○末松信介君 自民党の末松信介です。
増田大臣には、朝の九時から予算
委員会もありまして、ほとんど食事もする時間もないままずっとお座りをいただいて会議に参加いただいております。敬意を表したいと思います。予定の時間よりは少しだけ短くして終わりたいと思っております。
参議院は二百四十二の議席がありまして、自民党が八十四と公明党が二十一で百五、野党は全部足したら百三十七ということで、ほとんど勝てないという世界なんですけれ
ども。ただ、今回、この一月の十六日の新聞を見ておりましたら、
赤字地方債、審議難航は必至、
地方財政計画見通し違い、野党にどう
説明というように書いておりますんですけれ
ども、
地方交付税のこの改正案については賛同いただけると。去年は欠席、その前は反対、その前は賛成、それ以前は、このときはやっていませんね、それからずっと数年、ずっと反対されているんですよ。そういう点では、まあ過半数割れを起こしましたけれ
ども、画期的な今回の出来事であり成果であるということで、これで補正予算が賛成されましたら大連立が成立をするということになっていきますから、そこまではなかなか行かないというふうに思っておりますけれ
ども。
そういうことなんですけれ
ども、先ほど那谷屋
先生、また加賀谷
先生から話がありましたけれ
ども、
指摘したいところと大分、随分重なっております。野党ですけれ
ども、重なっております。ただ、私も
お尋ねしようと思ったんですけれ
ども、収支の
見積りが甘かったということ、これについては
大臣もできるだけ厳しく見ていかなきゃいけないということ、来年の今ごろも同じようなことやっているんじゃないかなということを、そういう不安は抱いておりますけれ
ども。
ただ、私は、
質問取りに来られた方に申し上げたのは、
企業の場合もやはり予算を組むんです。で、やっぱり補正なりを組んで、そして決算があると。これは、ただ、
企業の場合は今年どんと売ってしまったら来年がしんどいですから、こうかつな営業マンというのはやっぱりかなり生産調整するんですけれ
ども、税の場合は納めていただきますんで、そういうことはできませんですよ。そういう点で、誤差というのは本来出て当たり前の
部分もあるんですよ。ただ、できるだけ大きなそういったマイナス
要因というのはきちっと予測をしていかなければいけないと。内閣府からも十分な情報を取っておかなければいけないと。ですから、そういう点で私は、多少なりとも厳しく責められる
総務省、同情は少しは私はいたしております。ただ、厳しく厳しく次年度予算を組むときでもこれを見積もっていただきたいということを要望いたしてまいりたいと思っております。
そこで、各
先生方もいろいろと新年会にお出になると思うんですけれ
ども、私も先々週の土曜日、日曜日と、案内状だけは九か所、十か所。十九か所行きましたんです。その中で数人の市長さん、町長さんはお一人ですけれ
ども、とお会いしまして、その
方々のごあいさつをずっと聞いておりましたら、常に年頭のあいさつで首長さんがおっしゃるのは、
財政状況が厳しいと、そして構造改革プラン五か年計画と、尼崎市もそうでしたですよ、そういうことを必ず言われて、市民に理解を求める
努力をされておられると、警鐘を鳴らしておられるということ、このことがよく理解できたんです。
実は、兵庫県に篠山市というところがございます。ここは結構有名な市でありまして、東京の青山通り、青山ですけれ
ども、ここは篠山の藩主のお殿様が青山だったから、あそこに屋敷があったというふうに伺っているわけなんです。結構これで有名なんですよね。もう
一つ有名なことは何かといいましたら、ここは合併特例法の適用の第一号の実は市であるということで大変有名でございます。
そこの酒井隆明さんという市長さん、私より年は二つほど上なんですけれ
ども、県会議員は二期後輩なんです。県会議員を経てから今市長になられたんです。その新年会で会ったときに市長が言われたことが、開口一番こういうことを言われたんです。先日、片山
先生に来られたと言ったんですよ。私は片山虎之助さんが来たかと思ったら、前の鳥取県知事の片山善博さんにここへ来ていただいて、講演をされたということなんですよ。
どういうことを言ってたってことをごそごそ話をしましたら、今の
財政状況とか三位一体のことについて、片山前鳥取県知事はこういうことを言ったと。だました国も悪い、しかしだまされた
