運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2008-09-19 第169回国会 参議院 財政金融委員会 閉会後第1号 公式Web版

share
  1. 政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査 (会議録情報)

    平成二十年九月十九日(金曜日)    午後一時五分開会     ─────────────    委員異動  九月十八日     辞任         補欠選任      中山 恭子君     神取  忍君      林  芳正君     末松 信介君  九月十九日     辞任         補欠選任      水戸 将史君     行田 邦子君      神取  忍君     義家 弘介君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         峰崎 直樹君     理 事                 大久保 勉君                 辻  泰弘君                 円 より子君                 愛知 治郎君                 田村耕太郎君     委 員                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 川合 孝典君                 川崎  稔君                 行田 邦子君                 富岡由紀夫君                 平田 健二君                 森田  高君                 横峯 良郎君                 尾辻 秀久君                 神取  忍君                 小泉 昭男君                 椎名 一保君                 末松 信介君                 田中 直紀君                 森 まさこ君                 義家 弘介君                 荒木 清寛君                 白浜 一良君                 大門実紀史君    国務大臣        財務大臣     伊吹 文明君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        茂木 敏充君    副大臣        内閣府副大臣   谷本 龍哉君        財務大臣    平田 耕一君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        宇野  治君    事務局側        常任委員会専門        員        大嶋 健一君    政府参考人        金融庁総務企画        局長       内藤 純一君        金融庁監督局長  三國谷勝範君        外務大臣官房参        事官       高岡 正人君        財務大臣官房総        括審議官     川北  力君        財務大臣官房審        議官       山崎 穰一君        財務省主税局長  加藤 治彦君        財務省国際局長  玉木林太郎君        厚生労働大臣官        房審議官     二川 一男君        経済産業大臣官        房審議官     大下 政司君        中小企業庁事業        環境部長     横尾 英博君    参考人        日本銀行総裁   白川 方明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (金融証券市場をめぐる諸問題に関する件)     ─────────────
  2. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、中山恭子君及び林芳正君が委員辞任され、その補欠として神取忍君及び末松信介君が選任されました。  また、本日、水戸将史君が委員辞任され、その補欠として行田邦子君が選任されました。     ─────────────
  3. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長内藤純一君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会参考人として日本銀行総裁白川方明君出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 財政及び金融等に関する調査のうち、金融証券市場をめぐる諸問題に関する件を議題といたします。  まず、政府から説明を聴取いたします。茂木内閣特命担当大臣
  8. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) この度、金融担当大臣に就任いたしました茂木敏充でございます。  金融担当大臣として、金融システムの安定、利用者保護利用者利便向上及び公正、透明で活力ある市場の確立に向けた諸課題に対し、全力を尽くしてまいる所存であります。同時に、現下の厳しい経済情勢の中で、中小企業等に対する金融円滑化にも万全を期してまいりたいと考えております。  当委員会峰崎委員長及び委員皆様方においては、何とぞよろしくお願いを申し上げます。  本日、金融証券市場をめぐる諸問題に関する御審議をいただくに先立ちまして、最近の金融資本市場をめぐる動きについて御説明を申し上げます。  昨年夏以降、米国サブプライムローン問題を契機とするグローバルな金融市場混乱が生じております。サブプライムローンの多くは、証券化という金融技術と組み合わされることで、証券化商品として世界中投資家等に広く販売されました。しかし、米国住宅価格が一部で下落し始め、サブプライムローン延滞率が上昇すると、証券化商品等損失が急速に世界中に拡散をいたしました。  本年三月には、米国投資銀行であったベアー・スタンズが経営危機に陥り、公的支援を受けて、他の金融グループに買収をされました。  また、米国における住宅資金供給円滑化を目的とする政府支援機関GSEファニーメイ及びフレディマックについて、その財務悪化懸念から市場混乱が広がりました。これに対応するため、米国においては、七月にGSE支援策を含む住宅関連法案が成立を見ました。さらに、今月の七日には、米国政府両社管理下に置くとともに、米国財務省両社の最優先株を購入すること等の支援策を講ずることを発表したわけであります。  直近におきましては、九月の十五日に、米国投資銀行であるリーマン・ブラザーズ米国持ち株会社倒産手続開始を申し立てました。金融庁は、同日中に、顧客等保護の観点から、日本法人リーマン・ブラザーズ証券株式会社に対し、業務停止命令等行政処分を発出いたしました。  また、日本時間の九月十七日に、米国最大保険会社であるAIGに対して公的な救済策が講じられたところであります。  サブプライムローン問題が我が国金融システムに与える影響について申し上げますと、我が国金融機関サブプライムローン関連商品保有額は、欧米主要金融機関と比較して相対的に限定をされております。  また、リーマン・ブラザーズ破綻に関しては、現時点において、各金融機関自己資本の厚みと同社関連債権額等に照らして、我が国の各金融機関経営に重大な影響を与えるような問題は把握をされておりません。  しかしながら、米国の不動産・住宅市場はなお低迷が続いており、世界的な金融資本市場においては緊張が続いております。市場混乱収束にはなお時間を要するものと考えられます。  このような事態に対し、各国の関係当局は、緊密に連携を取りながら、流動性供給を含め金融システムの安定に全力を尽くしているところであります。金融庁といたしましても、引き続き高い警戒水準を維持しつつ、国内外金融当局連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。  他方、我が国の景気は、現状弱含んでおり、国際金融資本市場混乱によって更に下振れするリスクが存在をしております。また、為替相場動向等実体経済にどのような影響を与えるかについても十分今後注視していく必要がございます。  こうした中、中小企業の業況は極めて厳しい状況にあり、金融機関による適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が求められております。金融庁といたしましては、中小企業に対する円滑な金融金融機関の最も重要な役割一つとして認識をいたしております。既に民間金融機関に対してこれに関する要請を行っておりますが、今後とも、中小企業に対する金融円滑化を図るべく各般の施策に取り組んでいきたいと考えております。  私といたしましては、このような現下の内外の金融情勢を踏まえ、国内外関係当局とも一層緊密に連携を取りつつ、国際的な金融市場の安定、中小企業金融円滑化等のための取組を速やかに実施していきたいと考えております。  以上、御報告申し上げます。
  9. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 今日は、アメリカ金融市場混乱、それが世界経済、ひいては我が国経済にどんな影響を与えるのか、こういうことがテーマでこの委員会を開きますが、自民党を代表する経済金融の大論客のお二人が大臣をされていますので、しっかりとした議論をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  まずは現状認識、今、茂木大臣からその所見を披露いただいたんですが、まず両大臣に、今日今の、この時点での両方の株価が四百ポイントずつぐらい上がっていますけれども、ニューヨーク東京ですね、どういうふうに見られるかということを聞きたいんですが、その前に私のつたない見解を申し上げさせていただきますが、私は、まだまだ危機は終わっていない、まだ深刻な危機の途中であると思います。  第一幕はもう釈迦に説法ですけれどもリーマンの破綻、そして第二幕として来ていたのがAIG、これがどうなるかということですけれども、一応救ったんですが、あの救済で本当は危機が去ったと思われたんですけれども、その次の日の株価の戻りがニューヨーク東京もいま一つ鈍かったです。その後、今度はもっと徹底的にしなきゃいけないということで中央銀行が積極的に資金供給していって、今度アメリカは、RTC、不良債権買取り機構のようなものを設置するといってようやく株価が大きく反発しているところなんですが、これからどうなるか、この辺りお聞きしたいんですが、私はこの第三幕、まだあると思うんですが、これは後で私のつたない意見なので言わせていただきますが、両大臣、今の時点、今日の時点で、株価上がっています、金融危機は去ったのか、まだまだ最悪の底は抜けていないのか、どういうふうに見られますか。
  11. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 自民党を代表します金融問題の論客であります田村先生の方から御質問をいただきましたので緊張感を持って答弁をさせていただきたいと思うんですが、昨年のサブプライムローン問題の発生以降、グローバルな金融市場においては一年以上にわたりまして動揺が続いている、これは間違いない事実だと、こんなふうに思っております。  今後の見通しについてなかなか確たることを申し上げる、これは難しい側面もありまして、例えば今週一週間の株価を見ましても、上下、それぞれの施策によってしているところでありまして、世界的な金融資本市場においては緊張が続いているのは間違いありません。  これを危機という言葉で言うのが適切かどうかと、こういう問題はあると思いますが、市場混乱収束にはなお時間を要すると、こういうふうに私は考えておりまして、金融庁としても政府としても、警戒水準を高めながら今後の国際市場動向をしっかりとフォローし、また関係当局とも十分な連携の下で対策を取っていきたいと、このように考えております。
  12. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 財務大臣を拝命いたしました伊吹でございます。委員長を始め委員皆様にはどうぞよろしくお願いを申し上げます。  ただいまの御質問については、田村委員がおっしゃった現状認識と私はほぼ同じような感じを持っております。先ほど茂木大臣の御報告にございましたように、住宅、土地、その他の市場が弱含んでいると。これは日本でいえばある程度バブルの後の状況によく似た状況ですから、ここのところが根本的に処理されていかないとなかなか、一進一退いろいろなことがあると思いますが、少しまだそう楽観は許さないだろうと思います。  ただ、中央銀行レベルでも、それから私も含めて金融当局も綿密に連絡を取り合っておりますので、事態には対処は協調してできるという体制は取っておりますから、いたずらに不安感をあおるという必要は私はないと思いますが、根本的な問題の解決には少し時間が掛かるという認識をいたしております。
  13. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 ありがとうございました。いたずらに不安をあおるのは良くない、全くそのとおりだと思います。  ということで、不安をあおるのではなくて、現実的にどういうような課題が考えられるかということについて少しだけ所見を述べさせていただきたいんですけど、例えばAIG救済したって言います。九兆円近い緊急融資ブリッジローンですね。しかしながら、根本のガバナンスは変わっていませんし、どこまでどんな商品がどんな全世界方々に買われているか、これはまだ把握できていないわけですね。それと、今言われましたフレディマックファニーメイ住宅供給公社ですか、二十二兆円入れますけど、持っている資産は五百兆円ですよね。一〇%毀損しただけで五十兆円、もう入れたお金の倍ぐらいは吹っ飛んでしまうわけですね。それと、次に来るって言われているのは大手製造業ですね。自動車メーカーなんか言われています。実体経済が傷んでくる、こういう可能性が大きいわけです。  まあこれはアメリカの話なんですけど、じゃこの国にどういう影響があるか。もちろん実体経済が弱まれば外需が落ちてきますんで、日本経済成長もスローダウンしてくるんですけど、それより私がまず懸念しているのは、銀行のこういう証券化関連商品、特に粗悪粗悪といいますか、これから毀損する可能性が高い証券化関連商品に対する購入ですね、投資、これがどのくらい行われているかということの把握なんですけど、この前主要行数字を見せていただきましたが、主要行数字というのは、その体力と収益力、これから見て十分カバーできるようなものになっていることは私も間違いないと思います。ただ問題は、これ是非把握されているかどうか、把握されているとは思うんですけど、地銀、第二地銀ですね、信金信組、この辺り、預金はいっぱい集まっていますけど余り貸し出していないわけですね。ですから、どうしているかというと結構投資に使っていまして、証券化関連商品に結構投資している。こういうリスクをどこまで研究して分析して査定して、投資しているか分からないような地銀、第二地銀信金信組、これが持っているものが結構あるかもしれない。  そうなると、地銀地域金融に対する機能強化金融庁は一生懸命に頑張られていますけど、今でさえ地域経済が弱っている中で、地域金融機関がこういう問題で何かダメージを被れば地域経済が大変なことになるわけですけど、この地銀、第二地銀信金信組、こういうものが、これ第二弾、第三弾、シナリオAシナリオBシナリオCですね、どんどん悪いシナリオが起こった場合、この影響はどうなのか。どのように分析されて、対策は十分でしょうか、お聞きします。
  14. 副大臣(谷本龍哉君)(谷本龍哉)

