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神本美恵子君 やっぱり財政投入が余りにも小さ過ぎる、大ざっぱな言い方ですけれども、諸外国と比べてですね。やっぱりフランスにしてもスウェーデンにしても、出生率が回復してきたのはそれだけのお金を掛けて、国を挙げてやってきたというところがあると思うんですね。
今、
上川大臣もそれに向けてなかなか
日本は国民的な合意形成が進んでいないというところでおっしゃいました。私もこの「応援する
日本」を読んでまして、
子育てなり
家族に対するサービスなり給付なりというのは社会的コストというとらえ方ではなくて未来への投資であるという考え方をしようということが書かれていまして、これは私は非常に大事な認識だと思うんですね。
今、コストが掛かっている、これは官民フォーラムの講演記録を読んだんですが、パク・ジョアン・スックチャさんという方の講演読ませていただいたんですけれども、この中に、経済が発展してくると社会的な
子供の位置付けが変わってくると。昔はたくさん産んで労働力として
家庭、
家族を支えてきた、その一員としてやってきたけれども、経済発展してくる先進国の中では
子供は単なる金食い虫の位置付けになってしまうというふうに、ちょっと言い方はあれですけれども、そういうふうになってきている。
だから、
子供には金が掛かってしようがないという認識で、社会的にコストが掛かる存在というとらえ方ではなくて、未来を担う、未来への先行投資として
子育て家族に対する財政投入が必要だというとらえ方がこの「応援する
日本」の中にありますので、是非これを
上川大臣としては生かしてこれからの
予算編成なり、来年度からの、また今年度の
施策実現に向けてもやっていただきたいと応援する気持ちで申し上げたいというふうに思います。
今お話にもございましたように、現金給付だけでは駄目だと、やっぱり両立支援といいますか、
ワーク・
ライフ・
バランスのための現物給付も含めた支援が大事だということでございますが、それもそのとおりだと思います。それにしても、フランスが今シフトして現物給付の方に行っているとすれば、その前に現金給付として十分な
家族手当なり税制の
家族に対する支援なりが進められた上で現物給付が今行われているという認識が、まずとらえ方が必要ではないかということを指摘しておきたいと思います。
次に、働き方の
改革による
ワーク・
ライフ・
バランスの実現ということについてお尋ねをしたいと思います。
今の御答弁の中にもございましたように、車の両輪として、働き方の見直しによる
仕事と
生活の調和の実現と社会的基盤となる包括的な次世代育成支援の枠組みの
構築、これを同時並行的に取り組んでいくことが不可欠である、まさにそのとおりだというふうに思います。
これらに取り組む根底として、諸外国の成功例を見ても、
子育てというのは単に
家庭や
家族、とりわけ
日本の場合は
家族の中でも
母親、女性がその責任を担うんだというような考え方がいまだにあるという中で、これを本当に発想の転換をして、社会連帯で、社会全体で
子供というのは育てる責任があるんだ、そういう責任を担うんだというこの考え方が非常に重要ではないかと、国民的な合意形成をする上でも重要ではないかというふうに思っています。
それともう一つは、
子育ては
母親、女の責任ではなくて、男女が平等に
仕事と
家庭と両方に進出できて、そして
男女共同参画が
推進される、これももう一つ非常に重要なかぎではないかと思います。余りこの「応援する
日本」の中にはこのことについては触れていなかったような印象を持っておりますけれども、今日は限られた時間ですので、
ワーク・
ライフ・
バランスを中心にお聞きしたいと思います。
この
重点戦略の中では、これについて、個々の
企業の実情に合った効果的な進め方を労使で話し合い、自主的に取り組んでいく、国と地方公共団体もそれを積極的に支援する、社会基盤づくりを積極的に行うというふうなことが書かれているんですが、読んでいて、これで本当に
ワーク・
ライフ・
バランスが実現できるのかなと。非常に抽象的で、
政府として何をしようとしているのかということが見えてこないんですが、これについては、昨年末ですか、憲章と
行動指針が作られておりますので、数値目標等も私も見せていただきました。
現在のように、
ワークと
ライフが非常にアン
バランスになっている、特に男性の働き方、働かせられ方といいますか、長時間労働ということ、これをやっぱり何とかしなければ、
子育てということだけでなくても、一人の人間の
生活、人生としても
ワークに偏り過ぎて
ライフがほとんど、自分の人生を生きることができない
状況になっているという、こういう不幸な
状況を変えていくことがやっぱり
子供の育ちにとっても非常に大事だという意味で、この長時間労働を何とかしなければいけないというふうに、私はまずはここから取り組まなければというふうに思うんですが、
上川大臣はどのようにお考えでしょうか。