活センター
のPIO―NETというのは当時から重要な
情報
収集
の
システム
でございましたが、現在と違いまして、当時は直接私
ども
が日々端末を拝見することができない状況であったこともありまして、十八年の初夏に至りまして、かなり苦情がそういう意味で質的な変化をしているというふうに私
ども
としては認識をした次第でございます。 これを踏まえまして、実際の苦情をおっしゃっておられる
消費者
の
方々
からの最新の証言を鋭意
収集
しますとともに、東
京都
との合同
調査
チームを十八年の秋に設置をいたしまして鋭意
調査
を進めました結果、
平成
十九年二月に準備が整いましたので立入りの検査をさせていただきました。この結果、先ほど触れましたように、特に虚偽の
説明
、なかんずく予約をめぐる虚偽の
説明
を含め、こういうものを始めとしまして、
幾つ
かのやはり看過できない
特商法
に関する違反
行為
が見受けられましたものですから、これを違反事実として
認定
をし、六月に処分をした次第でございます。 そのタイミング等につきましては、当時、既に一方では相当数の受講生がおられる、これもある意味で利用者、
消費者
の方でございます、他方で多数の苦情をおっしゃっておられる
消費者
がおられるという中で、我々としまして、相当緊張感を持った中で厳正かつできるだけ早く判断を下さねばならないということで、他の法令における
検討
も並行してなされておったとは思いますが、結果的には、経済産業省が
行政
といたしまして先駆けて
特商法
に基づく処分を行ったということでございまして、いろいろ御批判、御
意見
はあることは承知はいたしておりますが、私
ども
、そういう総合的な観点から、できるだけ丁寧かつ迅速な
対応
を心掛けたというふうに考えております。
有村治子
102
○有村治子君 当時の構図について分かりやすく御
説明
いただいたと思っております。
NOVA
社に関しましては、本当に急激に店舗を拡大して、本当に学校という名がふさわしいのかどうかということを私自身も思っていました。その後、社長がかなり恣意的に、会社を自らの経済的な
利益
とそして欲望のために恣意的に運営をしていたということが後ほど明らかになるのですが、やはりある意味で経済産業省も翻弄されたというのが偽らざる
実感
ではないだろうかというふうに思っております。経済産業省が
NOVA
の言い分を受け入れた背景には、心ならずも結果的に受け入れたという結果論でございますが、その背景には、
消費者
の視点が十分ではなく、産業を育成するという省庁の限界を露呈したのではないかという見方も、そういう解釈もなされようかと思います。 そこで、岸田
大臣
にお伺いをさせていただきます。今後の
消費者
行政
を考える上で、今
NOVA
をケーススタディーにしていろいろお話しをいただきましたけれ
ども
、この件における経済産業省の
対応
について岸田
大臣
はどのように認識をされるでしょうか。
岸田文雄
103
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘のように、これまでの
消費者
行政
につきましては、体制とか
対応
に問題があるのではないかと指摘される事案が数多く起こっております。 その背景には、やはりこの日本の
行政
組織
、生産者あるいはサービスの供給者の立場を基点につくられてきたということがあるのではないか、その結果として
消費者
から見て分かりにくい
行政
のありようになっているんではないかということがあるんではないかというふうに思っています。もちろん、今経済産業省からありましたように、経済産業省においても
消費者
行政
の重要性はしっかり認識をし、その時点において最大限努力をしたものだというふうに思っております。 ただ、こうした
対応
につきましても、先ほど
委員
の方から、英会話教室、進学塾あるいはカルチャースクールというものが経済産業省の所管であるということにつきまして御指摘がございましたが、どうも
国民
から見てやはり分かりにくい部分があったんではないかということは感じております。そして、こうした省庁縦割りによる
国民
から見て分かりにくい
行政
の在り方というのはこれからもどんどんと増えていくんではないかな、そんなふうに思っています。 今の
NOVA
の件もそうですが、例えば
コンニャクゼリー
によって十数名の
方々
がもう亡くなられている。ところが、この事案につきましても、これは食品の成分の問題ではなくして形状の問題ではないかということから食品衛生法の
対象
にならないということから、こうした
対応
に時間が掛かったということが指摘をされています。 また、おもちゃにつきましても、幼児のおもちゃにつきましては食品衛生法の
対象
になるということでございます。これは口に入れるからということなのでありましょうが、この辺の
法律
の所管等も
国民
にとって分かりにくいというふうに思いますし、また最近は更にいろんな新しい
製品
ができてくることから、例えば殺虫剤につきましても、従来、殺虫成分がある殺虫剤は厚生労働省の所管なのでありましょうが、最近は新しい殺虫剤で凍らせて虫を殺すものがありますが、あれは殺虫成分が入っていないということから厚生労働省の所轄にならないということで、聞いておりますところによりますと、これは経済産業省の所管になったというようなことを聞いておりますが、等々
国民
感覚から見てなかなか難しい事案がこれからもどんどん増えるんではないかと、こんなことを感じています。 こうした時代の変化を感じるにつきましても、
消費者
行政
の一元化を進めて
国民
から見て分かりやすい
消費者
行政
の在り方を考えていかなければいけない、これは時代の要請だというふうに感じています。
有村治子
104
○有村治子君 殺虫剤についての御
説明
や幼児のおもちゃなど、キッチンを預かり、子供の安全を預かる主婦としても大変有益な
情報
を教えていただいて、大変有り難いと存じます。 今までの経済産業省さんのコメント、また現在の岸田
大臣
のお言葉を伺っていても、やはりポイントの
一つ
、かぎの
一つ
になるのは、
情報
格差をどう埋めるかということだと思っております。経済産業省さんのコメントにもありました、当時、PIO―NETがあって、どのような事象が
消費者
の、
国民
の間に起こっているのかが随時リアルタイムで見ることができたら、もう少し違う判断が的確になされたかもしれません。そういう意味では、今どういうことが起こっているのか、その
情報
がより透明に、より多くの人に、よりフェアに公開されれば、それぞれ私たち
消費者
も対等に渡り合っていけるだけの
交渉
力を持ち得るということを考えると、やはり分かりやすい
情報
開示にも引き続き御
検討
いただきたいと存じます。 では、
公正取引委員会
の方にお伺いをさせていただきます。
NOVA
に関しては、入学金無料としながら解約時には入学金の一部を差し引いた上で返金を少なくしているということが景品表示法違反の疑いがあるとして、
公正取引委員会
も
平成
十八年に
調査
をされています。しかし、契約時に
説明
をしているという
NOVA
側の言い分に処分を見送ったという経緯があると伺っています。被害が急増しつつあった時期において、
公正取引委員会
は、なぜ
NOVA
、
事業者
側の主張を受け入れて処分を見送られたのか、その
説明
をいただきたいと存じます。
鵜瀞恵子
105
○
政府参考人
(
鵜瀞
恵子君) 恐縮でございますが、個別の事案につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 一般論として申し上げれば、入学金などの
取引
条件につきまして、実際のものよりも著しく有利であると誤認されるような表示を行った場合には
不当表示
として景品表示法上問題のあるところでございまして、
公正取引委員会
としましては、景品表示法に違反する
行為
が認められた場合には厳正に対処しているところでございます。
有村治子
106
○有村治子君 個別の
案件
についてはコメントを差し控えると今おっしゃっていただきましたけれ
ども
、私が関心があるのは、この教訓から私たちが何を学べばいいのか、どういうパターンを理解した上でこのようなことを二度と起こさせないようにするのかということでございます。そういう意味では、私は、やはり
説明
をしていただきたい。どういうパターンがあったのか、なぜここで処分を見送ったのかというところの
公正取引委員会
のその根拠が明らかにされなければ私たち
国民
がこの教訓から学ぶことはできないと思いますが、いかがでしょうか。
鵜瀞恵子
107
○
政府参考人
(
鵜瀞
恵子君) 恐縮でございますが、個別の事案について、処分を取らなかった事案についての御
説明
