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政府参考人(
大口清一君)
先生御
指摘のように、様々な
事例が各地に出てきておりまして、そういう中で私
ども、今回の
法案を提出させてい
ただく中で大変
参考になるものもございました。
ここで簡単にちょっと御披露申し上げますと、例えばえちぜん
鉄道というのが、これは福井県の方にございますが、これはえちぜん
鉄道と呼ばれる前は京福電気
鉄道ということで、大阪の京阪
鉄道の系列の
会社がこの
鉄道を運営していたわけでございます。それで、輸送人員の減少と、それから二度にわたりまして列車衝突事故を起こしまして、
平成十三年に越前線の廃止届出を提出しました。その存続が危ぶまれたわけでございますが、そのときに福井県とそれから沿線市町村が協議しまして、沿線市町村による第三セクターえちぜん
鉄道を設立して、存続のためのいろんな方策を練り上げながら
施策を構築したというのがございました。
ちなみに、いったん実は
鉄道を中止したわけでございますが、ピーク時の通学、通勤客がバスでは賄えなかった。それから、雪の日にやはりほとん
どもうバスだと遅れて、なかなか通学でも学校に間に合わないというような方が出まして、
地元としては、これは
鉄道を今まで軽んじていたけれ
どもこれは
是非とも復活しなきゃいけないなということから、えちぜん
鉄道ということで復活をしてきたという
事例でございます。
この場合に三つ大きなポイントがございまして、一つは、えちぜん
鉄道が取得する
施設に係る費用、それから運転再開に必要な工事費、これを県が補助を大々的にしました。それから、維持
管理していくための
施設整備費及び運営費について、沿線市町村などが補助をしたということでございます。それから三つ目は、これは
地元の
利用者の
方々の力合わせなんでございますが、
イベント列車の
運行に合わせて様々なネットワークで
イベント列車にお客を呼び込む。それから、先日もテレビで紹介されていましたが、女性が十数人アテンダントということでそれに添乗しまして、それでお年寄りからいろんな
方々、
観光客までも含めまして、その
方々のニーズをすべてそのアテンダントが一義的には引き受けて、御
説明なり、あるいは次のバス路線につなぐ場合のバスのダイヤまで全部調べてその方がお教えするというようなことをなさっております。
まず、こんなことを総合しながら、十五年に開業しまして以降、年々輸送人員が増加していまして、十八年度は開業時に比べて倍以上の増加になったということでございます。また、収支の面でも経常
赤字が大幅に
縮減してきておりまして、経営改善が相当進んでいるというふうに私
どもは評価しております。
それから、
あと、和歌山県の和歌山電鐵貴志川線というものがございました。これにつきましても、
平成十五年にそれまでの
運行主体だった南海電鉄が貴志川線の廃止の検討を表明したことによりまして、その存続が危ぶまれたわけでございます。このため、沿線
自治体が任意の協議会を設置しまして、大々的な、いろんな方が参画する議論をして、
地域において路線の存続の意義が非常に高いという結論に至ったことから、その方策としてやはり幾つかの柱を立てて、それを確実に実行したということであります。
一つは、沿線
自治体が
鉄道用地を買い取りまして、
運行主体、これは和歌山電鐵ということになりますが、その
運行主体に
無償貸与する、土地を貸与する。それから二つ目として、沿線
自治体が
運行主体に対して運営費あるいは変電所の修繕費を補助するということ。それから、三つ目が極めてユニークなんでございますが、
地元特産がイチゴなんでございますけれ
ども、それをテーマにしたいちご列車、こういうものを
運行するなどして、また貴志川の最終駅には猫の駅長を配置するなどして、今や
観光客が相当入るようになったというような
取組でございます。
こうした
取組によって和歌山電鐵は、十八年四月に新たな運営主体ができて以降でございますが、対前年度比で一〇%増加ということでございまして、また収支の面でも
赤字が大幅に
縮減されて現在経営改善が進みつつあるというような
状況でございます。
こんな多々
事例を総合集約しながら、何が一番大事なスキームなのかということを、そのエッセンスを盛り込んだのが今回の
法案だというふうにとらえております。
長くなって済みません。