○
委員以外の
議員(直
嶋正行君) 民主党・新緑風会・
国民新・
日本の直
嶋正行でございます。
ただいま
議題となりました
揮発油税等の
税率の
特例の
廃止、
道路特定財源諸税の
一般財源化及び
地方公共団体の
一般財源の
確保のための
関係法律の一部を改正する等の
法律案、
所得税法等の一部を改正する
法律案、
租税特別措置法の一部を改正する
法律案につきまして、
発議者を代表して、その
趣旨及び法案の概要を御
説明いたします。
提案の
趣旨は、
道路特定財源の
一般財源化及び暫定
税率の
廃止であります。
道路特定財源は昭和二十九年に創設された制度であります。当時の国内事情、経済復興を求める
国民の声を考えれば、その時点では
道路特定財源制度は意義ある制度であり、またこれが
我が国の
経済成長の支えになったものであったという点で、私たちも評価するにやぶさかではありません。しかし、いつの時点からか、
道路特定財源制度は本来の
趣旨から離れ、無駄遣いの温床となってしまったことはこれまでの衆参両院の議論で明らかであります。
私たちは、この
道路特定財源問題を、
政府の資源配分の在り方、中央集権か
地方分権かという
我が国の根幹の問題であるととらえています。確かに、戦後復興の過程で道路に集中
投資することに
意味がありました。しかし、時代は変わり、道路整備が一定程度進む一方で、
社会保障、教育、環境保全など道路整備と同様あるいはそれ以上に重要な課題を
我が国は多々抱え込んでいます。このような
状況の中で、なぜ道路のみが特定の
財源を有し、優先的な資源配分を受けられるのか、世論調査を見ても、この基本的な問題について多くの
国民が疑問を抱いていることは明らかです。
道路特定財源は、いったん税収が上がれば、自動的に道路整備に
財源が回る仕組みです。これまで財政当局はおろか国会さえ十分なチェックやコントロールが利かないままに推移してまいりました。税収が上がれば、それはすなわち
国土交通省道路局の予算であり、配分はすべて道路官僚が決定をしているのです。道路官僚からすれば、他の役所のように毎年の予算折衝、
財源確保に苦心する必要はありません。このような仕組みが、これまで明らかとなった数多くの無駄遣いの温床となったことは論を待ちません。
私たちは、道路整備が必要な地域はまだまだ多くあると考えています。しかし、そのことは
道路特定財源制度
廃止、
一般財源化と矛盾するものではありません。地域によって事情は様々です。道路整備が必要な地域では、堂々と住民にこれを
説明し、道路整備を行うことは
一般財源でも可能です。一方で、道路より重要な課題を抱えている地域も数多く存在します。そのような地域では、地域ニーズ、住民ニーズを踏まえて適切な予算配分が行われるべきと考えます。
道路特定財源制度を背景に国が
地方の
お金の使い方を規制し、補助事業の採択という形で
地方の道路を造る造らないの判断までを国が行っている現状を一刻も早く変えることが必要です。
国民、住民の代表である議会が開かれた議論の中で
税金の使い道を決める、地域事情に応じて最も効率的で住民生活の向上に役立つ形で
税金を使う、このような当たり前のことを実現するために、
道路特定財源制度の
廃止、
一般財源化は不可欠なものであると考えています。
道路特定財源制度は、そもそも自動車ユーザーが支払う
税金で道路を整備するという受益と負担の原則で成り立っている制度です。そうであれば、
道路特定財源を
廃止する以上、三十四年間、道路を緊急に整備することを
理由に増税してきた暫定
税率を
廃止しなければ
国民の理解は得られないと考えます。
あわせて、原油価格高騰、各種生活必需品の価格が上がる中で、暫定
税率廃止を通じたガソリン価格の引下げは、圧迫される
国民生活の多大な
支援になると考えています。特に、暫定
税率廃止の
効果は
地方において大きく、都市と
地方の格差が拡大する中で、極めて時宜を得た
政策であると考えています。
以下、三法案の概要を申し上げます。
第一は、いわゆる
