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2008-06-20 第169回国会 参議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年六月二十日(金曜日)    午前十時二十分開会     ─────────────    委員異動  六月十六日     辞任         補欠選任      仁比 聡平君     大門実紀史君  六月十七日     辞任         補欠選任      大門実紀史君     仁比 聡平君  六月十九日     辞任         補欠選任      吉川 沙織君     平野 達男君  六月二十日     辞任         補欠選任      山口那津男君     渡辺 孝男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         一川 保夫君     理 事                 高橋 千秋君                 森 ゆうこ君                 加治屋義人君                 神取  忍君     委 員                 青木  愛君                 郡司  彰君                 鈴木 陽悦君                 平野 達男君                 広田  一君                 藤谷 光信君                 山根 隆治君                 佐藤 信秋君                 末松 信介君                 塚田 一郎君                 山田 俊男君                 西田 実仁君                 山口那津男君                 渡辺 孝男君                 仁比 聡平君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        泉  信也君    副大臣        内閣府副大臣   木村  勉君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        加藤 勝信君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        内閣府政策統括        官        加藤 利男君        消防庁国民保護        ・防災部長    岡山  淳君        厚生労働大臣官        房総括審議官   宮島 俊彦君        農林水産大臣官        房政策評価審議        官        今井  敏君        農林水産省農村        振興局整備部長  齋藤 晴美君        林野庁森林整備        部長       針原 寿朗君        国土交通大臣官        房審議官     菊川  滋君        国土交通省河川        局長       甲村 謙友君        国土交通省住宅        局長       和泉 洋人君        気象庁長官    平木  哲君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (平成二十年岩手宮城内陸地震による被害状  況及びその対応に関する件)     ─────────────
  2. 一川保夫

    委員長一川保夫君) ただいまから災害対策特別委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、吉川沙織君が委員辞任され、その補欠として平野達男君が選任されました。     ─────────────
  3. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 異議ないと認め、さよう取り計らいいたします。  暫時休憩いたします。    午前十時二十一分休憩      ─────・─────    午前十一時四十分開会
  8. 一川保夫

    委員長一川保夫君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  去る十四日に発生した平成二十年岩手宮城内陸地震により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立ください。黙祷。    〔総員起立黙祷
  9. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────
  10. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 委員異動について御報告いたします。  本日、山口那津男君が委員辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。     ─────────────
  11. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官加藤利男君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  13. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 災害対策樹立に関する調査のうち、平成二十年岩手宮城内陸地震による被害状況及びその対応に関する件を議題といたします。  政府から報告を聴取いたします。泉防災担当大臣
  14. 泉信也

    国務大臣泉信也君) 平成二十年岩手宮城内陸地震被害状況及びその対応につきまして御報告いたします。  まず、この災害により不幸にして亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。  六月十四日午前八時四十三分ごろ、岩手内陸南部震源とするマグニチュード七・二の地震発生しました。この地震により、岩手県奥州市と宮城栗原市において震度六強が観測されました。  この地震による被害は、今朝の時点で、死者十一名、行方不明者十一名、負傷者三百十二名などとなっております。  ライフラインにつきましては、電力は最大で二万九千戸の停電が発生しましたが、現在はほぼ復旧いたしております。水道は約五千戸の供給停止発生し、現在も約千戸の断水が続いております。  このほか、土砂災害による道路寸断河道閉塞などの被害に加え、現在も余震が断続的に続いており、かつ、昨日気象庁が発表したとおり、被災地梅雨入りをしたと見られることから、二次災害危険性もあります。  また、道路寸断等のため、現在も避難所での生活を余儀なくされている方々がございます。  政府対応ですが、地震発生後、直ちに緊急参集チームが官邸の危機管理センターに参集し、情報収集等に当たるとともに、総理指示の下、政府一体となって被災者救出救助活動を始めとする災害応急対策活動に取り組んできたところです。  私自身も、政府調査団団長として直ちに現地に入り、被災状況調査等を行い、山間部被害が集中している様子などを直接確かめてまいりました。  一昨日には、総理現地調査を行われました。岩手県と宮城県における土砂災害等被災現場上空視察され、また、二か所の避難所を訪問されて避難生活をしている方々に激励の言葉を掛けられました。  現地では、発災以来、警察広域緊急援助隊緊急消防援助隊海上保安庁等被災者救助活動等に当たっているほか、岩手県知事及び宮城県知事からの災害派遣要請に基づき、自衛隊が救助活動給水支援道路啓開等活動を行っております。  また、十六日には、関係閣僚会合を開催し、総理から政府対応方針について重ねて指示をいただき、今後の対応について関係閣僚間で確認を行いました。  さらに、発災当日より関係省庁連絡会議を開催し、関係省庁間で情報の共有や対応状況確認を行うとともに、宮城県の栗原市に政府現地連絡対策室設置し、また、岩手県に情報連絡要員派遣するなど、被災地情報収集被災地方公共団体要望把握などに努めております。  一昨日の関係省庁連絡会議においては、被災後初めて被災地にまとまった雨が降るとの予報が出され、更なる土砂災害発生が懸念されることから、雨による二次災害防止について協議を行い、昨日、現地において関係機関が参加して二次災害防止に関する連絡会議を開催し、対応に当たっているところであります。  なお、この地震による被害につきましては、災害救助法岩手県一関市、宮城栗原市など七市町において適用されております。  現在もなお余震が続いておりますが、政府といたしましては、引き続き、被災された方々が一日も早く安心して生活ができますよう、被災者への支援被災地の速やかな復旧復興に向けて一体となって全力を挙げて対応してまいる所存であります。  以上です。よろしくお願いします。
  15. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  16. 平野達男