    ○副大臣谷本龍哉君) この度、金融担当大臣を拝命いたしました谷本龍哉です。峰崎委員長を始め委員皆様方よろしくお願いをいたします。  ただいまの田村委員質問にお答えさせていただきます。  地域金融機関については、地域密着型金融取組を進めること等により、収益性向上財務健全性の確保に努めてきております。こうした取組が進捗する中で、これまで中期的に見れば、自己資本比率に見られるように総じて財務健全性改善してきているというふうに認識をいたしております。  地域金融機関収益性リスク管理体制については、早期警戒制度オフサイトモニタリング等を通じて早め早め経営改善を促しているところであります。特に、市場リスクへの対応については、監督指針における監督上の主な着眼点として、例えばストレステストの実施や市場リスクの計量において損失額が大きく発現するシナリオ分析等を掲げているところでございます。また、各地域金融機関においても、その規模や抱えるリスク特殊性に応じて適切なリスク管理に努めているものと承知をしております。  いずれにせよ、金融庁としては、国際的な金融市場では依然として緊張が続いていることを踏まえて高い警戒水準を維持しつつ、今後とも地域金融機関経営状況の的確な把握に努めるとともに、金融機関財務健全性が確保されるよう早め早め経営改善を促してまいりたいと考えております。
  15. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 まさに、もう既に毀損をしているトリプルB以下の商品というのは余り問題にならないと思うんですね。トリプルB以下の商品というのは、一がゼロになるようなものですから。しかし、今はもう格付が全く当てにならない、パニックが起こっていますので、トリプルAでも一気に吹っ飛んじゃう可能性があるわけですね。トリプルAだから大丈夫だ、こういうことは全くもう言えませんので、トリプルAからシングルAぐらいの商品是非しっかりチェックしていただきたいと思います。  また、これはもう大臣お願いしたいんですけど、コメントできたらお願いしたいんですけど、できなかったら全然いいですけど。金融機能強化法というのが時間切れでなくなっちゃいましたけど、地銀、第二地銀信金信組、やっぱり資本増強というのをこの時期に僕はやっておいた方がいいと思うんですね。何かあるか分からない。もちろんそれは、経営責任の問題もあるし、タイミングの問題もありますし、彼らの経営判断でもありますけど、私はこの時期、ひょっとしたら金融機能強化法の再登板が必要になるのではないかと思うんですけど、大臣、いかがですか。
  16. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 通告を受けていない質問でありますが、地域金融に果たす地銀役割と、これは非常に大きいと思っております。そして、五年ぐらい前と比べまして、今の地域金融機関財務体質というのは相当改善をしているんではないかな、こんなふうに考えておりますが、その一方で、田村議員、今御指摘をいただきましたように、今回のサブプライムの問題というのは、証券化商品と、これを通じて、アメリカ一国だけではなくて世界全体の投資家であったりとか金融機関に、そして一斉に広がり、そして時価でそのまま評価が変わっていくと。  こういう、ある意味で問題としては日本で起こりました九〇年代のバブル以上に深刻な問題だと、こんなふうに私は感じておりまして、そういった意味も含めて、今、直近の足下での地域金融機関状況がどうなっているかと、こういうことも十分把握しながら今後の対応を考えていきたいと思っております。
  17. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 それと、今回、コメントありがとうございました。是非御配慮よろしくお願いします。  今回、株が下げ止まって割と今週にしては大きく反発している理由は、一つは、先ほど指摘されましたRTCみたいな不良債権買取り機構アメリカ政府が検討しているということですね。もう一つは、僕、これ非常に大きかったなと思うのは、空売り規制アメリカ証券監視委員会が開始したということです。これ、空売り規制をやらなかったら、本当に仕掛けで下がっていた部分もありますので、空売り規制はすごくいいことだと思うんです。  ただ、やっぱり今、投資銀行で生き残っているところも大変でして、もうモルガン・スタンレーでさえも株が三〇%下がって、ミイラ取りミイラになりそうな感じもしているわけですけど、残っているゴールドマン・サックスだってもううわさに上がるぐらいになっています。彼らは、生き残りのために、どんなマーケットの中でももう自分でもうけていくしかないわけですね。そういうある意味ハングリーさは大事ですけど、何をするか分からないというところがありますので、彼らがニューヨークで空売りできなくなった部分日本で空売りやってくる可能性も非常に高いと思うんですよ。  ですので、日本もしっかりと空売り規制やるべきだと思うんですけど、大臣、いかがですか。
  18. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 空売り規制に関しましては、御案内のとおり、昨年、アメリカにおきましては価格規制と、これは撤廃をしたわけであります。それで、今回の事態を受けまして、また空売り規制に関して銘柄を広げての規制強化と、こういう方向でありますが、御案内のとおり、日本の場合、アメリカ規制プラス価格規制と、こういったものを持っているわけでありまして、当然国際的な協調も考えながらしっかり対応していきたいと、こう思っております。
  19. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 それで、ここまで日本の株も下がってきますと、逆資産効果というのが心配されますね。株主が、もう本当に株が下がってしまって、もちろん資産が下がってしまったということを痛感して消費をしなくなるということなんですけど。  その株主優遇税制ということを私も年末のたびに一生懸命訴えているんですけれども、株主優遇税制と言うと金持ち優遇税制と必ず批判を受けるんですけれども、今の個人株主を見てみますと、大体四十代、五十代の勤労者方々、サラリーマンの方々がやっぱり一番大きなポーションを占めておられまして、子育てや住宅ローンの支払で一番大変な世代が個人株主として今株を持っていて、売るに売れないという状況なんですね。  そこで財務大臣是非お願いといいますか、もう、ちょっと早めの陳情なんですけれども、キャピタルゲイン課税配当課税配当課税というのは元々二重課税ですから、私はもうこれゼロにしていただきたいと思います。それと、キャピタルゲイン課税というのをもう、優遇税制をこれを恒久に変えて一〇%にしていただきたい。この時期ですから、逆資産効果を防ぐためにも、貯蓄から投資へを推進するためにも、税制一刻も早く考えなきゃいけないと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
  20. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 基本的には、税というのは最大の政治と言われておりますから、所得、資産を多く持っている人、そうじゃない人、各々価値観がやっぱり違うと思います。民主主義の中でこれをどう扱っていくかということがあるから、政党だけでは決められない、あるいは政府だけで決めてはいけないというんで公平な税制調査会というものを設けてやっているわけです。  今の点でいえば、田村委員がおっしゃった一定額の人についてはそういうことが私はあってもいいと思いますよ。しかし、これを青天井でやるということになると、今おっしゃったような批判が出てくるわけです。それを防ごうとしましていろいろな仕組みを入れますと、税制というのは非常に複雑になって管理ができないですよね、実態的に。だから、私はやっぱり税制というものは使いでのいいものでなければならないという信念を持っておりますので、そのバランスを考えながら、むしろ私は今の二〇%は二〇%ですべて統一してもらってもいいぐらいの声を証券界からむしろ聞いている、その方が分かりやすくてやりやすいというお話もありますね。  ですから、おっしゃっていることはよく理解をしておりますので、年末の税制改正の中で先生も当然、党税調に出られて御検討いただければ結構だと思います。
  21. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 今大臣がおっしゃられましたね、非常に重要なポイントで、分かりにくい税制、使いにくい税制、これはやっぱり良くないというのはもうそのとおりですね。屋上屋を重ねて何かしにせ旅館の改築みたいな税制になっていて、結局何が何だか全体が分からないというようになったら、効果を受け取る方も本当に得なのか損しているのか分からないということですから、やっぱりシンプルであるべきというのはもう大賛成です。  ですので、いろんなことを言われていますけれども、いろんなことを言われているというのは、自民党の中でも声がありまして、特定の、金額で区切るべきだと、年齢で区切るべきだと、いろんな議論出ていますけれども、これ事務手続大変になりますし、年齢で区切った制度、この年以上の方はどうのこうのという制度は必ず批判を受けますので、そうではなくて、やっぱり簡素に分かりやすく、全員ゼロとか全員一〇%というのがいいと思うんですが、大臣、いかがですか。
  22. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) これは、ある政策目的を達成するためには先生がおっしゃっていることはそのとおりだと思いますよ。  しかし、ある政策目的を達成するために、結果的にその目的は達成できたけれども国民の中で資産や所得の配分に恵まれない人には大変な不公平感を与えるということはやはりやれないんですね。その公平感がどの辺りにあるかというのは、ここにいらっしゃる先生方を含めて、各々の歩んできた人生、政治理念によって一人一人違います。最終的にそれを決めるのは主権者である国民ですから、少しこういう、各党も、もう総選挙も近いようですから、マニフェストにやっぱりその辺のことを明確に書いて国民のやはり選択を伺うということが私は正しいんじゃないかと思います。
  23. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 ありがとうございました。  不良債権買取り機構アメリカの話にちょっと戻るんですけれども、不良債権買取り機構を設置する、検討するということで株が上がって、今平穏感が、一服感というのが出ているんですけれども、ただ、これ、このスキームが公表された後、また一波乱起こる可能性も十分あるわけですね、もちろん不安ばかりあおっちゃいけませんけれども。どれぐらいの金額で何をどこまで買うのか、これからの議論ですよね。これが全く薄っぺらなものに終わったら、失望売りがまた出てくる可能性があるわけです。  ですから、不良債権買取り機構がどういうものになるのか、これ注視していきたいんですが、これは私も先ほど申し上げましたとおり、地銀地域経済にまで大きな影響を与えますし、世界経済商品相場まで大きな影響を与えて、そうなると、新興国の経済、中東の情勢まで大きな影響を与える可能性のある金融市場混乱ですから、日本がリーダーシップを取ってできることはすべてやるということが必要だと思います。  もちろん、中央銀行も頑張っていらっしゃいまして、日本銀行資金供給をされているんですが、あくまであれは決済資金ですよね。決済資金もないよりはあった方がはるかにましだと思います。しかし、一番彼らが求めているのはキャピタルですよね。資本増強です。これ是非、僕は日本がリーダーシップを取ってやるべきだと思うんですけれども、この話をちょっとさせていただこうと思います。  僕は、日本日本のお金でリーダーシップを取って、アメリカの問題債権、問題債権というとあれですけれども、アメリカの債権買取り機構みたいなものをつくって今だからこそ投資をしていく、これは非常に国益に沿うと思うんですね。なぜかというと、アメリカが困っている、世界が困っている。その中で比較的な無事なポジションにあるのは、言わば日本とドイツだけ。日本の方がはるかにお金がありますし、日本の方が粗悪証券化関連商品のダメージは限定的です。力があるわけですね。そして、アメリカに非常に感謝される可能性のある施策だと思うんです。インド洋での給油活動も感謝されていますけれども、それ以上に感謝される可能性が僕はあると思うんですね。  そして、今マーケットにはその目利きができる人が結構あふれています。政府がそういう金融のプロを結構再活用しやすいような状況になっていますんで、ランダムに何でも買うというんじゃなくて、この債権、将来化けるような債権を選んで適正な価格で買うということが十分できると思うんですね。  そして、日銀のこういう資金供給と一緒にやれば、僕は日本の国益に十分沿いますし、これは日本しかできないことだと思うんです。成果は別としまして、韓国もこういう行動を起こしています。中国だってこういう行動を起こしています。いろいろ結果は出て、国内でもいろんな賛否両論ありますけれども、日本みたいな一番できるところが日本のお金で、例えば外貨準備の一部、年金の一部、郵貯、簡保の一部、こういうものを使って、しっかりと目利きを雇っていい債権を適正な価格で買っていってアメリカに貢献するとともに、世界経済破綻を防ぐとともに、将来ひょっとしたら長期的に大きなリターンを得られるかもしれない。  これは、大きな国益に沿う貴重な戦略だと思うんですけれども、日本版債権買取り機構日本のお金でつくってアメリカ投資をしていく、このタイミングでやっていく、これは非常に大きな国益に沿うと思うんですけれども、まず財務大臣、いかがですか。
  24. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) ちょっと御質問の趣旨を取り違えているといけませんが、アメリカが今報道によれば考えていると言われている債権の処理機構、買取り機構とはあえて言いませんが、RTCのようなものなのか、あるいは住宅債権そのものをある程度ディスカウントした形で政府が引き取るというような仕組みのものなのか、いろいろなことを言われていますが、そのこととは全く別に、日本が何か機構をつくってアメリカの債権というか問題債権を買ったらどうだという御質問と考えてお答えしていいんですか。  これは、委員の皆さんの間にもいろいろ御意見があると思います。目利きが間違いなければこういう事態は起こらないんですよ。今まで起こらないんです。目利きが間違う、目利きが考えているとおり経済が動かない場合に、アメリカ金融危機を救おうとして、日本で、例えば日本の外貨準備の中からアメリカの目利きにかなったものを持つということをして、そして損失が出た場合に、日本の有権者のこれは税でこの穴を埋めなければいけませんね。だから、その辺りのことは、やはり政府政府との間で、あるいは中央銀行中央銀行の間の国際協力というのはあっても私はいいと思いますが、私企業の株式を、しかも主権の違う国の私企業の株式を他の主権国家の国民負担で買い支えるというのは、私はちょっと消極的な立場であります。
  25. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 今のは僕のシナリオAの話をさせていただいたんですけど、シナリオBは、まさに大臣が言われたような改善策ですね、連携してやればどうかと。例えば人材とお金だけ出していくと。大臣が言われたように、その目利きがしっかりしていればこういうことは起こらない、確かにそうなんですね。格付会社が格付けたトリプルAのものでさえもう本当に毀損していて、もうゼロになっているものもあるわけですね。  ただ、私が思うのは、今はパニックが起こっているなと思うんですね。例えば、もうレスキュー組の残り二社と言われたモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスでさえもう本当にひょっとしたらひょっとするんじゃないかというふうに言われるというのは、まあ過剰なパニックが起こっていて、本当だったら適正価格より低いんだけど怖くて民間では手が出せないという状況になっている可能性もあると思うんですよ。そういうときに、お金の出し手として中央銀行政府というのは非常に良くて、例えば日本金融機関なんかでもこれはある程度出番ではないかという意見もあるんですけど、やっぱり民間の金融機関だけでは一歩踏み込めないところがあって、そこに政府が一歩踏み込んでくれれば付いていきますよと。どうやらもう完全にアンダーシュートしていて、もう過小評価になっていて、これはもうパニックを起こしているんだから、資金の出し手としては行きたいんだけど、そこに中央銀行政府と一緒になって、アメリカ日本と一緒になって、行ければ行くんだと結構言うような日本金融機関もあると思うんですね。  ですので、こういうものは国益に沿うだけじゃなくて、今こういう人材やネットワークやノウハウ、金融というのはほとんどそれで勝負が決まると言われていますが、そういうものも、日本金融機関はちょっと劣勢ではないかと言われているようなところが、そういうものが安く買える大きなチャンスでもあるわけですね。  そこで、日本政府日本の国民のお金と一緒にアメリカ連携してもいいです、大臣が言われるように。主権国家の判断でやるというんじゃなくて、日本アメリカとヨーロッパが連携してもいいです。お金だけ出すんでもいいんです。人だけ出すんでもいいんです。両方セットで出すんでもいいんです。こういうスキームとこういうねらいだったら、まず財務大臣、いかがですか。その後、金融大臣に。
  26. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) これは、まあ国際的な各国協調の機関が、例えばG8、G7の中で話合いができて、あるいは既存のIMFだとかBISだとかというものが今先生がおっしゃったような役割を果たし得るということであれば、そこに国民の税が結果的に毀損されないような形の協定を結んで政府資金を投入するということは、これはまあ仮定の話としてあり得ないことでは私はないと思いますが、何かそのための、要するに国際的なRTCを使ってアメリカの今までの金融システムの、一番大きな影響力のある国際通貨ですからね、ドルは。これがもたもたしていれば日本経済に大きな影響を与えるという意味では、私たちは国際協調の道を歩まざるを得ないわけですよね。歩まざるを得ないんだけれども、そもそもアメリカのオリエンテッドな金融機関の失敗を、そういう形で私はこの新たな機関をつくってやっていくというのは、少しやはり国際的なモラルハザードを生むんじゃないんですか。むしろ私は、既存の国際機関の中で先生がおっしゃったような役割を果たしてくれるところがあるのならば、そこへの資金供給というのは一つの考え方としてあるのかも分からないと思います。
  27. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 貴重な答弁ありがとうございました。そういうスキームも日本がリーダーシップを取ってやっていけば、かなりアメリカに対しても世界に対しても恩が売れると思いますんで、是非リーダーシップを取ってやっていただきたいと思います。  金融大臣、いかがですか。
  28. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 今回の御提案にしても、それから田村先生御持論でありますソブリン・ウエルス・ファンドの話にしても、さらには中東でスイカを売ったりと、発想が豊かであるということは率直に認めさせていただきます。  そして、今回の御提案、グローバルな金融市場混乱をする中で国際協調の重要性と、こういうことを中心に高い御見識から出たものと、こんなふうに私は考えておりますが、他方で、各国における金融システムの安定につきましては、やはり一義的には各国の当局が責任を持って対応すると、このことが私は第一番なんだと思います。  そういった中において制度的な協調性を持っていくと、こういう意味から様々な会議があるわけでありまして、今、伊吹大臣の方からもG7、G8の話もあったわけでありますが、金融の観点から申し上げますと、御案内のとおり、日米欧の主要な監督当局が参加する金融安定化フォーラム、これが制度的な側面から様々な対応策、これを検討しているわけでありまして、日本としてもそういったところに人材を出すと、またそういったところに対して知的な貢献も行っていく、こういうことも必要だと思っておりますが、伊吹大臣の答弁とも重なるところがあるんですが、アメリカの一民間企業で起こったことに対してなかなか日本の税金を、やり方にもよると思うんですけれども、すぐに投入すると、これに対してはやはり慎重な対応が必要だと、こんなふうに私は考えております。
  29. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 おっしゃるとおりで、モラルハザード、これ、アメリカ政府が公的資金を安易に入れないというのは、そのモラルハザードによる連鎖を防ぐという意味で厳しい対応を取っている。日本対応とは、まあスピードは向こうが上ですけれども、やっぱり慎重に選んでいるというところでは両大臣がおっしゃるような効用があると思うんですね。  これはもう危機認識にも大きく左右されるところで、これがもう本当に大きな、見えないけれども後ろには大きな山火事になりつつあるというところだったら、モラルハザードよりもやっぱり緊急手当てが必要だという判断になりますんで、ここはまあどういう判断かという、どういう状況分析かということになると思いますんで、引き続き是非しっかりと注視していっていただいて、必要があれば是非伊吹大臣に力強いコメントをいただきましたから、日本がリーダーシップを取って、ひょっとしたら国会情勢によってはあのインド洋での給油を続けられなくなる可能性がありますんで、それに代わる恩を売るためにも是非アメリカに、リーダーシップを取って、こういう形で恩を売るということも大事だと思いますんで、是非検討のほどよろしくお願い申し上げます。  もう一つ、私はピンチはチャンスという話をさせていただきたいと思うんですね。  これ、是非金融大臣お願いしたいのは、今世界中のお金が行き場を失っているのと同時に、まあ金なんかに入っていますね。しかし、逃げ遅れて消えているお金も結構あって、普通だったら逃げてこっちに入るというところに入らなくなっていますね。例えば、ドルがもっと買われるんじゃないかとか、ドルが下がったら油が上がるんじゃないかと言われたら、もう全体的にお金が消えているんで代替投資に間に合わないという状況になっているんですが、投資は動かないんですけれども、資金需要はまだまだ世界で、各国、各企業ありまして、やっぱり資金をどこで調達するかということで、今日本に熱い視線が注がれています。これ、残念ながら消去法なんですけれども、日本がいいというよりも、もう日本しか資金調達するところがなくなってきているというのが今の現状でして、もうこれも釈迦に説法ですけれども。アメリカ資金調達今なかなかできませんよね、ヨーロッパでもなかなかできない。これからヨーロッパが金融不安で、ドイツ系、フランス系が危ないみたいな、スイス系が危ないみたいな話もありますから、なかなかヨーロッパでもできない。  ということで、次に大きなマーケットで安全なのは日本だということで、日本のマーケットで資金調達をしようという需要が増えています。サムライ債市場です。これ是非、今サムライ債市場世界にアピールする大きなチャンスだと思うんですよ、マーケティングする大きなチャンスだと思うんですよ。大臣、もう遠慮なく、サムライ債どんどん使えと、どんどん発行しろと。日本の債券市場も厚みが増すし、幅もできるし、金利の調整機能も効いてくると思うんですよ。  是非大臣、もう世界にPR部隊を送って、サムライ債で調達しませんか。今ピンチがチャンスですんで、日本金融市場をグローバル化する意味でも頑張っていただきたいと思うんですが、大臣、どうですか。
  30. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) ピンチをチャンスに変えていくと、こういう発想、非常に重要だと思っておりまして、かのウィンストン・チャーチル首相は、ペシミスト・シーズ・ディフィカルティー・イン・エブリー・オポチュニティーと。オプティミスト・シーズ・オポチュニティー・イン・エブリー・ディフィカルティーと。  つまり、悲観主義者というのは、好機があっても常に難しい側面を見てしまうからなかなか物事が動かない、それに対して楽観主義者というのは、その難しい局面にあってもそこの中にどういう好機があるか、こういうことを見出すと、こういう言葉だと思っておりますが、御指摘のように我が国金融資本市場、すごい魅力を持っております。それが一千五百兆円にも上ります個人の金融資産の存在でありますし、また世界第二位の規模の実体経済を今でも持っていると。そして、高い技術力であったりとか情報力を持っている企業がたくさん存在をすると。そして、世界の中でも一番今伸びているアジア、このイントラ・アジアにおいてやっぱり中心である、こういうことでありまして、世界にアピールできる多くの側面を持っているなと、こんなふうに考えておりまして、そういったプラス面を世界に強く発信していく、こういうことは重要だと思っております。  個々の商品は別にいたしまして、そういった観点から日本市場であったりとかそういったものの魅力のアピールをしていく、こういうことはこれからも努めていきたいと思います。
  31. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 本当に是非お願いします。  金融庁に入られている政治家の先生、大臣、副大臣、政務官、いろいろ選挙があるとかないとかうわさされていますけど、三人とも選挙に強くて本当にアイコンになれるような方々ですから、これからの時期も世界に飛んで是非アピールをお願いしたいと思います。  ちょっと今度話題を変えまして、年金の運用の話に行きたいんですけど、ちょっと厚労省の方に来ていただいていますが、年金ですね、公的年金、GPIFの方ですけど、昨年度の運用がマイナス六・四一%ということで、七割近くを国内債券に投資しているポートフォリオなんですけど、それでマイナス六・四一%損をするというのはなかなか簡単なことではないと思うんですね。  株だけでマイナス三〇%ぐらい行っていると思うんですけど、これは皆さんの運用能力の問題もあるかもしれませんし、ないかもしれませんけど、一つは、やはり分散投資をさせないような縛りを今まで政治の方がつくってきちゃったんじゃないかと。リスクを減らすためには、こういう時期ですからこそ、分散投資をもっと認めて幅広い金融商品投資を可能にすべきだと思うんですけど、まあなかなか言いにくいかもしれませんけど、いかがですか。
  32. 政府参考人(二川一男君)(二川一男)

