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2008-06-09 第169回国会 参議院 決算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年六月九日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  五月二十六日     辞任         補欠選任         西田 実仁君     浜田 昌良君      山下 栄一君     遠山 清彦君  五月二十七日     辞任         補欠選任         米長 晴信君     牧山ひろえ君      西田 昌司君     衛藤 晟一君  五月三十日     辞任         補欠選任         牧山ひろえ君     林 久美子君  六月二日     辞任         補欠選任         林 久美子君     牧山ひろえ君      丸山 和也君     鈴木 政二君  六月三日     辞任         補欠選任         鈴木 政二君     丸山 和也君  六月五日     辞任         補欠選任         遠山 清彦君     弘友 和夫君  六月六日     辞任         補欠選任         衛藤 晟一君     石井 準一君      塚田 一郎君     島尻安伊子君      仁比 聡平君     紙  智子君  六月九日     辞任         補欠選任         島尻安伊子君     塚田 一郎君      紙  智子君     仁比 聡平君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 敏夫君     理 事                 神本美恵子君                 藤本 祐司君                 柳澤 光美君                 浅野 勝人君                 中村 博彦君                 荒木 清寛君     委 員                 梅村  聡君                 大久保 勉君                 加藤 敏幸君                 風間 直樹君                 金子 恵美君                 川崎  稔君                 行田 邦子君                 外山  斎君                 舟山 康江君                 牧山ひろえ君                 愛知 治郎君                 石井 準一君                 石井みどり君                 塚田 一郎君                 西島 英利君                 野村 哲郎君                 牧野たかお君                 松村 祥史君                 丸山 和也君                 浜田 昌良君                 弘友 和夫君                 紙  智子君                 仁比 聡平君                 又市 征治君    国務大臣        内閣総理大臣   福田 康夫君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地方分        権改革))    増田 寛也君        法務大臣     鳩山 邦夫君        外務大臣     高村 正彦君        財務大臣     額賀福志郎君        文部科学大臣   渡海紀三朗君        厚生労働大臣   舛添 要一君        農林水産大臣   若林 正俊君        経済産業大臣   甘利  明君        国土交通大臣   冬柴 鐵三君        環境大臣     鴨下 一郎君        防衛大臣     石破  茂君        国務大臣        (内閣官房長官) 町村 信孝君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣(防災、        食品安全))   泉  信也君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、規        制改革国民生        活、科学技術政        策))      岸田 文雄君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        渡辺 喜美君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    大田 弘子君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣少子化        対策男女共同        参画))     上川 陽子君    内閣官房長官        内閣官房長官  岩城 光英君    副大臣        財務大臣    遠藤 乙彦君         ─────        会計検査院長   伏屋 和彦君         ─────    政府特別補佐人        内閣法制局長官  宮崎 礼壹君    事務局側        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        内閣大臣官房        政府広報室長   高井 康行君        財務大臣官房長  丹呉 泰健君        財務省主計局次        長        香川 俊介君        農林水産省生産        局長       内藤 邦男君        国土交通大臣官        房長       宿利 正史君        国土交通省国土        計画局長     辻原 俊博君        国土交通省都市        ・地域整備局下        水道部長     江藤  隆君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   諸澤 治郎君        会計検査院事務        総局第二局長   小武山智安君        会計検査院事務        総局第三局長   真島 審一君        会計検査院事務        総局第四局長   鵜飼  誠君        会計検査院事務        総局第五局長   高山 丈二君     ─────────────   本日の会議に付した案件平成十八年度一般会計歳入歳出決算平成十八  年度特別会計歳入歳出決算平成十八年度国税  収納金整理資金受払計算書平成十八年度政府  関係機関決算書(第百六十八回国会内閣提出)  (継続案件) ○平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書  (第百六十八回国会内閣提出)(継続案件) ○平成十八年度国有財産無償貸付状況計算書(  第百六十八回国会内閣提出)(継続案件) ○会計検査の要請に関する件     ─────────────
  2. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、山下栄一君、西田実仁君、米長晴信君、西田昌司君及び仁比聡平君が委員辞任され、その補欠として浜田昌良君、牧山ひろえ君、弘友和夫君、石井準一君及び紙智子君が選任されました。     ─────────────
  3. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 平成十八年度決算外二件を議題とし、本日は締めくくり総括質疑を行います。  まず、私が決算委員長として若干の質疑をいたします。  決算委員長として、平成十八年度決算審査議論となった中から、道路整備特別会計を始めとする特別会計における支出適正化防衛調達見直し年金記録問題への対応状況の三点について総理に伺います。  まず、道路整備特別会計を始めとする特別会計における支出適正化について伺います。  本委員会での審査などを通じて、道路整備特別会計における、基準が明確ではないタクシーチケットの使用や競争性のある契約を装った公益法人との実質的な随意契約を始め、ミュージカル上演職員のためのマッサージチェアの購入など、不適切な支出が次々と明らかになりました。  こうした指摘を受け、政府は、公益法人との関係福利厚生費在り方、資産の規模などについて見直すこととしましたが、先行きについては予断を許しません。  見直し策の着実な実行はもちろん、無駄な支出排除するため、今後どのように取り組むのか、総理に伺います。
  4. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 委員長にお答えいたします。  国会審議等を通じまして、道路関連支出無駄遣いの実態がいろいろと指摘をされました。国民の税金をお預かりしているという自覚に欠けておったのではないかと心得ております。  今後、道路特定財源改革を進めるに当たりましては、無駄の根絶はその大前提でございます。このために、道路関係業務につきましては、国土交通大臣のイニシアチブの下で四月十七日に、道路関連公益法人への支出道路整備費における無駄の排除道路関連公益法人組織見直しなどの改革方針が取りまとめられたところでございます。  改革は直ちに実行されることが重要でありまして、不要不急支出が行われていないか、公益法人との間で実質的な競争入札が行われているかなどについて、外部有識者の監視の下で進捗状況管理、公表しながら、着実に成果を上げていく所存でございます。さらに、国からの支出に依存する法人など行政と密接な関係にある公益法人につきましては、民間参入促進や不適切な職員厚生費支出の問題また役員の員数、給与の見直しなどの集中点検を実施しておりまして、支出の無駄を是正する考えでございます。
  5. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) また、こうした不適切な支出道路整備特別会計にとどまりません。労働保険特別会計に関して、委託事業で不適正な過大支払が行われていたことが会計検査院指摘されているのもその一例であります。各府省における特別会計全体の支出透明性を高めるとともに、適正な執行を確保する体制を確立する必要があります。  道路整備特別会計と同様に、すべての特別会計についても早急に見直しを行うべきであると考えますが、総理の御所見を伺います。
  6. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 行政の無駄や非効率を放置したままでは、行政に対する国民信頼を取り戻すことはできません。国の支出在り方については抜本的な改革を行いまして、行政の無駄を徹底的に排除していく必要があると考えております。  そのため、現在、ムダ・ゼロを目指しまして、無駄の徹底的な排除に向けた集中点検を行っているところであります。すなわち、道路特会のみならず、政府全体で、国からの支出に依存する法人など行政と密接な関係のある公益法人を根本的に見直す、また、契約方式競争政策を導入し、随意契約の締結を徹底的に制限する、また政策の棚卸しを行い、政府効率性透明性を高めるということを考えておるところであります。  また、特別会計支出につきましては、御指摘のような委託費の不適切な支出など、その在り方について様々な御指摘をいただいているところでございますので、あらゆる経費について無駄を排除すべく徹底的に取り組み、着実に成果を上げてまいりたいと考えております。
  7. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 次に、防衛調達見直しについて伺います。  企業による防衛装備品等過大請求に関しては、平成十三年度決算に関する警告決議において参議院として遺憾の意を表明し、適切な措置を講じるよう求めました。これに対して政府からは、改善すべき点について早急に対処する旨、報告されております。  しかし、昨年秋以降、山田洋行等による過大請求により、十億円を超える公費が過大に支払われていたことが明らかになりました。これは、警告決議に対し政府が講じた措置が十分なものでなかったことを証明するものであり、甚だ遺憾であります。  決算審査を通じて明らかになった問題点について、是正改善措置全会一致政府に要求している本院の警告決議について、総理はどのように認識されているのでしょうか。また、政府再発防止策を講じたと本院に対して報告したにもかかわらず、こうした事態が繰り返されたことについて、当時の官房長官でもあった総理の御所見を伺います。
  8. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 全会一致でなされました参議院警告決議につきましては、内閣として重く受け止め、誠実に対応しなければならないものと認識をいたしております。こういうような認識の下に、警告決議の趣旨を踏まえまして、防衛省において様々な対策を講じておるところでございます。  にもかかわらず、再び新たな過大請求が起きたことは極めて遺憾でございまして、二度と防衛調達不祥事を起こさないように抜本的な改革を進めてまいる決意でございます。
  9. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) さらに、このように過大請求事案が再発したほかにも、防衛省では、平成十年の調達実施本部における不正事件を受け、組織見直し、倫理の徹底を図ったとしているにもかかわらず、一昨年、昨年と調達に関連して相次いで幹部に逮捕者が出ています。こうした経緯を踏まえれば、防衛省自浄作用を期待することは難しいと言わざるを得ません。  防衛調達については、総理責任において徹底的な見直しを行う必要があると考えますが、防衛省改革会議における報告書の取りまとめなどに向け、今後どのように取り組むのか、総理に伺います。
  10. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 御指摘のとおり、防衛調達につきましては、平成十年の不正事件以後も不祥事が繰り返して起こっておりまして、抜本的な改革は不可欠であると認識しております。このためには、防衛省だけでなく、内閣として取り組む必要があると強く認識をいたしまして、防衛省改革会議を設置しまして有識者方々に大所高所から精力的に議論を行っていただいているところでございます。  今後は、防衛省改革会議議論を踏まえまして、例えば防衛調達方針につきましては内閣レベルの関与を強めたり、監査・監察機能を一層強化するというような、より透明、公正な防衛調達のための諸施策を取りまとめて防衛調達抜本的改革を行ってまいりたいと考えております。
  11. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 最後に、年金記録問題への対応状況について伺います。  政府が三月までに終了したとするコンピューター上の名寄せの結果、約二千二十五万件の記録について解明が困難とされるなど、社会保険庁事務処理がいかにずさんであったかが、より一層明らかになりました。  また、社会保険庁では、記録が結び付く可能性が高い約千三十万人の方々に対し、三月までにねんきん特別便を送付していますが、四月末までに回答があった方は約半数にとどまっているほか、記録訂正なしと回答された方に対して電話戸別訪問により再照会したところ、記録が結び付いた事例が約八割にも上っているとのことであります。これでは、四百億円近い経費を要するねんきん特別便効果を発揮しているとは到底言えないのではないでしょうか。  こうした背景には、ねんきん特別便が、受け手である国民視線や痛みを考慮せずに作成されたため、内容が分かりにくかったことがあるとの指摘があります。国民視線に立って分かりやすく作成されていれば、より多くの方の年金記録がいち早く回復できただけでなく、再照会に要する費用の節減にもつながったのではないかと考えられます。  このように効果が低迷しているねんきん特別便をどう評価しているのか、また、年金記録問題をいつまでに解決するのか、今後の取組方針も含めて、総理の御所見を伺います。
  12. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 年金記録問題につきましては、政府に対する国民信頼にかかわることでございますので、その解決に向けて国を挙げて取り組むよう進めておるところでございます。  現在、未統合記録解明を進めるために、本年十月までにすべての受給者現役加入者方々にねんきん特別便をお送りするとともに、住民基本台帳ネットワークを活用したり、旧姓を届け出ていただき確認作業を行うなど様々な手段を通じて丁寧に作業を進めているところでございます。  ねんきん特別便につきましては、御指摘のように、高齢者方々にとって分かりにくい、対応が不親切といった問題もございまして、当初回答率が低く、また訂正なしとの回答も多かったところでございます。これらの反省に立ちまして、その後、相談を受けた際に記録に関する具体的な情報を提供する、分かりやすい資料を同封する、また、訂正なしと回答した受給者の方のうち御本人の記録である可能性の高い方について電話訪問による入念照会というのを行っております。そういうような様々な改善を行ってきたところでございます。  その結果、回答率は、受給者の方は当初の三割から七割に、現役加入者の方は当初の五%から四割に上昇しております。また、回答いただいた方のうち訂正ありの割合は、受給者は一割強から三割に増加するとともに、加入者は七割と高い水準となってきております。今後は、さらに、いまだ回答のない方に対してはがきにより再度回答のお願いをする、また、市町村企業労働組合福祉関係者など多くの関係者に御協力をいただきまして回答促進を図る、それから、入念照会を計画的に進めるといったきめ細やかな対応を進めながら、できるだけ早くより多くの記録を結び付けてまいりたいと思っております。  このねんきん特別便は、すべての受給者現役加入者に対し年金記録をお送りし御確認をいただく壮大な作業でございまして、年金記録問題の解決に当たりまして最も重要な取組であると考えております。まずは十月には予定どおり送付を完了し、今年度中に確認作業を終えることができるように、社会保険庁体制強化とともに市町村企業を始め多くの関係者の御協力もいただきながら、国を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
  13. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 以上で私の質疑を終わります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 柳澤光美