    平野達男君 平野達男でございます。  今日は質問の機会を与えていただきました。感謝を申し上げます。  まずもって、今回の地震で亡くなられた方々の御冥福、お祈り申し上げます。また、被災された方々には心からお見舞いを申し上げたいと思います。特に、まだ不明になっている方々がおられます。一刻も早い発見と救助全力を傾けてくださることをお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、今回の地震でございますが、まず現状については、もう御承知のとおり、道路水道等のいわゆる生活インフラがまだ寸断されたままのところがたくさんございます。そういった復旧にまず全力を傾けていただきたいということも併せてお願いを申し上げたいと思います。  そこで大臣、今日は余り大臣には聞くなというお話でございますけれども、大臣現地に行かれたと思います。今回、私も現地に行って感じたのは、山が非常に土砂崩れ等によってあちこち大きなつめ跡を今残しているという状況であります。今回の災害特徴は、住宅被害というのは地震の割には、幸いなことにと言ったら語弊がございますけれども、そんなに多くありませんでした。一方で、震源が山ということもございますけれども、山が相当土砂崩れ等で、あるいは土石流で荒れているという、そういう状況でございます。  大臣現地に行かれて、空から見た状況をどのように感じられましたでしょうか。
  17. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  私も、十八日に総理に随行させていただきまして、ヘリコプター上空から国道三百九十八号線沿い荒砥沢ダム、駒ノ湯温泉矢櫃ダム等被災現場を見させていただきました。御指摘のように、土砂崩れによる道路寸断ですとか河道閉塞、せき止め湖等、今回の山間部における被害の甚大さを目の当たりにしたところでございます。  政府といたしましては、総理の御指示に基づきまして、行方不明者の捜索や被災者救出救助活動道路復旧作業等全力を挙げてきたところでございます。今後とも、現地状況を的確に把握しながら、政府一体となって、雨による土砂災害等二次災害防止など、山間部特徴的な被害への対応に万全を期していきたいというふうに考えております。
  18. 平野達男

    平野達男君 大臣、どうでしょうか。
  19. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 大臣、答弁されない。感想感想。どうですか。  大臣、いかがですか、感想
  20. 平野達男

  21. 一川保夫

  22. 平野達男

    平野達男君 大臣、そこに座っておるんですからね、現地見られて、感想がどうですかと言って、手を挙げてすぐに立たないというのは私はおかしいと思いますよ。感想として、大臣として行っていますからね、こうやって委員会開いていますから、こういった質問に対しては誠意を持って答えていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  次に、流域全体としては今、先ほど政府から答弁がございましたけれども、災害箇所につきまして、例えば国土交通省危険箇所で二千数十か所もう調査をしております。ただ、荒砥沢ダム上流域の山林でありますとか、あるいは栗駒山の全体のその周辺の山の状況については余り報告がないように思います。この辺の調査については、多分これ国有林でありますから林野庁がやっていると思いますが、その状況について、あるいは今後の調査の方向について、簡単でいいですから、お答えください。
  23. 針原寿朗