    政府参考人(二川一男君) 年金積立金の運用のことをお尋ねでございます。  年金積立金の運用につきましては、厚生年金保険法等の年金保険法におきまして、専ら被保険者の利益のために行うこと、それから、長期的な観点から安全かつ効率的に行うといったことが明記されているところでございます。こういった法の規定に基づきまして具体的な運用方針におきましては、社会保障審議会あるいは与党において示された考え方におきまして、より安全な国内債券を中心とした運用を行うこと、また、極力リスクを抑制しつつ長期的に市場平均の収益率を確保するようインデックス運用を原則とした運用と、こういうふうにされたところでございます。  こういったことを踏まえまして、具体的な運用につきましては、管理運用法人が中期計画を定めまして厚生労働大臣の認可を経て行っているところでございます。実際の運用におきましては、運用の専門家でありますところの民間の投資顧問会社等によって行っているところでございます。
  33. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 もう一つ、この金融情勢が大きなインパクトをやっぱり国に与えるという意味で、是非、外務省からも来ていただいていますけど、国際情勢に与えるインパクトというものをしっかり、もう検討されていると思いますが、更に検討を重ねていただきたいと思うんですね。  金融がこれだけ世界情勢を動かすようになっていますから、これがどういうふうな影響を与えるのか、多分大統領選挙にも大きなインパクトを与えるのではないか。その大統領選挙の行方にも今回のリーマン、AIG、この金融不安が、次に何があるか分かりませんけど、大きな影響を与えてくると思います。また、商品相場は下がっていますけど、原油を中心にですね、石油の価格が下がってくると、例えば石油に頼ってポピュリスト政権やってきたような南米とかアフリカとか、また石油に頼って、石油価格が高いことに頼ってきた中東、イラン、ロシア、こういう国の政治不安につながってくる可能性もあるんですね。  それがはたまた日本の外交政策に大きな影響を及ぼす可能性も高いので、この辺をしっかり分析していただきたいんですけど、これからの状況にもよりますが、この金融混乱日本の外交、世界の情勢、どういうふうに影響を与えているか、どのような分析を今されているところですか。
  34. 政府参考人(高岡正人君)(高岡正人)

    政府参考人(高岡正人君) お答えいたします。  まず、アメリカ大統領選挙との関係でございまして、最近のマケイン、オバマ両候補は、それぞれ今回の事態への対応などに焦点を当てた主張を展開するようになっております。  アメリカのメディアを見ましても、アメリカ大統領選挙において経済問題に改めて焦点を当てる、そうした考え方が示されているところでございます。例えば、オバマ陣営におきましては、マケイン候補の施策はブッシュ政権と同じであって規制強化に反対しているとして、金融危機に手をこまねいている、そしてそれを見ているだけであると、そうした批判を行っているところでございます。これに対してマケイン陣営の方からはオバマ候補について、悲観的で敗北主義者であるとして、オバマ政権の成立というのは経済が困難なときにおいて増税をし、規制を強化するといった意味批判を行っているものと承知しているところでございます。  いずれにいたしましても、今月及び来月におきまして、正副大統領候補の討論会が順次開催されることになっております。外務省といたしましては、こうした討論会などにおきまして、両候補、両陣営が今回の事態を受けました経済政策をめぐってどのような議論を行っていくか、そしてそれがアメリカ国民にどのように受け止められているか注目しているところでございまして、そしてまたそれが今後の選挙戦への影響としてどのように浮かび上がってくるか一層注目している、注視していく考えでございます。  また、今回の事態を受けまして、中東、ロシア、南米を含む世界各国では、株式市況等に相当の揺れが見られるところでございます。今後、そうしたことが各国の実体経済や政策といったものにいかなる影響を与えるかについては、石油を始めとする資源の価格動向、それからグローバルな資金の流れ、さらにはそれぞれの国々における政情、情勢、そうしたいろんな様々な要因があって、今の段階で直ちに結論付けることは困難ですけれども、外務省といたしましても、こうした諸外国の経済動向、政治情勢などにつきまして注視していきまして、関係省庁とも相談しながら適切に対処していきたいと、こう考えているところでございます。
  35. 田村耕太郎君(田村耕太郎)

    田村耕太郎君 是非とも引き続きよろしくお願いします。  本当に、両大臣が最初に言われましたとおり、まだまだ予断を許さない状況が続くと思いますんで引き続き、まあいろんな日本の国政も大変なときかもしれませんが、引き続き是非、国民経済の観点から引き続き注視、そしてまた必要な施策をしっかり取っていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  36. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 民主党、大久保勉です。  先ほど、田村委員より非常にすばらしい質問を聞くことができました。やはり今、金融は非常に厳しい状況にある、危機認識は非常に私と認識が一致する、また伊吹大臣もほぼ一致するのかなと思いまして、安心しました。  前連銀の議長のグリーンスパン氏は、百年に一回の経済危機と言っています。実際に九月に入りまして、米国ファニーメイフレディマック、公的機関が破綻寸前、株式がほとんどゼロの価値になりましたし、先週の日曜日は実は流血の日曜日と言われています。メリルリンチ、これは証券会社第三位、こちらが身売りされ、買収されました。そして、リーマン・ブラザーズが、これは米国の第四位の証券会社が破綻しました。実は、リーマン・ブラザーズの債務金額は六十兆円です。ですから、山一証券のおよそ二十倍です。こういった証券会社が破綻するということです。  私は本当に厳しい状況にあるということで認識しておりますが、今日は一つ残念なことがあります。実は、与謝野経済財政担当大臣は米証券大手リーマン・ブラザーズ経営破綻に関して、日本にはもちろん影響はあるが、ハチが刺した程度、ハチが刺した程度ということです。これで日本金融機関が痛むことは絶対にない、冷着沈静な行動が求められる。全く私の認識と違うんですね。  金融のことですから、ここに来て是非議論したいと思いましたが、まだいらしていないんです。昨日からずっと要求しているんです。どうも総裁選にかまけて国会に来れないということです。私は非常におかしいと思いますね。また、こんな危機のところに、九月一日に福田首相が辞任を表明しています。いわゆる政府は脳死状態じゃないですか。こういった状況が与党の政治、私は疑問です。  是非、与謝野大臣を呼びましょう。それまで私は質問したくありません。
  37. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) ちょっと速記止めてください。    〔速記中止〕
  38. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 速記を起こしてください。  ただいまの大久保さんの質問の件ですが、ただいまから両筆頭間で大久保さんの質問時間内に与謝野大臣が来れるかどうかの協議を進めていただいて、その間は、それ以外の大臣来ておられますので、日銀総裁も来ていただいておりますので、質問を継続していただくということで、今、円理事の方から提案がございましたので、それでは質問をこれから再開をし、その間、極力合意が得られるように努力をしていただきたいと思います。
  39. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 質問を始めたいと思いますが、もう一度言いますが、ハチが刺した程度、これで日本金融機関が痛むことは絶対にない、絶対にない、私には全く分かりませんで、この認識が共有できるかどうか、若しくは共有できないか、この辺り是非日銀総裁の白川総裁の方にお尋ねしたいと思います。  昨年より発生した米国サブプライム問題は、米国並びに欧州の金融機関にとっても非常に大きい問題になっています。失われた十年と言われる日本金融危機に比べ、今回の金融危機の進行速度、深刻度、国際的な影響度はどのように見ているか、お尋ねしたいと思います。
  40. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) お答えいたします。  足下の米国金融システム問題というのは現在まだ進行中でございます。したがいまして、現時点我が国が経験しました金融危機と比較するというのはなかなか難しい面がございますけれども、ただ両方に共通して感じますことは、実体経済とそれから金融システムの間の負の、マイナスの相乗作用が働いていることについて、その影響をリアルタイムで正確に認識するということは非常に難しいという感じがいたします。  日本の場合、バブルの崩壊以降、時間の経過とともに不良債権の金額が増加していき、銀行セクターの自己資本が不足し、それが更に実体経済に悪影響を与えるという事態を経験いたしました。  現在、アメリカで起きていることは、やはりそういう金融実体経済の負の相乗作用ということであるというふうに思います。これが、現在まだいつこれが収束するかというのが見えてない段階でありまして、そういう意味で私どもはこの帰趨について注意深く見ておるということであります。  一方で、当時と、日本の経験と、それから現在のアメリカで違う面も若干あるかなという感じもします。一つは、十年前の例えば日本と比べまして今の方がはるかに金融市場のグローバル化が進んでいるということで、その結果、アメリカで起きた問題が世界の隅々まで影響する、そのスピードも速くなっているというのが前回との違いであります。  他方、いい方の違いもございまして、この間、決済システムを始めとしていろんな、金融機関破綻に備えるためのいろんな制度的な枠組みも整備されてきていまして、これはまあプラスの面の変化としてあるというふうに思っております。
  41. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 よく分かりました。  こちらが今日の日経新聞、全国紙の各紙一面は、「日米欧、ドルを緊急供給」、こういった状況です。決してハチが刺した程度の状況じゃないと認識しています。是非この認識金融担当大臣認識されているかどうか、確認したいと思います。
  42. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 我が国金融機関の関連会社を含めたリーマン・ブラザーズに対する与信額等につきましては、既に多くの金融機関が公表しているところでありまして、具体的な数字で申し上げますと、主要行同社関連の与信額等は三千二百億円、担保等によります保全がなされてない部分の与信額等は一千四百億円、こういうふうになると承知をしております。一方で、主要行のティア1でありますが、今大体二十六兆ぐらいになっていると思います。  そういった各金融機関自己資本の厚み等に照らしてみたときに、我が国金融機関経営に重大な影響を与えるような問題は現時点では把握をされていないと、このように考えております。
  43. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 今確認したことですが、与謝野大臣はテレビの番組の収録中という話がありますが、本当なんでしょうか。もしそうだったら、国会を非常に軽視していると思います。是非確認してもらいたいと思います。これは、与謝野大臣内閣お願いします。チェックお願いします。
  44. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 内閣府、どなたか来ておられますか。  ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  45. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) それじゃ速記を起こしてください。  ただいまの大久保さんの質問に関して、今のところちょっと責任ある答弁の方がおられませんので、内閣府の責任ある方に来ていただいて、どんな状況でおられるのかということについて質問があったので、その質問、来られるまで大久保議員はその他の質問、入っていただくということで継続をしたいと思います。その担当者が来られれば、その段階でどういう状況で待機されているのかと。  で、与謝野大臣を呼ぶ、呼ばないの結論はまだお二人の間でちょっと付いておりませんので、それは、それが付き次第また対応するということで、質問を継続していただきたいと思います。
  46. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 それでしたら、順番を変えまして、二番の米国サブプライム問題の現状認識に関してまず説明を求めたいと思います。  まず、白川総裁に対しまして質問します。  この一週間の金融の動きを見ていましたら恐らくは国際的な緊急利下げというのも考慮に入るべきじゃないかと思いますが、こういったことを考えられているのか若しくはこの可能性があるのか、是非伺いたいと思います。
  47. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) お答えいたします。  この一週間の国際金融資本市場状況を見ますと、最近の米国金融機関をめぐる情勢を背景に不安定性を増しております。特に、短期の金融市場では資金調達圧力が非常に高まっているということであります。こうした状態を放置しますと、これは金融市場がより不安定化し、経済活動に大きな影響を与えます。  このような状況の下で中央銀行は、金融市場における流動性状況改善するために、昨日ドル供給スキームの導入を行い、あるいはその拡充を行いました。私は、中央銀行の最も本質的な機能は金融システム金融市場の安定を維持するということだと思います。こうした現下の情勢に照らして、昨日は最も中央銀行が果たし得る機能としてふさわしいことを行ったというふうに思っております。  金融政策、金利の変更という意味での金融政策でございますけれども、私ども金融政策の効果波及のタイムラグということを考えながら、先行き一年半から二年程度の経済の姿を予測しながら政策運営を行っております。この点、日本銀行もそうですし、他の中央銀行もそうですけれども、景気は減速若しくは停滞、一方で物価は上昇するという難しい状況に直面しております。私どもとしては、両方のリスクを注意深く見ながら現在の政策スタンスを維持することが適当であるというふうに直近の決定会合では判断いたしました。ただ、リスク要因が多々あることは十分認識しておりますので、毎回の決定会合でそこは十分に点検をしていきたいというふうに思っております。
  48. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 よく分かりました。緊急利下げもある可能性があるということで承知しましたが、まあ緊急利下げの可能性もあるんですね、将来は。
  49. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) 中央銀行金融政策運営は、常に予断を持つことなく経済金融情勢を点検をしていくということであります。  そういう意味で、我々はあらかじめ結論を持って政策決定に臨むということはないということでありまして、今緊急利下げ云々という話ございましたけれども、私どもは常に金融政策についてはすべてのオプションを考える、これは、今の日本銀行に限らず、どの中央銀行にあっても、どの時期にあっても、それは普遍的に当てはまる原則だというふうに思っております。
  50. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 続きまして、伊吹財務大臣質問したいと思います。  与謝野さんとは違いまして、伊吹大臣、きっちり認識を共有されていると思いますので、あえてこの質問をしたいと思います。いわゆる福田首相が辞任表明されまして政府自身は非常に動きが鈍い、脳死状態という批判もあります。そこで、伊吹大臣に対しまして質問したいのは、こういう状況で解散・総選挙とか若しくは総裁選とかやっている時間なんですか。もうちょっときっちり金融政策、財政政策を、そして国会を召集すべきじゃないか、このことに対して質問したいと思います。
  51. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 福田総理の辞意表明というのは、私にとっても非常に突然のことで驚きました。  しかし、次の首班が指名されるまでは厳然として現内閣が三権分立である行政権を掌握しておりますので、福田総理が辞任表明をされた後の閣議において、我々は恥ずかしいことのないようにしっかりと行政権を掌握しながら対応していくと。  したがって、今回当委員会で問題になっているアメリカ発の金融不安等についても、例えばポールソンと私は常に連絡を取り合っておりますし、スタッフベースでやっておりますことについても状況把握しております。福田総理もこのことについては御自分で随分やはり心配をされて、電話の連絡、会議等を頻繁に行っておられますので、私は法制上の行政権が空白になっているとは理解しておりません。  ただ、政治的には、内閣の首班が辞意表明をしたということは、政治的には非常に内閣の立場からするとつらいことでありますので、ここは野党の先生方も国民の立場に立って必要なことを迅速にやっていけるようにひとつ御協力を願いたいと考えております。
  52. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 私は全くそのとおりだと思います。今、生活の危機ですから、是非ここで国会審議をすべきなんです。  ところが、同僚の与謝野大臣は、もしテレビ収録をしているんでしたら、私は、国家公務員として本当に適切かという疑問を禁じ得ません。私は、昨日から与謝野さんに、ハチが刺した程度の認識だったらおかしいんじゃないかと、是非国民に間違いがないように話をしてくださいという機会を提供しているんです。与謝野さん自身は、日本金融機関が痛むことがないということで財政金融委員会の範疇のことをおっしゃっていますから、是非ここで釈明してくださいと言っていますが、テレビ収録をしているんだったら私はおかしいと思うんですね。  このことに対して、伊吹大臣、どう思われます、同僚としまして。
  53. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 閣僚は、基本的には委員会の決定に従って、委員長の御指示どおりの行動を取らねばならないということは、国権の最高機関が国会である限りは──よろしゅうございますか、先生、答弁しておりますが、よろしゅうございますか。国権の最高機関が国会である限りは私は当然のことだと思います。そのお話が与野党間の理事の間でどのようなことになっていたのかについては、私は委員会のことですからつまびらかにいたしません。まあ、委員長のお裁きで与野党間でお話が付くんであれば、出てきて自分の考えていることを申し上げれば私はよろしいんじゃないかと思います。
  54. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) ちょっと大久保先生、済みません。  内閣府副大臣、分かったことがあったら。では、谷本内閣府副大臣
  55. 副大臣(谷本龍哉君)(谷本龍哉)