    柳澤光美君 民主党・新緑風会・国民新・日本の柳澤光美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私は、昨年に引き続いて決算委員会の理事を二年間務めさせていただきました。その間、決算重視参議院として党派を超えて真剣な審議が行われていますことに感動するとともに、決算委員会重要性を強く感じております。特に、今年は日程調整が大変難しい中で、この四月、五月の二か月間で、講じた措置一回、省庁別審査七回、それを受けての准総括、合わせて九回の決算審査を行いました。委員の皆様始め関係各位の御尽力に心から敬意を表したいというふうに思っております。  その中で、本当に信じられないほど多くの無駄遣い指摘をされました。一人で年間五百万もタクシーチケットを使っていたと、あるいはその上金品まで受け取っていたと。お聞きしたいことはたくさんあります。ただ、時間に限りがございますので、川崎委員役割分担をして、私の方では基本的なことを福田総理にお伺いしたいというふうに思いますので、是非、官僚の皆さんが作られた答弁ではなくて、福田総理の基本的な本音の考え方をお答えいただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。  最初にお聞きしたいのは、十七年度決算でも指摘させていただいたんですが、危機的状況にある国の財政問題です。  国の債務残高は、いわゆる借金ですが、膨らみ続けてきました。財務省は五月九日に、国債や借入金などを合算した十九年度末の国の借金が八百四十九兆二千三百九十六億円に達し、過去最高を更新したと発表をしました。これは国民一人当たり六百六十五万円にもなり、しかもこの十年間で二倍以上になりました。これがどれだけ大変なことか、地方財政健全化を図る実質公債費比率で見てみたのがこのパネルです。  御覧いただきたいと思いますが、この見方を簡単に説明いたしますと、数値が一八%以上だと自由に地方債が発行できなくなる。二五%以上は自主的な財政再建が求められる早期健全化団体となり、三五%以上は国の管理下財政再建を目指す財政再建団体になるという指標です。  これを国に当てはめてみるとどうなるか。実は、一番上にありますように、八〇・四%になると財務省が試算をしています。今、歯を食いしばって財政再建に取り組んでいる北海道の夕張市が、真ん中にありますが、三八・一%です。国の数値はその倍以上であって、財政状況夕張市よりも格段の深刻さを深めています。このような状況にある国が、破綻した夕張市の財政再建管理するなんということは余りにもおこがましい。私には、笑えない冗談としか思えません。  このように、極めて多額の債務残高が積み上がっている国の財政状況の危機的な状況についてどのように認識をされているのか、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
  15. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 御指摘いただくまでもなく、我が国の財政は、これは危機的と申しますか、極めて悪い状況にある、これはもう間違いないことであります。  それは、何と比較すればいいのかと。それは各国比較もあるかもしれません。そしてまた、国債を発行する、そしてそのために利息を支払う、その国債利息を払うために、なお国債を発行しなければいけない、そういう状況が過去続いてきたわけですね。それを今、何とかそういう状況から脱却しようということで努力をしている最中でございます。  ですから、いろいろと、あれをやらなければいけない、これをやらなければいけないと言いながらもそれをできないような状況というのが今の状況であるというようにお考えいただいたらいいと思います。先進国の中で最悪の状況にあるということでありますので、こういうような状況を一刻も早く脱したいというふうに思っております。  ですから、いろいろなことで御要望におこたえできないということはあるかもしれませんけれども、極力国民生活に悪い影響の出ないようにということで努力をしている最中でありますので、どうか御理解をいただきたいと思っております。
  16. 柳澤光美

    柳澤光美君 しかし、総理、八百兆円を超えているんですよね。単純に毎年八兆円ずつ元本を返したとしても百年以上掛かる。これは、私たちの子供どころか孫になっても返せるかどうか、膨大な借金です。これは、私たち個人でいえば完全な自己破産。私は民間企業の出身ですが、企業でいえば確実に倒産です。総理がおっしゃられるように、プライマリーバランスを二〇一一年に黒字化しても借金の利払いだけは積み上がっていく。これは一般的には、言葉は悪いですが、サラ金地獄と言われる状況です。  そこでお伺いしたいと思いますが、この健全化の第一歩が二〇一一年のプライマリーバランス黒字化です。決して私は総理責任だとは言いませんが、福田総理になってから経済先行きは厳しくなる一方です。原油や穀物価格の高騰、サブプライムローンによるアメリカ経済の減速、企業業績も悪化しています。国民生活でも、給料は伸び悩んでいるのに物価が上がって消費も伸び悩んでいます。しかも、金利の上昇もかなり懸念をされる。本当に二〇一一年度プライマリーバランス黒字化することができるのか、どのように実現しようとするのか、総理の御決意をお伺いしたいと思います。
  17. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 二〇一一年にプライマリーバランスを、これを確保するために、これはどうしても苦しい財政運営を続けていかなければいけないということであります。そのために、二〇〇八年度予算も、二〇〇六年度に立てました、立てましたということは二〇一一年度のプライマリーバランス黒字化ということでありますけれども、それを達成するために、二〇〇八年度もこれも随分切り詰めた財政でありまして、方々から御不満の声も聞いておるところでございます。  しかし、今委員からも御指摘ありましたように、赤字財政を続けていくわけにいかない。プライマリーバランスを達成したとしても赤字、国債残高は増えていくという状況、これは変わらないんでありますから、それを乗り越えて、更に国債残高を減らす努力をしていかなければいけない。これはやっぱり時間が掛かりますよ。相当掛かるんじゃないかと思いますが、それが達成できるようになるまでは歯を食いしばってやるという覚悟が必要だというように思いますよ。  ですから、そういう観点からの野党の皆様方の御協力もいただきたい。そして、まずは政府がやはり身を切る努力をしなければいけないと思います。そういう意味におきましては、各種委員会において御指摘受けましたような政府の無駄の支出等につきましては、これ徹底的に排除するということは、先ほど委員長からの御質問にお答えしたとおりでありますけれども、その努力はしっかりとやっていく覚悟でございますので、そういう観点で是非我々の努力の実績を見ていただきたいと、このように思っているところであります。
  18. 柳澤光美

    柳澤光美君 先ほど指摘しましたように、状況はますます厳しくなっていて、もう難しいんではないかと、黒字化がという声さえ出ています。そういう意味でいくと、今まで以上の歳出削減に取り組む、私は、改善ではもう追い付かない、改革をするしかないと。  今、大阪府では橋下改革が話題になっています。橋下知事は、非常事態宣言を出して、就任後わずか十七日で暫定予算を取りまとめ、府の全事業を見直し、六月までに本予算を編成するとして、自ら先頭に立って改革を進めました。無駄の排除はもちろん、施設の売却、補助金のカット、さらには人件費削減までも提案しました。  その結果が先週発表されて大きな話題になっておりますが、福田総理はこの橋下改革にどのような評価をされていますか、率直な御意見をお聞かせください。
  19. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 大阪府知事は、大変私は頑張っていると思いますよ。あの意気込み、大変私は評価したいと思います。政府もそういう気持ち、同じような気持ちを持ってやらなければいけないと思っております。  政府もそういう意味において、政府の中における無駄の排除、例えば政策の棚卸しというものを始めました。この政策の棚卸しというのを分かりやすく申し上げれば、もう随分前に始めた政策で、そして、当然ながらその予算も付いているといったようなもので、本当に今それが必要なものかどうかということをすべてチェックしてみようと、今行っている政策をですね。各省ごとにたくさんあるわけでありますけれども、それを一つ一つチェックしてみようと。古いものでもう要らなくなったものは、これはもうやめていこうというようなことも今回、取組として始めておりますし、また民間経営でもって取り入れているような、これ政府でも取り入れるのは当たり前のような話なんですけれども、そういう民間で取り入れているけれども政府ではやっていないような、そういうようないろいろな方策というのがございますので、それも今、民間の例に倣えということで大号令を発しているところでございます。  また同時に、ITを活用して政府内業務の合理化と効率化ということも必要だと思います。それから、行政と密接な関係にあります公益法人についての集中点検を実施する、それによって無駄な支出があるかないか、無駄な政策が行われていないか、そういうことを集中的に点検していこうといったようなこともあります。  この無駄の排除という意味においては聖域ないものと考えておりますので、そういうような方針を徹底してやってまいりたいと思っております。
  20. 柳澤光美

    柳澤光美君 お話を聞いていて、言うだけではどうにもならないと思うんですね。  実はバブルがはじけて十五年たつんですが、民間企業がどれだけの苦労をしてきたか。私は民間のあらゆる産業、業種に働く労働組合の出身ですが、全国を回る中で涙が出るような場面ずうっと見てきました。職場を守るために、ボーナスはもちろん賃金カットにも応じて、休日を返上して朝から晩まで働いて、それでもどうにもならなくて希望退職に応じて、仲間と涙ながらに別れて、その挙げ句が事業所閉鎖、店舗閉鎖、そして倒産です。企業でいえば、民間企業でいえば橋下改革のようにせざるを得ないんですよ。  このままでいったら日本はどうなるのか。財政問題というのはもう十年以上ずっと問題になってきて遅々として進んでいない。今必要なのは、私は実行力とスピードだと。私は具体的に総理に是非橋下改革を学んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
  21. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) おっしゃられるような趣旨のことは、我々も今懸命に努力をしている最中であります。  民間企業のことを例に挙げられましたけれども、これ何というんですかね、公の仕事というのはやっぱりちょっと民間と違うんですね、やり方が。やり方が違うんで、どうして違うのかなということを私もこういう立場になっていろいろ考えてみましたけれども、やっぱり税金で、予算で、予算が出ればそれを執行するという、そういうことで、そこに業務全般を通じて無駄を排除しようとか合理化しようというような、そういうような作用がなかなか働かない、そういうようなことがあることが私もよく分かりましたので、民間のそういうような実態とかそういうものもよく研究し、そして民間の方の知恵もお借りしながら合理化をしていくと。  そして、やらなくたっていいようなことをやらないということ、そしてまた同時に、同じことをやるにしてもこれだけいい方法があるじゃないかという方法を見付けるというようなこと、あらゆる方策を考えながら今合理化に励んでおるというところでございます。
  22. 柳澤光美

    柳澤光美君 ところが、この危機的な状態の中で、実は決算委員会に出てきている無駄遣いというのは信じられないほどあるんですね。例えば、国土交通省の道路特定財源防衛省の装備品の調達、厚生労働省の年金問題、国が関与する公益法人の問題など、政府無駄遣いには枚挙にいとまがありません。  先ほど、総理が四月にやっとムダ・ゼロの方針を出しました。しかし、私が今まで決算委員会やってきて感じますのは、各省庁の運営が極めてずさんであったことはだれの目にも明らかなんです。しかも、これらの無駄遣いというのは、決算委員会から警告決議措置要求そして会計検査院に検査要請をしてずっとやってきても全然直らない。支出見直しを官僚の皆さんに任せた場合には全部骨抜きにされて、徹底されることは、できないことはこれまでの経緯からも明らかです。言われたときに言われたことだけやったふりをしてごまかす、これが実態です。もう私は、官僚の皆さんには任せておくわけにはいかないと。  総理が四月にムダ・ゼロの取組を出されました。しかも、総理はメルマガの中でも、納税者の皆さんに納得していただける改革の実現に全力を尽くすと述べられています。しかし、今おっしゃっているような、口で言うだけでは財政再建は進まないんですよ。  ちょっとパネルを出していただけますか。その「ムダ・ゼロへの取組み」の抜粋を少し出させてもらいました。これは総理確認をされているというふうに思うんですが、この七項目全部、私は本当にできるんですかというのを聞きたいんですが、何点か絞ってお伺いしたいと思います。  一番最初に、大変な無駄遣いになった道路財源問題が、やりますということが書かれています。①に、おおむね三年後を目途に六百七十億円の支出の半減以上の削減を目指しますと。なぜ三年以上なんですか。なぜ半減なんですか。どうして、しますではなくて目指しますなんですか。目指したけどできませんでしたという言い訳のためですか。あるいは、道路関係公益法人もゼロベースで見直すのに、なぜ三分の一の十六法人と決め付けるんですか。③もそうです。広報広聴、ミュージカルとか何かつまらないこといっぱいやりました。あるいは連絡用車両、宿舎、なぜ二割減なんですか。しかも、これも目指すです。  多くの問題が指摘されている道路関係公益法人の徹底的な見直しで、この内容です。私には、本気で改革しようというふうには全く思えません。甘過ぎると思います。総理、これで本当に全力を尽くすと言えますか。内容はチェックされていると思うので、お答えいただけますか。
  23. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは、目指しますというふうに言っているのはけしからぬとおっしゃるけれども、それはそのとおりにします。それ以上のことをしたいと思っております。半減以上の削減です。目指しますは、お気に召さぬということであるならそれはまたいけませんけれども、これはそのとおりします。それは半減でいいと言っているんじゃないんですよ。もうできるだけやりたいと思います。  それから、三年後をめどと、こう書いてありますけれども、私もこれは甘いと思います。もっと早くやるべきものだと思います。だから、できることはもうそのときにやっていくということでやっていきたいと、こういうふうに考えているところであります。
  24. 柳澤光美