は差し控えさせていただきたいと思います。 また、入学金の無料とか学費の表示につきましては、ほかの各種学校あるいは学習塾につきまして問題の見られた事案に法的措置を講じた事例がございます。
有村治子
108
○有村治子君 再度お伺いをしたにもかかわらず、
公正取引委員会
としては、正式な見解、その論拠をお示しいただけなかったというのは、私たち、この教訓から学んでいかなきゃいけない国政
調査
の一環としては大変残念なことだなという思いを表明をさせていただきます。なぜなれば、やはり入学金を無料ということで打ち出しておかれながらその契約を解約したときには入学金の一部を引かれているというのは大変アンフェアだと思っています。アンフェアなことを是正していただくのが、
国民
のその是正をしていただく前線に立っていただくのが
公正取引委員会
だという認識、
公正取引委員会
を信じたいと思っております。そういう意味では、チャンスボールでもある質問だと思っております。いかがでしょうか。
鵜瀞恵子
109
○
政府参考人
(
鵜瀞
恵子君) チャンスボールをいただいて大変有り難いと思いますけれ
ども
、私
ども
としましては、違反を
認定
しましたときには法的措置その他の指導を行っているところでございます。
有村治子
110
○有村治子君 私もくどくなる意図は全然ないんです。もうこれはつまずくような質問じゃ全然ないはずなんですが。
公正取引委員会
も
調査
に入っていらっしゃるんですね、それも景品表示法違反の疑いということで
調査
入っていらっしゃるんです。それで、
調査
したにもかかわらずこれは白だと、入学金無料と言いながら入学金を差し引いて契約を解除しているというのは白だと思われた根拠というのはどういう正当性がおありになるのか。個別の事例に入らなくても、そういうことは間々あるんだと思います。そういう意味で、
公正取引委員会
の正当性を述べていただきたいということを申し上げているつもりでございます。
鵜瀞恵子
111
○
政府参考人
(
鵜瀞
恵子君) 一般論として申し上げれば、表示と実態の乖離がなければ問題にならないということでございます。
有村治子
112
○有村治子君 済みません、表示と実態の乖離がなければ問題はない。そうすると、入学金無料という表示があって、実態は入学金の一部を差し引かれないと解約してもらえないということのギャップはないと
公正取引委員会
は今も認識しているという、そういう国会の議事録でよろしいのでしょうか。
鵜瀞恵子
113
○
政府参考人
(
鵜瀞
恵子君) 個別の事案についてはお答えしておりません。調べたときに表示と実態の乖離がないということで、問題にならないという処理をすることがございます。
有村治子
114
○有村治子君 それでは、反論がなかったので、表示と実態の乖離はないという、そういう見識でよろしいのかどうかの質問に関しては、それについて異論がなかったという記録でよろしゅうございますね。(発言する者あり)
鵜瀞恵子
115
○
政府参考人
(
鵜瀞
恵子君) はい。表示と実態の乖離があって違反事実を認めるに至らなかったということでございます。
有村治子
116
○有村治子君
公正取引委員会
が文字どおり私たちの公序良俗に沿って公正であることを引き続き願いたいと存じます。 それでは、次の質問に入らせていただきます。 複数の
行政機関
が
NOVA
と
消費者
の
トラブル
に気付いていらっしゃりながら迅速的確な
対応
ができなかったその背景には、各省庁縦割りになっている
消費者
行政
の連携の悪さが弊害として挙げられようかと存じます。
消費者
行政
の一元化においては、こうした事例の反省を踏まえて、二度とこのような被害を見過ごさない
組織
づくりを期待したいと存じますが、
大臣
、新
組織
構築に向けた
大臣
の御決意を伺いたいと存じます。
岸田文雄
117
○
国務大臣
(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたように、
消費者
行政
に関しましては、その体制ですとか
対応
につきまして問題があるのではないかという指摘を受けるような事案が増えております。そして、その背景には、分かりにくい
行政
の在り方というのも
一つ
の要因としてあるんではないかというふうに認識をしております。 是非、新しい
行政
組織
、この
行政
組織
の見直しに当たっては、やはり
国民
から見て分かりやすいという視点、これが大変重要だというふうに思っています。ですから、
国民
から寄せられた
苦情相談
、こうした
情報
がどのように取り扱われたのか、そして、その
情報
に基づいてどのように行動したのか、これが分かりやすい
組織
、新しい
組織
をつくっていかなければいけない、そのように思っています。 そういった考えの下に、
消費者
行政
の一元化、
消費者
行政
の司令塔的役割を果たす新
組織
の構築に努めていきたい、そのように考えています。
有村治子
118
○有村治子君 今
大臣
がおっしゃっていただいた
国民
から見て分かりやすいというのは、本当に大事な姿勢だと思います。
国民
の皆さんの常識的な感覚からしても理解しやすいというのも大事な要素であろうかと思います。そういう意味では、今私
ども
が経験をした
公正取引委員会
さんの御
説明
というのは、ちょっと
国民
的な常識からすると納得することが困難かなというコメントでございました。 私の感覚からすると、
公正取引委員会
というのは正義の味方、本当に
国民
を守ってくれる、フェアな
対応
を勇気を持ってしてくれているところだという、そういう認識がございます。その
公正取引委員会
さんともしっかりと連携をしていただいて、私たち納税者である、また
国民
から見て分かりやすい
消費者
行政
の大きな変革を岸田
大臣
の下で成し遂げていただきたい、打ち立てていただきたいと存じます。 それでは、
国民生活センター法
の
改正案
についてお伺いをさせていただきます。 先ほ
ども
相原
委員
から御指摘がありましたように、
事業者
、生産者側から見た場合は、
消費者
保護を任務とする
国民生活センター
に置かれた
紛争解決
委員会
に対して、利害
関係
が一致しないゆえに、その
事業者
からは違和感を持たれるのではないかという懸念もあります。
国民生活センター
は
政府
関連
法人
でございますから不公平なことは恐らくしないだろうという一定の信頼はあるものの、それでも
紛争解決
委員会
の和解仲裁によって、仲裁、仲介は
消費者
寄りになってしまうんじゃないかという先入観を持たれるおそれがあります。
事業者
側は
紛争解決
委員会
による決着を避けたがるのではないかという危惧もなされます。 条文では、
紛争解決
委員会
は独立してその職権を行うとありますけれ
ども
、中立性をアピールして
紛争解決
委員会
が
事業者
、生産者側からも信頼される方策を取ることが、結果的にはウイン・ウインというか、痛みをいかに少なくするかという意味でのウイン・ウイン、早期の
紛争解決
に
つながり
、
消費者
の
利益
にもなると考えます。 中立性をどう担保し、どのようにしてバランスのある公正な職権執行を打ち立てようとされているのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
西達男
119
○
政府参考人
(西達男君) 先生御指摘のように、この
制度
が
実効性
を持って活用されるようにするためには、ADRが合意による
紛争解決
を図るものである以上、
委員会
が
消費者
のみならず
事業者
からも公平、妥当な
解決
指針を示す
機関
として信頼される必要があるだろうというふうに思っております。このため、
法律案
上も、
紛争解決
委員会
は
センター
の
理事長
の指揮監督から離れて独立して職権を行うというふうに定めているところでございます。 また、仲介
委員
とか仲裁
委員
につきましては、
紛争解決
の手続を実施するに当たりまして、
紛争
の当事者である
消費者
と
事業者
の間にございます
情報
、
交渉
力の格差、こういったものを踏まえながらも、その実質的な中立性、公正性を確保するものというふうにしておるところでございまして、これらの措置によって、当事者双方から信頼される
制度
として実効ある運用を図ってもらいたいというふうに考えております。
有村治子
120
○有村治子君 仲介、仲裁はあくまでも当事者の合意がなければ手続に入れないと伺っておりますけれ
ども
、
事業者
、生産者側が仲介、仲裁を受け入れやすい素地、土壌をつくっておくということは、その後の経過ということを考えても大変重要になると私も理解しております。
事業者
、生産者にとって重要な
紛争解決
手続に乗るメリットというのは何なんでしょうか。
紛争解決
に向けて
事業者
が
交渉
のテーブルに着きやすいように、落ち着いて
解決