    ○副大臣谷本龍哉君) 金融担当ではありますが、同時に内閣府副大臣でもありますので、現時点のことを報告をさせていただきます。  与謝野大臣の方からは、委員会からの正式な要請が現時点ではまだないと、あればいつでも出席をいたしますと、現在は政務中であるということでございます。
  56. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 委員会で正式に要求はしておりませんが、私はきっちり質問通告として是非出してくださいと、更に今日の理事懇でも、所在はどこですか、是非私の質問の時間内に来てくださいというのを何度も何度も要請しております。政治家として、こういう緊急事態認識されていないんじゃないですか。  で、今何をされているかもう一度確認したい。具体的なことを聞きたいです、今何をされているか。
  57. 副大臣(谷本龍哉君)(谷本龍哉)

    ○副大臣谷本龍哉君) 公務であれば内閣府として答えることだとは思いますが、今政務中ということで、詳細はまだ分かっておりません。
  58. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 政務中というのは、総裁選の選挙活動も含みますか。
  59. 副大臣(谷本龍哉君)(谷本龍哉)

    ○副大臣谷本龍哉君) 政務の中身の詳細は把握しておりません。
  60. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 是非把握してください。私の質問時間中に、具体的に何をされているのか、是非教えてください。  次の質問に入りたいと思います。  さきのマレーシアのダボス会議で前の金融担当大臣、渡辺大臣の方が、実は世界的な金融システム危機に対しましては公的資金投入が望ましいという発言をされました。実は私もダボス会議に出ていまして私の耳で聞いておりましたが、そこで一点、突っ込んだ意見を表明されました。  つまり、海外の金融危機に対しましては日本も公的資金を入れる可能性があると、他国の金融機関でも公的資金を入れると、こういった突っ込んだ発言があったと思いますが、この点に関して、これは渡辺前金融担当個人の意見なのか、それとも金融庁意見なのか、さらには茂木金融担当大臣もこの認識と同じか、このことに関して質問したいと思います。
  61. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 渡辺前金融担当大臣が今年六月の世界経済フォーラム、東アジアの会議でありますが、これに出席をされまして、正確な言葉で申し上げると、日本金融機関サブプライム商品証券化商品に対して慎重に対応してきた、その結果大きなダメージを受けずに済んだ、日本が最後の貸し手の役割を担うこともあるかもしれないといった御発言をされたことは承知をしております。    〔委員長退席、理事円より子君着席〕  この部分では、日本政府という言葉をお使いにならずに日本がということで言っておりますし、その前段の部分では、日本金融機関はと、こういう主語で始まっておりまして、その部分の最後の貸し手というのがだれを意味するかはちょっと私では分かりかねるところでありますが、何にいたしましても、各国におきます金融システムの安定につきましては一義的には各国当局の責務でありまして、公的資金の投入も含めて各国当局が適切な判断を行うべき性格のものであるが、巨大な複合金融機関については、グローバル、ボーダレスな活動を行っておりますことから各国当局で連携を強化していくと、こういうことは重要なことだと思っております。  こういった観点から、昨年来の国際的な金融市場混乱に対しましては、日米欧の主要な監督当局等が、金融安定化フォーラムが中期的な市場強化策や将来的な再発防止策等に関する報告を公表しております、これは四月のことでありますけれども。こういった国際的な連携の下で対応が図られていくと、こういうことが重要だと思っております。  そんな中で、若干議論を進めて申し上げると、今の預金保険法について申し上げますと、我が国の信用秩序の維持に極めて重要な支障が生ずるおそれがあると認められるときには、金融危機対応会議の議を経て我が国金融機関に公的資金を投入できることが規定をされておるわけであります。  ここで、仮に海外で発生したシステミックリスクを原因として我が国の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じるおそれがあると、こういうことが認められる場合にはこの規定が適用される余地もあると考えられておりまして、その対象としましては本邦金融機関に限られるものと、こんなふうに認識をいたしております。  一方、国際的な場におきまして各国当局が協調して公的資金を投入すると、こういった議論については進んでいないと、こんな認識を持っておりまして、金融庁といたしましては、FSFを始めとする様々な国際会議等における議論や検討に積極的に貢献することによりまして国際的な金融システムの安定に努めていくことが何より重要だと、こんなふうに考えております。
  62. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 次の質問に参りますが、金融担当大臣質問したいと思います。    〔理事円より子君退席、委員長着席〕  国内では、建築基準法の改正、金商法の改正等のいわゆる官製不況が発生しているんじゃないかという指摘が出ています。これに加えて、サブプライムショック、リーマンショックということで非常に日本金融情勢は厳しい状況になる、貸し渋りになる、中小企業は本当に厳しい、こういった指摘がございます。これに対する有効な対策、さらには現状認識、こういったことに対して質問したいと思います。
  63. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 委員の方から御指摘いただきましたいわゆる官製不況、この問題につきましては、経済のマクロ的な動向と制度改正の関係を一概に一対一でマッチングさせて議論するというのはなかなか困難な面もある、こういうふうに認識をいたしておりますが、その一方で、制度の創設であったりとか改正に当たっては、これが実体経済にどういう影響を及ぼすのかと、このことをしっかりフォローしていくことが重要でありますし、新たな制度が円滑に運用されるよう努めていくことが大切だと、こんなふうに今考えているところであります。  サブプライムローンの問題の現状影響ということでありますが、金融機関財務が悪化し、その結果、貸出し資産の圧縮を行うと、現在日本においてはそういった状況に陥っているとは考えておりません。しかし、その一方で、サブプライムローン問題を契機として、米国経済の減速に加えまして、原油、原材料価格の高騰といった外部的な要因を通じまして我が国実体経済影響を与え、金融機関の与信関連費用が増加する、こういった問題が国内の金融セクターにも波及しつつあると、これはそういう認識を私も持っております。このような現下経済状態の下で中小企業の業況は極めて厳しいものがございまして、適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮、こういうものが求められているわけであります。  金融庁といたしましては、九月の二日の日でありますが、基本的な考え方を発表させていただきました。三点ございまして、その一つは、きめ細かな実態把握中小企業金融円滑化に向けた監視の強化。そして二つ目に、金融機関等への金融円滑化の働きかけ。今までですと、適切なリスク管理リスクテークと、こういう言葉を使っておりましたが、リスクテークを先に持ってきて適切なリスク管理と、こういう表現を使わせていただいております。それから三番目に、実態を踏まえた適切な検査・監督行政の推進。これを三本柱とする中小企業金融円滑化に向けた今後の対応を取りまとめ、その着実な実施を図っているところでありまして、いずれにいたしましても、中小企業金融、大変今厳しい状況にある中で、その一層の円滑化に向けて更なる取組を進めてまいりたい、こんなふうに考えております。
  64. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 一点質問したいんですが、サブプライムローンで、六月の水準ですが、金融機関損失は約九千億円です。九千億円、日本金融機関から資本が減っています。仮にBIS規制の自己資本比率を一〇%にした場合に何兆円の資産圧縮が必要なのか。政府参考人、分かる方教えてください。
  65. 政府参考人(三國谷勝範君)(三國谷勝範)

    政府参考人三國谷勝範君) バーゼルの自己資本比率の計算ということになろうかと思いますけれども、サブプライム関連の損失、そういったものが言わば分子の資本の方に、それらに影響を与えるということかと思います。ただ一方、それぞれの金融機関サブプライムの問題のみだけではなくて様々なその他の損益要因がございますので、あるいは資産の方、こういったものの変化もございますので、最終的にはそういった形を通じて計数の変化となって表れてくるという具合に承知をしております。
  66. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 何か分かったような、分からないような。  いわゆる金融庁自身は金融工学とか若しくはいわゆる金融論がほとんど理解されていないということですね。いわゆる限界的に九千億円の資本が減った場合に、資産サイドを何兆円落とす必要があるかという質問です。自己資本比率を一〇%維持する条件で。
  67. 政府参考人(三國谷勝範君)(三國谷勝範)

    政府参考人三國谷勝範君) 八%が一つの基準でございますので、そういたしますと、その資本の額の十二・五倍というのが基本かと思います。ただ、この場合にはティア1あるいはティア2の構成によりまして、その資本の方にはティア1以外の影響等もございますので、いろいろな要素がございますけれども、基本的にはそういった十二・五倍といったところが一つの形になろうかと思います。
  68. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 自己資本比率を八%で計算されましたら十二・五倍、ですから九千億掛ける十二・五倍ということで約十一兆二千五百億、この分は資産を圧縮しない限りは自己資本比率を一定にすることができないわけです。これは事実ですから、この分は貸し渋りが発生するんじゃないですか。
  69. 政府参考人(三國谷勝範君)(三國谷勝範)

    政府参考人三國谷勝範君) 現実にはそれぞれの金融機関は八%以上の自己資本比率を有しているところでございます。したがいまして、その八%以上の水準のところで自己資本比率が低下したといたしましても、そういったバッファーによりまして直ちにそれが資産の圧縮という形につながるものではないということでございます。
  70. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 十一兆円そのまま減ることはないけど、幾らかは減るはずですから、是非この部分認識してほしいです。特に大臣金融担当大臣としまして、これ、このことが貸し渋りの要因なんです。  新しい制度を一つ思い付きましたので提案したいと思いますが、もし中小企業対策をする場合だったら、いわゆる健全化のための自己資本注入ではなくて中小企業貸出しのための、いわゆる地銀若しくは各行に対する資本金の注入というのをやったらどうかと思うんですね。例えば一兆円金融システムに資本を投じましたら十二・五倍、十二兆五千億円の新たな融資枠ができます。もちろん資産分離が必要で、勘定分離を行いまして、金融庁は公的資金を受けた銀行に対して十二・五兆円まで中小企業融資をしてくださいと、こういった制度をもし導入しましたら、銀行自身はいわゆる貸出しのプロですからモラルハザードの可能性も少なく、きっちり中小企業資金を出すことができます。  是非、こういった制度も踏まえて、新しい時代には新しい制度の中で中小企業金融を考えてほしいんです。旧来型の保証とかだけではなかなかうまくいかないベースがありますので、是非、このことができるかできないのか、若しくは感想を聞きたいと思います。
  71. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 委員御指摘のように、地方銀行中小企業金融に果たしている役割は極めて大きい、そしてこれからも大きいと、このように考えておりまして、実は先月、私が大臣に就任してからでありますが、金融庁の幹部をすべての地方に派遣をいたしまして、地方の銀行だけではなくて直接、中小企業、零細企業からの意見を聴きまして、業況がどうであるか、資金繰りがどうであるかと、こういうヒアリングをさせていただきましたが、そこの中で本当に地方銀行はよく頑張っていると、こういう声も聴いたところでありまして、今後とも地域の中核であります地銀が果たす役割、こういうことは大きいと、こんなふうに考えておりますが。  その一方で、金融機関への公的資金による資本の増強と。これは委員もよく御案内のとおり、資本基盤の強化を通じまして金融機関財務健全性を確保して、ひいては金融システムの安定を図ると、このことを目的にしているわけでありまして、委員の御提言につきましてはまた新たな御提言でありますから受け止めさせていただいて、検討できればと思っております。
  72. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 続きまして、一九九〇年代の日本金融危機におきましては多くの日本銀行、生保、そして証券会社が破綻しました。で、一部は海外の金融機関の資本の直入とか若しくは買収によりまして復活したこともございました。  私は思うんですが、是非今回は、日本金融機関は比較的健全ですから、海外の破綻寸前の、若しくは必要な金融機関の買収をし、日本のメガバンク若しくは生保、損保、こういったところが国際的に飛躍する、こういった戦略が必要じゃないかと思います。  そこで、質問したいのは、こういったことを可能にするためにはやはり金融庁も変わらないといけませんし、日本銀行も変わらないといけません。そこで、金融庁、日銀がどのようなことができるのか、規制の改革若しくはいろんなサポート、この点に関して金融庁及び日銀に聞きたいと思います。
  73. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 九〇年代の日本金融危機、その場合におきましては、当時、外資を含め様々な投資家からの資本調達を通じまして財務基盤の強化、我が国金融機関に対して取組が行われたケースがあったと、こういうことはもちろん承知をいたしております。  また、今回におきましても、サブプライムローンの問題を契機とするグローバルな金融市場混乱の中で、我が国金融機関が出資を行うという形で海外の金融機関との資本提携を行った例もございます。  もちろんこれは、それぞれの金融機関が将来を見据えた経営戦略に基づいて自らの経営判断の下で行う、こういう問題だと考えておりますが、昨年十二月に公表いたしました市場強化プランの中でも、例えばイスラム金融の解禁であったりとか、外国銀行業務の代理また媒介制度の導入など、我が国金融機関の国際展開に資する内容というのは盛り込まれているところでありまして、金融もどんどんグローバル化していくわけでありますから、金融庁としても、それに合ったような環境整備、このことをしっかり進めてまいりたいと考えております。
  74. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) 先ほど来の御質問にお答えいたします。  本年に入りまして我が国金融機関が海外の金融機関に対して多額の出資を行う事例が相次いでおります。こうした動きは、昨年来のサブプライム住宅ローン問題を契機とした国際金融市場における競争環境の変化を受けて、我が国金融機関が海外におけるビジネスを拡大し、収益基盤の多様化を図ろうとする経営戦略の一環であるというふうに認識しております。  金融機関収益力向上の観点から海外を含めて有効な資本の活用、資源配分を行うことは基本的に望ましいというふうに言えますが、同時に、リスクの内容の変化に対応した適切なリスク管理体制を構築していくこともまた重要であるというふうに思います。いずれにせよ、こうした海外でのビジネスの展開それ自体は、民間金融機関のこれは自己責任に基づく判断でございます。  日本銀行として行い得ることは何かということになりますけれども、中央銀行として安定的な金融市場を維持していくということが非常に大事だと思っています。実は、最近海外の金融機関が全体にリスクに対して非常に慎重になっている中で、日本金融機関は海外で今、貸出しを全体に増やしております。増やすためには、これ資金調達が必要でありますけれども、相対的に円の金融市場が安定しているということも実はその一つの背景にございます。  日本銀行のなし得ることは、間接的ではございますけれども、安定的な金融市場を維持するということを通じて貢献をしていきたいというふうに思っております。
  75. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 続きまして、質問の三、外国為替政策及び金融政策に関して質問したいと思います。  まず、委員の皆さん、資料の十一ページを見てください。一番最後のページです。  こちらは日経新聞、昨日の夕刊です。「米、住宅公社を公的管理」ということで、「債券「保証」なく残る不安」、こういったことで、ポイントだけ読み上げます。  下線を引いておりますが、米政府ファニーメイフレディマックに公的資金を投入したが、政府が保証するわけではなく、両公社の債券への信頼は戻らない。  飛びまして、両公社債券の目論見書には政府保証は付かないと明記してあり、その位置付けに変化はなかった。ロシア、中国では両公社債券を売る動きが止まらない。  一行飛ばしまして、米財務省高官が邦銀など大口の保有者に電話で説明し、理解を求めている。両公社の債券を売らないよう圧力を掛けた格好だ。  飛ばしまして、一九八〇年代後半、米財務省は大蔵省(当時)を通じ生命保険会社など米国債購入を求めた。生保はそれに応じたが、米国のその後のドル安誘導で大幅な為替差損を被った。  米国が両公社債の保証にまで踏み込めないのは、保証すると言った瞬間に両公社債の約五百兆円が政府債務の扱いになるからだ。その場合は米国債の格付が最上格のトリプルAから格下げされるおそれがあり、かえって混乱は広がりかねないと、こういった記事がありました。  日経新聞の記事ですから、これは事実であるかどうか。私の認識に近いんです。政府参考人の方、この内容が間違いということでしたら、手を挙げておっしゃってください。
  76. 政府参考人(三國谷勝範君)(三國谷勝範)