    柳澤光美君 総理自ら、目指すでなくて、しますと、以上というのも全部付けて必ずやるという答弁をいただきましたから、決算委員会としても徹底的に追及させてもらいたいと思いますが、実は二番目にとても大きな公益法人の問題が出ています。  先ほど言いましたように、問題になった国土交通、いわゆる道路関係法人でさえこのレベルです。実は、公益法人は六千七百七十六もあると。もちろん政府関係ないのもありますが、四千六百九十六法人に二万六千六百三十二人も天下りをして、年間十二兆六千億円を超える交付金や補助金が流れているということが問題になりました。  これだけ大変な数が、本当に道路関係の五十法人だけでこのレベルの内容で、例えば先ほど総理も言いましたけど、役員数、報酬、職員給与、職員厚生費の見直し、本当にやっていただけるんですね。決意をもう一度お聞かせいただけますか。
  25. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) そのとおりであります。
  26. 柳澤光美

    柳澤光美君 今、確約いただきました。  実はそこに、どういうふうに書いてあるかという最後のところに、六月中に改善結果の最終報告をすると明記をされています。これは、していただけるという今総理確認ですから、このとおりしていただくとして、委員長にお願いがあります。  決算委員会にも、公益法人が個別に、役員数は何人を何人にして、給与は幾らを幾らにしてという改善結果を報告をいただきたいというふうに思いますが、委員長、よろしくお願いします。
  27. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまの申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  28. 柳澤光美

    柳澤光美君 実は、次の三番目の随意契約のこれが大きな問題です。  ここで、十七年度に私が、政府契約というのはいかにいいかげんかということで、タウンミーティングの例で質問に立ちました。そのときのボードを引っ張り出してきましたので、もう一度ちょっと見ていただけますか。これがそのとき問題提起をしたボードです。  一般競争入札にして民間企業契約をしても、入札価格に対して実際に支払った実費はすべて倍以上。平成十五年から十七年の三年間で四億七千万円の無駄遣いになっているというのがそのときの私の主張でした。しかも、ハイヤーを東京から四台も持っていっていると、静岡で探していないと、いろんな問題提起をさせていただきました。  正直言いまして、十七年度、これ見ていただければ、だんだん増えてきて、十五年は倍、十六年もほぼ倍、倍以上、平成十七年は三倍ですよ、入札価格の。しかも、その中では偽造や偽装が当然のように行われていました。そのときに、当時の安倍総理責任を取って百万円返納されました。塩崎官房長官責任を持ってすべてチェックをするという確約をいただきました。その結果報告が次のパネルです。見ていただけますか。  ちょっと経過を見てください。十三年からの報告が上がってきたんですが、実は十三年度はこれ随意契約でした。任せていました。それで、十四年に向けて二社で競争入札を行いました。その結果、十四年度は、一回平均が一千九百万近く掛かっていたのが七百五十万を切って四〇%以下になりました。ところが、先ほど言いましたように、一年たったら単価契約の中で倍以上の請求をする、簡単に一千万円を超えました。それが指摘されて、見直された一番下の十九年度を見てください。一回当たり一千万以上掛かっていたものが十分の一以下の八十九万円です。  私は、この結果を見て、ここまで変わるのかと逆に大きなショックを受けました。大変御苦労されたと思うんですが、実施内容に関しては全く問題なかったと、委員会の中で町村官房長官もお答えをいただいています。恐らく、改善ではなくて何かきちんと改革をされたと。どのようにしたら十分の一になったのか、そのポイントを簡潔に御説明いただきたいと思います。
  29. 高井康行

    政府参考人(高井康行君) お答え申し上げます。  福田内閣国民対話では、このタウンミーティングと違いまして、第一に開催に係る業務全般を一括して業者に委託しない、第二に運営スタッフは極力政府職員対応するほか会場も比較的廉価な施設を利用する、第三に対話を重視するために参加者数をこれまでより小規模なものとする、こういう方針の下にコストの縮減を図っているところでございます。
  30. 柳澤光美

    柳澤光美君 今あったように、担当者が契約内容を全部チェックをする、企画段階から自分たちが入って手作りでやれることは全部やる、やれない部分だけ業者に任せる。丸投げではなくて入り込んだんですよ。それだけで十分の一になるんです。  実は、私は、このムダ・ゼロのところに、一般競争入札をすればすべて解決するような表現をされていますが、間違いだということを指摘しておきたいんです。  一般競争入札にしても、ほとんどチェックしたときに二社ぐらいで全部交互に取ってくる、全部丸投げをする。なぜかといえば、官僚の皆さんは予算を使うことが目的ですから。私はタクシーチケットもそうだと思っているんです、川崎委員がやりますけど。使えと、できるだけ多く使うというのを抜本的に直さないと直らないんです。しかも、天下りをしていって随意契約になっている、そのところはもっとひどいことになっているというふうに私は判断をしています。  総理にお願いなんですが、すべての省庁、全省庁及び独法、公益法人、すべての契約内容を全部チェックさせてくれませんか。自分でできることは自分でやる。すべて十分の一になると言いませんが、十分の一近くに必ずなると私は確信をしています。是非、総理の御決意をいただきたいと思います。
  31. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 先ほど競争入札でも問題があるかもしれぬという御指摘ありましたけれども、私もそう思いますよ。それはよっぽど気を付けてやらないと、競争入札だからといって、じゃ絶対大丈夫かという、そういう保証ありません。その辺は十分気を付けながら見ていかなければいけない。しかし、外から見ていますと、なかなかそういうのはつかめないというところがあって苦労しているわけでありますけれども、しかし、それはそういうことがないように十分注意をしてまいりたいと思います。  それから、契約方式見直し、徹底して見直すというようなお話がございましたけれども、これはいろいろな角度から今そういう問題にも取り組んでおります。随意契約適正化に向けたこれまでの取組をより徹底するということもいたしております。私も幾つか、何点か指示をいたしております。また、本年四月から実施しておりますムダ・ゼロ取組ですね、これも、この中でも随意契約見直し計画の実施状況については、先ほど御指摘ありました六月末をめどに取りまとめると、こういう予定にいたしております。  そういうようなことをいたしまして、政府全体として、公共調達における無駄を徹底して排除して国民信頼を取り戻すように随意契約適正化、透明化に努めてまいろうと思います。  この契約書を出すかどうか、これは委員会のことでございますので、委員会の方でお決めいただきたいと思います。
  32. 柳澤光美

    柳澤光美君 総理から全部出すという確約をいただきましたから、委員会にも、各省庁、独法、公益法人契約内容をどう見直してどう変わったか、分かる範囲で全部委員会に提出をいただきたいというふうに思いますが、委員長、よろしくお願いします。
  33. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまの申出につきましても、後刻理事会で協議いたします。
  34. 柳澤光美

    柳澤光美君 実は、五番のITの問題、六番の問題、四番の問題も全部聞きたいんですが、実は六番目に大きな問題があります。  これがいわゆる埋蔵金と言われる国や独法の保有する資産の売却ですが、ここに、しかも大きく独立行政法人の資産六千億円の返納をしますというふうに書いてありますが、私は規模が小さ過ぎるというふうに思っています。  総理、お伺いしたいんですが、独法の資産総額というのは幾らあるというふうに総理の方では把握されていますか。これ通告していないので、どのくらいあるのか、政府で把握しているんだったら聞かせてください。できれば総理にお願いします。
  35. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 議員、指摘の資産……
  36. 柳澤光美

    柳澤光美君 いいです。委員長、分かりました。
  37. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 平成十八年度の財務諸表から算出すると二百三十五兆円であり、このうち年金積立金管理運用等が百十五兆円余りとなっております。
  38. 柳澤光美

    柳澤光美君 今答弁ありましたように、二百三十五兆円あるんです。しかし、そのうちの百兆円は年金の運用基金ですから、とすれば百兆円以上あるということです。  これは、六千億円やりますと言いますけれども、百兆円から見たらたった〇・六%です。しかも、それをいかにもたくさんやりますというような、改革を成し遂げましたという政府の口ぶりは、私は自画自賛としか思えません。百兆円の一割やったって十兆円ですよ。  総理、このことももう一回きちんと把握をして徹底的にやっていただけませんか。よろしくお願いします。
  39. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 今、総理決意を聞かれていますから。
  40. 柳澤光美

    柳澤光美君 総理にお願いします。
  41. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 独立行政法人の資産は、これは今財務大臣から答弁をしたとおりでございますけれども、これは今までも厳しくこの数字はチェックしております。しかし、福祉とかそれから中小企業対策、科学技術といったような幅広い分野で国民に必要なサービスを提供すると、そのために一定の資産保有というのは、これは必要なんでございます。  それは、いずれにしても、この資産については我々としても重視をして、そして厳しくチェックをしてまいりたいと思っておるところです。
  42. 柳澤光美

    柳澤光美君 やっぱり、総理、甘いですよ。  私は、この福田内閣取組、ムダ・ゼロの問題も、ある報道で、消費税引上げを念頭に置いた国民向けのパフォーマンスというふうに報道されていました。私も一部そんな感覚がします。ただ、総理が本当に今月中に徹底的にやる、あるいは委員会にも報告がいただける、決算委員会としては閉会中であっても徹底的な追及をさせていただきたいというふうに思いますが、私は、増税の前にまず無駄遣いをやめて、そして歳出削減を徹底的にやらなきゃ駄目だというふうに思います。  私は、家庭がどれだけ無駄遣いをやめているか、あるいは民間企業がどうしているかという、もっと分かりやすいところに学んだらいいと思う、理屈ではなくて。まず、当たり前ですよ、無駄遣いやめますよ。売れるものがあったらすべて売りますよ。できることはすぐやりますよ。後でなんて言っていたらもう追っ付かないんですよ、自己破産になるし倒産になりますから。  例えば今回、道路財源の一般財源化、総理がよく決断しました。でも、これ家庭でいえば当たり前です。子供がガソリンスタンドでアルバイトをしてお金が入ってきた。これはおれが稼いだ金だ、だからドライブに好き勝手に使う。もっと言えば、まだ新しい車が欲しい。そうしたら、親としてしかりますよ。ちょっと待てと、おまえ、うちの家計がどうなっているんだと、いったんまず家計へ入れろと。その上で、この後使いたいと言っても、七十五歳のおじいちゃんの病気にお金が掛かるんだからそっちへ使うんだと言うのが一家の長じゃないですか。私は、口先ばかりの改善では絶対この道は開けないと。  総理にお聞きしたいんですが、この後、二〇〇八年度の骨太の方針、そして二十一年度予算の概算要求に向けて、歳出削減あるいは道路特定財源を一般財源に入れたのをどう有効に使うかということも含めて、総理の意気込みと本気度をお伺いしたいと思います。
  43. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 先般来答弁申し上げているとおりでありまして、今の財政状況から見て、それは、増税とかそんなことをやるためのなんて、そんなことを言う余裕ありませんよ。そんなことをする前に、何としてもこの財政再建健全化を達成しなければいけないと、これはもう分かり切ったことですよね。ですから、そのことに今全力を挙げている。そのために、無駄を廃止しよう、そして政策も見直そうと、全面的に見直そうと、こういうような対応をしているわけでありますから、それはそういう意気込みでやっているということは御理解いただきたいと思います。
  44. 柳澤光美