    政府参考人針原寿朗君) 林野庁でございます。  委員指摘のとおり、今回の地震によりまして、山間部中心に大規模山腹崩壊地すべり等山地災害発生しております。私どもヘリコプターによって上空から確認しておりますが、現時点で荒砥沢ダム上流の大規模地すべり、駒ノ湯温泉上流火山性泥流磐井川沿い市野原地区地すべりなど八十二か所、内訳は岩手四十三か所、宮城三十八か所、秋田一か所でございますが、それらの林地荒廃発生確認しているところでございます。これらのうち、山崩れにより川がせき止められるなど下流への影響が懸念される箇所については、今後の降雨や余震に伴う二次災害防止を図るため、東北森林管理局等土石流センサー地すべりの挙動を観測する伸縮計警報装置等設置を進めているところでございます。  また、現在も安全確認を行いながら被害状況把握等のための現地調査を継続しております。本日二十日からは、大規模地すべり等を対象に学識経験者による現地調査も実施しております。下流への影響復旧対策について検討していただくことになっております。  今後、国土交通省岩手宮城両県と緊密に連携し、被害状況についての的確な情報収集、提供を図りつつ、迅速な災害復旧を進めるなど流域全体に係る災害防止に万全を期してまいりたいと考えております。
  24. 平野達男

    平野達男君 点的な調査で、実態把握で幾つかの点の箇所が、危険地域が分かってきたということだと思いますが、面的には多分まだまだだと思います。そして、先ほど、今日の政府報告にございますけれども、地元では梅雨に入りました。梅雨に入って雨が降りますと、事実上、現地への立入りは非常に難しくなると思います。こういう中で、これから大事なことは二次災害をどのようにして防いでいくかということであります。  その中で、これから雨の降り方がどうなるか分かりませんが、山が荒れている、それからいつでも地すべりが起こるかもしれない、河川閉塞が新たに発生しやすいという状況です。現にもう既に河川閉塞発生しているという中で、特に磐井川については数か所、これは岩手県の川なんですけれども、数か所閉塞していますが、一か所、直轄国土交通省河川局応急工事をやっています。これは私は、今回の場合は、磐井川普通河川ですけれども、一級河川のような扱いをして、そして河川全体として直轄管理をしていく、あるいは工事をするということを是非やっていっていただきたいと思いますが、河川局長、ちょっと見解を伺いたいと思います。
  25. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) 今回の地震におきまして、ヘリによる調査によりまして、全体で十五か所の河道閉塞確認されておりますとともに、多数の山腹崩壊があるわけでございます。  これらの河道閉塞がある迫川流域、それから先生御指摘磐井川流域でございますが、従来、宮城県、岩手県両県によりまして砂防事業が施行されてきましたが、今回、岩手宮城県知事からの強い要請に基づきまして、決壊のおそれが特に高い天然ダム三か所、磐井川では市野原地区迫川では浅布地区小川原地区におきまして、六月十七日から直轄砂防災害関連緊急事業による対策工事に着手し、二十四時間体制でポンプの設置、仮排水路施工等を行っている段階でございます。  山腹崩壊も多数ございますことから、今は緊急工事として三か所やっておりますが、今後の全体の土砂災害対策につきましては、流域状況の詳細な調査砂防計画策定等岩手県、宮城県並びに関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
  26. 平野達男

    平野達男君 まず、御承知のように、もう専門ですからお分かりだと思いますけれども、河川閉塞が数か所に及べば、上流側があふれたらもう下流が危ないということでありますから、点で管理するのではなくて線で管理をしなくちゃならないということは、これは当たり前だと思います。  しかも、今回の場合は一か所、二か所じゃなく複数だということもございまして、これから雨が降ってどういうことになるか分かりませんが、その状況を見た上で、見る前に実は、この河川については、あるいは迫川も含めて、国でやりますと、国の管理下に置いて復旧工事その他監視を続けますというような宣言を是非やっていただきたい。大臣、このことを強く要望を申し上げておきたいと思います。  繰り返しますけれども、これからはもう二次災害発生をどのように防止するかであります。山は非常に緩んでいるかもしれません。そして、昨日も、十四か所であった土砂崩壊箇所が四か所、見付かったのか新たに崩れて発生したのかちょっとよく分かりませんが、河川閉塞地域が、箇所が増えているというようなこともございました。そういったこともありますので、線として管理する。  それから更に言えば、これから雨が降って、先ほど言ったように山の状況が全く変わっていますから、流域全体としてどういったことが大雨が降った場合に予想されるか、こういった観点で流域としての、全体としての管理という視点も大事だと思います。ここは林野庁がどうのこうのとか河川局がどうのこうのということではなくて、地域全体としての流域管理ということを、大臣がとにかく主導になって、そういった管理体制をつくってくださることを強く要望しておきます。  大臣、ここに来て、先ほどの冒頭のあれですけれども、感想ございませんか。
  27. 泉信也

