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参考人(
石井澄江君) 本日は、お呼びいただきまして、ありがとうございました。
石井澄江JOICFP事務局長、G8
NGOフォーラム貧困・
開発ユニットリーダーでございます。座ったままで失礼させていただきます。
冒頭に、私の
プレゼンテーションがお
手元にございますけれども、これにちょっと一枚若干修正がございまして、それをお許しいただきたいと思うことと、それの場所に来ましたらまた詳しく御説明を申し上げますので、おわびとともに訂正させていただきます。
私、
JOICFPという
家族計画国際協力財団と長いところでございますが、の
常任理事、
事務局長を務めております
石井澄江と申します。本日の
プレゼンテーションを始めます前に、私が所属する
団体について簡単に御
紹介をさせていただきます。
財団法人JOICFPは、外務省、
厚生労働省の
認可法人として一九六八年四月二十二日に
日本で設立され、昨日ちょうど創設四十周年を迎えました。
JOICFPは
保健分野、特に
母子保健、母親と子供の健康とか
家族計画を含むリプロダクティブヘルスの
分野での
国際協力を行っております。
ここで本題に入りたいと思います。
本日、私が参りましたのは
JOICFPとしてではなく、G8
NGOフォーラムの
貧困・
開発ユニットリーダーとしてでございますので、これから私が申し上げることは、
貧困・
開発の
ユニットリーダーとしての
プレゼンテーションでありますということを御了承いただきたいと思います。
まず、お
手元に
資料として御覧いただきたいものが
幾つかございます。
一つは私の
プレゼンテーションでございまして、あともう
一つはこのグリーンのフォルダーに中に入ってございます。同時に、もう
一つここにポジションペーパーというのがございますので、この
三つがメーンに使わせていただきますので、どうぞお
手元を御覧くださいませ。(
資料映写)
まず、なぜ
NGOがG8という疑問をお持ちの先生方もおいでになるのではないかと考え、このスライドを作成いたしました。
NGO活動にどっぷりつかってくださっている先生方もおいでになると思います。その先生方には重複で大変申し訳ございませんが、どうぞ御辛抱いただきたいと思います。
NGO活動は大きく分けてこの
二つに分けられます。
一つは、
国際援助の直接の担い手として途上国において
活動をしている
NGOです。このような
NGOはプロジェクト
実施型、英語に訳してインプリメント系とかいう言い方をすることもございますが、そういうプロジェクト
実施型
NGOと呼ばれております。もう
一つは、主に
日本の国内において積極的な
提言活動や啓発
活動を行っている
NGOで、アドボカシー系
NGOと呼ばれています。もちろんこの両方の
活動を行っている
NGOもたくさんあります。私の所属しております
財団法人の
JOICFPは両方の
活動を
実施しております。
ここで、
JOICFPが二年前に行ったアンケートの結果に基づきながら、一般の方
たちが
国際援助の担い手として
NGOをどう思っているのか、また
提言活動という余り一般にはなじみのない
活動をどう見ているのか、御
紹介したいと思います。
このスライド、ちょうどこういう質問でございます。途上国
支援のためにはどのような組織が
活動を
実施していくのが効果的だと思いますか。途上国
支援に対して一般の認識は、
NGOが
実施するのが最も効果的、次は国連機関、そして三位が
政府機関という答えになりました。少し詳しい説明を右の方に出てございますが、この
傾向というのは特に女性が男性より
NGOに高く出ているということが見られると思います。
次のスライド。途上国
支援をするために
NGOが
活動する方法として最も効果的だと思うものはどういうものでしょうか。先ほど
大林先生の
プレゼンテーションにもございましたが、途上国を
支援するための
NGO活動として最も効果的なものを挙げてもらったところ、
現地へ行き
支援をするというのが約四二%と最も高いということは、一般の
NGO活動のイメージが先ほど御
紹介したプロジェクト
実施型であるということが言えると思います。しかしその一方で、イベントなどの啓発
活動による途上国への
支援の支持を広げると国
会議員に働きかけ政策として取り組んでもらうの