    柳澤光美君 どうしても私には、総理からの強い意思というか気持ちがちょっと伝わってこないんですね。本当に、国会の審議の合間を縫われて海外にも行かれる、大変御苦労されているのもよく分かります。しかもその中で、私はODAの問題でも決算委員会で質問に立ったんですが、アフリカへの援助や食料支援、もちろん洞爺湖サミットも大事な取組だというのは十分理解をします。しかし、私からすれば、まず国の中の問題をきちんと解決する方が私は優先だろうというふうに思っています。  私の父は今年九十三歳になりますが、人のために人のためにって、人のため人のためと言う人は信用するなと、にんべんにためと書いて偽善の偽になるんだと。何が大事かといったら、自分の家庭がきちんと円満で、家庭がしっかりしていることが大事なんだというふうに教わって育ってきました。  もう、私は先送りは許されないと思っています。子供や孫にツケを押し付けてはいけない。無駄遣いなんてもうびた一文できない。人の命と安全にかかわること以外は徹底的な歳出削減を断行しなければならないときだと考えます。  私は、是非総理にお願いしたいんですが、解散・総選挙をして国民の意思を聞いてくれませんか。民意を問うてくれませんか。私は、政治が変われば日本が変わると、今こそ政権交代をすべきときだと強く思っています。そのことを国民の皆さんに強く訴えさせていただいて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  45. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 関連質疑を許します。川崎稔君。
  46. 川崎稔

    川崎稔君 民主党の川崎稔です。本日は、会派の一人として質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。  私は、昨年夏の参議院選挙で国政に送り出していただきました。その思いは、国会は、税金を払う側の立場を代表して税金の無駄遣いを厳しくチェックするということが役割ではないかという思いからでありました。そういう立場から見て、今まさに国民感情として解せない二つの問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、先週からかなり大きな問題となっております、そして先週の衆議院の決算行政監視委員会で我が党の長妻議員からも取り上げさせていただきましたタクシー接待、私も質問させていただきたいと思います。  これは、霞が関の中央省庁の公務員が深夜に公費でタクシーを使って帰宅する際に、長距離で高額の料金を払うお得意さんだということで、タクシー側から缶ビールやおつまみといった金品を提供されることが慣行となっているという問題でありますが、実は私も、タクシーの運転手さんから直接聞いた話として、こういった話、実は二十年前、三十年前からあっているんだということを聞きました。  これ、何が問題かというと、支払うタクシーチケット、これは公費なんですよね、税金なんです。その見返りを公務員が私している、まさにその問題が大きいと思います。中には、現金やあるいは金券といったものまで受け取っていた公務員がいるということで、まさに言語道断であります。公費あるいは税金を使っているという意識が全く欠如していると言わざるを得ません。  そこでまず、質問をさせていただきたいと思います。  先週六日の衆議院におきます官房長官からの御説明によると、金品を受け取っていた職員、これは五百名余りということだそうでありますが、実はこの中で圧倒的に多いのは財務省さんの三百八十三名、回数で一万一千六百三回と報道されていますね。  財務大臣にお聞きいたしますが、これで全部ということでしょうか。その後に新たに判明した事実というのはありますでしょうか。
  47. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 御党の長妻委員からの質問がありまして、調査をさせていただきました。財務省職員及び国税庁職員でございます。その中で、金品を受け取っていた方が三百八十三人、委員がおっしゃるとおりでございます。  今、それは裏表ですね、裏表といいますか、職員の聴取はしたわけでありますけれども、タクシー側の方でどういうふうにおっしゃっているか今調査をしておりまして、きちっと事実関係を今把握しているところでございます。職員に聴取したことについては、先般発表させていただいたのが実態でございます。
  48. 川崎稔

    川崎稔君 そこで、財務省確認をいたしたいんですが、公費でタクシーを利用して金品を受領していた職員、これは多数に上るということですが、このタクシーチケット、一般会計から出ているものでしょうか、それとも一般会計ではない、例えば外国為替資金特別会計とかあるいは財政投融資特別会計といった特別会計から出ているものでしょうか。参考人の方で結構です。
  49. 丹呉泰健

    政府参考人(丹呉泰健君) お答えいたします。  先般公表いたしました調査は、職員が在籍した全期間について、過去にさかのぼって本人から聴き取りによって行ったものでございますが、必ずしも記録が保存されていなかったり本人の記憶が鮮明でないものが多く、すべてについてきちっと具体的にお答えすることはできませんが、現在確認できた範囲内で申し上げますと、財政融資資金特別会計から支出されたタクシーチケットの利用の際、二名の者がビール等の提供を受けていたということが確認されております。
  50. 川崎稔

    川崎稔君 やはり財政融資資金特別会計から出ていたんだなというふうにちょっと思ったんですが、なぜこのようなことをお聞きしたのか。  実は、本委員会でこれまで何度もお聞きしたわけなんですが、この財政融資資金特別会計、膨大な余剰金がたまっているんですね。先ほどから柳澤議員の方も埋蔵金という話をしましたが、正直申し上げて、政府はこれまで埋蔵金はないと、目的が決まっているんだということで何度も答弁をされてこられました。  それが今回のタクシーチケットでは、そういったものからまさに埋蔵金と呼ばれるものを官僚が実は使っていて、ビールだけじゃないですよ、おつまみだけじゃない、金券にまで変わっていたということについて私は本当に重要な問題じゃないかというふうに考えているんですが、財務大臣、いかがでしょうか。
  51. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、特会であろうと一般会計であろうと、金品のサービスを受けてタクシー代を払うということはあり得ない話でありまして、これは言語道断のことだと思っております。したがって、よく事実関係を調べた上でこれは厳正に処分をし、と同時に、再びこういうことが起こることがないように対応をさせていただきたいというふうに思っております。
  52. 川崎稔

    川崎稔君 ここで、資料にお示ししているもの、これは「こんなにある財政融資資金特別会計の剰余金!」ということで、グラフでお示ししたものです。資料でいえば三枚目にお付けしているんですが、ちょっと順番を変えまして。  といいますのは、このまさに財政融資資金特別会計の剰余金、年々二十兆円を超える金額が剰余金、まさにたまっていっているんです。そして、これを政府は、ある程度たまり過ぎると国債整理基金に繰り入れるということで、借金の返済に回していますということを時々されるんですが、この資料にありますように、それでも今年度、借金返済に回しても残り十兆円、まだたまっているんですよ。これについて私ども、我が党は、絶対にこんなに要らないんだと、政府は金利変動準備金とかそういう説明をされますが、金融を専門にしてきた議員方がこんなに要らないんだということを指摘しているんですよ。  一方で、そのグラフの横に今回のガソリン税の暫定税率として二・六兆円、私たちは撤廃すべきだということを主張したわけですが、この二・六兆円と十兆円、グラフで示すと分かりますよね、十兆円、これだけたまっている。一方で、役人の方がこれからタクシーチケット支出受けて、それで飲み食いしたり、あるいは金券をもらったりということについて、はっきり言って、総理国民感情というか庶民の感覚からいって余りにも懸け離れているというふうに指摘したいんですが、いかがでしょうか。
  53. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 内閣総理大臣総理の感想を聞かれていますが、内閣総理大臣
  54. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 今回のことで私もびっくりしたんですけれども、公務員というのは倫理規程というのがありまして、厳しく律せられているんですよ。にもかかわらず、そういうことがきちんとできないということは本当に情けないという、そういう思いでございます。  ですから、政府として実態調査をしっかりやって、今財務大臣答弁したとおりでございますけれども、そしてこういうような行為が生じないように再発防止策を徹底していくということ、信頼回復が極めて大事だというふうに思っております。
  55. 川崎稔

    川崎稔君 本当に今のお話を聞いていて、やはりなかなか問題、もう本当にこの財政融資資金の特別会計、私たちは活用の余地があるんではないかということで、決算委員会を始め個別に財務省の方とお話をしていても、使えるんじゃないかということをさんざん言ってまいりました。そのたびに、いや、使えませんときっぱりと言われるんですが、そういう財務省の皆さんがそこからタクシーチケットを使っていたんですよ。それを是非、肝に銘じていただきたいというふうに思います。  次に、国土交通省さんにお伺いしたいと思います。  国土交通省さんの方では、今回のタクシー接待で金品を受け取った職員は三十六名、これは先週発表された調査結果であると思いますが、これは財務省さんに次いで二番目なんですね。  これについて、まずタクシーチケットは一般会計から出たものでしょうか、それとも例えば道路整備特別会計から出たものでしょうか。また、今回の発表された数字は霞が関の本省だけでしょうか、それとも地方の整備局も含まれるでしょうか。  国土交通省さん、よろしくお願いします。
  56. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) お答え申し上げます。  今回、国土交通省の関係で明らかにしましたのは十九年度の本省の関係でございまして、三十六名が乗車の際に飲物などの提供を受けたということでございます。一般会計の職員が三十四名、港湾整備特別会計職員が一名、空港整備特別会計職員が一名となっております。  なお、この三十六名の職員に対するタクシー料金の支出に関しましては、一般会計からの支出が三十名、港湾整備特別会計からの支出三名、空港整備特別会計からの支出三名ということでありますから、一般会計職員三十四名のうち四名に対しましては特別会計からの支出となっております。  以上でございます。
  57. 川崎稔

    川崎稔君 なぜ実はこういったことをお聞きするのかということでありますが、実は今回、いろいろ問題になりました。国土交通省さんの方で支出をされているタクシーチケット、その本丸は実は霞が関ではなくて地方の出先なんですね。たしか国土交通省所管の特別会計の中で道路整備特別会計、こちらの方はタクシーチケット平成十八年度で約四億円強、過去五年間で見ても四億から六億円支出されています。  しかも、大変気になりますのは、これはもう何度も取り上げられましたが、タクシーチケットを使われた職員の皆さん、最も多く使われた上位十名ということを国土交通省の方で資料を提出していただいたわけですが、十名のうち関東整備局道路部だけで七名を占めている。最も多い方は、一年間で、これ十九年度の数字ですが、百九十回、総額四百九十万円、これだけの公費を使ってタクシーに乗っておられる。一回平均で二万五千円です。これだけ遠距離でたくさんタクシー使われると、やっぱりタクシーの運転手さんから見れば大変なお得意様になるわけですね。  冬柴大臣、こうした地方整備局でタクシー接待に関して新しい事実関係というのは出てきていないでしょうか。
  58. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 国土交通省といたしましては、早く出さなければならないということで本省分だけを調査させていただきました。したがいまして、その三十六名というのは本省だけでございまして、今御指摘の地方整備局等、大変多くの各地に機関を抱えておりまして、職員数も多いことから調査に時間を要しておりますが、近日中にこれを取りまとめて報告をいたします。
  59. 川崎稔

    川崎稔君 この点については、冬柴大臣、しっかり調査をしていただきまして、是非、当委員会にも調査の結果について報告をお願いしたいと思うんですが、委員長、善処方よろしくお願いします。
  60. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまの川崎君の申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  61. 川崎稔

    川崎稔君 いずれにしましても、なぜ私がこのタクシー接待の問題を本委員会で取り上げたのか、これはもうこれまで何度もこの委員会特別会計という問題を取り上げてきたからであります。  一般会計と違ってなかなか目が行き届かない、一方で膨大な余剰金が積み上がっていっているということで、実はかつて塩川元財務大臣、これは平成十五年ですね、あの有名なせりふありました。一般会計と特別会計の現状をおかゆとすき焼きに例えて、母屋でおかゆを食べて節約しているのに離れ座敷で子供がすき焼きを食べていると答弁をされたわけですが、しかし、今回のタクシー接待の問題を見ていると、もう本当に特別会計というのが官僚の皆さんにとって便利なお財布になっているんですね。もしかしたら、まさに母屋でおかゆを食べていて離れ座敷は実は居酒屋だったなんてことになりかねないわけであります。  さらに、昨日の産経新聞の朝刊一面、報道されております。お手元に記事をコピーでお配りしていますが、資料の右側ですね。普通、タクシーチケットを役所で使われる場合には、残業で遅くなったということで深夜帰宅するために使われるわけですが、そうでないケースといいますか、このタクシー接待問題に関連いたしましてこの記事では、繁華街から公費のタクシーチケットで帰宅する官僚がいることが分かったと報道をされています。記事を見てみると、深夜に新橋や六本木で国土交通省の官僚を乗せて自宅まで送ったタクシー運転手さんの証言、あるいは厚生労働省の職員のケースが紹介されていますが、これはそのまま読みます。  都内のカラオケスナックで飲食後、携帯電話でタクシーを呼び出し、さらに夜食を食べている間、一時間近く路上に付け待ちさせたり、あるいは飲食店の女性を自宅まで送ってから帰宅するつわものもいたと、そう記事には書いてあります。  本当に、そういう意味ではこのタクシー接待の問題、改めて総理にお聞きしたいんですが、後期高齢者医療制度の問題で日本中の高齢者の皆さんが日々の暮らしに不安を持ち必死に不満を訴えられておられるわけですが、そんな中で、一方で政府の役所が税金である公費の使い方、これほどふまじめというか無頓着ということについて、政府の最高責任者としてどのように責任をお感じになっておられるでしょうか、お聞かせください。
  62. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 公費の無駄遣いのようなただいまの指摘のことにつきましては、これはもう厳に慎まなければいけないと、こういうことは、もうまさにゼロにしなければいけないというように思います。どうしても必要なものはこれはしようがないですよ、これは経費として当然認めなければいけない。しかし、それを超えるようなことについては、これはとんでもない話だというように思います。  それと比較していいのかどうかというようには思いますけれども、例のガソリン税の問題ですけれども、これを復活しないと、これは既に決まっている予算を予算として執行できないということでありますので、したがいまして、どうしてもこれは復活させていただく必要がある。しかし、一か月間これは収入、税収なかったわけでありますから、その穴埋めをしなければいけない、その工夫をしていかなければいけない、こういう状況であります。  それは一緒にはできないと思いますけれども、しかし、無駄を排するということはこれはどうしてもやっていかなければいけない、そう思っております。
  63. 川崎稔