    国務大臣泉信也君) 先ほど御報告を申し上げましたように、現地を見せていただきましたときに、山間部中心に大変大きな被害であった、想像を絶するものであったというのが率直な感想でございます。  そして、総理からは、まず第一に何よりも人の命にかかわる救出救助をやるようにということでございましたので、現地関係機関にそのことを伝えて、多くのヘリコプター中心とする活動の下でそのことに努めさせていただきました。  そして、さらにライフライン復旧ということでございましたので、電力はある程度見通しが立ち、やはり水道の問題が依然として大きな課題であります。そのことに全力を今挙げていただく、全国から必要な技術者等を投入していただいておるというふうに承知をいたしております。  牧畜等の問題についても、畜産家皆さん方が困窮しておられる中でどうするのかという議論も、閣内でも議論をさせていただきました。極端な場合は牛を運んだ方がいいのか、山古志村の例からして、そういうことも議論をいたしましたけれども、取りあえずは水を運ぶことで何とか乗り切ろうと。  水田につきましても、一般的に私が見た部分については、田植をした後の水田は水がいっぱいでございました。しかし、送水管が壊れておるというような部分があったり、あるいは地形の変動によって陸地化しておるというか、水田が水が十分に行き渡っていないというような場所もございましたので、この部分についても農水大臣にお力添えをお願いをしたところでございます。  もちろん、これからは二次災害の問題があります。国土交通大臣お願いして直轄で三事業を精力的にやっていただいておりまして、今日には一つの道筋ができるのではないか、このように承知をいたしております。  本当に大きな災害でございましたので、これから復旧復興に向けてどういうふうに立ち上げていくか、山古志村の例も十二分に参考にしていきながら、山古志村でできなかったこと、そしてやるべきことでできなかったこと、さらに新しい事態に対処していくべきこと、こういうことを時間の中で検討してまいりたいと思っておるところでございます。
  28. 平野達男

