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国務大臣(
冬柴鐵三君) 政治の根本は信でございます。国民の信頼なくして進まない、私はそのように
思います。
今回、私は、原油高騰の中で
道路特定財源、暫定税率を十年間延長してほしい、このようなことを国民に
お願いをいたしました。その
思いは、我々の
国土、先ほど来申し上げますように、
四面環海の小さな、三十七万七千平方キロという
世界六十番目に小さなこの国の中に一億二千七百七十万人の人口が住んでいるわけです。こういうところで、しかも、
世界未曾有の少子高齢化というものが進みまして、本格的な人口
減少社会まで入ってきました。反面、周辺を見ますと、アジア中心に
経済は本当に活力に満ちておりまして、GDPは二けたの伸びを示すというような勢いでございます。その中にあって、我々、国際
競争力を維持しつつ、なお我々のこの
経済の成長を維持する、これは至難の業でございます。そしてまた、地方
経済というものはもう御案内のとおり大変低迷しております。しかしながら、私は地方の再生、活性化ということが非常に大事な政治課題だと思っております。
このような要件を満たすのには何が必要か。これはやはり、私はこの人口
減少社会の中にあって残された時間は短い、今後十年の間に基礎的な、全く
国家としての基礎的なインフラというものを整備をすることが国際
競争力を強化し、そして成長力を維持する上において必須の要件だ、また地方を活性化するにもそれは必要だ、そのようなことから、それを賄うための財源として、苦しいけれ
どもお願いいたしますということを申し上げました。私は、ひれ伏して
お願いするような気持ちでございました。
しかしながら、その
審議の過程で、このいただいた税が非常に、いわゆる無駄遣いというようなことがされていることが多く指摘されて、私はその中で
質問を受けながら恥ずかしい
思いもいたしました。
そういうことから、これはどうしても改革をしなければ信は取り戻せない、このような中で税を
お願いするということは、国民に
お願いすることはできないという、本当にそのような
思いから、二月二十二日には私が自ら
本部長となって、我が省大きいものですから、副
大臣が二人そして政
務官が三人、この六人の政治家が国民の目線に立って政治
判断で、役人の人の意見を聴くということは必要だけれ
どもその人たちの指図を受けることはない、そのような
思いで四月の十七日には私は改革案というものを
提案いたしました。
これに対する評価はいろいろあると
思いますけれ
ども、私なりに、私は国民の目線に立った改革を、そしてこれを実行することによって国民の信を取り戻したい、できればこの
道路のいわゆる整備というものも順調に進めて、そして冒頭るる申し上げたような
日本の基礎のインフラというものを早急に整備したい、こんな
思いで来たわけでございます。しかしながら、残念ながらのことでございますけれ
ども、しかしながら、私は、
現状どんなことがあってもこの
思いは変わることはないと思っております。改革は進めます。
そして、もう
一つの問題は福田総理の所信でございますが、福田総理と私は実は同年でございます。それで、私が
幹事長をやっている間、長い間、
官房長官もやっておられまして、人間的な面も私は十分お付き合いさせていただき、そしてお父さんの代から、お父さんも総理
大臣で私も日韓議連で御指導いただいた、そのような中から福田理念というものが出てきているのであって、私は本当に、心の底から信頼をしております。評価もしております。そうあらねばならないというふうに思っております。