    川崎稔君 総理、本当に今のお話を伺っていて、予算が組んであるからとか、そういうのはまさに税金を使う側の論理なんですよ。国会は税金を払う側の立場になってチェックする、それが私たちの役割なんですよ。そういう意味で申し上げているのであって、そういう意味では、是非公費の厳格な管理をお願いしたいと思います。  ちょっと時間がございませんので、次の質問に移らせていただきたいと思います。  次に取り上げます問題は、道路特定財源から支出されている国土交通省の公用車の問題、その車両管理業務に多大な費用を要しているという点を取り上げさせていただきたいと思います。  「道路特定財源から支出した公用車にかかる費用」、これ資料お配りしておりますので御覧ください。いずれもこの資料、国土交通省から我が党の大久保勉議員の方に提出をいただいた資料を基に作成をさせていただいています。  一番上が公用車の購入額として、年間五億から三億、それぐらい掛かっています。その下が運行費、これは職員である運転手の方に人件費としてどれぐらい払っているか、これはまさに公務員であります。そして、その下に車両運行管理委託費ということで、その合計で全体で約百億円近い大変な税金が、まさに全国の道路関係事務所で公用車につぎ込まれているんですね。当然この金額、公用車の台数が多ければ多いほど、あるいはその一台当たりのまさに運行管理にお金が掛かれば掛かるほど全体として膨らむわけですが、まず、公用車そのものについて国土交通省にお伺いしたいと思います。  この資料の下側の方に、公用車、十八年度で百十台購入したと。決して金額でいえば安くないんですね。四百万円以上、あるいは三百万円台後半、三百万円以上といった車も少なくありません。むしろ、二百万円未満の車というのは全体の二割にしかすぎません。このような高額な公用車が要るのかどうか。  また、表の一番右側にお示しをしておりますが、十八年度末で道路関係の事務所だけで一千四百二十六台、これは工事用車両は含まれていません。乗用車だけです。こんなに要るのかということについてお答えをいただきたいと思います。
  64. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  最初の車両購入の方でございますが、用地交渉でありますとか、あるいは現場監督あるいは地方公共団体との打合せ、多人数で移動するということも多うございますので、主に六、七人乗りのステーションワゴンタイプということで購入をしてまいりました。しかしながら、先般取りまとめていただきました改革本部で、六、七人乗りの車両であっても仕様の小型化、二千㏄以下を進めることとしたところでございます。  さらに、台数の方でございますが、十八年度末で保有しております連絡用車両は千四百二十六台でございますけれども、これらにつきましては今後約二割、これを削減するということにしたところでございます。
  65. 川崎稔

    川崎稔君 千四百台以上の車両を保有していて、二割をカットすればもうそれで済むという話は実はとんでもない話であります。  しかも問題であるのは、この車両管理業務、恐らく運転等を含めて外注をされているという趣旨なんだろうと思うんですが、その上位十社、国土交通省さんから資料を提出していただきました。我が党の大久保勉議員の方に提出をいただいた資料ですが、この上位十社のうち、実は、左側に十八年度の国土交通省から支払われた金額、そして右側に国土交通省のOBの数が示されています。見事に上位三社、国土交通省の御出身の方がたくさんいるところに公費も行っているということなんですが、大臣にお伺いしたいんですが、この三社との契約随意契約、指名競争、一般競争、どの形態でしょうか。
  66. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 随意契約が多かったのでございますが、いろいろの御指摘もあり、そしてまた総理からの御指示もありまして、昨年の十二月二十六日に、これからは総合評価方式とか、あるいはできれば一般競争入札へ移したい、そのようにいたしているところでございまして、できるだけたくさんの方の競争ができるようにしようということでございます。
  67. 川崎稔

    川崎稔君 これからではなくて、これまでどうしてきたかということを確認させていただきたかったんですが、少なくとも私どもが提出をいただいた資料によりますと、ほとんどが指名競争入札であるというふうにお聞きをしております。しかも、この上位三社のうち、一番上の会社と三番目の会社、この二社が大変多いと。特に、いただいた資料、実は地域別、整備局別の数字をいただいていますが、中国、四国、九州、この三つの地方整備局が行った十八年度の指名競争入札は三十四回、うち三十三回がその二社だけで行われていると。  大臣、この二社だけ指名されるというのは何か理由があるんでしょうか。──いや、大臣にお願いします。大臣に通告していますよ。
  68. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 私の方からお答え申し上げます。  国において指名競争をする際には、会計法令に基づきまして契約の種類ごとに指名する場合の基準を定めてこれにのっとって行うことになっております。当然でありますが、車両管理業務につきましても契約予定金額に対応する等級をきちっと満たしているのかどうか、あるいは不誠実な行為がないことなど個々の契約業務についてきちっと対応できるのかどうか、あるいは地理的条件を満たしているかなどについて審査をした上で行っておりますが、御質問の三地方整備局における契約につきましては、これらの基準をすべて満たすものが結果的にこの二社であったということでございます。
  69. 川崎稔

    川崎稔君 いや、この車両管理業務、全国でも本当にたくさんの会社があるんですよ。それで、なぜ二社しかないのかというのは本当に不思議でなりません。OBがたくさんいる会社になっているというのはこれはどういうことか、今後も引き続き当委員会でも追及をしてまいりたいというふうに思っております。  なお、お手元にお配りした資料、先ほどの新聞記事のコピーの左側の方でありますが、昨日の六月八日の毎日新聞朝刊です。この記事は、国土交通省の公用車運転業務が高額で発注されている問題について、関係者の証言などを取り上げ不透明な実態が報道されています。この報道について、冬柴大臣、どのように受け止めておられますでしょうか。
  70. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 談合は、絶対にあってはならないことでございます。しかしながら、談合があるあるということだけで調査するわけにはまいりません。  しかしながら、今日、具体的にお示しいただいたこの代表的な日刊紙で、六月八日付けで会社の名前も特定されて、先ほど来出ました日本道路興運という会社の職員がこういうことがあったということを述べたという記事がございます。私どもは、関係者、周辺の人も全部含めて早急に事情聴取をいたします。そして、そこから得られた情報に基づいて、私はもしそういうことが、ここに言われているような談合のような、いわゆる公正取引を害するような事実が認められれば公正取引委員会に報告をいたしまして職権の発動を促します。また、私どももこういうことがあれば、これに対して我々が行使すべき権限、厳正に処置をしたいと、このように思っております。
  71. 川崎稔

