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国務大臣(
舛添要一君) その前に、今の患者の代表ということなんですけれ
ども、これは実は、この事故原因究明
委員会を設置するということの前の段階として、こういうことも実は行ったのは、お医者さん、医療提供者側とも随分話をしました、特に産科医の
方々。今、
石井委員がおっしゃるようなことをすべておっしゃる。しかし、じゃ今度は患者の側から見たらどうかと。
私は今、実を言うと、患者とお医者さん、この間の信頼
関係をいかに再構築するかということが最大の課題だと思っています。私が今のような意見、つまりお医者さんの意見を聞いて患者側に臨むと、
大臣はお医者の味方ばかりするのか、我々の立場を全く考えていないじゃないか、私はこれだけひどいことを病院にやられた、こんなひどい先生にやられた、それでうちの父親は亡くなったんだと、こういうことをおっしゃる方がおられるわけです。ですから、ああ、なるほどな、そういうふうにそこまで不信感を持っておられるのかと。例えば、全くお医者さんが
説明しない。もちろん謝罪もしない、これでいいんですかと。
そこで、その両者をつなぐものとしてメディエーター、調停者のようなものを置く
制度というのを、これを私は考えたいなと思っておると、しかも、それは全く無知な人ではなくて、ある程度、例えばある病院に
勤めていて、その病院のこともよく知っていて、医学の知識もあると。そうすると、結局、医者が直接患者に
説明するのを逃げるためにそういうのをあなたたちは置くんですかと、こういう意見が出てくるわけです。
ですから、私は、やっぱりそれぞれの見解を持った
方々の意見を謙虚に聞いて、どちら側から見ても公平で、見えるようなものをつくらないといけない。
そこで、例えば、ある事案の被害者をそのまま連れてくるんではなくて、今私が申し上げた医療側に対して物申したいという
方々が
国民の側にはおられると思うんです。そういう方にもメンバーに入っていただいて、これは詳細は今から詰めますけれ
ども、だから、原告の立場にある人ということよりも、いわゆる、やはり医療提供者が、悪い
言葉で言えばですよ、タコつぼに入っちゃって
自分たちの世界で外が見えていないこともあるかもしれない。そのときに、外からの目もそこに入れておくということが必要でしょうし、今度は医学の知識のない
国民から見たら、いや、例えば産科の帝王切開という分野についてはこういう医学的所見があってこういうものがあるんですよと、これをきちんと
説明できる、その事案に
関係ないお医者さんであるべきなんでしょうけど、そういう方もおられる、そしてまた
法律の専門家もおられる、こういう方で構成をして、そして何が真実なのかという
意味での究明をきちんとやりたいというふうに思っておりますので。
石井委員の、ある
意味で医療提供者側におられたわけです、だからその御意見も非常によく分かりますけど、片一方で患者側からのそういう意見も私は受けておりますので、そういう
意味で、より広く、いろんな
方々に参画していただいての形を取りたいなと思っています。
それから二番目の問題ですけれ
ども、個々のお医者さんの
責任追及を例えば
行政処分という形でやるのがいいのかどうなのか、やっぱり
システム全体をむしろ取り上げた方がいいだろうと私は思っていますから、直接、それは例えばですよ、そういうことはあってはならないし、ないと思いますけど、二日酔いで意識ももうろうとしているのにオペやったと、これは問題ありますよ。こういうことは処分せざるを得ない。だけど、そうじゃないときに、やっぱり
システム全体の方にこれ注目すべきであって、軽々に個人のお医者に対して処分を下すということは私は
厚生労働大臣としては慎むべきであると、そういう考えでおります。