○末松信介君 自民党の末松信介です。
先ほど吉川さんが
暫定税率導入以後に生まれたと。私は昭和三十年ですから、二十四年に揮発油税ができまして、二十九年に特定
財源になったんですよ。特定
財源以後にちょうど生まれたと。えらい違いなんですけれども、そういう立場から年齢に応じた
質問をさせていただきたいと思います。
今日の
質問は自治体病院の問題を中心にしまして
質問いたしてまいりたいと思います。
少し長くなるんですけれども、先週の土曜日に神戸大学の教授がお見えになりまして、実は臓器移植の議員立法を是非やってほしいと、この陳情にお見えだったわけなんです。大変熱心なお話をされて感激をいたしたわけなんですけれども、その後医療の現場の話がいろいろ出てきまして、先生どういうことをお考えかなと思ったんですけれども、やはり今の医療というのはいろいろ問題があると。
例えば、医師とか看護師が本来担当すべきでない処置というもの、これを自分たちがやらなきゃならないということ、コメディカルの問題ですね、こういう話が出ました。二つ目は、
運営交付金が下がってくると同時に診療報酬も下がってきたという、こういったダブルパンチの問題もあると。それと、同じ値段で同じ医療を受けると。二十年たったベテランの医師であっても数年たった医師であっても、治療行為に対しては診療報酬が一緒であると。こういった問題も少しはあるんじゃないか、考えていくべきじゃないかという、そういう議論もありました。特定機能病院と一般病院との格差のこともやっぱり考えていかなきゃいけないという話もありました。専門医制度をつくるんだったら、これは付加価値もやはり考えていかなきゃならないという議論もあったんです。今は使命感で耐えているということなんです。
ただ、印象的だったのは、やはり医療現場に義理と人情がなくなったという話をされたんですね。やっぱりこれがないといかなる現場でもうまく回転していかないという、私はそのことが大変寂しいと。だから、自分も医師として、国民の一人として今日議員のところへ陳情に来られたということでありまして、土曜日の休みにお見えになったわけであります。
そこで、話はその地域医療の話になってきたんですけれども、やはり臨床研修医の新しい制度になりまして、昔だったら医局が幅を利かせていましたから二年間田舎へ行って頑張ってほしいと、そしたら二年たったら勉強してもらえるように都市部の病院へ帰ってきてもらうからということが言えなくなってしまったと。行ってもらったら今度は自分で探してこなきゃならないという、そういうことでありますから、非常に医局の機能というもの、影響力が低下をしたという話が返ってきたわけであります。
地域医療の現状と課題というのはここ二、三年、国会あるいは
地方議会におきましても大きな社会問題となっています。で、自分なりに幾つぐらいのテーマがあるんだろうということを考えてみましたら、医師の総数不足の問題があります。医局の影響力の低下の問題があります。国民の大病院志向、専門医志向が大変強くなってしまっているという問題があります。勤務医の負担が随分大きくなったわけですね。それとこの医療訴訟というものが増大してきたと。医者は大変怖がっています、この問題については。五つ目はやはり医師が、先ほどの医療訴訟の関係もありまして、この選択診療科について眼科とか皮膚科とか非常に偏りが出てきたということがあります。それと医者は一年間に三千五百人誕生します。しかし、一年間に四千人が開業していくという問題があります。昔だったら五十歳代で開業していたのが今は三十代と四十代で開業する方が多いという、こういう問題があります。それと女性医師が増えてきたと。これはいいんですけれども、その力を一〇〇%引き出していないということがあるんですよね。だから、女性医師をどうバックアップしていくかということも地域医療にとっては大きな課題になってきたということです。それと合併後の地域医療の充実という、合併して良くなったらいいんですけれども、統合されてしまってそれが
地方議会の
選挙の争点になったケースもあったんですよ、こういう問題があります。それと自治体病院の赤字の問題。こうしたことが十項目ぐらい整理したら出てきたわけなんですけれども。
これからの医療、地域医療ですけれども、多くの関係者の方々がお話をされておりますけれども、医療にとどまらず当然保健並びに福祉事業との連携ということで地域包括のケア化ということが大変重要な課題ではないかと思うんです。
私は、経済財政諮問
会議の話ではないんですけれども、今の医療というのはやはりここ何年かは提供する側の論理が大変強いと。医療を受ける側、患者側の論理に果たして十分立っているだろうかということ、このことが大変心配です。最近、
増田大臣も福田総理ももう医療費の削減ということについては一つの限界に来ていると、限界感が否めないという話が出てきたという点は私はやはり注目すべき
内閣の姿だなということを、そういうことを考えているわけであります。
今、
平成十五年から、この地域の自治体医療の
状況ですけれども、十五年から十九年の四月一日までの間ですね、医師不足とか赤字の経営によりまして全国約千あります自治体病院のうち六病院が閉院となりました。もう
大臣はよく御存じだと思うんです。十七病院が民間に移譲をされました。この二十三件のうち七割に当たる十七件が
平成十七年以降の二年余りに集中しているという点がやはり医師不足問題が急速に深刻化した表れだなということを思います。
で、
平成十九年七月に全国の自治体病院協議会がまとめた
平成十八
年度の決算
調査報告書によりますと、
調査に参加した病院が五百三病院あるんですけれども、赤字病院の割合が七四・四%です。これは前年の六二・四%から一〇ポイント以上上がっていると。赤字病院が実は七割を超えるというのは、昭和四十八年以来、もうこれ三十数年ぶりの過去最悪という
状況になっているわけであります。
で、地域医療に関しては地域行政とか
地方議会も当事者意識が随分欠けておりまして、長年もう大学の医局に任せておってお任せ病院経営をしてきたというのが実態だと私は思っております。しかし一方で、良い影響として自ら地域の医療は自分たちの手で守ろうという動きが出てきておると、後ほど御紹介しますけれども、そういう動きが出てきたというのは大変いいことだと思うんです。自治体病院にとってこの医師不足と赤字経営というのは共通のテーマとして続いているわけなんですけれども、こうした中で公立病院ガイドプランでは計画策定期間内である三年以内を
基本として経常収支の黒字化を求めておられます。難しいことですけれども、求めておられると。
かつ、自治体病院には、へき地、小児、産科、救急、結核、感染症、精神、高度専門的医療などを引き続き求められているわけなんですけれども、こういう時代の変化が起きつつある中、自治体病院の存在の意義ということと、一体何を変えていかなければならないのかということを
大臣がどのように考えておられるのか、是非この機会に教えていただきたいと思います。