に臨もうというコミットをしやすいようにするための環境整備としてはどのようなことをお考えになっていらっしゃるのか、御答弁いただきたいと存じます。
西達男
121
○
政府参考人
(西達男君)
委員会
が行う
紛争解決
手続につきましては、まず、迅速な
解決
が図られるものであること、それから非公開で行われること等、その
事業者
にとっても十分メリットのある
制度
であるというふうに考えてございます。 非公開で手続を行うということについては法案上も
規定
をしてございますが、この迅速な
解決
につきましては
内閣
府令で目標とする手続実施の期間、これを定めることにして、その期間内で迅速に行うというふうな予定をしております。 そのほかに、同一
事業者
が同じような事案で訴えられた場合には、一回的な
解決
を図るための手続の併合、それから手続を簡易で柔軟なものとするために面談とか書面とかの手続の実施方法について希望を述べることができるというように
内閣
府令でするように予定をしておりますし、それからやはり
裁判
と比べましてもより柔軟な
解決
が図られる、可能であるといった点においても、その
事業者
が手続に乗るインセンティブが確保されるのではないかというふうに考えておりますし、さらに、私
ども
の期待としては、本
制度
が定着をして、本
制度
による
解決
を図ろうとする
事業者
であることが社会的に認知をされるようになって、
消費者
の信用が増して
事業活動
へのプラスの効果が生じると、こういった点も期待をしているところでございます。
有村治子
122
○有村治子君 ありがとうございます。
国民生活センター
の新たな機能について質問を続けます。
国民生活センター
では、これまでも
消費者
からの苦情を受けて、
事業者
、生産者などに対して
苦情処理
、
紛争解決
のための
あっせん
ということを行ってこられました。 しかし、今まではこのことが
法律
上明記されていなかったために、
センター
としては苦情の処理のための
あっせん
というのがなかなか機動的に進められなかったと伺っております。
NOVA
の事案では、
NOVA
が
各地
の
消費者
センター
の
苦情処理
の
あっせん
に応じなかった事例が多数
報告
をされていると理解しております。 今回、第四十一条に苦情の処理のための
あっせん
をするということを明記されましたが、これによってどのような効果があるのでしょうか。 確かに、
消費者
紛争
に至る前に、シリアスになる前に苦情として持ち込まれてきた事案を
センター
が間に入って
あっせん
し
解決
できれば、
消費者
にとっても生産
事業者
にとっても時間の節約にもなり、いいことではありますが、苦情の処理のための
あっせん
を
法律
上明記したことの効果と、今後の
あっせん
を行う体制の充実強化について伺います。
西達男
123
○
政府参考人
(西達男君)
平成
十六年に
消費者基本法
が
改正
をされまして、その際、
国民生活センター
は、苦情の処理の
あっせん
における中核的な
機関
として積極的な役割を果たすものというふうに
規定
をされておりまして、また
国民
からもそうした
機関
として大きな期待を寄せられていたところでございます。 しかしながら、
国民生活センター法
上は、
センター
がこうした
業務
を行うことが明確に
規定
されておりませんで、今述べたような実態と
規定
上の位置付けがバランスを欠いておりました。こうしたことのために、先生御指摘のように、
法律
上の根拠が明確でないということをもって
あっせん
に応じない一部
事業者
も見られてきたということでございます。 今回、
相談員
が行う
苦情処理
の
あっせん
を法的に明確に位置付けることとしたのはそうした背景でございまして、このことによりまして
相談員
の行う苦情の処理の
あっせん
の
実効性
が高まって、そして
消費者
、重要
紛争解決
手続と相まって、
センター
における
紛争解決
機能の充実強化が図られるんではないかということを期待しているところでございます。
有村治子
124
○有村治子君 御指摘のように、やっぱり
あっせん
する機能があるということがより多くの方に共有されること、大事だと思いますので、引き続き御活躍をお祈り申し上げます。 それでは、
消費者契約法
改正案
について質問を続けます。 経済産業省による
特定商取引法
違反の
行政
処分の状況、
差止請求
との
関係
について詳細を伺います。
特定商取引法
への
消費者団体訴訟制度
の導入によって、
特定商取引法
の違反
行為
に対して、経済産業省ないしは場合によっては都道府県による
改善
指示や
業務
停止命令などといった
行政
処分に加えて、今回新たに
適格消費者団体
によって違反
行為
の
差止請求訴訟
の
提起
ができる。その両方によって
消費者被害
の拡大措置が可能となると理解しております。
行政
規制である
行政
処分と民事のルールである
差止請求
の
関係
は、じゃ、どうこの両者が
整理
されるのかという点に関し、
一つ
のケーススタディーでお伺いしたいと思います。 例えば、ある
事業者
が事実ではないのに、この浄水器を付けずに水を飲み続けますとあなたは将来病気になってしまいますよと言って高価な浄水器を購入させることは、
特定商取引法
のうち
訪問販売
に係る不実の告知に該当して、不当な
勧誘行為
として禁止されています。 この
事業者
が不
特定
かつ多数の
消費者
に対して同じような
勧誘
行動を行った場合、経済産業省が一方で
行政
処分を行って、他方、同時並行的に
適格消費者団体
がこの禁じられている
勧誘行為
の
差止請求
を行うことは可能なのでしょうか。分かりやすい御
説明
を経済産業省に
お願い
したいと存じます。
橘高公久
125
○
政府参考人
(橘高
公久
君) 法技術的な部分もございますが、できるだけ分かりやすい形で御
説明
に努めたいと存じます。 今
委員
から御質問ございました
行政
処分と
差止請求
の
関係
でございます。これは
法律
的に考えてみますと、
特定商取引法
上の
行政
処分、現在までやってきております
行政
庁の処分につきましては、
行政
当局がこれは主体となって、そして
法律
の要件に照らしまして、それに合致しているもの、そして情状等が非常に悪いものにつきまして、
行政
庁の判断として、
事業者
に対して
業務
改善
等の指示あるいは
業務
停止命令というような
行政
の判断を示すものでございます。 他方で、
差止請求
、今回お認めをいただきたいと考えております
差止請求
につきましては、まず、主体が
適格消費者団体
でございます。また、手続といたしましては
訴訟
提起
という手続が必要になります。したがいまして、判断をするのは今度は
裁判
所が判断をする。その際に、
差止請求
権というようなものを認めるのに十分な事実
関係
があるかどうかという、そういう訴えておる
団体
の
差止請求
権が充足されているかどうかというところの判断を
裁判
所がされるということになるわけでございます。 したがいまして、後段の御質問にございましたが、これは手続上、効果としてある面似た部分がございますんですけれ
ども
、手続上はあくまで
法律
上それぞれ独立した考え方に基づく独立の手続になるものでございます。したがいまして、先ほど
一つ
例示ございましたこの不実告知というものも今回
対象
になるわけでございますが、両方並行してできるかどうかという点につきましては、
行政
当局であります例えば私
ども
経済産業省が
行政
処分が必要だと判断した具体的なその同じ
案件
につきまして、
適格消費者団体
がやはり
自分たち
としても
差止請求
をする必要があるという御判断のときには、これは
制度
上何ら否定されておるわけではございません。 ただ、一言、実態という意味であえて付言をさせていただきますと、実際に
行政
処分が適切なタイミングで行われることが必要でございますが、適切に行われている場合に、
事業者
が不当
行為
をこれは止めなきゃいけなくなるわけでございます。したがいまして、
適格消費者団体
が求める
差止請求
も実は
内容
としてはそういう不当
行為
を止めろということでございますので、実態的には
行政
処分が適時に行われた
案件
につきましては、重ねて
差止請求
を行う実態がどれだけあるかというところは実態上はあろうかと思いますけれ
ども
、手続上は否定されているものではございません。
有村治子
126
○有村治子君 今お述べになりましたように、かなり強い権限を両者で行使することができるゆえに公正で的確であっていただきたいと心から私も願います。
特定商取引法
を
差止請求
の
対象
とすることによって被害を
拡大防止
するということで、関連の質問をさせていただきます。
適格消費者団体
による
特定商取引法
違反
行為