    平野達男君 よろしくお願いします。  終わります。
  29. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 佐藤信秋でございます。  私の方からは、政府参考人に二、三御質問をさせていただきたいと思いますが、最初に、亡くなられた皆様の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。そしてまた、まだ行方不明になっておられる皆様の一日も早い救出を祈るところであります。被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。  そこで、最初質問でありますが、今まで震度六強あるいはまたマグニチュード七を超えるこういう大きな地震被害としては山腹崩壊といったような非常に特徴的な今回の被害があるのかな、そんなふうにも思っているところであります。またもう一点、公共物被害といいますか、その辺がおいおい明らかになってくるんだとは思いますが、激甚災害指定等関係からいけば、一日も早くそうした被害実態を把握することもまた必要なことであります。  そういう意味で、今回のこの地震被害特徴、それから、特に激甚災害指定等に関して実態把握を急ぐ、こういう問題があると思いますので、この点について政府対応をお聞きしたいと思います。
  30. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) まず、御質問の今回の地震特徴でございますが、今回の地震は、先ほど大臣から御報告があったように、土砂災害によりまして複数箇所で生き埋めとなる方が出るなど、山間部被害が集中しているということが大きな特徴として挙げられるのではないかというふうに考えております。  六月二十日、今日でございますが、八時現在で死者十一名、行方不明者十一名、負傷者が三百十二名といいました被害に加えまして、土砂災害によりまして道路寸断河道閉塞などが多く発生しているところでございます。  政府といたしましては、総理の御指示に基づきまして、関係閣僚会合関係省庁連絡会議の開催を通じまして、関係省庁で連携しながら被災者救出活動道路水道等復旧作業など各般の災害応急対策復旧対策に当たってきたところでございます。  なお、これも先ほどの大臣の御報告にございましたが、発災後直ちに泉防災担当大臣団長といたします政府調査団派遣をいたしまして現地調査を行い、一昨日には総理現地に赴かれ被災現場を視察されまして避難所を訪問されたところでございます。  なお、一昨日の関係省庁連絡会議においては、被災後初めて被災地にまとまった雨が翌十九日に降るというような予報が出されましたことから、更なる土砂災害発生が懸念されますので、雨による二次災害防止について協議を行い、昨日、現地において関係機関が参加して二次災害防止に関する連絡会議を開催いたしまして対応に当たっているところでございます。  引き続き、総理からの御指示の下で、被災地方公共団体とも連携協力しながら、政府一体となって被災者支援被災地早期回復に万全を期したいと考えております。  もう一点、激甚災害指定についてのお尋ねであったろうと思いますが、現在、この激甚災害指定に当たりましては、その前提となります復旧に要します事業費等を把握する必要がございますので、現在それを鋭意急いでいる段階でございます。
  31. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 今、平野委員の御質問にもありましたように、復旧を大急ぎでやる、応急復旧やる、これはみんなで、国も地方公共団体も一緒になって、また地元の建設産業の皆さんも大変な思いをしながらすぐにボランティアで活動していると、こういう状態だと聞いています。そういう意味ではみんなで力を合わせてやっていかなければいけない。  そこで、河川にしろ道路にしろ、大掛かりなものは系統立てて国で直轄でやってほしいという要望が両県知事から出ている。また、市長さんたちと私もじかにいろいろ連絡を取ったりもしているんですが、そういう意味では、自分たちがやれることは何でもやりますと、何でもやりますが、いかんせん被害が大変広範にわたっているので、できるだけ国や県の力も借りながらと、こういうようなことも実は私の方にも連絡が来たりしているところであります。  そこで、今御質問申し上げたのは、激甚災害、局激の指定、こうしたこと急ぎますよね、これが一つ。それから、それ以前に応急復旧とにかく急がなければいけない。そうだとすると、直轄で、今までやってなかった部分直轄で系統立てて、これは大事なことだと思います、平野委員の御質問のとおりだと思います。  それからもう一つは、いわゆる災害査定といったような形でしっかりと、どのぐらい掛かりそうかな、そんなことを査定しながら災害復旧の国庫負担法に乗るかどうかというようなことをやっている暇がないんですね、実はこれは。その前にもう片付けていかなきゃいけないんですね。そうすると、直轄でやる場合には、その部分は後で整理ができる、公共団体の場合にはなかなかそこが難しいというのが従来の姿ではあったんですね。だから、とかく起きている現場そのものをなかなか手が付けられないと、こんなことも今まで弊害としてというか災害査定制度の弱点としてありました。  ここのところは、とにかく片付けてしまってから後ででもいいじゃないですかと、こういう議論が大分進んできていると思います。河川局長からこの点について明確に、どうぞ早くやってくださいということを、答えとしては期待しているんですけど、そういう仕組みにしたということをしっかりとお答えいただいて、現地が大急ぎのことはとにかく自分たちでやれること全部やるんだと、後で、何とか災害復旧等の査定も後で付いてくるんだ、こういうことで安心して取りかかれるようにしっかりと答弁していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  32. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) 佐藤先生御指摘のとおり、前回、中越地震におきましてもそのような趣旨の通達を発しております。その後、今年に入りまして、平成二十年の二月十三日に防災課長から各県に対して、被災した公共土木施設の災害復旧工事については、施設管理者が被災状況現地状況に応じて責任を持って速やかに行うこと、その際に、災害査定前に施工した応急工事についても災害復旧事業費に含まれるものとされており、それらを含めて災害査定を実施して、災害復旧工事を定めるということで通達をしております。さらに、今回の地震を受けまして、六月十六日付けで河川局防災調整官から同趣旨を被災関係県市に連絡をしております。  できるだけ、応急工事も含めて、速やかに復旧に掛かっていただきたいということでございます。
  33. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 時間が参りましたので要望だけしておきたいと思いますが、現地で、実際にはこういう工法がいいかなと思って現地でやってしまった、そこはできるだけ現地の判断を尊重して、そしてできるだけ丸々認める、これがまた大事なことなので、是非そうした方向でお願いしたいと思います。  質問を終わります。
  34. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。  まず、質問に先立ちまして、今回の地震でお亡くなりになりました方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者に対しまして心からお見舞いを申し上げたいと思います。  地震当日に公明党としても岩手宮城内陸地震対策本部を立ち上げまして、井上衆議院議員でございますが、本部長が同日から被災現場の方に駆け付けております。私も翌日に、太田公明党代表、そしてその地元の議員とともに現場に行かせていただきました。早速、宮城県知事、そしてまた栗原市長等から現状についてお伺いをし、また被災されている方々避難所も訪れまして様々な要望等をいただいたわけでありまして、次の日、六月十六日に福田総理に対して、行方不明者の捜索、人命救助、そしてまたライフライン復旧等、そのような十三項目にわたる緊急申入れを行ったところでございます。  今日は、地震発生から七日目になるわけでございますが、具体的な質問をさせていただきたいと思います。  まず、先ほどからも質問がございましたけれども、天然ダム河道閉塞によるものでございますが、この現状とその対策について国土交通省にお伺いをいたします。
  35. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) 天然ダム河道閉塞状況でございます。全体で十五か所の河道閉塞確認しておりますが、そのうち、岩手宮城県知事からの強い要請にこたえまして、決壊のおそれが特に高い三か所、磐井川市野原地区、それから迫川の浅布地区小川原地区におきまして、六月十七日から、県の区間でございますけれども、直轄砂防関連緊急事業に着手しておるところでございます。  現在、二十四時間体制でポンプの設置それから仮排水路設置を行うとともに、万一の場合に備えまして下流への警戒避難の連絡網、あるいは下流で堤防等が低いところへの土のう積み等を行っているところでございます。
  36. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 二次災害防止するためには大変重要でございますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、緊急地震速報とそれから全国瞬時警戒システム、Jアラートでございますけれども、これが今回の地震で期待されたような効果を上げているのかどうかの検証と、今後のシステム改善についてどのような検討を行う予定か、消防庁そしてまた気象庁にお伺いをしたいと思います。
  37. 平木哲