    政府参考人三國谷勝範君) アメリカ政府でとっている措置ということでございますが、いずれにいたしましても、フレディマックファニーメイに対しましては、資金枠の供与を始めといたしまして、アメリカにおきまして相当程度の支援を行うと、こういうことでございまして、それを受けまして、株式市場等の動向も反映したものになっていると思っております。いずれにしても、政府としては様々な形での支援をすると、そういう形になっているものと承知しております。
  77. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 具体的に間違いがあったら言ってくださいということですが、指摘されていませんから、取りあえず間違いはないという前提で話をします。私の質問中にもし問題点があったら指摘してください。じゃ、これを前提に質問したいと思います。  まず一問目、ファニーメイフレディマックの債券の保有残高は幾らあるか。民間銀行、日銀、財務省、外為特別会計、それぞれに聞きたいと思います。また、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の保有残高も教えてください。
  78. 政府参考人(三國谷勝範君)(三國谷勝範)

    政府参考人三國谷勝範君) 民間部分につきまして、まずお答え申し上げたいと思います。  GSE関連の債券の保有状況につきましては、決算公表やマスメディアの取材等を受けまして各金融機関において開示が行われております。主要行及び農林中央金庫におけるファニーメイ及びフレディマックの発行する債券の保有残高は平成二十年六月末時点で約十兆円と承知しております。なお、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命におきましてはGSE関連の債券は保有していないと聞いております。
  79. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 外為特会と日銀の保有残高を財務省と日本銀行お願いします。
  80. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) 外為特会が保有する外貨でございますけれども、御指摘のこの記事にありますようなファニーメイあるいはフレディマック保有額につきまして、外為特会の運用対象として保有しておりますけれども、個別銘柄の保有状況についてはコメントすることを差し控えさせていただきたいと思います。
  81. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) ちょっと今、最後聞こえなかったのですが、もう一回正確に、クリアリーに。
  82. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) 失礼いたしました。  個別の銘柄の保有額を公表することは差し控えさせていただきたいかと思います。
  83. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) よろしいですか。
  84. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 日銀にお願いします。
  85. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) 日本銀行でございますけれども、日本銀行の外貨保有資産の運用の基本的な考え方については、これは公表をしております。そうした考え方の下で運用を行っておりますけれども、日本銀行が、御質問の債券については保有しているかという御質問ですと、これは保有しております。ただし、個別銘柄に関する保有額につきましては、金融為替市場において無用の憶測を招くおそれがありますことからコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
  86. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 まず、財務省に聞きたいんですが、公表できない法的根拠を教えてください。
  87. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) この外為特会は当然公的部門でございますので、これが個々の銘柄をどれだけどのように保有しているかということを明らかにすることによって、それぞれの市場において取引を行われることは適当でないと考えております。  日本銀行と同様に外為特会の保有する外貨についてはその運用方針で政府機関債を保有するということになっておりますので、それ以上の具体的な保有額についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
  88. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 運用方針は分かっていますが、法律的な根拠を聞いています。もう一度お願いします。
  89. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) これは政府の考え方として公表しないという、公表を、コメントを差し控えさせていただきたいというものでございます。
  90. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 非常に問題だと思います。つまり、政府の方針ということは国会の方針ではないということですね。もし外為特会の資産がデフォルトを起こした場合には、国民の税金です。それを一官僚が、恐らく局長なんでしょうね、局長クラスの判断でもって開示しないということは私は非常に疑問だと思います。ほかの国は、例えば中国とか若しくはロシアは売却しているという話がありますので、是非これは開示を求めたいと思います。  委員長お願いしたいと思いますが、外為特会及び日本銀行の所有するファニーメイフレディマックの残高を開示するようにお願いしたいと思います。
  91. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) ただいまの件につきまして、後刻理事会で協議をいたします。
  92. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 実は、為替に影響するというよりも、場合によっては自分たちの責任問題若しくは将来に影響するだけじゃないですか。  といいますのは、為替に混乱させないがためにはディスクローズすることです。事実を明らかにすることです。実際に事実を検証しましょう。  資料の四を見てください。こちらは金融庁から提出していただきましたFRBの資料です。二〇〇七年の六月三十日現在で各国別のファニーメイフレディマックの保有状況です。一番上のジャパンというところがありまして、一〇三、あと一二六、この合計が残高であります。単位は十億ドルですから合計で二千二百九十億ドル。為替百五円で計算しましたら二十四兆円です。これはいわゆる公的部門、民間部門も入っています。  次のページ、資料五を御覧ください。これは先日、金融庁よりいただいた資料であります。ほぼすべての民間の金融機関GSE保有残高です。一番下に書いてありますが、十六兆一千億。特記すべきことに関しましては、三菱UFJフィナンシャル・グループが三兆三千八百億、農林中央金庫が五兆三千億、こういった数字がございます。  合計十六兆一千億と日本の保有残高二十四兆を引き算しましたら残り八兆円。これが外為特会及び日銀であると想像されます。もちろん、これは時期が若干違いますが、これに近い数字だというのが検証されます。郵貯、簡保は持ちません。別途JBICに確認しましたところ、所有しておりません。ですから、八兆円持っているこの実額を明らかにしたくないというように見えます。  どうしてか。また、この債券がリスクがないのか。このことに関しましては資料の十を見てください。同じく日経新聞の九月十二日、一面です。「米財務省、異例の説明 債券保有の邦銀・生保に 継続保有協力要請の見方」。読み上げますと、複数の関係者によると、マコーミック米財務省次官が十一日、大手銀行と生命保険協会の幹部にそれぞれ直接電話を入れ、米政府が七日決めた二公社の再建策を説明した云々かんぬんと。  これでもしかしたら売らないでくださいと、安全ですというような説明なんですが、次のページ、資料十一で、厳密に分析しましたら保証はないと。保証したら五百兆円の米国債務が膨れ上がるからなかなかできないと、こういう状況であります。民間で中国、ロシアはこれを売ろうとしている。これも事実であります。  これから確認したいのは、こういった状況財務省は、資料の二、どういう状況で外為特会を運用しているかということで、運用対象等が書いています。下線を引いておりますが、読み上げますと、流動性、償還確実性が高い国債、政府機関債、ここです、ファニーメイフレディマックは。国際機関債及び資産担保証券等の債券や、一行飛ばしまして、信用力が高く流動性供給能力の高い内外金融機関への預金等で運用をすると。  ですから、運用するためには流動性が高い、信用力が高くないといけないんですが、果たして今のファニーメイフレディマックはどうであるか。こういった判断問題。さらには、いわゆるリストラをしておりますから、どのくらい持っているかというのは公表しまして、そのことが市場の不安を払拭することだと思います。  伊吹大臣に確認したいんですが、伊吹大臣は幾ら保有しているか御存じですか。ここで言ってもらう必要はありません。
  93. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 先ほどから、政府参考人の将来に影響するから言いたくないとかという御発言がありましたが、私は幾ら持っているかは存じております。そして、財務省の現在のしぶりのすべての責任は私にあります。個々の参考人が勝手なことをできるようなシステムにはなっておりません。  ですから、先生がおっしゃっている論点は私はよく理解いたしております。しかし、これは開示をするということから得られる公益と、そしてこのことを開示したことによって与える各市場への影響とのバランスの上でやはり大臣が考えていくべきことだと私は思います。  ですから、先ほどのお出しになったこの資料四の一〇三と一二六の中の一部であるということは間違いありませんし、先生が大体先ほど来推計をしておられて、まあこのぐらいだろうとおっしゃったことは、なかなかやはり外資系の金融機関におられたからしっかりとした計算をしておられるなと思って聞いておりました。
  94. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 分かりました。政治家らしい非常に責任ある発言だと思います。要するに、八兆円前後、日銀、外為特会が所有しておりますが、詳細は政治の判断として明らかにしたくないと。  私は市場に長くおりました。市場混乱させないためには、まずは残高を明らかにする、そしてこれを売るべきか売っちゃいけないのか明らかにする、国民に説明する。私は売るべきじゃないと思います。ですから、一つのやり方は、幾ら持っています、日本政府は持ち続けます、こういったことをアメリカに対して言い、アメリカに対して日本はコミットしますよと、こういったことを言うことが政治家じゃないですか。  是非、同じ発想だと思いますから、伊吹大臣、この点をきっちり言ってもらいましたら、私は非常に評価したいと思います。
  95. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) どちらが今後の日米関係に対していいのか。同時に、どちらが国民の今後のこの経済あるいは金融安定を通じて得る利益に貢献するのか。私は非常に難しいところだと思いますが、先生の御提言は一つの御提言として受け止めさせていただきます。
  96. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 いろいろ調べてみましたら、実はこの数兆円あるフレディマックファニーメイ、この債券をデット・エクイティー・スワップをしまして米国政府を助ける、場合によっては国際的な金融市場を助ける、こういったことも議論されていると聞きました。私は、発想としては非常に悪いことじゃないと思います。  といいますのは、現状としてこのシニアデットを売ることができない。塩漬けなんです。金利も低い。でしたら、これ以上値下がりしないように日本政府もコミットして、いわゆるシニアデットを優先債に換えまして高い利回りをもらうと、もし再建した場合に値上がり益を取得すると、こういったことも一つの考え方です。これは田村委員のソブリン・ウエルス・ファンドの考え方にもつながっていくと思います。  問題は、こういった実態を明らかにせずに秘密裏に、いわゆる国民に知らしめないことなんです。これは政治家しかできないと思うんですね、決断することは。その結果、アメリカに対してどういうことを主張するか。きっちりやった方がいいと思うんですね。  是非検討してもらいたいと思いますが、大臣の御見解を聞きたいと思います。
  97. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 単にこの二つの住宅関連の会社の発行している債券、これは先生が御承知のように、評価としてはトリプルAを取っておるわけですね。そして、税の免除がある、あるいはフェデラル・リザーブが資金を入れることができるという規定があって、今回のポールソンのスキームにおいてもプロテクトするという言葉が入っていますよね。ですから、かなり確実性の高いものだと我々は考えて、そして平成十七年ですか、公表したこの外国為替の運用について適用するものだという理解の下でやっておりますので、単にこの二つの会社の債券だけではなくて、外為全体の在り方、あるいはドル建ての種々の債券の在り方等も含めて、私は私なりにいろいろ考えていることはあるわけですが、今は亡き橋本大臣米国である発言をされた途端大問題が起こったというふうなことがございますので、ここはひとつこの程度の答弁にさせていただきたいと思います。
  98. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 発言しないことよりも発言することの方が市場を安定させることができます。今は世界的な金融危機ですから、あなたがどういう発言をするか世界が注目していると思いますから、是非熟慮の上決断をしてください。  また、外為特会自身の在り方を検証したいと思います。  百兆円の規模なんです。実はほとんど大臣も御存じないんじゃないかと思います、詳細は。一握りの人たちがここをコントロールして開示がほとんどなされていないという状況です。資料の三を見てください。わずかこれだけの資料しか分からないんです。百兆円の資産があってどういうふうな運用をされているのか。  例えば、一というところを付けていますが、八六二二八七、これは証券投資の金額です。八千六百二十二億ドルです。約八十、まあ九十兆円近くありますね。この詳細が全く分からないんです。この中に恐らくは先ほどのファニーメイフレディマックもございますし、トレジャリーもございます。少なくとも何があるかというのは開示すべきなんです。  続きまして、二の八一四〇三、これは日本円で約八兆五千億。八兆五千億といいますのは非常に大きいですね。昨日日銀がスワップ契約で六兆円相当のドルを借りています。この金額と同じ金額、六兆円に対して八兆円ですから、それよりも大きいです。その金額がどういうふうな運用をされているのか。外国金融機関への預金しか書いていないんです。どこの金融機関に預けているかも一切分かりません。運用基準としましては、先ほどの流動性の高いところ、これだけです。  日銀は昨日どういうオペレーションをしたかといいましたら、連銀から六兆円のお金を借りてきまして、国債とか有価証券を担保にドル資金金融機関、特に外資系の金融機関に提供しています。担保付きです。ところが、こちらの預金というのは担保がないです。ですから、非常に危険な状況です。こういった与信管理能力が果たして財務省にあるのか、これも疑問です。こういった観点から質問していきたいと思います。  まず、この八兆五千億、どのような基準で運用しているのか、信用基準及び入札の条件、場合によってはこういった金融機関に天下っている可能性もあり得ますから、いわゆる随意契約ではなくて本当に競争入札になっているのか、こういった観点で聞きたいと思います。
  99. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) 内外の金融機関への預金につきましては、格付を始めとしたいろいろな指標から信用力をチェックしました上で、外為特会の保有目的に照らして即時に預金の引き出しに応じられる能力、あるいは事務管理体制などを勘案して預金対象となり得る先を選定しております。その上で、実際に預金するに際しましては、可能な限り収益性を追求するという基本的な考え方にのっとって、こうした要件を満たす金融機関から提示された競争的な金利を比較の上預け先を選定しているところでございます。
  100. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 今日の日経を読みますと、「欧米銀の資金繰り支援」ということで、わざわざ日銀が六兆円も借りて資金提供をしないといけないのに無担保で預金を預けていると。これは非常にリスクですよね。こういった実態が国民に明らかにされていないのは、私は疑問だと思います。  じゃ、長期の運用金利はLIBORに比べて何%高い水準でしょうか。現在、大手欧州の金融機関でもLIBORプラス一%とか二%でしか預金金利を取れないというケースもございますから、参考までに教えてください。
  101. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) 今お尋ねの趣旨は、私どもの預金の運用利回りということかと思います。  ドル建てと他通貨建てで異なるわけでございますが、合成して計算しましたところ、平成十八年度の預金利回りは四・八七%となっておりまして、同期間中のLIBORの水準は上回っていると理解しております。
  102. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 私が聞いていることを一切答えていないですね。  じゃ、ドル建てLIBORに対してドルの預金は何%上回っていますか。同じ期間で、まあ同じ例えば三か月の運用でしたら三か月のLIBORに対して何%上回っているか。こんな条件を言えなかったら、入札をしていないということですよ。
  103. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) これはドルと他通貨の金利を合成した結果でございます。したがって、ドル預金の数字も含んでおります。
  104. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 止めますよ。  ドル建ての場合にのみ、まず質問をします。その後、ユーロ建て。まず、ドルから教えてください。
  105. 政府参考人(玉木林太郎君)(玉木林太郎)