に対する
差止請求
は、言わば違反
行為
を是正するための新たな手段を増すということになりますけれ
ども
、その効果を冒頭に触れました外国語会話教室
NOVA
の事例に当てはめて考えていきたいと存じます。
NOVA
のような語学学校は、
特定商取引法
のうち
特定
継続的役務
提供
という
取引
類型に当てはまり、
平成
十九年六月に行われました経済産業省による
行政
処分も
特定商取引法
違反ゆえになされたものであると理解をしております。
NOVA
は
年間
を通じて恒常的にいつも入学金の全額免除を実施していたにもかかわらず、キャンペーン期間中に入学した場合は入学金を全額免除しますという旨の広告を出していました。これは誇大広告として
特定商取引法
違反と
認定
をされましたが、今後これと同様の違反
行為
があった場合、
適格消費者団体
はこの違反
行為
に対して
差止請求
ができるのでしょうか。いかがでしょう。
橘高公久
127
○
政府参考人
(橘高
公久
君) 端的にお答え申し上げますならば、おっしゃられましたような入学金キャンペーン等を含めた誇大広告につきまして
差止請求
の
対象
となります。
有村治子
128
○有村治子君 そのほかにも
NOVA
は違反
行為
として
認定
されたものがあると言われていますが、例えばどのようなものがあったのでしょうか。また、これから御指摘いただく違反
行為
についても
差止請求
ができるのか、併せ御
説明
いただきたいと存じます。
橘高公久
129
○
政府参考人
(橘高
公久
君) お答え申し上げます。 昨年、
平成
十九年六月十三日に処分をし、
国民
にお示しをいたしました処分理由に基づいてポイントを御
説明
申し上げますと、
一つ
目は今の例に出されました誇大広告でございます。また、より悪質な部分といたしまして、前段で御
質疑
ございましたけれ
ども
、レッスンの予約が好きなときに入るというものが売り文句だったけれ
ども
、実際には全くそのような簡単な予約ができないというような意味での不実の告知。これは、例えばクーリングオフなどにつきましても、一定の
法律
上の要件に合致したものについては、
NOVA
のケースでもクーリングオフできるケースであったにもかかわらず、クーリングオフができないというふうに
説明
したようなケースもございました。これも不実告知の類型でございます。そのほか、当時の事実
認定
によりますと、重要事項で告げなければいけないことをきちんと告げていなかった、あるいは書面の不備とか不交付があったとか、
幾つ
かの事例を挙げておるところでございます。
有村治子
130
○有村治子君 何か経営の失敗というよりは、今挙げていただいたのは本当に倫理観の欠如という、人間性としての人道的な意識の欠如というような感じがいたします。 最後に、
大臣
に御質問をさせていただきますが、今出てきましたように、
NOVA
の事例については十年以上
消費者
からの
相談
が寄せられていた、そして徐々にその数は増えていくんですが、その中にやはり
消費者
側がつかんでいた真実の側面があったんだと思います。しかし、それに聞く耳を持てなかった、あるいは、聞く耳を持っていてもそれを生かすだけの手段や構図、構造を持つことができなかったというのは非常に残念なことだと思っています。 経済産業省による
行政
処分がなかなか行われなかったこと、非常に残念なことでございますが、
行政
の
対応
が遅れていたとしても、そのときもし今回のように
適格消費者団体
による
特定商取引法
違反に対する
差止請求
が私たち
国民
の
消費者
の近いところで
実現
していたならば、これほどの
国民
的な被害拡大には至らなかった可能性もあります。
適格消費者団体
による
差止請求
の
対象
範囲
の拡大は、
消費者被害
の
拡大防止
に大変効果的になる可能性を持ち得ると私は希望も持っております。今回の
改正
による
消費者団体訴訟制度
の充実が
消費者
の的確な権利や利便の保護に一層資するものとなるように
大臣
の御決意を伺いたいと思います。 恐らく、私たちの知人や友達の中で、
NOVA
に通っている人がだれもいないという人はほとんどいないんじゃないかなというぐらい
NOVA
というのは
国民
的に大きな影響力、マスメディアの広告力を持ち得た。そういう教訓からも、私たちは今後
国民
がこのようなことに翻弄され、経済産業省も翻弄されることのないように、この
消費者
行政
の大きな変革期に期待をしております。
大臣
の御決意を承ります。
岸田文雄
131
○
国務大臣
(岸田文雄君) 今回の
改正
は、
景表法
そして
特商法
に
消費者団体訴訟制度
を拡大しよう、導入しようとするものでありますが、近年、御指摘のように、
NOVA
の問題も含めて、商品それから役務も多様化しております。ますますこの
景表法
及び
特商法
違反による
消費者被害
が多数発生していますし、これからも発生するんではないかというふうに考えています。 ですから、こうした
消費者被害
に対しまして、
公正取引委員会
あるいは経済産業省の
行政
規制とは別に、こうした
消費者団体訴訟制度
、
差止請求
権を
適格消費者団体
に与えるということ、これは
消費者
の
利益
を擁護するという意味で大変大きな意味があるというふうに認識をしております。 そして、これは
適格消費者団体
の
認定
とか監督について
消費者契約法
に一本化するということでありますので、
消費者団体
の
事務
負担を軽減するとか、あるいは
行政
コストを削減するという観点からも意味があるというふうに思いますし、こうした一本化するということは今進めています
消費者
行政
の一元化とも
方向性
が一致するというふうに考えております。 このように、今回の
消費者契約法
の
改正
、様々な意味があるというふうに思いますが、引き続きまして、この
消費者団体訴訟制度
の充実につきましては、
対象
法令ですとかあるいは様々な権限につきましても今後拡大や見直しをする必要があるかどうか、この辺もしっかりと
検討
しながら充実に努めていかなければいけない、そのように思っています。
有村治子
132
○有村治子君 今から二千五百年前、中国の思想家孔子が論語に残したとされるところで、国が長期的、安定的に治められるためには何が必要かというお弟子さんの問いに対して孔子先生が最後に挙げられている、本当に一番大事なものは信用だというふうにおっしゃっています。信なくんば立たずというのもこのようなところから出てきたのかと存じます。 そういう意味で、去年一年の日本社会を総括する言葉として、日本漢字検定協会が公募をして清水寺で書かれた漢字一字が「偽」、偽り、うそという漢字一字だったことは、非常に日本が長期的、安定的に治められるという土壌という意味では危機的状況にあるという認識を持っております。 そういう意味で、今回、福田
内閣
の下、岸田
大臣
の強いリーダーシップの下、その危機的状況で
国民
が選んだたった一字が偽りだったという現状をしっかりと見据えていただいて、その「偽」を近い将来、信という言葉に変えていただけるように御活躍いただけるよう、そして私たちもできることを、精いっぱい走っていけることをお互いに語り合って、私の、有村の質問を完了させていただきます。 ありがとうございました。
風間昶
133
○風間昶君 公明党の風間ですけれ
ども
。 今回の
法改正
でADR機能をきちっと位置付けして新たに加わったということは大変いいことではありますが、問題は、先ほど
大臣
もおっしゃったように、
情報
の迅速な
収集
、そして
分析
機能をどうやってきちっとスピーディーにやっていくかということが大変大事でありまして、そういう意味ではこの十四名のADR機能の、十四名であるかどうかはまだ正式には決まってないんでしょうけれ
ども
、どっちにしても今の段階で言えることは、そういう
情報
の迅速
収集
と、そしてそれに対する
分析
と発信につなげていくためには人員がやっぱり足りないと私は思います。 そういう意味で、どこまで
大臣
としてやれるかどうか分かりませんけれ
ども
、どこまでやるつもりですか、伺いたいと思います。
岸田文雄
134
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘のように、
国民生活センター
、
情報
の
収集
、
分析
をすることの重要性、ますます高まっていると認識をしています。ADR機能を具備するということでありますならば、なおさらそういった重要性は高まるというふうに認識をしております。 まず、昨年十二月に閣議決定しました
独立行政法人
整理合理化計画
、この計画を踏まえまして、PIO―NETを刷新する、そして
能力
アップ、バージョンアップを図って、こうした機能的に高度化を図る、
分析
能力