    政府参考人(平木哲君) お答え申し上げます。  今回の地震では、地震検知の約四秒後に岩手県全域、宮城県、秋田県、山形県の一部に対して警報であるところの緊急地震速報を発表しました。残念ながら、震度六強を観測した岩手県奥州市、宮城栗原市では、発表以前あるいはほぼ同時に強い揺れが到達しました。しかし、例えば震度五弱を観測した仙台市宮城野区では十五秒の余裕時間があったなど、他の地域では強い揺れが到達するまでは数秒以上の余裕があったところもありました。これらは、緊急地震速報システムが当初から想定した機能の範囲内であるものと考えております。  今回震度四を観測した秋田市で緊急地震速報を聞いた家庭において、テーブルの下に隠れ身の安全を確保したとの報道もされております。また、宮城県内のある工場では、強い揺れが到達する前に製造機械を停止したとも聞いております。  今回の速報がどのように伝えられ利用されたかにつきましては、今回の地震が緊急地震速報運用開始以来の大地震であるということから、関係機関の協力を得つつ、幅広く、どのように伝えられ利用されたかについて調査したいと考えております。この調査結果を踏まえ、改善策の検討や緊急地震速報のより効果的な利活用についての周知広報に努めてまいりたいと思っております。
  38. 岡山淳

    政府参考人(岡山淳君) 全国瞬時警報システム、Jアラートについてでございますが、地震発生時の六月十四日の時点におきましてJアラートが設置されていて、緊急地震速報の予測震度五弱以上で自動起動するよう設定されていた団体は、岩手県陸前高田市、宮城栗原市及び山形県庄内町でございましたけれども、いずれも自動起動し同報無線により大地震が来る旨を流しておりますけれども、本震の揺れ到着後でございました。  このうち栗原市につきましては、震源地に近接しておりますことから緊急地震速報が間に合わなかったものであります。陸前高田市につきましては緊急地震速報第一報から約五秒後に発表された第五報により予測震度五弱となりまして、また庄内町につきましては約十九秒後に発表された第七報により予測震度五弱となりまして、それを受けてから同報無線が自動起動し大地震が来る旨を流しましたために本震の揺れの到着後となってしまっております。  総務省消防庁といたしましては、緊急地震速報受信後、Jアラートによりまして同報無線の自動起動をする所要時間の短縮などにつきまして、今後更なる検討を行ってまいりたいと考えております。
  39. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 いろいろ課題もあるということでありますので、今回の検証結果を生かしてより迅速な警報、地震速報に努力をしていただきたいと思います。  それから、先ほどのJアラートシステムでございますけれども、政府として全市町村への整備をどのように推進をしていくのか、この点に関しまして消防庁にお伺いをしたいと思います。
  40. 岡山淳

