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櫻井充君
大臣が努力をしたい、それから
大臣がこういう考えでやっていきたいという姿勢に対しては評価します。しかし、現実そうなっているかどうかなんですよ。現実なってないから国民の皆さんが苦労しているわけでしょう。だから、本当に厚生省で管理していいかどうかなんですよ。だって、元々できたところから歴史を調べてみたけど、不純な動機から始まっているわけですよ。いつも申し上げますが、花澤課長という方が、
お金を集めてじゃぶじゃぶ使えばいい、支払うのはどうせ何十年後になるんだからいいんだと言って始めた
制度ですよ。
それから、僕は回顧録、本当に読んでいて愕然とするのは、例えば
昭和三十二年以前のものは一回切り捨てているでしょう。
標準報酬月額を上げているんですよ、あのときは。それは何かというと、インフレになっちゃってとても対応できないから
標準報酬月額を上げちゃえと。でも、あのときに何をしたかというと、
台帳をすべて破棄したんですよ。破棄したというのは、
記録を要するに戦争で焼失した、それから移動のときになくした、それから管理がずさんだった。だから、せめて、払っている
期間ぐらいは分かっているだろうから、
標準報酬月額を引き上げて、それで
年金の
受給額を増やしましょうということで対応しているんです。要するに、生まれたときからずっといい加減な
制度なんですよ。
それから、昨日、労働組合の話もありましたが、
制度設計の中で、現実、事務職員がきちんと仕事ができるかどうかなんか考えないで
制度をつくったということも回顧録の中で言っているんですよ。それで、この今年の改正で、
昭和四十四年ぐらいだったかと思いますが、この当時の改正で一番画期的だったことは、事務ベースに乗るような
制度設計にしたんだと。つまり、そこまでの間は事務ベースに乗らないような、そういう
制度設計だったんです。
もう少し申し上げれば、厚生
年金から、それから国民
年金が
一緒になった当時も、あれが僕は統合というのか
突合というのかよく分かりませんよ。とにかくだれのものなのか、一元管理できるかといったときに、これはできないとはっきり言っているわけですから。できないけれ
ども、それじゃ国民
年金がつくれないのかといったら、それはそういうことじゃないだろうから決断をしたと、二年後までの間にその
制度をどうするかを考えようと、大英断だと言っていますが、大英断によってまた混乱しているわけですよ。つまり、今までの
制度設計を全部見てくると、元々できないものなんです、絶対に。できない
制度の中で、
社会保険庁がごまかしながら、国民の皆さんをごまかしながらずっとやり続けてきたのが
年金なんですよ。
ですから、こういった過去を振り返ってみると、
厚生労働省に私は
年金を所管する権利などないと思っています。これだけ国民の皆さんに迷惑を掛けているんだから、
厚生労働省が潔くやめた方がいいはず。ところが、この
年金、
お金いっぱい持っていて使っているやからがいるから、いまだにね。あの
人たちが、どうしても自分
たちが集めた金にしがみつきたいだけの話でしょう。
私は、もう一度お伺いしておきますが、
厚生労働省がまずこの
年金からやめる、管理をやめる、そのことをやらないと抜本的な改革にはならないんじゃないかなと、そう思いますが、いかがですか。