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大門実紀史君 本当にそうしてもらいたいんですけれども、それで、販売数が増えたから苦情が比例して増えていいというものではございません。ですから、販売数増えたということとは別にとらえていただきたいと思います。
若干まだ、
金融庁の姿勢は分かっているんですけれども、
現場ではそうなっていないということで、こちらで調査した
現場の
実態をお伝えいたします。
今日は
銀行の実名は避けますが、どんなことをやっているかといいますと、お客さんの中から国債の償還あるいは
定期預金満期などで顧客リストを作るんですね。それを基に電話で
投資信託の勧誘、電話を掛けまくります、ある
銀行ではですね。電話で販売までは行いませんが、窓口に来てくださいということを目的に電話を掛けまくるわけでございます。
これは、なかなか気を付けながらやっているところはあるんですけれども、
投資信託という名前は出してもいいが、個別の
銘柄の名前はその電話のときには出すなという指示が出ております。そのリストも、例えば
投資信託の販売
対象者リストというようなタイトルを付けるなと、タイトルは隠せというふうにしております。
なぜ、こういう
個別銘柄出したり、
投資信託対象者リストと名前を付けないようにしているのかというと、それをやると勧誘規制に引っかかるからだと。それを逃れるために、そういうことを気を付けながらやっているわけですね。
一般名称だけでお誘いをする場合は、単なる情報
提供だというふうに言い逃れができるということでやっております。もちろん、電話を掛ける際は、低
金利の時代ですから
投資信託がお勧めですよとだけ言って、電話では元本割れの
リスクがあることはその時点では言わないと。とにかく窓口に来てもらうと、これを目的に、もう来たらこっちのものということでやっていることでございます。
うちの親戚のおじさんも、八十歳超えて三百万円ぐらい
投資信託を買って、どんなふうに買ったのって話を、ちょっとリアルな生の話聞きたいんで聞いてみましたら、もちろん元本割れの
リスクはありますというのは、小さい声ですけど、ちゃんと
説明はしたそうです。ただ、それ言われたときに、やっぱりやめようかなと。元々農業やっていらした方ですから、詳しくないのでやめようかなと思ったんですけれども、殺し文句は、じっとしていたら預金が減るばっかりですよと。これ、当たり前なんですね、年寄りにとっては。年金と預金取り崩して生活しているわけですから当たり前のことなんですけど、それを言われると、これ非常に、そうかなと思ってしまったというんで、応対した女性もきれいで感じが良かったからということで購入したということでございますが、そんな程度の話なんですね。そんなレベルで
投資信託というのは買われているということでございます。今、二割近く損が出ているということでございます。私はもう気長に待つしかないんじゃないかというふうに言いましたけど、もういつ死ぬか分からないのに何言っているんだといって、かえって私は怒られたりしましたけれども、それが、こういうのが今の
実態です。
〔
委員長退席、理事円より子君着席〕
私、このときに思ったんですけど、商品販売で消費者保護のことをやってきて、どこでも使われている言葉なんですけれども、一応
リスクは
説明すると。これは後でトラブルになりますんで、元本割れの
リスクはありますよと。ただ、その後ですね、じっとしていたら預金が減るばかりですよというような言い方は、ほかでもされていると、かなりされております。
これ、そんなものかなと思いがちですけど、商品販売等々でいろんな問題、勧誘で問題になってきていまして、それをやってきた私にとっては非常に引っかかる言葉でございまして、要するに、何々しなければ何々になってしまいますよというマイナスイメージトークといいますか、相手の不安とか恐怖をあおると、ひどい場合はですね。これは霊感商法のときに大問題になりまして、その後、今、普通の商品販売でも、そういう、何々しないとこんな目に遭うよとかこうなっちゃうよという言い方は、
一般の商品販売でも広告でもかなり気を付けて、自主規制もされています。
ところが、
銀行の
現場、
投資信託販売の
現場では、普通のセールストークの中に、このまま行ったら減っちゃうんじゃないですかというふうなことが、微妙なところだとは思いますけど、私はちょっと気を付けた方がいいというふうに、
銀行の
現場だけ商品販売と違って遅れているなと、こういうセールストークは、思いますが、初めての提案かも分かりませんが、どういうふうに思われるか、ちょっと感想を聞かせてもらえますか。