    政府参考人玉木林太郎君) 誠に申し上げにくいんですが、実は、それぞれの通貨建てをお示しすることは、ここでは差し控えさせていただきたいと思いますのは、私どもがどの通貨をどの程度、何割持っているという点は、まさに外為市場の安定との関係で公表しにくいものですから、この点を個別通貨ごとに開示することは差し控えさせていただきたいと思います。
  106. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 本当に分かっていますか。  つまり、ドルが何%であっても構いませんから、ドルという資産運用の中でドルLIBORに対して何%高まっているか。
  107. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) これは、もう先生いろいろなことを分かって御質問になっていると思いますが、例えばドルの短期金利の方が仮に高いと、今局長が申しました四・八七より高いからといって、そういう御意向は全くないと思いますが、それじゃユーロだとか何かをドルに移せばどうなるかとか、あるいは内容の構成を変えればどうなるかとかという議論になってきますから、そのこと自体が為替市場に与える影響が非常に大きいので申し上げにくいということを言っているわけです。
  108. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 私は長く金融機関におりますが、こういった発言を聞きましたら市場関係者は失望しますね。この程度の日本国の考え方、運用、これは世界的に金融立国を目指す国としては失格です。  もう一度聞きますが、ドルLIBORに対して何%のスプレッドを取っているかということです。実はこういったことを明らかにしましたら運用の実態が明らかになりまして、ちゃんと運用していない、与信管理をしていない、こういった実態が明らかになって困ると、こういうふうにしか見えないんです。  どうしてこういったことを言っているのか。  資料を見てください。実は、資料九、よく外為特会の実態は、諸外国、G7国もそうだから開示できないとか、そうおっしゃっていますが、全く違います。日本だけは特別なんです。  まず、日本の外為特会の金額は九千五百四十一億ドル、GDPの比率は二一・八%あります。約五百兆円のGDPに対して百兆円の外為特会があります。ところが、アメリカはGDPの〇・五%、ユーロエリアは一・九%、イギリスは一・八%、カナダは二・九%。丸が一つ違うんですね。リスクが十倍大きいです。こういった運用をする必要があるのか。また、こういった巨額な運用をしておりますが一切開示しない、これは相当問題ですね。  金融庁は、民間金融機関に対してディスクロージャーを、いわゆるいろんな開示をしなさいと。で、実際に民間金融機関フレディマックは幾ら持っているということを開示していますが、外為特会は一切開示しないと。何かあったら市場影響をすると。私は、外為特会の運用の仕方、古い運用の仕方こそが市場に多大な不確定要因を起こしておると思います。抜本的にこれは改革すべきだと思います。  是非伊吹大臣、このことをまず認識していらっしゃるかどうか、改革するつもりがあるか、是非聞きたいと思います。
  109. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 外貨準備というものは投資ファンドではありませんから、ですから、その点は運用益が高ければいいというものでは私はないと思います。しかし同時に、先ほど来おっしゃっているように、その運用の在り方が外国為替市場にかえって悪い影響を与えているという点があるならば、それは私においてひとつ検証をさせていただきたいと思います。
  110. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 是非検証をしてもらいたいと思います。これは日本の大きなリスクです。運用利回りがどうこうという話ではありませんで、不適切な運用をしている、若しくは管理能力がないのにGDPの二〇%も持っているということじゃないかと思います。  続きまして質問したいのは、将来の日本の姿としましては、恐らくGDPの二一%の外為特会の金額をアメリカ並みにしようとしましたら、これはもう事実上不可能ですね。一兆ドル、ユーロもありますが、一兆ドルの為替介入が、逆介入が必要です。一兆ドルを市場に売る、これは事実上はできません。非常に混乱させることはできます。ただ、何もしなかったら、一兆ドルのポジションがありまして、もし米国ファニーメイフレディマックがおかしくなりましたら損が出る。為替が一ドル、今百五円としましたら、これが二〇%円高に来ましたら損が出る。こういったリスクがあります。これをどうやってマネージするのか。このことを是非考え直してほしいんです。  さらには、運用能力は私はないと見ています。でしたら、外為特会がそもそも一兆ドルの資産を持つべきかという問題があります。最近のやり方でしたら、一兆ドルのポジションを例えばゆうちょあるいは政投銀、こういったところ、政府系の金融機関に渡しまして、金融機関に運用してもらうことも可能かと思うんです。そうしましたら、いわゆる外為特会が与信リスクを考えることも必要もないですし、また、ファニーメイフレディマックの信用力を常時確かめる必要もないと思います。やはり、専門家に任せた方がいいんじゃないですか。  この点に関して、大臣の御意見を聞きたいと思います。
  111. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 私が参ります前に決まっていたことだと思いますが、私が参りましてから正式に決裁をした中に、今先生がおっしゃったことに関連することがあります。それは、民間銀行、旧輸出入銀行に任せるのがいいかどうかは別として、民間の方に、いろいろな為替情報その他運用のいわゆる専門家という人を財務省に採用をして、そしてその意見を聞きながらやっていくという一つ方向を取っているということを御報告しておきます。
  112. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 大臣、じゃ今、前任者が決定したということですが、じゃ、大臣、これで十分だと思いますか。もっと抜本的な改革が必要じゃないですか。
  113. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) これで十分かどうかは分かりませんが、状況を見なければいけないと思いますし、まあリスク管理という観点から外為の資産を闊達に動かす、先生の先ほどおっしゃっていたようにこれをすべて処分するという、処分するというか動かすということは、これは日米関係に大きな問題を生じますね。ですから、これをどういう形で管理をしていくかということ、つまり今までの積み重ねがあるわけですから、先生もおっしゃったように収益だけで動かすわけではないとおっしゃっているわけですから、安全性その他を考えながら資産分散をしていくのか、資産分散をした結果、今度は収益性が低いという批判を受けるのか、いろいろなことがありますから、今日の御注意もよく受け止めさせていただいて、少し私において考えさせてください。
  114. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 是非管理の仕方、これが重要なんです。  リスクを取るためにはそのためのいわゆる資本金が必要です。資本金がないところはリスクを取るのは非常に難しいと思います。また、リスクを取るためにはリスク管理ができる人材が必要です。この辺り是非、新しい組織にするのか、若しくは外為特会の中につくっていくのか、運用を委託するのか、いろんなやり方がありますから、是非この場で議論したいと思います。国民が知る権利があると思うんです。百兆円の資産ですから国民の意向を無視してはできないと思います。  では、続きまして日本銀行質問したいんですが、日本銀行も五兆円の外貨運用をお持ちです。その中には一部はファニーメイフレディマックが入っているということでありますが、そもそも日本銀行が五兆円相当のドル貨を持つ必要があるのか、この辺に関して質問したいと思います。
  115. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) お答えいたします。  最初にちょっと計数の方から申し上げますと、十九年度末の日本銀行の保有外貨資産の残高は約五兆二千億円でございます。内訳は外国債券が四兆九千九百億円、外貨金銭の信託が千三百億円、外貨の預け金が六百億円等となっております。  日本銀行では、日本銀行法の第四十条又は第四十二条に基づく国際金融協力の実施等に備えるために外貨資産を保有しておりまして、実際にもこれまで海外における通貨危機時の対応も含めまして国際金融面での協力の観点からこの外貨資産を使った信用供与なども行ってきております。  で、各国の中央銀行資産内容を見てみますと、これは国によって若干異なりますけれども、しかし多くの中央銀行は程度の差はありますけれども外貨資産を持っております。これは歴史的な経緯を反映して持っている面もありますけれども、しかし現実にこの外貨をじゃどういうときに使っているかというと、今申し上げたような国際金融協力もございますし、それから、そういうことはあってほしくはないと思いますけれども、例えば将来日本金融機関がドルの、外貨の不足に直面するというときにもこれは外貨の面での貸出しができると、そういう意味である程度の残高は必要であるというふうに思っています。  先ほど委員の御質問のときに十分お答えができませんでしたけれども、しかしこの外貨資産を持っている以上、この運用の基本的な方針、これはしっかりしないといけないということはそのとおりでございます。これは政策委員会で決定し、基本的なリスク管理の考え方も公表しております。これはしっかり受け止めてやっていきたいというふうに思っております。
  116. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 では、続きまして質問一に行きたいと思います。  そこで、与謝野大臣動向は分かったでしょうか。副大臣に確認したいと思います。
  117. 大臣政務官(宇野治君)(宇野治)

    大臣政務官(宇野治君) 今の与謝野大臣動向でございますけれども、今どういう状況にあるかということは私の方で把握はできておりません。しかしながら、大臣の方からは委員会の方で正式に要請があれば出席するという話は聞いております。
  118. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 私の手元にありますのは、あるテレビ局のある番組の収録をしているというのがありますから、私で分かる、質問中に分かるのに、どうして分からないんですか。本当に調べる気はあるんですか。
  119. 大臣政務官(宇野治君)(宇野治)

    大臣政務官(宇野治君) 私自身は、ちょっと今定かではありません。
  120. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 じゃ、定かになるまでいったん止めましょうか。じゃ、いったん止めてもよろしいですか。そうしませんと、もう時間は一時間たっていますから、分からないはずないですよね。
  121. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  122. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) じゃ、速記を起こしてください。  今、大久保委員質問は、この一時間の間に今どのような与謝野大臣が政務をされているのですかということの調査を依頼していたのが、一時間たっても実は答えがなかったと、こういうことでございましたので、今もちょっと理事の間で話しましたけれども、その答えが何もなかったということ以上に出てこないわけですから、これはある意味では、本来ここで合意すれば出ていただけるということなんですが、今回は合意ができませんでしたので、御本人が出席はできないということについてはこれ以上もうここで追及しても駄目だと私も判断をいたします。  ただ、この間、一時間にわたって調査ができなかったと、その中身が報告されなかったということだけは事実として確認した上で、大久保委員には大変不本意かもしれませんけれども、質問を続けていただきたいと思います。
  123. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 是非大臣でしたら政務よりも国会を重視して、お願いしたいと思います。総裁選も重要ですが、国民の生活ももっと重要です。  じゃ、続きまして質問したいと思います。  まず、リーマン・ブラザーズ破綻に関連しまして、リーマンの日本法人は民事再生法を申請しました。この結果、証券決済が大混乱を起こしております。実際、国債発行が中止されましたし、レポ市場が大幅収縮しています。いわゆるフェイルという現象が起きていまして、これは非常に大変な問題です。  実は、一九九七年十一月に三洋証券が破綻して、このときは無担保コール資金が十億円焦げ付きました。リスクがあるということで一斉にコール市場がなくなりまして、その後に山一証券が破綻し、長銀が破綻するというふうになったわけです。いわゆるトリガーを引いたわけなんです。  私は、今回のリーマンの日本法人の民事再生法申請、非常に大きいショックになる可能性がありますので、危惧しております。実際に、リーマンは、いわゆる持ち株会社がチャプターイレブンになったわけです。ところが、各国の証券現法は動いています。日本だけが民事再生法を選択しています。  このことに関して、金融庁の判断、さらには対策に関して質問したいと思います。
  124. 政府参考人(三國谷勝範君)(三國谷勝範)

    政府参考人三國谷勝範君) リーマン・ブラザーズ米国持ち株会社が破産手続開始を申し立てたことを受けまして、金融庁は、日本法人リーマン・ブラザーズ証券株式会社に対しまして、当社の資産が国外に流出するような事態が生じないよう、同日中に資産の国内保有命令及び業務改善命令を発出したところでございます。また、当社が長期的に見て支払不能に陥るおそれがあるとしたことから、金融市場の安定を図るために業務停止命令を発出したところであります。  なお、この業務停止命令におきましては、証券決済などに混乱を来しませんよう、既往契約の履行、結了に伴う取引等は認める扱いとしているところでございます。  また、翌日の九月十六日でございますが、リーマン証券会社から東京地裁に対しまして民事再生法の適用が申請され、これが受理されたところでございます。この東京地裁の決定では既往債務の弁済等は原則禁止することとされておりますが、この決定では約定後において受渡しの終了していない取引に関する受渡しは認める取扱いとされておりまして、証券決済に混乱を来さないための一定の配慮もされているところでございます。  一方、リーマン社でございますが、正確な財務状況が確認されるまで現在の契約の決済を停止する旨を表明しているところでございまして、このことによりまして証券決済の一部に滞りが生じていることは御指摘のとおりであります。また、これは世界的にも、この決済につきましては、これができる限り秩序立った決済が確保されますよう、現在内外の市場関係者間で様々な努力がされているところでございます。  私どもといたしましても、できる限り早期に円滑、確実な証券決済が確保されますよう、市場関係者の取組状況をよくフォローし、また注視してまいりたいと考えているところでございます。
  125. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 続きまして、CDS、いわゆるクレジット・デフォルト・スワップに関して質問したいと思います。  この取引はCDO、SIVに続く次の金融システムリスクに波及する可能性があると指摘されています。このことに対する認識及び対策金融担当大臣にお尋ねしたいと思います。
  126. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 御指摘いただきましたクレジット・デフォルト・スワップの取引につきましては、ここ数年の間に主として信用リスクのヘッジの手段として急速に市場規模というのは拡大をしてきているわけであります。  例えば、具体的な数字で申し上げますと、我が国におきますクレジットデリバティブの取引残高、これは平成十六年の六月には七百八十四億ドルであったのが昨年の六月にはこれが八千百二十八億ドルと増えております。世界のCDSの取引残高で見ますと、十六年の末には八兆四千二百二十二億ドルであったのが昨年の末には六十二兆一千七百三十二億ドル、こういう規模で増えてきているわけであります。  このCDSの取引においてはプロテクションの売手とプロテクションの買手、どちらにもやっぱり注意事項というのは必要だと思っておりまして、まず売手の方でありますが、CDS取引というのはリスクヘッジの手段として用いられる一方、特にプロテクションの売手として手数料を取り保証を行う場合には、参照銘柄、つまりリスクヘッジの対象になっている企業、この信用状況等の変化に伴い損失が発生するリスク、これを適切に管理していくと、こういうことが必要になってまいります。一方で、プロテクションの買手の側からしますと、CDS取引の拡大に伴いまして、取引相手の破綻等によりまして契約が履行されない場合のリスク、カウンターパーティーリスクでありますね、これを適切に管理することの重要性も高まっているわけであります。  金融庁といたしましては、各金融機関におきまして、こうしたCDS取引に関連したリスクを含め全体としてリスク管理が適切に行われているかどうか、オフサイトモニタリングであったりとか検査におきまして適正にチェックをしてまいりたい、こんなふうに考えております。
  127. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 大久保君、質問時間が来ておりますので。
  128. 大久保勉君(大久保勉)

    ○大久保勉君 はい。じゃ、これで終わります。     ─────────────
  129. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、神取忍君が委員辞任され、その補欠として義家弘介君が選任されました。     ─────────────
  130. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 まず、金融担当大臣にお尋ねいたします。  サブプライムローン問題が表面化をして一年が経過をするわけでありますけど、この間、米国を始めとして、金融市場、また実体経済にそれぞれ深刻な影響を与えております。そうした中で、今回、リーマン・ブラザーズ経営破綻、またAIGについての政府救済策の発表等、一層の動揺が広がっております。我が国でも、株価が急落したかと思えばまた上がったりという乱高下が生じているわけでありまして、決して対岸の火事ではもちろんございません。  そこで、今回の一連の経営破綻による国内金融システムへの現時点での影響、また今後どうした影響が拡大するのか、あるいは収束していくのか、大臣の見解をお尋ねします。
  131. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 荒木委員御指摘のとおり、今、国際金融市場混乱も続いておりまして、その収束にはこれからもなお時間を要すると、こんな認識を私も委員と共有をいたしておりますが。  日本金融機関等への影響ということで、まずリーマン・ブラザーズについて申し上げますと、リーマン・ブラザーズ経営破綻に関しては、現時点におきまして、各金融機関自己資本の厚み等から照らしまして、エクスポージャーの額も既に申し上げているような三千二百億、そしてまた保全されていない部分で一千四百、こういう数字でありますので、我が国金融機関経営に重大な影響を及ぼすような問題というのは現時点では把握をされておりません。  また、サブプライムローン問題そのものが日本金融システムに深刻な影響を与える、こういう状況にはないと、こんなふうに考えておりますが、その一方で、このサブプライムローンの問題を契機といたしまして、米国経済が減速に陥る、さらにはまた、我が国経済に対しても原油高、原材料高、様々な形で実体経済にこれが影響を与え、そしてその実体経済影響金融機関にとっては与信関連費用の増加と、こういった形で金融機関の方にも波及をする、こういう問題が起こっておると考えておりまして、欧米でいいますと、サブプライムの問題が直接金融機関の方に影響して信用収縮が起こって、それが実体経済影響する、こういうサイクルから始まっているわけでありますけど、若干日本の方はその部分の性格が違う、こんなふうに考えておりますが。  いずれにしても、一つに、国際的な金融市場、まだ混乱の中にあります。そして、日本実体経済に対してもそういった様々な影響が懸念されるわけでありまして、更に警戒水準を高める中で、国際金融市場動向であったりとか、また先ほど申し上げました実体経済に対する影響等もしっかりフォローしてまいりたいと、こう考えております。
  132. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 今回のアメリカ金融機関につきましては、我が国内におきましても日本法人として金融サービスを提供しているわけであります。私も二十六年ぐらい前に生命保険に入りましたけど、いつの間にかAIGという名前の付く保険会社に変わっておりまして、女房が大丈夫かというふうに聞いてきましたけれども。  ただ、そうした日本国内で金融サービスを提供する分には、セーフティーネットも含めまして、ある意味で万全の投資者、利用者保護が図られているというふうに理解をしておりますが、そのように考えてよろしいでしょうか。
  133. 政府参考人(三國谷勝範君)(三國谷勝範)