道路特定財源制度改革法案であります。
本法案は、民主党の
道路特定財源改革に関する考え方を網羅的に示すものであります。
まず初めに、揮発油税、
地方道路税ほか
道路特定財源制度に係る暫定
税率について、これらを
廃止するため適用期限の延長を行わないことを規定しています。
次に、
道路特定財源を
一般財源とするための
関係各法の改正を規定しております。すなわち、道路整備費
財源特例法第三条に定める道路整備費の
財源の
特例については、
平成十九年度限りこれを
廃止することとし、その期限の延長を行わないことを規定するほか、
道路特定財源制度を規定する各種の譲与税、
地方税についても必要な部分を改正し、使途の条件を付け又は制限をしてはならないこと、あるいは普通税とする旨を規定しております。
またあわせて、
地方公共団体における道路
財源を
確保するため、道路整備費
財源特例法に定める国の負担金の
割合の
特例等について引き続き
存続させるとともに、
地方道路整備臨時交付金について従前の額を
確保するための改正を行っております。
最後に、
地方公共団体の
一般財源を
確保するための
関係各法の改正を行っております。具体的には、国直轄事業における
地方負担金制度の
廃止を
内容とするものであり、特別会計法及び個別の負担
割合を定める道路法等の
関係各法を改正するものであります。これは、
地方六団体が
地方自治法にのっとり国に提出した意見書に沿って行うものであります。
第二に、
所得税法等改正案及び
租税特別措置法改正案については一括して御
説明をします。
民主党はかねてより、
政府与党に対して、税法は、期限切れが直ちに
国民生活に影響を与える日切れと、年度をまたいでも議論する余地がある部分を切り分けて国会に
提案すべきと様々な形で要請をしてまいりましたが、
政府・与党はこれを受け入れず、一括して国会に提出してきました。私たちは、税制が政治の要諦であると同時に、先行き不透明な経済
状況、
社会保障財源の安定的
確保、厳しい財政
状況などを勘案すれば、予算
委員会の合間のわずか数時間程度の
審議では極めて不十分であると考えます。
そこで、年度末で期限切れを迎え、これが直ちに
国民生活等に影響を与える改正部分と、それ以外の部分を切り分けて、前者を
租税特別措置法改正案とし、後者を
所得税法等改正案とし、
国民生活の安定と税制に関する十分な
審議を両立できる形で法案を提出したのであります。
租税特別措置法改正案が成立しないまま
平成二十年四月一日を過ぎる事態において、直ちに
国民生活等に影響を与えると懸念されたオフショア勘定の
利子の非課税の
特例、登録免許税の軽減
特例、ナフサ、農林漁業用A重油の石油石炭税の免税
特例等の七項目につきましては、いわゆるつなぎ法によって五月末日まで現行法のままその
特例の期限が延長されたところではありますが、この七項目についても、本来の二十年度税制改正を行わなければなりません。我々が提出している
租税特別措置法改正案は、まさにこの七項目についての
平成二十年度税制改正を行おうとするものであります。
所得税法等改正案では、新たに公益法人制度の創設に伴う所得税法、法人税法等の改正のほか、研究開発税制、情報基盤強化税制などに係る
租税特別措置法の改正等を
内容としています。
なお、三法案いずれも、原則としてその施行日を
平成二十年四月一日として提出しておりますが、既に同日を過ぎておりますことから、当
委員会における採決に当たっては、施行期日を公布の日に改めるとともに、これに伴う必要な整理を行うための修正が必要であろうと考えております。
また、つなぎ法が成立しておりますことから、
租税特別措置法改正案につきましては、現行法の変更に伴い改正規定を変更するための修正が必要であります。今後の当
委員会における十分な御
審議の上、処理をいただければと考えております。
以上が三法案の
趣旨説明、法案の概要等であります。
議員各位におかれましては、何とぞ
提案者の真意を御理解いただき、御賛同賜りますようお願い申し上げます。