    政府参考人(岡山淳君) Jアラートにつきましては、平成二十年六月現在、六十一の市区町村において情報の受信及び同報系防災行政無線の自動起動が実施されております。うち五十五の市区町村において緊急地震速報について自動起動をしているところでございます。  Jアラートによりまして住民に情報が提供されるようになりますためには、地方公共団体におきまして同報無線などの自動起動機などの関連設備や同報無線そのものの整備をしていただく必要がございます。総務省といたしましては、Jアラートの関連設備の一部でございます衛星モデムを約七百団体に対し配備いたしますとともに、Jアラートの整備に係る費用につきましては地方財政措置を講じているところでございます。  また、同報系無線以外にもケーブルテレビなどの手段による住民への伝達を行っている団体もありますほか、現在Jアラート専用の小型受信機の開発がなされておりまして、これを用いて学校や病院などで直接情報を受信し、館内に放送できるようになる見込みでございます。  Jアラートは、先生御指摘のとおり、緊急地震速報だけでなくて、津波警報や有事情報などの緊急情報を瞬時に住民に伝達する貴重な手段でございまして、その整備は速やかに行う必要があると認識しております。各地方公共団体において関連設備が整備されますよう、各種会議等あらゆる機会を通じまして、先ほど申しました支援制度や活用事例なども紹介しながら積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
  41. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 全国の市区町村に整備されるようにしっかりやっていただきたいと、支援をしていただきたいと思います。  次に、今回の地震における応急危険度判定の結果、住宅でございますけれども、この概要について、そしてまた住宅再建に向けての支援について、国土交通省、そして支援については内閣府の方からお伺いをしたいと思います。
  42. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) まず応急危険度判定の結果でございます。  今回の地震では、昨日までに宮城栗原市、美里町、岩手県一関市、奥州市及び西和賀町において合計三千四百二十四件で判定が実施されました。結果、危険が二百十三件、六・二%、要注意が六百五十二件、一九・〇%、調査済みが二千五百五十九件、七四・七%となっております。宮城県は六月十七日までに判定を終え、岩手県では今日終わるということでございます。
  43. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) ただいまの御質問被災者生活再建支援法に関しての適用関係についてのお尋ねかと思いますけれども、支援法の適用につきましては、住宅被害規模を基準にいたしまして都道府県においてその適用を判断するということになります。今回の地震では、これまでのところ住宅につきましては大きな数の被害報告はございませんが、市町村単位で十以上の世帯の住宅に全壊被害が認められた場合等は支援法を適用することができることとなっております。いずれにしろ、全壊がどのくらい出てくるかということに懸かってこようかと思っております。
  44. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 建物はある程度被害が少なくても土台の方が大分やられているというようなお話も聞いておりますので、総合的にいろいろ調査結果を基に支援をしていただきたいと思います。  それから、激甚災害につきましても先ほどから質問がございました。これは地元から大変な要望でございますので、この点もしっかりやっていただきたいと思います。そのほかに、開拓地でございますので、農林業、そしてまたコイとかイワナとか養殖をしておられる方々もいらっしゃいます。今まで本当に大変な努力をして築いてきた、そういう地域でございますので、この点の支援もしっかりやっていただきたい、そのように要望させていただいて、質問を終わらせていただきます。
  45. 仁比聡平

    仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  この度の岩手宮城内陸地震で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者方々に心からお見舞いを申し上げます。  これまで御質疑、御答弁がございましたけれども、私からも、行方不明の方々の捜索や救助、それから河道閉塞の緊急対策を始めとした二次被害の対策、そして上水道、伺いますと、井戸水を利用されてこられた方々がその濁りや水脈の変化などで御苦労されているということもありまして、これらのライフラインの確保、そしてできる限り地方負担を軽減する激甚災害の速やかな指定を強くお願いをしておきたいと思います。これらの点について政府が挙げて取り組んでおられることは私も承知をしておりますので、今日は御答弁は求めずに、強く要望をさせていただきたいと思っております。  これからの取組について少しお尋ねをしたいと思うんですけれども、私も発災の翌日、宮城に入りまして、栗原市を中心調査をさせていただいてまいりました。その中で一つお伝えをしたいと思いますのは、花山地区から避難をしておられるその避難所にお邪魔をしたときに、被災者方々の一日も早く自宅に戻りたいというこのお気持ちに私たちがどうこたえるかと、ここがやっぱり問われているということだと思うんです。  お手元に二枚ほど資料をお配りしましたけれども、一枚目の写真に牛を避難させる被災住民の方の姿がございます。収入の本当に大きな部分を占める牛がどうしているだろうかと、避難所にいてもそんなことばっかり考えているという声がございました。また、イワナの養殖をされている方々にとりますと、水がきれいであって初めて成り立つんだけれども、このままでは数日で駄目になってしまうかもしれないと、そんなお気持ちの中で、ずっと頑張ってきた集落を離れた避難所で不安を募らせていらっしゃる思いが本当にひしひしと伝わってまいりました。  一方で、高齢化も進む集落ではあるんですけれども、長年一緒に暮らし生きてきたという、そのコミュニティーによって被災者がお互いに励まし合って支え合って頑張っているお姿も拝見をいたしまして、やっぱりこのコミュニティーを取り戻す、一日も早くすべての被災者が元の集落に戻って元の生活を取り戻せるように支援するということが私たち政治、そして行政の支援のかなめにやっぱりなるべきではないかと思うんですね。  この辺りについてどのようにお考えでしょうか。
  46. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 今御指摘ございましたように、今回の地震では多くの方々が集落を離れた避難を余儀なくされておりまして、早く家に戻ることを強く望まれているというふうに考えております。  こうした御要望対応いたしまして、また御指摘いただきましたように地域のコミュニティーの維持という観点からも、まず道路河川、さらには水道等ライフラインを早期に復旧させることが何よりも必要であるというふうに考えておりまして、政府としてもこれらに全力を挙げていくという考え方でございます。
  47. 仁比聡平