    政府参考人三國谷勝範君) お答えいたします。  まず、議員御指摘のとおり、外資系の金融機関に対しましても、利用者保護を図ります観点から法令に基づきまして適切な監督を行っているところでございます。  次に、セーフティーネットでございますが、外資系金融機関破綻などに至りました場合でも、それぞれの金融サービスの利用者の特性に応じまして、利用者保護のための一定のセーフティーネットが用意されているところでございます。  ちょっと具体的に申し上げますと、まず、証券会社、保険会社でございますが、これは日本法人を設立して進出する場合はもとより、外国法人の支店形態の場合であっても金融商品取引法、それから保険業法の下で監督を受け、証券会社にありましてはそれぞれの顧客資産の分別管理、これを前提といたしまして、また保険会社にありましては責任準備金などを基礎とした額の国内保有につきまして、これが義務付けられておりますことから、これはセーフティーネットの対象となっているところでございます。これは投資保護基金あるいは保険契約者保護機構によるものでございます。  次に、銀行につきましては、日本法人で進出する場合も、それから外国法人の支店形態で進出する場合も銀行法の下での監督を受けることとなっているところでございます。  次に、そのセーフティーネットでございますが、これは日本法人の形態を取っている場合にセーフティーネットの対象となっているところでございます。これは、健全性監督等は母国において行われていることによるものでありますが、顧客保護の観点から、外国銀行支店に対しましては、取扱い顧客が預金保険制度の対象ではないことについての顧客への説明が義務付けられているところでございます。
  134. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 次に、白川総裁にお尋ねします。  昨日も、お聞きをしますと、アメリカ日本ではちょうど昼夜逆転ですから、そうした中で、日銀の総裁を始めスタッフの方が本当に不眠不休でやっていらっしゃることに対しては心から敬意を表します。  そこで、今日の新聞の一面は、日銀が昨日、臨時金融政策決定会合で決定をしたと、総裁の記者会見では、私の記憶のある限りではこうしたことは初めてだという、米国連邦準備制度と協力して我が国における金融市場参加者への米ドル資金供給を行うという、こうしたことを決めたということでございます。  これにつきましては、種々論じられておりますけれども、どういう効果が期待されるのか、また、このことによって今のこの金融不安というのは解消されていくのか、またさらに、今後の対応として、こうした国際協調の中でどういう政策を取り得るのか、この点についてまとめて総裁の方から答弁をお願いします。
  135. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) お答えいたします。  最近の国際金融市場、特にこの一週間ぐらいの金融市場を見てみますと、ドルの金融市場において流動性が逼迫するという状況が見られておりまして、このことが日本の円の金融市場流動性低下や不安定性をもたらす、そうしたおそれがあるというふうに認識いたしました。    〔委員長退席、理事円より子君着席〕  ちょっとこのメカニズムが分かりにくいと思いますので御説明いたしますと、問題はドルの金融市場が逼迫をするということであります。通常、ドルであればドルの資金市場で調達をするわけですけれども、ドルの市場が逼迫しますと、それに代わって今度は円を資金調達をして、円を為替市場でドルに替えて、その上でドルを調達するという動きが広がってきます。もう少し正確に言いますと、円資金を担保にしてドルを調達するという構造が広がってくるわけでございます。ドルの調達が難しくなる結果、円での資金調達の圧力が高まってくるというふうになり得るわけでございます。  これまでは、相対的に円の金融市場は安定しておりましたけれども、しかし現在の国際金融資本市場の動きを見てみますと、ここはそうした影響を意識して、そのために手を打った方がいいということでございます。  今回、同じようなことは、程度の差はもちろんございますけれども、日本が一番程度は低いんですけれども、欧州の金融市場も同じような状況に直面しておりまして、したがって、日本銀行も含めて六つの中央銀行が協調して短期金融市場における資金調達圧力の持続的な高まりに対処しますためにこうした策を打ったものでございます。  じゃ、これでこの後どういうふうに展開するかということでありますけれども、今回の対応策は、これはあくまでも流動性の問題に対する対応策でございます。流動性の問題として表面化しておりますけれども、その背後には金融機関のソルベンシーといいますか、信用度の問題それ自体があるわけでございます。これに対してはいろんな取組がなされておりますけれども、この根本の問題が解決しない限り流動性の問題だけで解決するわけではございません。  ただ、本格的な取組が行われるまでの間に流動性不安がきっかけとなって更に経済の大きな変動をもたらしてはこれはいけないということで、今回の対応策を取ったものであります。
  136. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 それで、もう一つお聞きしたんですが、今後、更にどういう対応を取り得るかということについては、総裁、どうお考えでしょうか。
  137. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) これはいろんな面がございますけれども、中央銀行の仕事、大きく分けますと、一つ流動性供給を通じて金融市場金融システムの安定を図るということでございます。この点については、昨日行いました対応策も含めて、今後ともどんな対応策があり得るかということは検討していくということになります。これは問題の性格上、日本銀行だけといいますか、主要国の中央銀行が常に意見交換、情報交換をしていくということになろうかと思います。  一方、金融政策、金利政策ということでございますと、これは先々の経済、それから景気、物価の動向をどういうふうに判断するかということでございます。  足下の景気については停滞をしておりますし、ここしばらくは停滞が続くというふうに判断しております。ただ、かつてと違って、日本経済は設備とか雇用の面で今過剰を抱えておるわけではございませんから、足下のこうした停滞の動きがきっかけとなって経済が深く大きく落ち込んでいくという可能性は今のところ小さいというふうに判断しています。  他方、物価については、直近の消費者物価の数字が前年比プラス二・四%というふうになっております。去年の今ごろはこれはゼロ%でございましたから、一年の間に二%以上上昇したわけでございます。問題は、この物価上昇がいつごろ上昇率が低下をしていくかということでありますけれども、国際商品市況の上昇を反映して足下の物価が上がっているという側面が今のところ強いというふうに判断しておりますので、この先の商品市況が落ち着いていけばやがて上昇率も低下をしていくというふうに考えております。    〔理事円より子君退席、委員長着席〕  以上を総合しますと、景気と物価については、足下は停滞し、物価も上昇していますけれども、しかし、金融政策のタイムラグを勘案した期間の長さ、つまり一年半とか二年とか、そういう長さを考えてみますと、いずれ物価安定の下での成長経路に復していくという判断に立っております。したがって、金融政策決定会合では〇・五%というコールレートの水準を維持しております。ただ、景気、物価共に非常に不確実性、リスク要因、リスクが高い、大きいというふうに判断しておりますので、そこは虚心坦懐に毎回情勢を点検していきたいというふうに思っております。
  138. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 そこで次に、若干飛ばしまして、先ほども若干ございましたけれども、特に今回の問題が地域金融機関に対してどういう影響を与えているのか、特にそうしたことで中小企業に対する問題が生じないのかについてお尋ねいたします。  国内の預金取扱機関におけるサブプライムローン関連商品を始めとする証券化商品の保有及び損失状況については金融庁から定期的に公表されております。これは諸外国に比べて少ないわけでありますけれども、ただ、問題が表面化した当初の予想は超えていると思います。そうした中で、こういう推移について金融庁としてどういう受け止めをしているのか、このことが特に地域金融機関健全性に対して影響が生じ中小企業金融円滑化を阻害をすることがないのか、このことについての見解とまた対策について大臣にお尋ねいたします。
  139. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 今回のサブプライムローンの問題、日本金融機関にとって限定的というのは、その直接のエクスポージャー等から考えると限定的ということでありまして、この問題そのものの本質といいますか危機感につきましては、先ほど白川総裁の方からもありましたが、収束にはなお一定の期間を要する、こんなふうに考えております。  同時に、この問題、よく九〇年代の我が国とも比較をされるわけであります。当然似ているところもあるといいますか、ある程度不動産それから住宅価格が上がる、それに対してずさんな融資というものがあって更にそれが膨らんでいく、そこである日価格が下がることによって問題が大きく発生をして、そしてそれに対して公的資金の投入等々によりまして対応する、似ている側面もあるんですが、その一方で、日本の場合はある程度一国に限定されていたものが、今回は証券化商品、こういった形で世界投資家に一気に広がる、こういう側面もありますし、証券化商品の価格の下落と流動性の枯渇、こういったことで、リスクが出てくるのも、例えばローンを持っていてそれに対して積立てをする、こういうのとは違ったスピードで起こってきている、このことは間違いない、そんなふうに考えております。  そして、それが委員おっしゃったように実体経済アメリカだけではなくて日本実体経済にまで影響を及ぼす懸念というのがあるわけでありまして、これは政府といたしましても、現在総合経済対策、公明党の皆さんとも十分協議をしながらまとめさせていただきまして、そこの中でも中小企業に対する金融円滑化と、大きな柱として取り上げておりまして、金融庁としても実態の把握をしっかりする、そして各金融機関に対して、それぞれ全行に対して既に中小企業円滑化の要請をいたしました。昨日も改めて私の方、全銀協の方にお邪魔をしまして、再度要請をさせていただきました。  そして、金融検査もそういったことの足を引っ張ることがないように、大きな問題に焦点を当てて、重箱の隅をつつくような検査をするな、もっと真っ当な形で金融機関が健全な運営ができるように、リスクテークとリスク管理のバランスが取れるような形に持っていく、こんなことを含めた対策も九月の二日に発表したところでありまして、今後ともしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  140. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 是非大臣にはしっかり指導力を発揮していただきたいと思います。  前の委員会のときにも申し上げましたけれども、以前はリレーションシップバンキングということで、地域密着金融機関ということで、アクションプログラムも決めまして、ある意味ではそういう数値目標も含めて取り組んできたわけでありますけれども、最近余りそういう言葉も聞かれませんけれども、しかし今こそそういう地域密着金融機関としての使命を果たさなきゃいけないと思うんですね。  実際は大企業向けの融資残高は増えているけれども中小企業向けは減っている等々、あるいは我々も地域を歩いても、やはり貸し渋りではないか等々の声が非常に聞かれるわけでありますから、本当に今の答弁のとおりしっかりやっていただくことを要望いたします。  そこで、中小企業庁にも来ていただいておりますので、今大臣がおっしゃった緊急総合対策の中には、公明党も強く主張いたしまして、定額減税そして中小企業に対する資金繰り支援というのを大きく入れたわけなのであります。  そこで、中小企業金融に関しましては、今年の通常国会で売掛債権の早期現金化支援の法改正がなされたところではございますけれども、こうしたことも含めて引き続きどのように中小企業金融支援をしていくのか、そしてこの売掛金債権担保融資につきましてはこれまで様々運用の改善をしてきたのですけれども、それでも借りようとする方からは使いにくいという声が絶えないわけなんですね。  例えて一つ例を挙げますと、そういう信用保証協会が売掛金債権を担保に取るわけですけれども、実際に債務者が破綻をした場合のいわゆる他の債権者に優先をする優先弁済権がないとか、いろいろなことを聞いております。  そういう既存の制度の運用改善も含めてどう中小企業金融の支援をしていくのか、ここで御説明願います。
  141. 政府参考人(横尾英博君)(横尾英博)

    政府参考人(横尾英博君) お答え申し上げます。  現在、原油高等によりまして厳しい経営環境にある中小企業にとりまして命綱である金融円滑化というのは大変重要な課題でございまして、中小企業庁といたしましては政府金融機関や信用保証協会によるセーフティーネットの金融の拡充など、機動的に対応を図ってきたところでございます。  今、先生御指摘にございました先月二十九日に緊急総合対策に基づきまして、新たな保証制度の導入、それからセーフティーネット貸付けの強化等が盛り込まれているわけでございますが、現在、緊急保証制度につきましては原材料仕入価格の高騰による大きな影響を受ける業種を幅広く対象とすべく作業をしておりますし、セーフティーネット貸付けにつきましても償還期間の延長等、更なる拡充を図るべく作業を鋭意進めているところでございます。  中小企業金融の措置は運用の改善も含め大変重要な課題だと思っております。ちなみに、この十月に中小企業金融公庫、国民金融公庫の政府金融機関日本政策金融公庫に統合をされますが、統合後も政府金融機関としての必要な役割は変わることなく、先ほど申し上げましたセーフティーネット金融を含めまして従来の制度を踏襲をしてしっかり金融面で中小企業を支えてまいりたいと、このように考えております。
  142. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 今、運用の改善も含めという答弁がありましたけれども、具体的に、今言いました売掛金債権担保融資制度ですか、これについては、鳴り物入りで登場した割には私はまだまだこの利用実績は、もっと使ってもらいたいと思うわけなんですね。  具体的にこの制度についていろいろ改善について要請が来ていると思いますが、具体的にこの制度について改善をするということについてちょっと答弁していただけますか。
  143. 政府参考人(横尾英博君)(横尾英博)

    政府参考人(横尾英博君) 売掛金債権の法律につきましては、先般の通常国会で売掛債権の早期現金化支援の法改正を通していただきまして施行をしております。今現在、政府金融機関、それから保証協会で具体的な実際の契約も含め、協議をしているところでございます。それを通じまして、中小企業家さんの方に適切に活用できるように私どもとしてもこれをサポートをしていきたいというふうに考えております。
  144. 荒木清寛君(荒木清寛)

    ○荒木清寛君 従前の制度についてもよろしくお願いします。  最後に、もう時間の関係もございますので財務大臣と日銀総裁に。  これまでも、日銀総裁には先ほども言及していただきましたけれども、やはりサブプライムローン問題が我が国実体経済に与える影響については、欧米諸外国に比べるとある意味で少し間接的であるかもしれませんけれども、しかし、株価動向等を見ますと決してこれはもう軽視はできませんし、政府、日銀、これは連携を密にしてそうした動きについて注視をしてもらいたいと思います。  その上で、最後に、今回の経営破綻の問題を踏まえて、今後の我が国の景気の動向、また個人消費についても水を浴びせられる、そういう心配もあるわけでありますけれども、こうした動向についての政府と日銀の見解を尋ねまして、私の質疑を終わります。
  145. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 先ほど田村委員や大久保委員にもお答えしたとおり、また今、荒木委員がおっしゃったとおりだと思います。  不動産、住宅債権等が毀損したことから始まってはおりますけれども、そのことが結果的に企業間の信用の収縮を引き起こし、それが不安をかき立てて、企業その他のしぶりが極めて低下をしてきていると。アメリカが主戦場ではありますけれども、アメリカは同時に日本の大切な輸出先であるというようなことを考えますと、実体経済は私は決して油断がならない、常に各国連携をして注視をしながらやっていきたい、日本金融機関がたまたまリーマン・ブラザーズだとか住宅金融会社の債権を持っている金額が自己資本に比べて低いからという程度の認識では私はいけないと思っておりますので、通貨当局とも十分連携を取ると同時に、政府部内そして国際的な連絡を密にして遺漏のないように当たっていきたいと思っております。
  146. 参考人(白川方明君)(白川方明)

    参考人白川方明君) お答えいたします。  サブプライムローン問題の影響を考えますときに、幾つかの次元に分けて考えた方がいいと思いますけれども、先ほど来御答弁にもございますとおり、我が国金融界に対する直接的な影響という意味では、これは期間収益あるいは自己資本の範囲内で吸収可能だというふうに思っておりまして、その意味では影響は小さいというふうに思っています。  ただ、そういう直接的な影響ではなくて間接的な影響、こちらの方がより日本にとっては重要だと思いますけれども、それについて十分意識する必要があると思います。  第一には、これは国際金融資本市場を通ずる影響でございます。これは、いったん金融市場混乱し疑心暗鬼の状況が生まれますと、これは日本の経験もそうですけれども、経済全体に非常に大きな影響を与えます。そういう意味で、そうしたことが起こることのないようにしっかり対応する必要があるということでありますけれども、まず金融市場の動きをしっかり見ていくということであります。  それから二つ目は、今度は世界経済、なかんずく米国経済に対してどのような影響があるかということであります。現在、米国ではサブプライム関連商品損失の拡大に加えまして、実体経済金融システムのマイナスの相乗作用がなお続いているという状況であります。そうした下で金融機関資産の質も、これは金融機関資産内容の方も延滞率が上昇する、したがって貸出し姿勢もそれだけ厳しくなるということでございますから、そうしたことがまた実体経済影響を与えていくことになります。そうしたことの結果として、今後海外経済がどうなっていくのかということでありますけれども、これは下振れリスクということをやっぱり意識する必要があると思います。  もう一つ、海外経済という面でいきますと、原油を始めとする国際商品市況の動向、これも非常に大きな要因であります。この七月までは原油価格がずっと急激に上がってきたわけでありますけれども、その結果、日本経済全体としてのいわゆる交易条件が大幅に悪化したわけであります。この交易条件の悪化が日本の景気を下押しする要因であったわけであります。そのことを考えますと、足下の商品市況の下落それ自体は、これは景気に対してはプラス要因であるというふうに思います。ただ、同時に、その背後にある要因が世界経済の減速であるとすれば、そのことももちろん同時にまた意識しないといけないということであります。いずれにしても、こういうふうに考えた場合に、私ども景気について下振れリスクの方を意識して経済を今見ているということであります。一方、物価については上振れリスクということを意識しているということでございます。  我々としては、これだけ変化の激しい情勢でありますから、情勢について注意深くこれをモニターし、それから国内の関係する当局それから海外の中央銀行とも意見交換、情報交換を密にして対応していきたいというふうに思っています。
  147. 大門実紀史君(大門実紀史)