の向上を図る、こういったことを考えなければいけないというふうに思っています。 人員等につきましては、御案内のとおり様々な制約があります。しかし、環境整備等を考えますと、この予算の獲得等においては我々
内閣
府としても努力をする余地があるんではないか、そのように思っています。是非予算要求等においては最大限努力をしたい、当面そのように考えています。
風間昶
135
○風間昶君 ですから、人員体制の強化を図るためにはどのぐらいイメージされているのかと具体的に聞いているんです。
西達男
136
○
政府参考人
(西達男君) 今回のADRを、要するに
紛争
処理機能を
国民生活センター
に付与するということについて、この新たに加わる
紛争
委員会
の
事務
局体制としては、
年間
で
処理件数
が大体二百件
程度
ということを想定しておりまして、それに伴う必要人員としては十人から二十人
程度
ということを想定しておりまして、そのための必要ないろんな要求については
事務
局としてもしっかりやっていきたいと考えております。
風間昶
137
○風間昶君 分かりました。 是非獲得、これでも少ないとは思いますけれ
ども
、応援をいたしますので、是非それが
実現
できるようにしてほしいというふうに思います。 もう
一つ
は、あとこの
国民生活センター
と
各地
の
消費生活センター
の連携が大事で、そういう意味では
消費生活センター
の体制もきちっと取っていかなきゃならない。これも
内閣
府がただ投げているだけでは進まないわけであります。それはなぜならば、先ほ
ども
議論になっておりますように、
相談員
の
方々
は半分以上は年収二百万円以下だとか、あるいは残業代が出ないだとか、雇い止めなどで契約期間が不安定だとか、休日を使って
研修
を受けている、またその
研修
を受けるための足代も実費で
自分
で払っているということがあるわけでありますから、実際に自治
事務
ではあるけれ
ども
、
消費生活センター
の機能の重要性考えますと、少なくとも資格
認定
相談員
制度
を、三千人もつくっておきながらそれが機能的に発揮できない状況だとなると、もうかかわってくる人が少なくなってくるということになってまいりますから、そういう意味では
研修
あるいは様々な実費負担を何とかやりくりして財政支援をしてやらないと、これはもう、ある意味では
国民生活センター
の手足、手足という言い方は悪いですが、実質的に機能しなくなる。幾らPIO―NETをやったって、それを担っていく人がいないと、これは実際には役に立たないわけであります。 そういう意味で、生活安心プロジェクトとわざわざ消費担当
大臣
が三つ、四つの柱の一項目に、
大臣
が五つの分野の中で守るということの
一つ
にこれきちっとおっしゃっているわけですから、
相談員
に重点を置いた
研修
の充実というふうにあるんですが、具体的にやっぱり進めていく必要があると思いますけれ
ども
、これは
大臣
の直接の私はお考えだと思いますし、役所の方が作った文章じゃないと思うので、これは是非、
大臣
に聞きたいと思いますけれ
ども
。
岸田文雄
138
○
国務大臣
(岸田文雄君) 地方の
消費生活センター
の
相談員
の役割というものは大変重要だと認識をしております。 今新しい
行政
組織
について議論をしていますが、この
組織
に
情報
を集約するに当たっても、まず最初に
国民
が接するのが
消費生活センター
の
相談員
の皆様方でありますし、その
対応
次第によって
情報
の流れ方も変わってくる、
行政
に対する見方も変わってくる。この新しい
消費者
行政
組織
を考える上で、
消費生活センター
のありようというのは大変重要だというふうに認識をしております。 ですから、こうした
消費生活センター
の
相談員
の質の向上ということで、緊急に講ずべき施策の中にも
相談員
の
研修
の充実等、こうした施策を盛り込んだところでありますし、それ以外にも、
情報
の
提供
ですとか
国民生活センター
で
経由相談
を行うとか、様々な形でこの
消費生活センター
の
相談員
を支援していかなければいけないというふうに考えていますし、加えて、財政的な面でも何か支援をすることができないかというようなことで、
国民生活
審議会の議論の中では、
消費生活センター
を
法律
的に位置付けることができないか、こういった提言もいただいております。 こういった仕掛けを通じて国としてどんな支援ができるのか、自治
事務
でありますので、地方自治体とも連携しながら国として何ができるのか、こういったものをしっかり考えていきたい、このように考えています。
風間昶
139
○風間昶君 まさにおっしゃるとおりなんですが、国と地方との連携という言葉ではなくて、連携していくための
協議
が実際に行われないと意味がないわけです。形の上ではやられているんですよ、何か所か、何回か。だけ
ども
、具体的な踏み込んだ形での
協議
というふうには進んでいないのが実態です。だから、そういう意味ではこの
国民生活
審議会が、今
大臣
もおっしゃったように、
消費生活センター
を
法律
上にきちっと位置付けろという提言をしているわけで、このことについては私は重く受け止めないとならないんではないかというふうに思います。 実際に、ちょっと調べただけで、
消費生活センター
のあるいは
行政
の
相談
窓口で、例えば埼玉のデータなんかでは六十八自治体があるんだけ
ども
、五市町村でこの
行政
相談
窓口が設けられていないんですね。これは恐らく、埼玉に限らず
全国
レベルでもきちっと調べればそういうことが出てくるはずです。だから、そういう意味で、
消費者
行政
の言わば地域間格差をきちっとまたやっていかないと、先ほどの、週に四日以上稼働しなければこのPIO―NETをつくらないといったことだって、えらいしゃくし定規であって、PIO―NET、PIO―NETと言うんなら、一〇〇%を目指すためにその四日を何とか弾力的に運用できるようにしなきゃならないし、そういうことをしなければ、幾ら中央でいいことばかり言っても、現実に地域地域の、特にPIO―NETがないところは、むしろ切実なニーズが高いわけですよ、だれにも
相談
できないわけですから。そういうところほど先にやるということを含めて、
消費生活センター
の法的位置付けを今の段階で
大臣
はどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
岸田文雄
140
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘のように、
消費生活センター
を
法律
上位置付けるということ、大変重要な点だというふうに認識をしております。
法律
上しっかりと位置付けた上で国として何ができるのか、地方自治体とどのような連携が取れるのか、これにつきましても、たしかあしただったと思いますが、増田総務
大臣
と私とこの点につきまして
意見
交換をする予定にしております。具体的に何ができるのか、総務省ともしっかり連携をして考えていきたい、そのように思っています。 そして、
消費生活センター
も、地方の実情を見ますと本当に様々であり、御指摘のように格差があると思います。
消費生活センター
の中でも、やはり都道府県レベルの
消費生活センター
、こうしたものはその地方における中核の
消費生活センター
として位置付ける必要があるのではないか。地方の
消費生活センター
の中においても中核となる
消費生活センター
、こういったものをしっかりと位置付けて、その連携を取る、こういった地方における
消費生活センター
同士の連携というのも大切なのではないか、こんな議論が
消費者
行政
推進会議の中でも行われております。この辺りも
参考
にしながら地方の
消費生活センター
のありようにつきましてしっかりと
検討
していきたい、そのように思っています。
風間昶
141
○風間昶君 もう
一つ
、
大臣
の五つの分野の守るのところであるんですが、地方の
苦情処理
委員会
の活性化を図るよう
地方公共団体
に要請するというふうにおっしゃっているわけでありますから、このことも、今お話のあった、増田総務
大臣
と是非突っ込んで、もちろん
大臣
同士での話だけではなくて、実務的なそれぞれの府と省の担当の方も合わさって議論していただきたいというふうに思います。 四十七都道府県に
苦情処理
委員会
つくられていますけれ
ども
、機能しているのは何か所だと思いますか、七か所だけなんですよ、四十七のうち。だから、機能していない理由が大変これは大きなことがあるんだと思うんです、たった四十七のうち七か所だけしか機能していないわけですから。だから、そういう意味では根本的な問題を含んでいると思うので、このことの
分析
をやっていただいて機能していけるようにしていただきたいと思いますけれ
ども
、それについてはどうでしょうか。
岸田文雄
