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国務大臣(
冬柴鐵三君) 私は、
我が国が
明治期以来極端な
中央集権型行政システムが取られてきた、その結果過度に
東京とか
中央省庁、
霞が関というこの狭い
地域に過度に集中をした、これは
権限も
財源も、人や
文化や教育やそういうものまで
東京に集中した、これは改めなきゃならないと私は思っております。
したがって、大きな
流れとしては
分権型行政システムというものが是非必要だし、そういうことによって、集中したことは
東京に過密、そして
地方には過疎ということを生んでしまっているわけです。お祭りとかそういうものすら
維持できないようなこんな
日本の国家にしてしまっているわけでございますから、私は、
地方分権は大きなこの国における
政治課題だというふうに思っております。
私は、そういう
考えの下に、当時、
新進党時代だったと思いますけれ
ども、
平成六年に
地方分権推進に関する
法律案というものを仲間と一緒に起案をしまして
提案をして、結果的には
地方分権推進法として閣法に賛成して成立をさせましたけれ
ども、その過程で
機関委任事務というものを廃止することができました。しかしながら、なかなか
税財源の移転ということはその際することができなかった。しかし、四百七十五本だったと思いますけれ
ども、
分権一括法をその後成立させて、非常に大きく
分権が進んだことは私は事実だと思います。今回進めるのはその第二次的なものでございまして、私は今
国土交通省にいますから、
国土交通省としてその大きな
分権の
流れの中でどう対応するかということになるわけでございます。
増田大臣と昨日
お話ししました。
報道は間違っております。私は、
河川も
道路も国が
直轄で行うべきものは限定すべきだ、それ以外は
地方へお渡しすべきだと
考えるということを大胆に申し上げました。ただ、
道路について
分権委員会の方、いわゆる
総務大臣の方からお聞きしたのは、
整備と
管理を分離して
管理の方を
地方へ渡せとおっしゃったわけでございます。しかし、それは、
道路を我々長い間
管理してきましたけれ
ども、
国道は五年に一度一〇〇%
点検をいたしておりますし、この
定時点検以外にも危険な場合があれば必ず
点検をして、そして補修をして、そしてそのライフサイクルというものを延ばそう、
道路を延命させようと、こういう
政策を取っておるわけでございますけれ
ども、それのうち
整備と
管理を分離してしまって、
国道は国が
整備の義務はあるけれ
ども、しかし平素の
管理は
地方がやるということになりますと、例えば、
考えていただいたら分かりますけれ
ども、
連続立体交差とかそういうようなものをやる場合に物すごく手続が複雑になっちゃいますね。したがって、そういう例も申し上げて、そういうふうに立て分けるのではなしに、私は
整備も
管理も一括して
地方へ渡すべきものは渡しますと、こういうふうに申し上げたわけでございます。
それで、ただ、具体的にじゃ何号線を渡すかどうかということは、これは例えば
輿石議員の
地元の
道路をこれを私が勝手に渡すなんと言ったら、これはいろんな問題が起こるわけですよ。したがって、私は当面こういう場所では
抽象的基準で申し上げますけれ
ども、渡すべきものは渡します、具体的に腹で持ちますと。ただし、現実に渡すときには受け取るべき
地方公共団体と十分に
お話をして、納得していただいたものじゃなければ表に出さないでくださいと、このように申し上げたわけでございます。
河川についても事情は全く変わりません。
一つの県の中で完結する
河川というもの、これは百九
河川ありますが、そのうちの五十たしか三がそうだと思います。しかしながら、その五十三、その
一つの県の中で完結する
河川は
地方へお渡ししてもそれでいいわけですけれ
ども、しかしながら、
考えてみたら分かりますけれ
ども、石狩川とか黒部川とか常願寺川というものをイメージしてもらうと分かりますけれ
ども、これは
一つの県ではとてもてこに合うものではないと思います。
北海道についての石狩も長大であり、下流には札幌市があります。そういうところのものを
一つの
北海道の
地方自治体にお任せすることが本当にできるんだろうか。それは
地方とよく
協議もしなきゃならないけれ
ども、国が
国土保全上、安全上、やはりやらなきゃならないものもあると思いますということを申し上げたわけです。
したがって、原則として一県の中で完結する
河川というものは、それはお渡しした方がいいんじゃないかと。しかしながら、黒部川
ダム考えたら分かりますけれ
ども、大変な土砂が物すごく
流れる、急流に滝のように
流れる、常時そういう
状況にある川を一県にお任せすることは、これは不
相当でしょう、だれが
考えてもということを申し上げました。
したがって、これについてもよく
基準を立てて、そしてこの一県の中に完結するけれ
どもこれは国がやった方がいいと思われるものについては控除する。しかしながら、受け取る側の御意見を十分聞いて、そしてやっていただきたい、そういうふうな進め方をしていただきたい、こういうふうに申し上げたわけで、私は
道路は消極、
河川は積極なんてことは全くありません。
それから、
都市計画につきましても
お話がありましたけれ
ども、私の方は、十八年に改正したばかりで、十九年、二十年にそれの
追跡調査をして、二十一年に本格的な
抜本改革についての案を作り、二十二年の
通常国会に
提案するということで今進めているんですと、その中に今
分権委員会で
指摘されたような思想は十分盛り込んでいきたいと思いますということを申し上げました。それについて
総務大臣からは、その部分についてはよく分かりました、そして、もう
日にちが、
議員がおっしゃいましたように
日にちがないので、この
抽象基準あるいは具体的なものについてもできるだけ
協力をしていただきたいという
お話でありましたので、
協力はいたします、積極的に取り組みます、このように申し上げたわけでございます。