二つを合わせますと約四七%ぐらいとなり、一般の方がアドボカシーの
重要性を認識していることが分かります。この二枚のスライドから、一般の方の
NGOに対する認識は比較的現実に近いものであるということが言えると思います。
ここで、二〇〇八年G8サミット
NGOフォーラムの
紹介をいたします。
二〇〇八年G8サミット
NGOフォーラムは二〇〇七年一月に結成されました。この
規模で
NGOフォーラムが結成されましたのは
日本の
NGO史上初めてのことでございます。代表は星野昌子
日本国際ボランティアセンターで、その下に二人の副代表がおり、
事務局は現在、
国際協力NGOセンター、JANICが行っております。二〇〇八年三月末現在で
参加している
NGOの数は百二十五
団体を数え、現在もわずかずつではありますが、増え続けております。
二〇〇八年G8サミット
NGOフォーラムへの
参加資格は、G8開催に反対しないというのが最低条件となっております。運営
NGOとは費用負担とマンパワーを提供し議決権を持つ
NGOで、サポート
NGOとは費用負担もマンパワーも出さない代わりに議決権も持たない
NGOを指します。現在、運営
NGOが五十六、サポート
NGOが六十九と、少しサポート
NGOが多い
程度で、ほぼ同数になっております。この百二十五の
NGOがテーマ別に
三つのユニットに分かれ
活動しております。
一つは環境、
二つは人権・平和、そして
三つ目が
貧困・
開発です。
NGOは複数又はすべてのユニットに
参加することも可能です。
では、なぜこのようなフォーラムが形成されたのでしょうか。
理由は、
市民社会の一部を成す
NGOが合意に基づく
提言を作成することで、その
提言、ひいては
NGO活動が
市民社会の声を反映しているという正当性を担保するためです。
G8
NGOフォーラムの設立の
目的は、地球
規模の課題の解決のために、
世界の政治及び
経済に大きな
影響力と責任を持つG8諸国に対し、
NGOの知見と情報に基づき課題の解決に
向けた合理的な
提言を行うことで、
市民社会として必要な責務を果たすということでございます。
それでは、本題の
貧困・
開発ユニットに参ります。
貧困・
開発ユニットは、
三つのユニットの中で最も多い
NGOが
参加しています。
次に、
活動を簡単に
紹介をいたします。
昨年の秋には、ここに、お
手元にございますこのポジションペーパーを作成いたしました。そして、このポジションペーパーを更に簡易にしたものがこのグリーンのフォルダーの中に一枚紙として入ってございます。これがそれでございます。昨年から今年にかけて、このポジションペーパーを基にメディアや国
会議員、政党に
向けてブリーフィング、
意見交換を行ってまいりました。
また、
貧困・
開発ユニットの下に政策チームがつくられ、そこではG8関連の閣僚会合に合わせ
提言活動も行ってきております。一例として、このフォルダーの中に
開発大臣会合に
向けた要望書が入ってございます。さらには、必要に応じてプレスリリースを発行しております。やはりこのフォルダーの中に福田首相のダボス演説に対するプレスリリースは同封されております。このプレスリリースは、福田首相のダボス演説を聞きながら演説終了直後から作成し始め、翌日の早朝には配信しております。ここに有志と書いてございますが、最終的には全体の合意が取れましたので、有志を外して全体の統一した
意見としてプレスリリースが配信されております。
また、各種のイベントも活発に行い、
市民社会セッションや訪日する
NGOの代表を中心にしたワークショップなど多くのイベントが
実施され、現在も企画されております。
では、
貧困・
開発ユニットは何を
NGOに
期待しているのでしょうか。
申し訳ありません、先ほどのページとこのページが少しお
手元の
資料とは違っておりまして、一枚余分になっておりますので、私の正面の、後ろにございますスクリーンを見ながら御説明をさせていただきたいと思います。
大きく言えば、G8に
期待するのはこの三点です。一、既存の公約の完全の履行。二、
日本の
ODAの総額の増額と質の向上、
ODAを
GNI比〇・七%にまで引き上げるロードマップの作成。三、
ミレニアム開発目標の推進。そして、最も重要なことは、議長国としての
日本がこの三点において強いリーダーシップを発揮することです。これが我々の悲願ともいうべき願いです。