142
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘のように、都道府県知事が
苦情処理
委員会
等に付託した処理の件数、この五
年間
で年平均七・六件
程度
にとどまっているということのようであります。 活用がされていない理由としましては、当事者からの申請ではなくして知事が付託するという形を取っているとか、時間と労力の割に強制力がないとしている
地方公共団体
もあるようでございます。そして、何よりも予算額ですが、
苦情処理
委員会
等の開催のために措置されている予算、平均で四十五万円
程度
ということでありまして、予算面あるいは人員面でも問題があるというふうに認識をしております。 この点につきましては
国民生活
審議会においても提言をいただいております。是非方策につきまして総務省とも
検討
したいと思っています。
風間昶
143
○風間昶君 次に、
消費者契約法
の方で、先ほ
ども
中川
副
大臣
がお答えありましたけれ
ども
、
適格消費者団体
に対する財政的な支援を是非、
会員
の会費と寄附と基金とやっていることでありますから、午前中に
京都
の
団体
の方から、所得控除じゃなくて税額控除
制度
を、寄附のですね、これを
実現
していただくともっと
団体
の
活動
に対する
国民
の支援が得やすくなるという御発言がありました。 だから、これについては、少なくとも企業から寄附金をもらうなんということはほとんど難しい話なんで、寄附文化というか寄附社会を一方では進めなきゃならない話ですけれ
ども
、寄附の税額控除についての
制度
導入について前向きに支援してやる必要があるのではないかというふうに思いますので、この件に関して
政府
の考えを伺いたいと思います。
岸田文雄
144
○
国務大臣
(岸田文雄君)
政府
の支援としましては、
適格消費者団体
に対して
情報
の
提供
ですとか、あるいはこの
制度
の周知徹底ですとか、いろいろな支援を今行っているところですが、やはり財政的に厳しいということを指摘される方は大変多いことも認識をしています。 財政的な支援につきましては、この
消費者団体訴訟制度
、施行されたのが昨年の六月ですので、施行されてから十か月であります。十か月の間に
適格消費者団体
として
認定
された
団体
が五
団体
、そして実際に起こされました
訴訟
が二件ということであります。こうした十か月の間の
成果
でありますが、この辺の
成果
のありよう、そして今後の社会的な評価のありようも見定めた上で具体的に財政支援についても
検討
していかなければいけないんではないかと思っています。 十か月の
成果
を見ながら、これからの
課題
として財政支援ということも
一つ
検討課題
として挙げていきたいとは考えています。
風間昶
145
○風間昶君 終わります。
糸数慶子
146
○糸数慶子君 無所属の糸数です。よろしく
お願い
いたします。
独立行政法人
国民生活センター
、この
センター
法の一部
改正
の趣旨は
消費者
紛争
の適正かつ迅速な
解決
を目指しているわけですから、その趣旨からいたしますと、一番に重要視されるのは
現場
を預かる自治体の
消費生活相談員
でございます。この
消費者
行政
を担う
相談
窓口の現状に触れながら、
相談員
の資質の向上と待遇の
改善
についてお伺いをいたします。 先ほどから何度も議論になっているところでありますが、消費生活に関する
相談件数
、格段に増加しているにもかかわらず、人は削られて予算も削られ、
相談
窓口は縮小の一途にございます。二〇〇七年度の自治体の
消費者
行政
予算は総額で百八億円ですが、これはピーク時の九五年度の五四%に落ち込んでいます。そのしわ寄せは
消費者
行政
を足下で支える
全国
約三千五百人の
消費生活相談員
に向けられています。
相談
窓口は一日の
相談員
が一人という一人体制も目立ち、窓口が開いているのが週一日から数日という機能低下の実態が浮き彫りになっています。 これは社団
法人
全国
消費生活相談員
協会による実態
調査
で、一七%の窓口で一日一人で
対応
しています。
あっせん
や
相談
に十分ではないと感じているというふうにおっしゃっておりますが、また五割以上が五年から三年で契約更新が打ち止めとなって経験が生かされていないというふうに答えが出ております。このような現状において重視されるべきは、やはり経験豊富な
相談員
を生かすことだと思います。 先ほ
ども
ございましたけれ
ども
、東
京都
の新宿区では打って出る
消費者相談
が
成果
を上げています。これは、
相談
を待つのではなくて被害を掘り起こしていくという発想にあるようでして、その打って出る
消費者相談
を支えているのが何といっても経験年数二十年から八年のベテランの
相談員
がいらっしゃるからですね。しかし、その多くの
現場
で経験が生かされずに、資質の向上のための
研修
などが自己負担になっているという現状もございますが、国としてこの
研修
等の費用を負担するなど、
相談員
の資質の向上のための手当てについてどのような考えに立っておられるのか、お伺いいたします。
中川義雄
147
○副
大臣
(
中川
義雄
君)
消費生活相談員
の待遇については、最近特に新聞紙上でも大きく扱われておりますし、またいろんな
調査
の中からもその実態が明らかになってきております。その大半が非常勤職員であること、しかも非常に報酬が安くて大きな問題になっていること、にもかかわらず、消費
相談員
の役割というものは非常に大きくなってきております。 特に、消費生活の
相談
というのは地方へ行けば地方へ行くほど大きな問題も抱えておりますし、また必要性もあるわけでありますから、
消費生活センター
の
相談員
の資質の向上、そしてその待遇の向上を図っていかないとこれは大変大きな問題になると、そう考えておりますので、
消費者
行政
推進会議等でも大きく取り上げられておりますので、いろんな
機関
とも
相談
し、またこの国会での皆さん方の
意見
も聴きながら待遇の
改善
に積極的に努めていきたいと考えております。
糸数慶子
148
○糸数慶子君 よろしく
お願い
いたします。 次に、
相談員
の待遇に関してでありますが、今もございましたけれ
ども
、先ほど紹介いたしました新宿区では、
相談員
が六人で、一年更新の非常勤ですが、給与が二十七万五千円で、再契約に期限はないというふうに言われています。しかし、大多数の
相談員
の待遇は厳し過ぎる現状にございますけれ
ども
、賃金は安く、そして勤務条件は、これ他の地域では劣悪で、働く貧困層との指摘があるほどです。予算削減のしわ寄せはこのように
相談員
に向けられていますけれ
ども
、残業代や通勤交通費が削られて、賞与の支給はごくまれであって、サービス残業を加味すると時給五百円の人も珍しくないというふうに言われております。 二割近い自治体で任用の更新回数にも限度がございます。そして、ベテランが追い出されていくという状況にございますが、
全国
消費生活相談員
協会のアンケートでは、勤務時間に差はありますが、年収百五十万円未満が四四・七%、そして、百五十万円から二百五十万円未満が四五・六%になっています。これでは自立した生活ができない、中には、プライドだけで仕事をしているという、そういう悲痛な回答が寄せられている状況でございます。 最前線で
活動
する
消費生活相談員
の職の安定はやはり何といっても
消費者
行政
の根幹にかかわるものでございますが、この点は早急に
改善
すべきだと思います。国としての取組について
大臣
にお伺いいたします。
岸田文雄
149
○
国務大臣
(岸田文雄君) 御指摘のように、地方の
消費生活センター
の
相談員
の待遇、大変厳しいものがあると認識をしております。自治
事務
ではありますが、一方で、
消費者
行政
にとって
消費生活センター
の
相談員
の役割がますます高まっているということでありますので、しっかりとした
専門
性が期待されるところであります。 そして、この
専門
性を支えるために、
研修
ですとか
専門
講座ですとか、あるいは様々な資格
認定
の
制度
をつくっているわけですが、この
専門
性を支えるためにも、御指摘のような待遇面でも考えていかなければいけない。大変重要な御指摘だというふうに思っています。 ということで、先ほど
中川
副
大臣
の方からも御答弁させていただきましたように、今、
消費者
行政
推進会議の中でこの問題大変大きな
課題
として取り上げられ、議論が続けられています。是非、この議論の行方も見守りながら、どう
対応
するべきなのか、
政府
としても
対応
を考えていきたい、そのように思っています。
糸数慶子
150
○糸数慶子君 今、私の手元の方に、これは「
国民生活
」二〇〇八年の二月号でございますが、この中に紹介されております福島県の