    川崎稔君 大臣、今の点については本当に重い発言です。公取委あるいは会計検査院を含めてしっかりとチェックをしていただきたいと思いますし、とにかく公費が、税金が無駄遣いをされないように、非効率に使われないようにこれからもしっかり対応をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  72. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 決算重視参議院では、これまで去年暮れを含めて委員会を十回開いて五十三時間に及ぶ充実した質疑をしてまいりました。これほど順調に審議ができるのは、同じ常任委員会の中でも決算は法案を抱えていないからだという陰口が聞こえないわけではありませんが、真剣な質疑を通じて、予算の執行に伴う問題点を洗い出し、行財政の無駄を厳しく指摘してまいりました。全閣僚の御出席をいただいて締めくくり総括質疑となりました。多数を占める民主党を始め、野党の委員の皆さんにおかれましては、十八年度決算を否認することを避けて、与野党が一致して決算委員会成果を示すことができるような選択をしていただくことをなお期待して、質疑に入ります。  総理、ヨーロッパ歴訪、ローマの食料サミットへの出席、御苦労さまでございました。  これは根拠のある数字かどうか定かではありませんが、通称、世界の株式市場では数千兆円が動き、原油の取引は今や天文学的数字となっています。一方、穀物市場は数兆円のマーケットで、特定のファンドが左右することができる程度の規模と言われます。今の異常な相場は需給のバランスで決まるのではなくて、食料まで極端なマネーゲームの対象となっています。このまま天井知らずの値上がりが続くと、アフリカへの食料援助さえ困難になってまいります。  洞爺湖サミットは環境問題が主要なテーマと承知していますが、緊急の課題として原油高、穀物高を取り上げて、例えば小麦、大豆、トウモロコシの基準価格を設定して一定の期間各国に守らせる国際取決めをまとめるなど、福田総理のイニシアチブで強烈なメッセージを出すことができれば政治的効果は極めて大きいと存じます。いかがですか。
  73. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 御指摘の食料問題、これは急遽大きな問題となってまいりました。それも、貧困国において、また途上国において食料不足と飢饉が発生する、そしてそれが原因でまた暴動も発生するといったようなこういう事態になっておりまして、これはもう本当に食料価格の高騰それから不足というだけでない新たなる状況に入ってきているんじゃないかというふうに思いまして、大変憂慮いたしております。  そういう観点から、私は先般ローマのFAOのハイレベル会合に出席をいたしまして、そしてスピーチもいたしました。食料価格の高騰問題への対応、これを重視しているから出席をしてそういうスピーチをいたしたわけであります。そして、食料の緊急支援、また農業生産力の増強、備蓄米の放出、それから第二バイオ世代燃料の重要性といったようなものなども強調してまいりました。  北海道の洞爺湖サミットでも、従来は、御指摘のように環境の問題とか、それから国際経済の問題、またアフリカ開発、それから国際的な保健の問題とかいったような様々な問題を議論するということでありましたけれども、そこにこの食料糧の問題というものが加わってまいりました。この問題についても、問題の解決に向けた力強いメッセージを、これをG8の共同提案ということで発出をしたいと、このように考えております。  そういう観点から、G8の各国そしてまた国際機関と協調して協議してまいりたいと思っております。
  74. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 昨日、自民党の二階総務会長を団長に、与党の代表団がテント三百張り、カップヌードル二千食、その他三十一トンの救援物資を携えて中国四川省の成都に行ってまいりました。わずか四時間の滞在でしたが、四千五百万人を超える被災者の方々を案ずる私どもの思い、心は、中国側が日本の人々の愛を感じるとあいさつの中で述べた言葉で、ああ、十分伝わっているなと感じました。  ちょっと日付がさかのぼりますが、総理と胡錦濤主席との日中首脳会談について、二点見解を伺います。  一つは、共同声明の四項の(二)です。中国側は、日本の国際連合における地位と役割を重視し、日本が国際社会で一層大きな建設的役割を果たすことを望んでいるとあります。これは、日本の安保理常任理事国入りについて中国はもう反対しませんよと明言していると受け取れます。そうだとしたら、中国政府の明らかな政策転換です。二〇〇五年の春、北京の日本大使館に対して行われた反日デモは、日本の常任理事国入りに反対するスローガンが中心でした。ニューヨークの国連本部での中国の外交官のロビー活動でも、日本に反対する動きが見え隠れしていましたから、これは首脳会談の大きな成果だと私は受け取っています。もっとアピールしたらいかがですか。
  75. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 約一か月前になりますが、胡錦濤国家主席が訪日されまして、私と会談をいたしました。その際は、戦略的互恵関係というものの進展というものを目指して会談をしたわけでありますけれども、私は十分な成果があったというように思います。  そして、今御指摘の国連安保理常任理事国入りにつきまして、その会談の中におきまして、私から日本の立場というものを説明し、そして中国側の理解と支持を要請いたしました。それに対しまして胡主席から、今御指摘のありましたような発言ございました。その旨はこの首脳会談においても発表いたしております。戦略的互恵関係の包括的な推進に関する日中共同声明においてもこれは記載をされております。  こういう表現は、日本の国連安保理入りを、常任理事国入りですね、それを中国が明確に支持を表明したというところまではいっていません、表現としてはですね。私は、中国は急に転換したということじゃないんですね。だんだんと変わってきたというように思っております。私は、日中は本当の戦略的互恵関係の立場になれるんじゃないかというように思っておりますので、これは大変大きな建設的な表明であったというふうに思っております。  我が国は、引き続き中国との間で本件について緊密に意思疎通を図りまして日本の立場についての更に明確な支持表明を求めていくとともに、本件を含めた幅広い対話を強化して、アジアと世界の安定と発展に共に貢献する戦略的互恵関係を築いてまいりたいと思っております。
  76. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 もう一つ、共同声明の中では油田の開発問題について、東シナ海を平和、協力、友好の海にするとさらっと触れているだけです。この書きぶりは従来の表現から一歩も出ていません。ところが、記者会見で総理は、大きな進展があり、長年の懸案に解決のめどが立ったことを確認したと、今後更に細目を詰め、できるだけ早期に合意することで一致したと具体的に述べておいでです。  白樺、中国名の春暁を始め、油田の開発地点は中間線付近に点在していますが、中国側が中間線を認めていませんから、拉致問題と同じでらちが明きそうもないと思っておりました。ですから、光明が見えてきたとおっしゃる総理の言葉は大変重要です。東シナ海の資源開発問題がどんな形で進展するのか、いつごろまでに具体的な姿が見えてきますか。
  77. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) この案件、長年の案件でございますけれども、胡錦濤主席が訪日されたときに会談をいたしまして、そして確認をいたしました。長年の懸案に解決のめどが立ったということを双方確認をいたしたわけでございます。  ただ、細目を詰める必要がありますので、そのためにもう少し時間が掛かるということでこれ了解いたしたわけでありますけれども、それほど時間は掛からないと思っております。  ただ、中国においてあのような災害が起こったということがございますので、その分時間が掛かっているということでありますけれども、時間の問題だというふうに理解いたしております。
  78. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 総理の口からは余り細かいことはお話ししにくいのは、とりわけ外交案件については理解をしておりますが、めどとはどういう中身ですか。
  79. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 解決するという双方の了解ができたと、こう考えて結構でございます。  ただ、そのためにまだいろいろと技術的な問題もございます。石油開発のことですからね。開発の条件等々いろいろございますので、そういうようなことについて更に詰める必要があると、こういうふうに思っておるところでございます。
  80. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 今日のところはこの辺りでとどめますけれども、そう遠くなく中身が具体的な形で徐々に現れることを期待しておきます。  次に、クラスター爆弾の禁止条約を協議していたオスロ・プロセスがダブリン会議で事実上の全面禁止案を採択して終わりました。日本政府も、総理のイニシアチブで方向転換して賛成しました。私も個人的に、そろそろ潮どきだなと思っておりました。総理の判断を支持いたします。  ただ、ヨーロッパはほとんどの国がオスロ・プロセスに参加していますから、作らず、持たず、使わないという国ばかりですからよろしいのですが、日本の周りを見渡してみると、中国、ロシア、南北朝鮮、ベトナム、いずれもオスロ・プロセスには参加しておりません。もちろん、アメリカも加わっていませんから、例えば六か国協議の加盟国の中で日本だけがクラスター爆弾を破棄することになります。東アジアにお人よしが約一名と言われるのも不愉快な思いがしないでもありません。  元々クラスター爆弾は、親弾一つの中に六百四十四個の子弾が入っていて、どかんといくと子弾が六百四十四個周辺に散弾する極めて非人道的な兵器であることは確かでありますが、実は幾つかの条件を満たせば禁止の対象になりません。条件の第一は子弾が十個未満のもの、それから子弾の重さが四キログラム以上あるもの、子弾自身に誘導機能があってねらった地点を外さないこと、さらに子弾に自己破壊機能が備わっていて一定の時間がたつと自爆して不発弾として残らないこと、これがおおむねの条件です。  総理、日本は丸裸になるつもりですか。それとも、自衛のための抑止に許される範囲のある程度の機能をとどめるつもりですか。これは極めて重要な判断だと存じます。いかがですか。
  81. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) クラスター弾につきましては、従来から、今御指摘のとおり、人道上の問題も言われてきたわけですね。そういうようなこともありますが、しかし我が国は、安全保障上の必要性もあるという観点からクラスター弾を保持しているということであります。  今回、こういうような条約案がコンセンサス、採択されたということ自身は、これは人道上の観点からいっても歓迎すべきことだというふうに思っております。しかしながら、同時に、我が国の安全保障ということを考えた場合に、自衛隊の保有するクラスター弾、これは条約の規制対象になると考えておりまして、我が国としてはダブリン会議の結果を踏まえて、条約の署名に向けて、現在保有しているクラスター弾の機能を補完するために必要な安全保障上の措置を適切に検討していかなければいけないと。安全保障の問題は安全保障の問題として、これはしっかり対応していかなければいけない。そのためには何がいいのかということも総合的に考えていく必要があるんだろうというふうに私は思っております。
  82. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 石破防衛大臣、プロ、一言お願いします。
  83. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 今総理からお答えがあったとおりでございますが、私どもはクラスター弾を海外で使うということは全く考えておりません。抑止力として持っておるわけでございまして、その特性は面的制圧能力ということにございます。  使いますときは、市民の方は避難をしていただく。また、もう不幸にしてクラスター弾を使わざるを得なかった場合も、また戻っていただくときには子弾に不発弾がないかどうか全部調べるということで考えてまいりましたが、仮にクラスターを保有しないということになりますと、私どもは遊びや冗談でクラスターを持っているわけでは全くございませんので、これで抑止力がどれほど減殺をされるのかということはきちんと確認をしなければ国民の皆様方に対して責任は持てません。また、委員が御指摘のように、東アジアにお人よしの国が云々かんぬんということになれば、かえって地域に不安定を増すことにもなるのかもしれません。  要は、我々のクラスターというものがどれだけの抑止力を持っているか、それが減殺されるということになればどうやってそれを補うべきかということはきちんと議論をし、議会においても御教導を賜り、我が国の防衛力というのはあくまで抑止力として持っておるものでございますから、その点をよく心しながら対応してまいりたいと考えております。
  84. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 国家公務員が再就職した公益法人、特殊法人、それから独立行政法人や特定営利企業など、各種の法人四千六百九十六団体に対して、十八年度に中央官庁から補助金や事業の発注、委託、物品の調達などによって流れたお金が十二兆六千億円あります。  前から私、気になっているんですけれども、十三兆円の無駄遣いという言葉が独り歩きしていて、テレビのコメンテーターも十三兆円の無駄を省けばこの問題が解決するといった具合に、このことが引用されています。この十三兆円、無駄無駄と言われる十三兆円の根拠はこの十二兆六千億円のことを言っているのではないかと考えます。ほかに思い当たる数字がない。だとしたら、例えば十二兆六千億円のうちの四兆五千億円は、国民生活金融公庫や中小企業金融公庫、日本学生支援機構や農林漁業金融公庫などへの財投からの融資資金の貸付けです。貸し付けた資金は、貸したんですから、いずれ返済される資金です。  会計検査院に伺いますが、この十二兆六千億円は無駄なお金ですか。
  85. 伏屋和彦

    会計検査院長(伏屋和彦君) お答え申し上げます。  今先生お尋ねの十二兆六千億円は、私ども考えますに、一つは衆議院における予備的調査による数字であって、その中身は、国家公務員の再就職者が在籍している法人等に対して国から交付された、今先生言われましたように、様々な国家補助金等や貸付金も含めまして契約に基づく支出であると承知しております。これは大変大きな金額でございまして、いろいろな内容を含んだものであるということから、お示しの金額の全額が直ちに無駄遣いであると申し上げることは難しいと考えます。  これらの金額の中に不適切な使われ方をしているものがあるかどうか、これにつきましては、個別に具体的に検査した結果を見てみないと一概には申し上げられないわけでございます。  いずれにいたしましても、国民の皆様から納めていただいている貴重な税金等から支出されているものでございまして、会計検査院としては、法に従い、しっかり検査していく必要があると考えております。
  86. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 まあ会計検査院の答弁とは、そういうことになるんでしょう。私の申し上げているこのトータルがどうも無駄の対象というのは、そういう例の使い方は独り歩きすることはいかがなものかということを指摘したので、個々に無駄がないとは、私、全く思っていません。極めて問題が多い項目ありとねらいを定めております。しっかりした各府省庁の出先でもありますので、油断なく徹底的に調査をして、立法府に報告をしていただきます。  長寿医療制度について基本的な問題意識を指摘しておきます。  テレビを御覧の皆さんに分かりやすいように、例を一つ、丸めた数字でお話をいたします。ある市に住んでいるAさんについて厚生労働省は、国保のとき二千円だった保険料が、長寿制度になって千五百円にしたので五百円引き下げましたと説明をします。ところが、この市は国保のときに千円補助金を出していたものですから、運営の主体が市町村から都道府県の広域連合に移ったため、千円の補助金が打ち切られました。したがって、二千円の保険料のうち千円を負担していたAさんは千五百円払うことになりました。厚労省は千五百円にして五百円引き下げたと説明しますが、Aさんは千五百円になって五百円高くなったと言います。地域によってまちまちで、個人ばらばらです。厚労省がやはりありのまま、保険料は下がる人が多いはずだけれども、中には負担が増える方もいらっしゃると、ありのまま説明をすべきでした。最初に、保険料は下がりますと明言したことが不信と混乱の原因です。  与党は、七割減額して徴収している均等割部分に九割減額を新たに設けたりして、今年度はおよそ四百七十万人を対象に大幅な保険料の軽減をすると思い切った見直し方針を固めていますが、最初の説明のつまずきが尾を引いて、昨日の沖縄の県議選でもそのあおりが顕著に現れたのではないかと思われます。  政治は社会の中で弱い立場の人のために存在するということであるとしたら、政府は与党の主張にそして人々の思いに耳を傾け、目先の手直しだけではなくて、抜本的な見直しと懸命に取り組むことを強く要請しておきます。  厚労大臣決意のほどはいかがですか。
  87. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 後期高齢者の医療制度につき、いろんな説明不足を含めて今御批判を賜りました。様々な御批判に対しては謙虚に耳を傾け、そしてきめの細かい手当てをしていきたいというふうに思っております。  今、与党のプロジェクトチームでその取りまとめを行っておりますので、政府・与党と一体となって国民の納得のいく形でこの見直しを行いたい。そのときに、やはり保険証一枚で、それこそ沖縄にいようが北海道にいようが、いつでも、だれでも、どんな病院でも受けられるこの国民皆保険制度、これをどうして守っていくのかという視点が極めて重要であります。  そういう意味で、旧来の老人保健制度が行き詰まっているというのは、これ十年前からそういう見直し議論をしてきたところでありますので、やはり国民皆保険をどうして守るか、そして本当に御高齢の方々のためにどういう保険制度がいいか、こういう思いを込めてつくった制度でございますので、必要な見直しを行った上できちんと国民皆保険制度を守っていく、そういう決意で仕事を進めてまいりたいと思っております。
  88. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 地方の消費者行政の実態についてですが、いささか置き去りにされている懸念がございます。  この十年余りの間に消費生活センターは一・三倍、消費生活相談員は一・六倍に増えているんですけれども、それでも相談件数の激増には追い付きません。特に、数をそろえようとしますから、給与は安い、交通費は出ない、年収百五十万円未満の人が四五%を占めるというのが全国消費生活相談員協会の調査の結果です。  こんな実情の中で中央に消費者庁を新設して大臣を置いてみても、手足のない裸の王様になりかねません。地方の弱体化の立て直しに早急に取り組む必要を指摘させていただきたいと存じます。  これは岸田大臣、お答えをお願いします。
  89. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) ただいま進めております消費者行政の一元化の議論の中で、御指摘のように中央の組織の充実とそして地方の消費者行政の充実、これは二つの大きな柱だというふうに認識をしております。  中央におきまして新しい組織、しっかりとした権限、そして能力を持つこと、これはもちろん大切でありますが、地方におきまして国民からの苦情、相談、こうした国民の声をしっかりと集約する、この情報を一元化する仕組みをつくらなければいけない、そしてその前提としてしっかりとした窓口を充実させなければいけない、こういった議論が今進められているところであります。  中央と地方と共に行政組織が充実することによって大きな成果を上げていきたいと考えております。
  90. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 頑張れ。とても大事です。  以上で私の質疑を終わって、同僚の野村議員にバトンタッチいたします。
  91. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 関連質疑を許します。野村哲郎君。
  92. 野村哲郎