    大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。  伊吹大臣茂木大臣、初めて質問いたしますが、よろしくお願いいたします。今日が最後かも分からないということでありますが。  茂木大臣とは立ち話をした経験がございますが、伊吹さんと初めてお話をいたします。今日聞いていて大したものだなと私思いました。あの田村耕太郎さんが提案される大胆といいますか、荒唐無稽な提案に対して本当に忍耐強く諭すようにお答えになっていたというのを見て、御立派だなと、私も見習わなきゃというふうに思っているところでございます。せっかくですから、そういう伊吹大臣来られておりますので、基本的なお考えを幾つか聞いていきたいと思うわけですけれども。  今日いろいろお話も、リーマンのお話ありました。余りもう具体的なことよりも大本の話といいますか、このリーマンが破綻に至るのがサブプライムローンと。サブプライムローンは何なのかというと、やはり過剰な投資マネーといいますか、投機マネーがかかわっていたと。そして、そこから逃げたお金が原油市場に行って原油を高騰さし、穀物に入って物価を高騰さすと。だから、今日一切どうも触れられていないんですけれども、金融庁の報告にも。やはりこの巨額の投資マネー、投機マネーと言われたくないという人もいるみたいですが、いずれにせよ、長中期以外のものは私はもう投機マネーと言ったっていいんじゃないかと思っているところでございます。それが大変な被害をもたらしておりまして、この間、農協とか漁協とか回っても、農家の方とか漁師の方が、余りふだん金融とか小難しくてという方まで投機マネー何とかしてくれやというふうな、国民にとって身近な問題になっております。  このリーマン破綻、リーマンというのは、その投資マネー、投機マネーを扱っているところまで破綻しちゃったというわけですから、もう大変な被害をもたらしている、この背景にある投機マネーについてお伺いしたいと、その規制について伺いたいと思います。  この間、前にも質問したことがありましたけれども、日本政府というのはこの投機マネー規制に及び腰だといいますか、アメリカも余り積極的じゃなかったわけですね。ヨーロッパのドイツなんかは積極的に規制すべきだと前から言っておりましたけれども、そのアメリカも、この間調べてみましたら、もう金融自由主義の本家といいますか、規制緩和の本家のアメリカでさえすごいなと思うぐらい投機マネー規制の動きを強めております。  時間の関係で幾つかだけ御紹介しますと、アメリカ商品先物取引委員会、CFTCですね、これが投機マネー規制、商品先物の場合は、もう御存じのとおり、建て玉を規制するということと証拠金を引き上げるという二つの大きな道筋あるわけですけれども、それを今まで店頭取引については建て玉規制が例外扱いされていたものをもう店頭も規制するとか、あるいは大口取引については報告義務を課すとかいろんなことが、もう全部紹介するとあれですけれども。  例えば農業法の改正なんかで、御存じの方いらっしゃるかも分かりませんが、エンロンのループホールという抜け道、抜け穴ですね。これはエンロンがロビー活動をやって、あの破綻したエンロンがロビー活動をやって、店頭取引については建て玉規制をするなといって抜け穴をつくらせたやつですね。それがエンロン・ループホールと言われていますが、それを農業法の改正でシャットアウトしたというところまで踏み込んでおりますし、先ほども、今日お話ありましたけれども、七月に空売り規制やったのは、あれは実は、空売りをやって先物の買いをやると同時取引が多過ぎるものですから空売り規制をやったというのが半分その目的であったとかですね。今、アメリカの議会では、ちょっと数え切れませんが、三十七、八本、四十本近く法案が出ているそうでございまして、その投機マネー規制の法案がですね。  その中で、私、とうとうそこまでアメリカもやるのかと思ったのがスワップホールの問題です。これは、通常、商品先物というのは、投機筋が余り入り込めないように先ほど言いました建て玉規制をやっているわけですね。ところが、実際に取引をする実需家といいますか、そういう業者には制限がないわけです。その抜け道を使って、例えばゴールドマン・サックスとかモルガン・スタンレーというのは、石油でいえば貯蔵タンクを自ら持っているんですね。ですから、投資会社なんですが、実需者として参加をして投資マネーをつぎ込むというのをやってきたわけですね。これはスワップ、何というんですか、スワップホールというらしいですけれども、これをもう規制しないとどうしようもないという法案が出ているそうでございます。アメリカにしてはとうとうそこまでやるのかなというか、急速に規制の方向で驚いているわけですけれども。  後でもちょっと触れますけれども、金融庁に考えてもらいたいという意味で聞いておいてもらいたいんですが、商品のインデックスファンドというのがあります。これは実は、この度の投機マネーの最大の舞台だと言われているわけですね。これについてもアメリカの議会で規制しようということに、そういう法案が出ております。次期大統領は二人とも、先ほどちょっと中途半端な報告がありましたけれども、次期大統領は二人とも、投機マネーについては規制するということを明確に言っているわけですね。もうアメリカもここまで来たと。  そのおかげだけじゃないかと思いますが、それが非常に大きな影響を与えて、石油が一バレル百四十ドルから急に百ドル切るところまで下がってきているということがあるわけでございます。今までは投機マネーのせいじゃないと言う人もいましたけれども、今は投機マネーの大きな役割というのは、もうだれも否定しないような状況になっているわけです。  そういう点で、是非日本政府としても、アメリカでさえここまで規制に踏み込むということでございますので、是非国際的な場とかそういうところで日本政府もイニシアチブを取って、特に私が思うのは生活に関係する分野ですね。ですから、原油とか穀物とか、そういう市場についてはもう厳しく投機マネーを規制していくということを国際的にも日本が、もうアメリカが先行っちゃってますけれども、日本も積極的に提案していってほしいというふうに思います。  伊吹大臣がG7に出られることになるかどうか分かりませんけれども、もしそういう国際的な会議の場があれば政府として、日本の考えとしてそういう主張を是非今度はしていってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
  148. 国務大臣(伊吹文明君)(伊吹文明)

    国務大臣伊吹文明君) 先生のお気持ちはよく分かります。それで、実はお金に投機のお金と投機じゃないお金という区別はできないんですね。そして、市場において、これが実需であるか投機であるかというのは実は分からないわけですよ、取引が。ただ、それを使っている人間のよこしまな気持ちがあるときに、それは投機マネーになったりするわけですね。  ですから、一つは、これはもう、自由経済、競争社会の弊害をどう排除するかというのはもう政治的にこれは極めて長い議論があるところで、政府が介入してやるのか、良き人間の力をもってこれを抑えるか、経済理論で言えばケインズとハイエクのような議論に最終的にはなってくるんだと思うんです。ですから、ただ一つ明らかなことは、お金が余り過ぎるとやはり投機の動きが出てくるということは確かなんですね。ですから、まずアメリカの実体的な成長率とマネーフローの増加率を見ると、私は少し考えなければいけない分野が一つあるなと思います。  それから制度的には、先ほど田村委員も御指摘になっておりましたが、証券市場においてもSECが空売りの規制を始めたとか、先生が今おっしゃっているような制度的によこしまな気持ちでお金を使いにくくするということですね。こういうことについて私は決して反対ではございません。しかし、注意しておかなければいけないことは、それを厳しくすることによって先物のヘッジだとか何かがうまく取れないという事態になってはいけませんので、その辺の要するにバランス論だと思います。  今少し行き過ぎているんじゃないかという認識は、私は先生と共有はいたしております。
  149. 大門実紀史君(大門実紀史)

    大門実紀史君 もうそういう段階、率直に申し上げて超えていると思うんです。お金によこしまな気持ちとか何とかは区別できないから、大量に大口で入るもの、これはもうとにかくシャットアウトするしかないとか、こういう考えになっているわけなんで、そういう甘い情緒論といいますか、抽象論じゃなくて、幾つか防げる手はあるので、区別する手もあるので、そういう点はもう既にアメリカは踏み出しておりますので、是非お考えいただきたいなというふうに申し上げておきます。  もう一つは、日本自身でやれることもございますので、いろいろやるべきだと。そういう国際的な連帯が必要ですから各国協調してやろうというのは必要ですが、日本でもできることがあります。その点で私、経済産業省はこの間いろいろ考えて頑張っているなと思うのでいろいろお聞きしたいんですけれども、まあこのことは新聞にも出ていますのでこちらで言いますと、そういう商品先物の投機マネーの規制についていろんな検討をされていると。今日の新聞にも出ていましたが、市場分析監視室という特別の部署を置くとか、海外との大口取引の情報を共有するとか、ただそれは守秘義務が掛かるので法改正が必要だろうというようなことも議論されているようでございます。  もう一つ私は注目しているのは、東京商品先物市場というのは世界で九番目の出来高で決して大きい市場ではございません。これは、バックグラウンドといいますか、土台になります現物取引そのものが、それはニューヨークとかシカゴに比べて大きくないというのはもちろんあるんですが、それだけではなくて、これだけ投機マネーが横行していても東京商品先物になかなか入ってこないのは、実は東京商品先物の取引所というのは大変厳しい規制を前から持っているんですね。まあ長々私が説明するよりも経済産業省に来てもらっているので、海外に比べて日本商品先物の市場、取引所、どういうふうに厳しくなっているか、簡潔にちょっと海外との違いを教えてもらえますか。
  150. 政府参考人(大下政司君)(大下政司)

    政府参考人(大下政司君) 海外との比較という御質問でございますが、公正な価格形成を商品先物市場で行うためには適切な市場管理を行っていかなければならないということでございまして、この市場管理はそれぞれの市場ごとに異なっております。  したがって、欧米の制度と我が国の制度を比較してどちらが厳しいものとなっているかということを一概に申し上げることはなかなか難しいわけでございますけれども、例えば先生が御指摘ございました東京工業品取引所、原油市場がございますが、これとニューヨーク商品取引所の原油先物市場の建て玉制限を比較いたしますと、我が国の方がより厳しい規制を課しているということは申し上げることができると思います。
  151. 大門実紀史君(大門実紀史)

    大門実紀史君 私は、もうこれだけの事態世界中に生んでいるわけですね、原油だけでこの一年間で世界で二兆ドルですか、二兆ドルが失われたと、日本だけで二十三兆円の所得が原油だけで失われたと言われていますから、企業にも個人にも大変な被害を与えているので、この日本市場の、商品先物ですね、市場の在り方をむしろ世界に発信していくべきだというふうに思います。そういう提案もしていってほしいと思います。  時間の関係で申し上げますと、投機マネーを規制するには、私は二つの入口を規制する必要があると思っています。  一つは、そういう商品先物とか国民生活にかかわる分野に投機マネーが入る、この入口を規制する、それが先ほど申し上げたアメリカがやろうとしていることですね。もう一つは、だれがそこにお金を入れているのかというと、言われているようにヘッジファンドでございますね、中心になっていたのは、あるいは機関投資家ですよね。ここのお金が入る、そこに、ファンドにお金が集まる入口で規制をすべきだと。  私は、個人のお金持ちが自分でもうリスク取ると、もうけたい、破産しても構わないと、それはもう自由にやってもらったっていいと思うんです。ただし、その先が人に迷惑掛けるようなマーケットだと困るということですね。だから、マーケットの入口の規制が必要だと。  もう一つは、ファンドに集められるお金が、今日も議論ありましたけど、国民の皆さんからお金を預かっている銀行とか、生命保険の加入者のお金を預かっている生命保険会社とか、こういうところがどんどんどんどんそういうことをやっていくと、私は何かあったときに大変な事態になると。これも全くやるなとは法律上難しいですけど、少なくとも金融庁として、リスク管理をきちっとしてそういう投資をやるべきだということは、最低私はきちっと厳格にすべきだと思うんですけれども、茂木大臣、いかがお考えですか。
  152. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) 新しい取引形態であったりとか新しい商品が出る中で、リスク管理の重要性というのは今まで以上に増していると思っております。  そして、委員も御案内のとおり、昨年の三月から実施をされておりますバーゼル2、ここにおきましては、ファンドの資産内容に応じたリスクウエートを適用する、ルックスルーの原則と、こういうのを基本といたしまして、ファンドの構成資産把握できない場合にはより大きな自己資本を求める、こういった形で、金融機関投資するファンドの資産内容の適切な把握を促すものとなっておりまして、各銀行におきましてこういったバーゼル2の考え方も踏まえてファンド投資リスク管理をしっかり行うことが重要だと、こんなふうに考えております。
  153. 大門実紀史君(大門実紀史)

    大門実紀史君 金融庁は、お手元に資料を配りましたけれども、ヘッジファンドについての調査をされております。日本の大手の金融機関がどれぐらいヘッジファンドにお金を出しているかという調査でありますが、私ちょっとこれ金額が余りにも少ないんじゃないかなと。六・一兆円から七・四兆円に二〇〇五年から二〇〇六年に増えた、それでも二二%増えたということになっていますけれども。これには、聞いてみますと、先ほど言いましたインデックスファンドは調べてないということなんで、全然金額が違ってくるんじゃないかと思いますけれども。  いずれにせよ、もう一つ、この裏の方に表を載っけましたが、私がちょっと気になっているのは、ヘッジファンドの右の方にプライムブローカーというのがございます。これ簡単に言えば、銀行自身がファンドに融資をしたり、株を貸し付けたり、貸し株やったり、あるいはいろんな管理をやってあげたり、あるいは作るのを手伝ってあげたり、あるいはゴールドマン・サックスやリーマンみたいに自分でファンドを直接作ったりというところです。こういうところが、リーマン、モルガン・スタンレーも今大変ですけれども、今苦しくなって、危険な、危ないことになっているわけですね。  これは実は日本銀行でもやり始めております。みずほとか野村証券とか、金融庁監督下でいきますと、証券会社、みずほグループなんかやり始めております。こういうことも含めて、まずそのヘッジファンドにどれぐらい日本の大手金融機関が関与しているのかとか、かかわっているのかという調査を私はきちっとやるべきだと思います。  経済産業省は今年の四月にヘッジファンドの相当こんな分厚い調査をやられました。そういう大手金融機関の側から見たといいますか、その安全性を図るという観点から、そちらからの観点でも結構ですから、このプライムブローカーの問題、そして先ほど言いましたヘッジファンドへの資金供給の問題、そしてちゃんとリスク管理されているのかと。今バーゼルの銀行監督委員会は、簿外取引でやっていますんで、そこの資本増強、これまでやろうと、やらなきゃというふうになっているわけです。  是非日本金融庁としても、日本の証券会社、生命保険会社銀行グループのところがどれぐらいヘッジファンドと関与しているか、まず実態が分からなきゃ議論になりませんので、きちっとした調査をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  154. 国務大臣(茂木敏充君)(茂木敏充)

    国務大臣茂木敏充君) プライムブローカーの恐らく一番中心になってくるのは投資銀行と、こういうことになると思います。そして、プライムブローカーとしてどんなところがこれまで使われてきたかということを考えると、恐らく我が国の証券会社グループよりも、世界的に拠点を持っております欧米の投資銀行グループの取組、これが明らかに先行しておりますし、ボリューム的にも圧倒的に違うと、こんなふうに考えておりますが、我が国金融システムに様々な影響が出る問題につきましては、金融庁としてこれからしっかり把握するようにしていきたいと思います。
  155. 大門実紀史君(大門実紀史)

    大門実紀史君 とにかく、このヘッジファンドの調査、二回やられているわけですから、三回目もやるべきだと思うんで、その中で今のプライムブローカーの問題も加えて調査をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
  156. 委員長(峰崎直樹君)(峰崎直樹)

    委員長峰崎直樹君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会