消費生活センター
の亀岡のり子さんの文章がございます。実際に
現場
で二十五年以上頑張っていらっしゃる
相談員
の方でございますけれ
ども
、この方の文章の中に、やはりいろんな意味で
相談員
は期待をされているというふうな部分がございます。
センター
には
相談員
さんがいるのでそういう
センター
はもっているなどと職員から頼りにされるときもある。何にせよ、期待にこたえるべく、日々の
業務
に真摯に取り組んでいかなくてはならない。
行政
は頑張っている
相談員
を正当に評価し、これ以上
相談員
を疲弊させないように
お願い
したい。これは、何といっても身分の安定が図られ、そして、
相談員
自身の足下がしっかりしていればこそ
国民
のために身を粉にして頑張っていくことであると、このように書かれておりまして、やっぱり何といっても
消費生活相談員
が職業として社会的に認められるようにきちんと待遇をしていただきたいということもございますので、是非とも、この
国民
センター
法の一部
改正
の趣旨からいたしますと、
消費生活相談員
の資質の向上、待遇の
改善
は不可欠でございますので、
大臣
今おっしゃいましたように、自治体のすることであると無視することなく、国として
相談員
の労働条件の実態等に目を向けて、是非とも支援の手を差し伸べていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 次に、アオサンゴの保全についてでございます。 これは環境省に、世界最大と絶賛されておりますアオサンゴの群集についてお伺いをいたしますが、まず、その前に、岸田沖縄担当
大臣
にこのアオサンゴの群集に対する認識をお伺いしたいと思います。 名護市の辺野古の新基地建設の海域に面した大浦湾で発見されました世界最大級のアオサンゴ、この群集を御存じでしょうか。もし御存じでしたら、そのアオサンゴ保全の観点からのコメントを一言いただきたいと思います。
中川義雄
151
○副
大臣
(
中川
義雄
君) 大浦湾でのアオサンゴの群落、これが発見されたということは報道で承知しております。 アオサンゴの群落については、防衛省において実施している普天間飛行場代替施設建設にかかわるアセスメント、その
調査
に含まれていると、これも承知しております。 いずれにしても、普天間飛行場の移設・返還については、防衛省において環境影響評価を実施し、アオサンゴの群落の
調査
も含め自然環境に十分配慮していくものと考えておりますが、しかし
内閣
府としてもこの問題に重大な関心を持って見守っていきたいと考えております。
糸数慶子
152
○糸数慶子君 ありがとうございました。 次に、環境省にお伺いをしたいと思います。 環境省は、米軍普天間飛行場に代わる沖縄名護市の新基地建設予定地沖で世界最大級のアオサンゴ群集が発見されたことは御存じでしょうか。お答えを
お願い
いたします。
黒田大三郎
153
○
政府参考人
(黒田大三郎君) アオサンゴに関しましては、環境省はこれまでも
全国
的な分布の把握というのを実施しておりまして、自然環境保全基礎
調査
というような
調査
を通じて
情報
収集
をしてきております。 これまで、今回話題になっております大浦湾につきましても
調査
を実施してきておりますが、環境省の
調査
ではアオサンゴの群集については確認をしていないところでございます。 また、今回報道がございましたので、
調査
を実施いたしましたWWFジャパン、また日本自然保護協会等に
情報
の
提供
を
お願い
しているところでございますが、現在、
報告書
の取りまとめをしているということで、少し時間が掛かっているようで取りまとめ六月ぐらいになると聞いておりますが、まずこれを入手して、その他
専門
家からの
意見
も聴きながら
情報
収集
に努めていきたいと、こういうふうに考えております。
糸数慶子
154
○糸数慶子君 東京新聞に、本年の四月十五日付けの科学のページで、「命の多様性どう守る」という大きな見出しで紹介がされておりました。環境省がまだ
調査
をせず、認識もないという状況、大変ショックでございます。 このアオサンゴの群集は、名護市の大浦湾の汀間、先ほ
ども
お話がございましたが、約四百メートルにありまして、水深が二十メートルの海底に幅約三十メートル、長さがおよそ五十メートルにわたって生息をしております。世界での最北限に位置しているというこのアオサンゴのことを南山大学の目崎茂和教授はこのようにコメントをしております。世界での最北限に位置しており、これは、石垣の白保のアオサンゴの高さが九メートル
程度
なのに対しここは高さが十メートル以上ありまして、群集としての大きさは世界最大級というふうに述べていらっしゃいます。 そこで、環境省に再びお伺いいたしますが、このアオサンゴ群集の
調査
を、今WWFJの方の
調査
を待ってというふうにお伺いをいたしましたけれ
ども
、これだけのすばらしい、世界遺産にも匹敵するようなサンゴの群集でございますけれ
ども
、環境省自身で
調査
をされる意思はございますでしょうか。
黒田大三郎
155
○
政府参考人
(黒田大三郎君) 先ほど申し上げましたとおり、かなり詳しい
報告書
が出ることを期待しておりまして、まずはその
報告書
を入手して、それをしっかり読み込んで、その上で更なる現地の
調査
が必要かどうかということも含めて適切に
対応
していきたいと、こういうふうに考えております。
糸数慶子
156
○糸数慶子君 この
現場
なんですけれ
ども
、この海域では絶滅危惧種とされておりますジュゴンが発見されています。そのえさ場にもなっているところで、このアオサンゴの群集とともに共生をしております魚介類、そして極めて生物多様性に富んでいる場所でありまして、希少な生物が住んでいるホットスポットです。守るべき重要な地点でございますけれ
ども
、そこに新基地を建設することは、何といってもこのアオサンゴの群集を始めとして、一帯の海域に生息する生き物を死滅させ命の多様性を奪うことになるわけです。 そこで、再び環境省にお伺いいたしますけれ
ども
、このアオサンゴ群集の保全は第一に生息環境を破壊しないことだというふうに考えますが、環境省の御見解をお伺いいたします。サンゴを保全するというその一般論としても結構でございますので、御答弁
お願い
いたします。
黒田大三郎
157
○
政府参考人
(黒田大三郎君) 今お話がありましたとおり、サンゴ礁、今年国際サンゴ礁年ということで世界
各地
でサンゴについての人々の認識を深めてもらおうという年にこういう新しい
情報
が来たということでございます。 サンゴ礁につきましては、サンゴそのものが残るようにいろいろな役割を示す、今お話のありました生物多様性にとって非常に重要でもありますし、それは取りも直さず漁業を支えているということでもありますし、天然の堤防であるというようなことも言われています。 そういう非常にいろいろな多面的な機能を持ちますサンゴ礁をしっかり守っていくということは非常に大事なことだろうと思っておりまして、そういうものがきちんと先々保全されるように、しっかりとそのサンゴ礁が保たれている場所を見守っていくということが一番大事かと、このように考えております。
糸数慶子
158
○糸数慶子君 ありがとうございます。 世界最大級とされるこのアオサンゴの群集ですが、これ沖縄だけの財産ではありません。世界の遺産に匹敵するような貴重なものでございますので、今後の環境省の取組に御期待を申し上げたいと思います。 次に、防衛省にお伺いをいたします。 関連して御質問いたしますが、新基地建設に伴う公有水面の埋立て、およそ百六十ヘクタールございます。広大な埋立てです。これは、従来の方法書に記載されてなかった戦闘機の装弾場や二百四十メートルにわたる岸壁の建設、埋立て用の土砂を近くの金武ダム辺りから採取する問題、これは先ほ
ども
指摘いたしましたこのアオサンゴ群集のごく近くでありまして、大浦湾の中央海域には作業ヤードが造られます。赤土の流出などによる海域の汚染は、それこそ海草や魚介類など多様な海洋生物を死滅させることになってしまいます。 ここで防衛省にお伺いいたしますが、世界最大級とされるアオサンゴの群集やジュゴンの生息海域を守ることができますでしょうか。守ることができるとするなら、その根拠を是非示していただきたいと思います。
長岡憲宗
159
○
政府参考人
(長岡
憲宗
君) 普天間飛行場の代替施設に係る建設予定地の北側、先生御指摘の大浦湾に大規模なアオサンゴの群落が存在するということでございます。このことにつきましては、昨年の十二月二十一日それから本年の一月二十一日付けの環境影響方法書に対する沖縄県知事さんの
意見
の中で述べられております。 私
ども
もこれを受けまして、本年の三月十四日、沖縄県に送付をさせていただきました環境影響評価方法書の追加・修正資料、この修正版の中で、この知事さんの御