ここで、ショッキングな数字をお目にかけます。ちょっとこの数字は余りにも小さ過ぎますので、お
手元の数字も大変小さいのですが、別に数字を見ていただく必要はございませんので、順位だけ見ていただければ結構でございます。
既に御存じだとは思いますが、四月四日に
開発大臣会合に先駆けOECD、DACの二〇〇七年実績報告がありました。
日本は、昨年は三位に転落し、今年は何と五位に転落しました。昨年三位で受けたショックも冷めやらないままに五位となってしまいました。この表は、OECD、DACの数字を基に
国民一人当たりの
ODA負担額を計算したものです。
日本は一人当たり六十ドルでOECD、DAC加盟二十二か国中二十番目、つまり下から数えて三番目になっています。
日本より低いところは、ギリシャそしてポルトガルです。これでいいのでしょうか、GDPが
世界で二位の
日本。
我々
貧困・
開発ユニットの当面の
目標は、二〇一五年に期限が来る
ミレニアム開発目標の
達成です。
世界で
貧困にあえぐ十億人以上の
人々をどうやって救っていけるのか。このようなとき、よく二者択一の
議論が出ます。
日本の国内がこんな大変なときに途上国のことまでなぜ面倒を見なければならないのか、
日本が赤字で苦しんでいるときになぜ
ODAを増やさなければならないのか。我々にもよくこの質問が突き付けられます。しかし、
日本だけ良くなることなどあり得ない時代であることを説明するのに、我々はよく、四〇%を切った
日本の食料自給率や二五%しかないエネルギー自給率、そしてさらには国境を越えて押し寄せる感染症の脅威などを説明しています。
ここで私
たちは、
保健と教育を
日本の
国際援助の柱にすることを
提案します。一般的に
保健と教育
分野については、先ほど
大林教授の御説明にもございましたが、
ODAが必要との認識が高く、
国民の理解が得られやすい。これは、伝統的な
日本人の価値観に合致しているからだと思いますし、現に
日本が国内で行ってきたことです。
日本はこの
分野に知見を有し、海外での
日本の
活動もこの
分野が最も活発だということができます。
これらの問題を提起をしながら、昨年出された当
委員会の中間報告の
提言を読みますと、目の前が開けた感じになります。この
提言は、まさに我々
貧困・
開発NGOの主張そのものであり、この
提言が
実施されることこそ我々の願いであるということができます。この場をお借りして、この
提言内容がG8サミットの場において十分生かされ、
日本が議長国としての責任ある態度を示せることを
NGOが大きな
期待を持って注目していることを強調させていただきます。
読むまでもないと思いますが、私
たちの願いがこもっておりますので、参議院
ODA等に関する
特別委員会中間報告、
提言、読ませていただきます。(一)適切な
援助水準に
向けた
事業量の確保。前略、「
ODA事業量の
削減に歯止めを掛けるとともに、適正な
援助水準に
向けて純増による量的確保を行うべきである。このため、」、中略、「
国際公約を誠実に履行することが不可欠である。加えて、「人間の安全保障」の観点から、
貧困や感染症対策等の
分野に予算を重点配分すべきである。」。これが是非とも実現されることが我々の大きな願いでございます。
そして
最後は、我々
NGOのチャレンジです。
G8に
向けて多くの
キャンペーンが開始されました。一人でも多くの
日本人に賛同の輪を広げようと
努力中です。ここに載っているのは、
NGOフォーラム全体としての
キャンペーンと、私
たちJOICFPの
活動の中心である
保健分野の
NGOが推進している
キャンペーンです。この
プレゼンテーションの右上にある二〇〇八G8サミット
NGOフォーラムのロゴマーク、この先ほどお配りしてありますグリーンのフォルダーにも付いております。このロゴマークとキャッチは電通と博報堂、広告業界の双璧が初めて共同でしかも無料で
NGOフォーラムのために作成してくれました。
一人の
日本人として、本日ここにおいでの
皆様にも是非この
キャンペーンに
参加していただきたいと願っております。是非このウエブを見ていただき、一人でも多くの方
たちに賛同の署名をいただきたいと思いますので、よろしく
お願いいたします。
地球もそしてそこに住む人間の命も守りたいと心から願っております。
御清聴ありがとうございました。