    ○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。  福田総理におかれましては、我が国主催のアフリカ開発会議、TICADⅣなり、あるいはまたFAOが開催しました食料サミットなど、次々と重要な国際会議を重ねてこられました。また、若林大臣も、FAOのハイレベル会合なり、あるいはまたWTOの非公式の閣僚会議、昨日お帰りになったということで、大変、我が国の食料安全保障の観点から輸入国としての主張を存分にやっていただいたものというふうにお聞きしているところでございます。  そこで、決算審査でございますので、今まで各我が党の委員の皆さんからそれぞれの省に対しますいろんな質問がございました。本日は、今申し上げました最近の世界的な食料危機そして我が国の食料安全保障に絞って、幾つか御質問をさせていただきたいと思います。  まず、総理にお伺いするわけでありますが、五月の二十八日から三十日にかけまして、アフリカの五十一か国の首脳やあるいはまた国際機関が参加しまして第四回のアフリカ開発会議が行われました。  その中で、福田総理は、アフリカ成長の世紀でありますということを演説の最初に取り上げられました。総理は、私たちがこれから共に新しくつくり上げていく新しいアフリカの歴史とは成長の歴史であると述べられました。そして、その成長のための三つのテーマにお触れになったところでございます。  一つはインフラの整備であり、向こう五年間に四十億ドルの円借款の提供を約束されました。二つは民間投資の重要性であり、そのためにアフリカ投資倍増支援基金を新設し、この基金も含めて、これは国際協力銀行の対アフリカ金融支援でございますが、五年間で二十五億ドル規模にすることも約束されました。そして、三つ目でございますが、農業問題でございます。総理は、アフリカの成長を確かなものにするには、アフリカの総人口の三分の二が従事している農業発展の重要性についてお触れになっておられます。食料価格高騰の短期的対策として、日本政府が一億ドル規模の各国への食料援助の大半をアフリカに向けることもお約束されました。日本が持っております技術なり、あるいはまた日本が携わりまして開発した、私も初めて聞いたネーミングでありましたけれども、ネリカ米、こういったものの普及に力を入れることも表明されたわけでございます。  そこで、今回開催されましたTICADⅣについて、私は、アフリカが抱えておりますいろんな諸問題、特に農業問題が中心になろうと思うんですが、このことを真正面から総理はお取り上げになりまして、しかも一つずつ一つずつ丁寧に具体的な取組姿勢をお示しになったということで、大変評価されているのではないかというふうに思うわけでございます。特に農業問題につきましては、聞くところによりますと各国の首脳も農業一色だったと、こういったようなお話も伺っておるわけでありますが、総理自身も農業分野における日本の貢献を力説されております。  そこで、TICADⅣを総理は主催されましてどのように実感されておられるのか、また、大変精力的に四十か国の首脳とも直接会談されたわけでございますが、どのような成果があったか、率直な感想をお伺いしたいと思います。
  93. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) このTICADⅣというのはアフリカ開発会議というように言った方が分かりがいいのではないかと思いますけれども、日本が主催して始めまして、今回で四回目なんです。先月の末に横浜で開催されまして、招待した国、アフリカ全部で五十三ございますけれども、そのうち五十二か国が出席し、そしてそのうち首脳が四十か国以上出席されると、こういうふうに非常に大きな会合になりました。  アフリカも今までは途上国というようなことで、経済成長もはかばかしくない、いろいろな問題もある、紛争もあると、こういうような状況でございましたけれども、これがここ近年かなり状況は変わってきたというように思います。経済成長も全体でも五%以上の成長がある、そして十か国以上の国々は六%以上の成長をしているというようなこと、ましていろいろな資源にも恵まれているというようなことで、そういうような開発も今進みつつあると、こういう状況であります。  ですから、そういう国々と緊密なる関係を持つということは日本にとって極めて重要なことだというふうに考えておりますので、今回のアフリカの関係のこの会議については私は高く評価すべきものだというふうに考えております。  また、いろいろな首脳と会談しまして、様々な課題ございます。もちろん、決して楽でない国もたくさんあるわけでございますけれども、そういう中でもってやはり農業というものは大変重要であるということはこれは委員の御指摘のとおりでございまして、そういうような声は多くの首脳からも出てまいりました。  私どもとしては、そういうことについてもできるだけ支援していこうということで、もう既にJICAの青年海外協力隊などはアフリカに参りまして農業支援をするとかいうような援助をいたしておりますし、そういう面につきまして、これからますます食料問題ということがクローズアップされてくる、そういう時代でございますので、我々としても力を入れてこの分野に取り組んでまいりたいというように考えておるところでございます。  また、先般、FAOの会議がございました。そのアフリカの会議の各首脳の意見等も踏まえまして、FAOにおきましても農業生産の増強の必要性といったようなこと、また農業の分野へのいろいろな支援、また短期的な緊急援助ですね、食料援助とかいったようなことについてもFAOの中で発言できましたことは、やはりこういうようなアフリカの実態を見て判断できた問題だと考えております。  したがいまして、この私の今の思いを洞爺湖サミットにつなげてまいりたいと、このように考えているところでございます。
  94. 野村哲郎

    ○野村哲郎君 是非この横浜宣言を確実なものにするためにも、行動計画に基づきまして着実にこの進捗状況を把握して、そして信頼される日本、そして貢献する日本としての評価を高めていただきたい、このことをお願い申し上げたいと存じます。  次に、食料の安全保障についてお伺いをいたしたいと思います。  人が生きていくためには、その三要素として衣食住と、こういうふうに言われて昔からおります。私は私なりにこれを解釈を変えまして、イショクジュウのイは医、医者の医、医療の医だと、こういうふうに思うわけでございまして、衣ではなくて医療の医であり、住は、住む家だけではなくて、そこに安心して住めるところと、自分なりにこのように解釈を実はいたしておるところでございますが、非常にこの現代版医食住、大変今国民の関心があるところだというふうに思っております。  そこで、医食住の食の問題について総理に御質問申し上げるわけでありますが、食料問題がこれほどまでにいろんな会合で国際舞台の主役に躍り出たことが過去にあっただろうかというふうに思うわけであります。大変、今どの新聞を見てもこの食料安全保障というのがよく出てまいります。見出しにも出てきております。もちろん、TICADⅣの議論でもそうでありましたし、また先ほど総理お答えになりましたFAOの議論の中でも食料の安全保障というのが頻繁に出てまいりました。  私は、この食料の安全保障というのは、その時々の時代を背景にして今日、食料の安全保障というのは取り上げられてきているというふうに、その時代時代の背景に基づいて出てきていると思うんですが、今日における食料の安全保障というのは総理はどのように御認識されているのか、お伺いしたいと思います。
  95. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 我が国では、食料の安全保障ということはかねてより言われてきたんです。なぜ言われてきたか。それは自給率が低いということです。それは平時はいいですよ、平時は問題ありませんが、何かあったときに食料が供給できないということになった場合にはどうなるかということを考えていたわけですね。しかし、その安全保障の必要性というものについて、食についてはやっぱり軽視されてきたということもあろうかと思います。今まではお金を払えば買えるんだというように思っていたんです。ところが、この一、二年、必ずしもそうじゃないんだぞという時代になりましたね。ですから、もう今まさにこの食料の安全保障というものは本当に真剣に問われなければいけない、そういう時代になったという認識を我々はしておるわけでございます。  農林水産省においても食料安全保障課というのができましたね。そういうような今の状況を反映してのことでありますけれども、我が国はそういうような状況の中で何をなすべきか。それは自給率を向上することですよ。日本の国内の生産力を強化することですよ。  そして、それが、まあしばらくたちゃまた余ってくるんじゃないかなんていう悠長なことを考えていられるかどうかということは、ちょっと状況は違うんじゃないかなと。それは、この気候変動の問題もあります。そしてまた、途上国の経済状況は良くなったということもございます。そして、何よりも人口は増えているんですね、いまだに。今増えているんですよ。今六十五億ですけれども、これが七十億、七十五億というように食料の需要がどんどん増えていくと、こういうような状況の中で、これはもうのんびりしていられないぞと、こういうことであります。ですから、本気になってこの問題にこれから取り組んでいかなければいけないというように思います。  そのために、取りあえずは水田農業を中心に農地を最大限に利用できるようにするための農地政策改革をしなければいけない。また、自給可能な米については、可能な限り主食用米の消費拡大を図るという消費面における改革、これも必要である。また、麦、大豆等への転作と併せて、主食用以外の用途として米粉、飼料への活用など、水田の新たな利用の可能性を追求する。また、若者など、多様な人材が現在農業を支えている元気かつ経験豊富な農業者とともに農業を再生していくための経営に応じたきめ細かな支援、要するに人材養成ということですね。そういうことなども含めて考えていかなければいけない。様々な方策をこれから考え、そしてそれを実行していかなければいけないというような状況になったというふうに思っております。
  96. 野村哲郎

    ○野村哲郎君 私が先ほど総理の質問で、今日における安全保障、食料の安全保障というふうに申し上げましたのは、実は過去の総理大臣で食料の安全保障に触れられたのはだれだっただろうかなと思って調べていきますと、昭和五十五年の大平総理でございます。この昭和五十五年の防衛庁の設置法の一部改正というのがありまして、中身は申し上げませんが、この質疑の中で、社会党の議員が、総合安全保障は食料、燃料、兵器であり、特に食料に対する展望についてという御質問の中で大平総理が答えられております。  ただ、ちょっと読ませていただきますと、当時の答弁でありますが、大平総理は、農業の生産性の向上に極力努め、自給力の向上を図る一方において、国内農業との調整を図りながら、輸入の増強を通じて国民食料の確保に努めてまいりますと、こういう答弁でございました。もちろん今とは時代が違い、この当時の食料自給率、カロリーベースですが、五三%でございました。つまり、この答弁は、自給力も高めるけれども、海外からの輸入を増やすことによって国民食料の安定確保を図るという意味だというふうに思います。  ただ、今、福田総理は先ほどの答弁で、今までこのことについて軽視してきたと、金があっても買えない時代であると、生産力の強化は本気で取り組むと、こういう大変力強い御答弁をいただきました。多分、今日見ていらっしゃる消費者の皆さんはもちろんのことでございますが、厳しい経営を強いられております生産者も安心感とそして期待感を持って今の答弁を聞いていらっしゃるというふうに思います。ただ、その期待にこたえるべく施策を集中していただきたい、そのことを強くお願い申し上げる次第でございます。  次に、先ほどちょっとお触れになりました洞爺湖サミットの対応についてでございます。  私は、先ほども総理がお答えになりましたFAO主催によりますこの食料サミットで、福田総理は、いろんな我が国の基本姿勢を格調高く、しかも世界最大の食料純輸入国の立場からお訴えになりました。その中で、食料不足で当然苦境に立たされている途上国に対する緊急的な国際支援、これを呼びかけられたわけでありますが、そのほかに三つ私は大事なことを御提言なさったと思っております。  一つは、農産物の輸出規制の自粛でございます。二つ目は、我が国を含めまして、先ほどの御答弁のように、各国が農業生産を強化することを提案されました。そして三つ目は、バイオエネルギーと食料安全保障のかかわりについて言及されているところであります。  このように、福田総理が食料不足なりあるいは価格高騰によって世界の安全保障が脅かされている重大かつ危機的局面に対しまして必死にお訴えになっているわけでありますが、ただ、この食料サミットの宣言、いわゆるローマ宣言では、やはり自国の食料確保優先を主張する輸出国、あるいはまたバイオ燃料の促進を目指す国、こういった主張も取り入れられまして大変抽象的な表現にとどまったことは誠に残念の極みだと言わざるを得ないと思います。そういう意味で、今回のこの宣言は玉虫色と、こういう論評もあるところでございます。    〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕  しかし、先ほどもおっしゃいましたように、七月には洞爺湖サミットがございます。これは地球温暖化が当初は主題だと聞いておりましたけれども、ここに来まして食料の安全保障も重要なテーマになってきたというふうに思うわけでありますが、そこで、福田総理が主張されております輸出規制の自粛なり撤廃、あるいはバイオ燃料対策について、この洞爺湖サミットで我が国の主張をどう反映させるおつもりなのか、あるいは議長国としてどのように解決の道筋をお付けになるつもりか、御答弁をいただきたいと思います。
  97. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) FAOの会議で、まあ様々な意見が出ました。農業輸出国、輸入国、そしてまたバイオの輸出国ということですね。いろいろ皆さん、意見がそれぞれの立場でございます。それをまとめるのは容易なことではなかった。結論、玉虫色というふうにおっしゃいましたけれども、私は大変な会議だったと思います。  ということは、今までそういうことを議論したことないんですね。そういうことをあれだけの多くの国々が参加して真剣に議論をしたということでありますので、あるバイオの輸出国、生産国では、そこの大統領が三十分間スピーチしましたけれども、ほとんどバイオの生産の正当性というものを訴えていましたよ、そういうような内容でございました。しかし、そういうことを議論したということが、これはこれからのいろいろな議論に必ず反映されてくるものだというように私は確信いたしております。  G8の中でも、米国はバイオを一生懸命やっている国でございますので、そういう生産国がどういう立場を取られるか、これはまだ分かりません。分かりませんけれども、国際的な食料問題という観点からG8が集まって議論をするということは当然あり得べきことであるし、またその中でどういう方向性を出せるかということについて、私もこれは非常に大きな関心を持ち、また議長国でありますので、それをまとめていくという責任があります。しっかりとまとめていかなければいけない、そして食料の需給において、少なくとも不足するということが発生するような国がないようにするということも我々の責任だろうというふうに考えておりますので、そういうことを含めまして、また食料の増産とかいうことも含めまして、議論を大いに闘わせてみたいと思っております。
  98. 野村哲郎