意見
を勘案いたしまして、サンゴの群生としての生息状況及び生息環境等の
調査
、これを追加をさせていただいておるところでございます。 当省といたしましては、沖縄県等ともよく調整をさせていただきながら環境影響評価手続を進めてまいりまして、客観的なデータを集めた上、アオサンゴを始めといたします大浦湾における貴重な天然、自然環境に対する影響、これを極力そういった影響を及ぼさないよう適切な環境保全措置の
検討
を行ってまいりたいと思っておるところでございます。
糸数慶子
160
○糸数慶子君 防衛省は、本当に真剣にこの埋立ての海域とその海域と一体を成す大浦湾の生態系に是非目を向けて環境の保全に努めるべきでありますし、是非とも、この自然を壊して取り返しの付かなくなるようなことは止めていただくように心から
お願い
を申し上げまして、私の質問は終わらせていただきます。 ありがとうございました。
岡田広
161
○
委員長
(
岡田広
君) 他に御発言もないようですから、両案に対する
質疑
は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。──別に御
意見
もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
岡田広
162
○
委員長
(
岡田広
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、芝博一君から発言を求められておりますので、これを許します。芝君。
芝博一
163
○芝博一君 私は、ただいま可決されました
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
に対し、民主党・新緑風会・
国民
新・日本、自由民主党・無所属の会及び公明党の各派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による
附帯決議
案を
提出
いたします。 案文を朗読いたします。
独立行政法人国民生活センター法
の一部を
改正
する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
政府
は、本法の施行に当たり、次の事項に万全を期すべきである。 一、
国民生活センター
の消費生活
相談
業務
については、
消費者契約
をめぐる
トラブル
が急増・多様化している現状にかんがみ、これら
消費者相談
について的確・迅速な
対応
が可能となるよう、
相談員
の増強、その
専門
性の向上、待遇の
改善
等による体制強化を図ること。 二、
紛争解決
委員会
の仲介
委員
・仲裁
委員
が職務を行うに当たっては、
消費者
の
利益
の擁護・増進を図るという
国民生活センター
の役割にかんがみ、
消費者
と
事業者
の
情報
力や
交渉
力に格差があることを踏まえつつ、必要に応じて、
消費者
のために積極的に後見的役割を果たすこと。 三、和解仲介手続及び仲裁の手続については、
消費者
を始めとした当事者にとって時間的、経済的負担の少ないものとすること。また、
紛争解決
委員会
の
事務
局の機能を整備すること。 四、住民により身近な
消費生活センター
等において、
消費者契約
をめぐる
トラブル
の迅速なる
解決
、
拡大防止
を進めるため、
国民生活センター
との連携強化・
情報
共有により適切な対処を可能とし、
相談員
の増強、
専門
性の向上、待遇の
改善
、有資格
相談員
の配置等による体制充実が図られるよう、
全国
の
消費生活センター
を始め
地方公共団体
を積極的に支援するとともに適切な施策を実施すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、議員各位の御賛同を
お願い
申し上げます。
岡田広
164
○
委員長
(
岡田広
君) ただいま芝君から
提出
されました
附帯決議
案を議題とし、採決を行います。 本
附帯決議
案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
岡田広
165
○
委員長
(
岡田広
君) 全会一致と認めます。よって、芝君
提出
の
附帯決議
案は全会一致をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、岸田
内閣
府
特命担
当
大臣
から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岸田
内閣
府
特命担
当
大臣
。
岸田文雄
166
○
国務大臣
(岸田文雄君) ただいま御決議のありました
附帯決議
につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいります。
岡田広
167
○
委員長
(
岡田広
君) 次に、
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
岡田広
168
○
委員長
(
岡田広
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、芝博一君から発言を求められておりますので、これを許します。芝君。
芝博一
169
○芝博一君 私は、ただいま可決されました
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
に対し、民主党・新緑風会・
国民
新・日本、自由民主党・無所属の会及び公明党の各派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による
附帯決議
案を
提出
いたします。 案文を朗読いたします。
消費者契約法等
の一部を
改正
する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
政府
は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、景品表示法及び
特定商取引法
への
消費者団体訴訟制度
の導入の意義を踏まえ、
公正取引委員会
及び経済産業省と
適格消費者団体
が相互に
情報提供
を行う等により連携を図り、
制度
を適切かつ効率的に運用すること。 二、
消費者被害
の
救済
の
実効性
を確保するため、
適格消費者団体
が
損害賠償等
を請求する
制度
の導入について、引き続き
検討
すること。 三、
適格消費者団体
による
差止請求
の
対象
行為
については、
特定商取引法
において本法案の
対象
とならなかった
条項
(政省令事項を含む)にかかる
行為
や、詐欺・強迫
行為
を伴う
勧誘行為
、民法の公序良俗に違反する
条項
を含む
消費者契約
の意思表示、不当な
契約条項
を含む
消費者契約
の意思表示を行うことを推薦・提案する、いわゆる
推奨行為
等を始めとして、その
範囲
の拡大について引き続き
検討
を進めること。また、
独占禁止法
等の
消費者関連諸法
についても、
消費者団体訴訟制度
の導入について
検討
を進めること。 四、国及び
地方公共団体
は、
適格消費者団体
の
活動
が促進されるよう、円滑な資金の確保や
情報提供
など環境整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、
委員
各位の御賛同を
お願い
申し上げます。
岡田広
170
○
委員長
(
岡田広
君) ただいま芝君から
提出
されました
附帯決議
案を議題とし、採決を行います。 本
附帯決議
案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
岡田広
171
○
委員長
(
岡田広
君) 全会一致と認めます。よって、芝君
提出
の
附帯決議
案は全会一致をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、岸田
内閣
府
特命担
当
大臣
から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岸田
内閣
府
特命担
当
大臣
。
岸田文雄
172
○
国務大臣
(岸田文雄君) ただいま御決議のありました
附帯決議
につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいります。
岡田広
173
○
委員長
(
岡田広
君) なお、両案の審査
報告書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
岡田広
174
○
委員長
(
岡田広
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会