地方も悪いと、そういうことを言うんだということを市長が言われたわけなんです。私は、役所におられた方というのは、まあ出ていかれた後、天下ったりあるいは議員になられたとき、辞めてから正しいことを言われるから、ですから私は、それだったら鳥取県の知事のときに言えばよかったじゃないかと言いましたところ、いや、あの人はもう二年前からそういうことを言っていたというんですよ。
私、確かにこれ見ましてそうだなということを思ったんです。これ、二〇〇六年の三月の文芸春秋にこう書いておられます。
自治体が
財政破綻寸前の状態に立ち至っているのは確かだし、膨大な借金の返済に四苦八苦している事情は
全国の
自治体に共通なのだ。
ではなぜ
自治体は借金の山を積み重ねたのか。それはバブル
崩壊以後の政府の政策に起因する。政府は
景気対策の一環として
自治体に対し
公共事業の積み重ねを慫慂ないし強要した。その際、当面の
財源は取りあえず有利な起債で賄われた。有利とは、その
償還財源が
地方交付税の算定を通じて上乗せされるので自己負担が僅少だということだ。そこで
全国の
自治体は安心して借金をし、大量のハード事業を実施したのである。
今日その
償還のピークを迎えているのだが、もはや政府には
交付税を上乗せするすべなどあるはずもなく、逆に大幅削減を余儀なくされている。言うなれば、政府は約束手形の決済ができず、そのあおりを食らって
自治体が連鎖倒産しかねない事態なのだ。そこで取りあえず倒産を回避し、併せて
自治体財政悪化の真の理由と、政府の責任をうやむやにしてしまうのが
平成の大合併の一面なのである。
自治体関係者の多くは政府の受け売りで
地方分権推進のための合併だと表向き
説明しているものの、腹の底では恐らく別のことを考えている。こんなに借金で苦しむことがなかったら合併などするはずがなかった。
平成の大合併に至る事情は、今後、
自治体運営の教訓とすべきである。それは自分でちゃんと考えることができる
自治体でなければならないという簡単なことだ。透明性が高く、
住民のチェックと監視の機能が十分に働かなければならないということである。
これからの政府の言うことはまず疑って掛かるべきだ。みんなに有利な話などこの世の中にあるはずがないと気が付くぐらいの知恵がなければならない。有利であろうとなかろうと、
住民にとって真に必要な事業かどうか厳しく吟味する能力を持つことが肝要だ。その吟味とチェックこそが
自治体議会が本来果たすべき最も重要な
役割のはずだ、こう述べられているわけであります。二〇〇六年三月の文芸春秋ですから、抜粋でありますから、表現間違いございません。
私はこれ聞きまして、鳥取県と兵庫県と岡山県というのはよく三県知事会議やったりとか議会も交流ありますんでね、道路、鳥取豊岡宮津自動車道とかいろんな計画ありますんで、これ聞きまして、現職の知事から、大胆なことをおっしゃるなと、驚いたわけなんですよね。
今、篠山市というところ、ちょっと話戻るんですけれ
ども、篠山市は昨年、篠山再生市民会議
設置条例というのを制定をしまして、有識者を入れた、かなり識者を入れた市民会議で、
財政問題を中心にしてその改善に向けた諮問策、策はないかということを諮問しております。その答申を受けました。
結局その
方々が言っているのは、現在の篠山市はやっぱり五つのことが欠如していたと言うんですね。
一つは右肩上がりの合併計画と甘い将来の見通しと、
二つ目は
地方債を活用した身の丈以上の
公共事業と、三番目は当てが外れた
地方交付税と、四番目は
財政収支見通しの狂いと不十分だった
行政改革と、そして五つ目は欠如していたリスクマネジメントということなんです。この五つが識者の
方々が分析した結果でございます。これを受けてこれから篠山市がどういう判断をしていって行革をしていくかということなんですけれ
ども、行革提案も一応出ておりますけれ
ども、こういうことなんですけれ
ども。
大臣にお聞きをしたいわけなんですけれ
ども、だました国も悪いし、だまされた
地方も悪いという、この言葉の表現をどうとらえるかということですよね。やっぱり最近まで
大臣は知事をされておられましたので、当然
お話もされたことあると思うんです。
ですから、この三位一体改革と、それといろいろと身の丈以上の
公共事業を、それを合併
特例債を使ってやってきたというこの
地方の
問題もあります。こうした
問題も併せて、
増田大臣に、答弁はしづらいかもしれませんけれ
ども、ちょっと積極的に思うところ腹蔵なくこの場所ですから御答弁をいただきたいと。大事な場所だから。