    仁比聡平君 今申し上げた点についても、大臣に私どもの党としても要請をさせていただいたときにお気持ちも伺っているところでございますが、そうした元の生活を取り戻すというときに、一つは生活の基盤である住まいをしっかり再建するということが何よりも緊要の課題になるということでございます。  昨年、この委員会で改正を実現をいたしました被災者生活再建支援法の改正のその思いも、その何よりも基盤となる住宅にできる限りの公的支援をということかと思うんですね。災害救助法の適用によって住宅の応急修理が今後当然大きな要求であり課題になってくるかと思います。それから、被災者生活再建支援法もこれから住宅被害実態調査が進むにつれて、その適用、あるいは柔軟な適用、活用ということも求められてくると思うんですが、住まいの再建こそというこの支援法の改正の趣旨、精神を十分に生かして取り組んでいただきたいと思いますが、それぞれいかがでしょうか。
  48. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 被災者生活再建支援法の適用につきましてお尋ねですが、この被災者生活再建支援法の適用の基準が市町村単位で十以上の世帯の住宅に全壊被害が認められた場合等に適用するということになっておりまして、まず被害状況を見極めることが先決ではないかというふうに考えてございます。  いずれにいたしましても、被災者生活再建支援法の適用要件を満たすという事態になりますれば、法律の規定に従って制度の適正な運用に努めてまいりたいというように考えております。
  49. 宮島俊彦

    政府参考人(宮島俊彦君) 災害救助法の応急修理の関係でございます。  地震が十四日に起きまして、同日中に五市二町で災害救助法が適用されております。現在、家屋の調査がなされております。その後、市町村の応急修理の受付が行われるという段取りになっております。厚生労働省といたしましては、今後とも地元の自治体の相談に十分応じて、被災者ニーズを踏まえた迅速な対応に努めてまいりたいと考えております。
  50. 仁比聡平

    仁比聡平君 生活再建支援法の件については、今の段階では統括官がおっしゃられたような御答弁にとどまるというのは私も理解しているところでございますので、これからの住宅被害調査、それから実際に住宅の再建を支援するというこの手だてを私どものこの改正の趣旨、精神を生かして是非積極的に取り組んでいただきたいと強くお願いをしておきたいと思います。  一点具体的に、資料の二枚目なんですけれども、農業用水の確保の問題についてお願いをしておきたいと思うんですけれども、生業である農業、これの被害をこれ以上拡大しないということは大変重要でございまして、この写真は栗原市の文字津花地区にある穴山堰という用水路の被害状況です。ここの写真の下の部分になるのが二迫川なんですけれども、ここの川の傾斜地が崩落をして、そこに設置をされていた水路が御覧のように、右手が上流、左手が下流なんですが、崩落をしてしまっていると。この下には川の水があるわけなので、これをポンプアップしてまだ残っているところに流せば、この下流域に十町歩の水田があって、田植も終わって、これまではすくすく育ってきていたわけです。  こういった被害を広げないために、こうした場所はここ以外にも幾つももちろんあるかと思うんですけれども、対応を急いでいただきたいと思いますが、農水省、いかがですか。
  51. 齋藤晴美

    政府参考人(齋藤晴美君) 今回の岩手宮城内陸地震による農地、農業用施設の被害状況などにつきまして現在鋭意調査を進めているところでございます。  地震影響により農業用水の供給に支障を生じている地域では、作物被害防止等のため災害査定を受ける前に復旧工事に着手することができるいわゆる査定前着工を活用して用水路等の早期復旧に当たるよう関係県等に周知しているところでございます。  また、東北農政局では用水供給用のポンプ三十一台を準備しておりまして、無償で貸し出しできる体制を整備しております。具体的には、被災した農業用水路等の管理者等から市町村が相談を受けまして、当該市町村から要請があれば速やかに現地への搬入、設置まで農政局が行うこととしております。  なお、昨日、宮城栗原市等から要請を受けまして、現地にポンプを四台設置したところでございます。  今後とも、県を始め関係機関との連絡を緊密に図りつつ、農業用水路等施設の早期復旧に努めるとともに、農家の意向も踏まえまして、できる限り営農に支障がないよう適切な対応に努めてまいりたい、このように考えております。
  52. 仁比聡平

    仁比聡平君 ありがとうございました。  大臣、せっかくですから、思いがございましたら一言いただければと思います。
  53. 泉信也

    国務大臣泉信也君) 先ほど来、政府参考人からお答えをいたしておりますように、これから時間とともに対応すべき政府の役割は変わってくると思っております。  何はさておき、人命救助ということは引き続き重要なことでありますと同時に、生活の安定化に向けて取り組むべき課題に全力で取り組んでまいる覚悟でございます。
  54. 仁比聡平

    仁比聡平君 終わります。
  55. 一川保夫

    委員長一川保夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時三十分散会