    ○野村哲郎君 次に、FAOやあるいはWTOの非公式の閣僚会合に出席されまして、昨日お帰りになりました若林大臣に、大変お帰り早々でございますけれども、質問をさせていただきたいと思います。  まず、先ほどから、私は福田総理にこの食料の安全保障に関して基本的な認識をお伺いをしてまいりました。アフリカを始め開発途上国の食料問題にも重大なこれは関心を持たなければならないというふうに思いますが、翻って我が国の食料安全保障を考えたときに、まさにこの危機的な状況というのは、質こそ違え、私は開発途上国と同じ問題を抱えているというふうに言っても過言でないのではないのかなというふうに思います。  私の地元でも、国際貢献も大事なことだ、これは理解できると、しかしながら日本人の食料の確保や農業対策はどう進めるのかという御質問をいただきます。特に、原油高や穀物価格、そして海上運賃の値上がりによりまして、飼料を始め肥料の生産資材の高騰、これはもう二倍、三倍にもなっているわけでありますが、もう農家は完全に悲鳴を上げております。もうこのままでは生産現場、日本の食料を供給していた農業の現場は経営を維持できないと、こういったようなことも聞いておりますし、また漁業者の皆さん方も燃料の高騰でもう沿岸からそれから遠洋漁業まで一斉に漁を休むと、こういったような話合いもあるというふうに聞いておるわけでございます。  担当大臣として若林大臣は、この食料安全保障の観点から、農業なり漁業なり第一次産業の振興をどのように今後お進めになるつもりか、お伺いをいたしたいと思います。
  99. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) 委員がお話しいただきましたように、私は総理のお供をいたしましてFAOの世界食料サミットに出席をいたしました。  世界食料サミットでは、私は副議長として、百七十か国からの各国代表の皆さん方の議論をよく伺いながら、全体どう取りまとめていくかということの責任の一端を担っていたわけでありますが、総理からお話がありましたように、世界各国それぞれの立場において、食料というものは、国民に対します安定した、安心できる必需品としてこれを供給する必須のものであるという基本的な認識の下に、それぞれの国が食料生産に力を入れていくべきだというのを共通の認識にしながら、非常に活発な有益な議論が行われたというふうに理解をいたしました。しかし、それぞれの国の立場がございますので、総理がおっしゃられましたように、それらを全体取りまとめた上でローマの宣言をまとめたわけでございますが、それらの宣言は、この後七月に開かれます食料サミットの中において、できるだけそういう意向というものを反映していくことが我が国の議長国としての役割だというふうにまず考えております。  御質問ございました食料の安定供給のための自給率の確保でございます。  先ほど総理が具体的に四点お話しをいただきました。私も全く総理認識、そしてこの必要性について共有しておりますが、私は、この総理の御指示をかねていただいておりますので、その御指示に従いまして国内の自給力を高めると。これは、農地が生産基盤でございますし、同時にまたこれを支える担い手というものが大事でございますし、同時に、これらの生産力を上げていくためには、漁業も同じでございますが、やはり技術革新というものがこれに合わせて進められていかなければならない。そういう観点に立ちまして、国内の農業、さらには漁業の、食料の供給力の強化を図っていくということが大事だと思っております。  しかし、資源に制約のある我が国のことでございますから、すべてを自給というわけにはまいりません。その意味では、非常に地球温暖化などの影響もございまして世界的な食料の生産の先行きについてなお課題が多くあるところでございますが、必要な農産物、食料につきましては安定した輸入が確保できるような努力を一方でしなければなりませんし、不測の事態に備えました備蓄ということも必要だと考えておりまして、そういう意味で、自給力を向上し国内生産を基本としながら、輸入とさらに緊急事態に備えた備蓄ということも含めまして、国民の皆さん方に不安を抱かせないような政策を強力に進めていかなきゃならない、このように考えているところでございます。
  100. 野村哲郎

    ○野村哲郎君 時間が残り少なくなりましたので、当面いたしております具体的な農業政策についてお伺いをいたしたいと思います。  先ほど来申し上げておりますように、配合飼料の大変な価格高騰によりまして、今は畜産、酪農の皆さん方は悲鳴を上げているというふうに申し上げましたけれども、大変な今状況にございます。特に配合飼料の原料でございますトウモロコシであるとか、あるいはまた海上運賃の高騰によりまして、一昨年の十月は四万二千円、トン当たりでありますが、もう現在では六万二千円になっておりまして、二万円の高騰であります。  さらに、まだ今後この高騰は続くというふうに見込まれているところでありますが、ただ、この配合飼料の高騰を緩和するための基金制度がございました。今までは何とかこの基金によって農家の実質的な負担というのは軽減されてきていたわけでありますが、もう既にこの基金が枯渇し、そして借金で賄わなければならない、こういう状態になっております。農家の皆さん方は何とかこの基金発動で飼料価格の高騰を抑えてほしいと、こういう御要望も強いわけでありますが、先ほど言いましたように、もう既に基金も枯渇している状況、そしてこの発動がなくなったらもろに飼料価格がそのまま値上がってしまう、大変な先行きの不安を持っておられるわけであります。そういう状況の中で、今年の二月に緊急対策をしていただいたわけでありますが、しかし、それでもこの飼料の高騰は止まらないし、海上運賃のフレートも上がりっ放しでございます。  そこで、畜産農家の皆さんが大変苦しんでおられるわけでありますが、若林大臣、このテレビで酪農家の皆さんや畜産農家の皆さんが御覧になっていると思います。そこで、そういう農家の皆さん方に元気が出るように、そして将来の心配がないように、ここで大臣決意のほどを是非ともお聞かせいただいて、農家の皆さん方が自分たちの畜産にいそしめるように是非とも決意を述べていただきたいと存じます。
  101. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) 委員は、鹿児島の中でかねてから非常に農業及び畜産を含みます第一次産業に対して大変な御造詣を持っておられます。特に畜産については、今おっしゃられましたような危機的な状況にあるということを憂慮されまして、熱心に取り組んで御意見をいただいてきているわけでございますが、委員がおっしゃられますように、一昨年の秋以降、配合飼料価格、この原料でありますトウモロコシ価格が中心でございますが、それとフレートの上昇なども含めまして飼料価格が高騰いたしております。そのことは、それぞれの畜種によって違いますけれども、大きく飼料にコストを依存しております畜産経営にとっては大変厳しい状況になっているということは認識をいたしておるつもりでございます。  そういう中にありまして、自由民主党におきましては三月末に配合飼料の高騰対策のプロジェクトチームを設置して、委員もその中のメンバーとして大変熱心に取り組んでいただいてきたわけでございますが、そこで追加対策の検討が必要だということを決めていただきまして、先般六月五日に酪農、肥育牛、肉豚の経営安定対策の充実強化を図るべしということで、中間的な取りまとめをいただいたところでございます。  農林水産省といたしましては、このプロジェクトチームの中間取りまとめでありますとか、さらにまた生産者、生産者団体などからの要請を受けております。それらを踏まえながら、まず配合飼料価格の安定制度、これは維持していかなければなりません。その基本的な機能を維持するとともに、その飼料価格対策では対応し切れない部分がそれぞれの畜産経営に及んでおりますので、酪農、肥育牛などの畜種ごとの実態に応じた経営の支援をしなければならない、そのための追加的な緊急対策の検討を今行っているところでございまして、この十二日には食料・農業・農村政策審議会の畜産部会を開催をいたすことにいたしております。この畜産部会で配合飼料価格高騰への対応について広く有識者の意見を聴きながら、我が国の畜産・酪農経営が今後とも安心して経営が継続できるように、具体的な緊急対策をここで講じていく決意でございます。
  102. 野村哲郎

    ○野村哲郎君 ありがとうございました。  終わります。
  103. 弘友和夫

    弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。  私は、まず初めに、今いろいろ議論されております長寿医療制度について、時間の関係総理に一問だけお伺いしたいというふうに思っております。  この四月からこの制度はスタートしたわけでございますけれども、今までの説明不足だとかいろいろ不手際もあったのかもしれませんが、やれうば捨て山だとか、また、年寄りを殺すのかなど、とんでもない制度ができたように連日テレビ等で言われておりますけれども、そもそも、なぜこの長寿医療制度ができたのかと、またつくらなければならなかったのかと。高齢者の方を切り捨てるのではなくて、本格的な高齢社会の進行の中で、国民全体で高齢者の方をどう支えていくのかという趣旨でつくられた制度だと思うんです。  先ほど、民主党の柳澤議員、本当に真摯な議論をされておりまして、私は、まさしく国が八百四十九兆もの借金を抱えて、そして高齢社会が急激に進んでいくと。そういう中で、今までの制度では駄目だというこの必要性において、与野党ともこの認識において十年前からずっとこの論議をされていた、これは共通認識の下で論議をされてきたわけですよ。  スタートして、運用の改善等いろいろあるので、与党としてはまとめておりますけれども、野党の皆さんに、この長寿医療制度はじゃどこが駄目なんだと、駄目と言うならばその対案を出していただけないかということで言いましたら、今回出されたのはあの後期高齢者医療制度の廃止法案という、私、これ目を疑ったんですけれども。今までの老人保健制度では駄目だと、もうもたないと、こう言って、その駄目だと言った制度に、元に戻しなさいという、こんなことはおかしいんじゃないかなと思うんですね。  平成十二年の十一月三十日、参議院国民福祉委員会、健康保険法の一部改正の審議の際の附帯決議、これは共産党さんを除いて全党全会派共同提案者で、提案理由の説明は民主党の議員さんがされたわけです、提案理由の説明を。それにこう書いているんです。「政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。」と。その一番目に、「抜本改革の重要な柱である老人保健制度に代わる新たな高齢者医療制度等の創設については、早急に検討し、平成十四年度に必ず実施すること。」と、一番目にあるんです。老人保健制度に代わる新たな高齢者医療制度、それを早急に検討して、平成十四年度に必ず実施することという附帯決議まで付けているわけですよ。  しかも、平成十七年の衆議院の民主党さんのマニフェスト、「新たな高齢者医療を創設します。」と明確に書かれておりますよ。そしてまた、お聞きしますと、小沢代表が以前に、七十歳以上の高齢者医療制度をつくるべしというふうに言われている。そういう中で、にもかかわらず元の老人保健制度、その悪いと言った、どうしようもない、変えなければいけないと言った老人保健制度へ戻しなさいというのは、余りにもこれは無責任じゃないかと。  しかも、最近は、取りあえず長寿医療制度、これを取りあえず廃止して次のことを考えるんだと、こう言われておりますけれども、取りあえずといったって、この廃止法案は来年の四月一日に廃止することになっているわけですよ。来年の四月ですよ。そして、そのときに元の老人保健制度へ戻るわけですから、じゃ、その後どうするんですかという話になる。  しかも、先週、厚労委員会参議院の、これはもうびっくりしましたけれども、理事会で委員長さんが、理事会といったら普通協議する場なんです、委員長さんが、与党の発言もともかく、社民党さんや共産党さんの意見も聞かずに採決する日を決めて強行採決したと。今までにない、かつてないこういう問題、私はこんなことが、先ほどからもお話ありますけれども、繰り返しをしていたら、今世界が本当に動いている中で、こんなことで果たして日本はどうなるのかと私は思うわけでございます。  本来、年金や医療、介護、こういうものは、社会保障については政争の具にするんじゃなくて、真摯に与野党で私は論議をして決めるべきだと、こういうふうに思いますけれども、総理総理はこれについて、まあ参議院がこういう逆転の状況だからじっと我慢されているのかもしれませんけれども、こういうことははっきりと明確に私は言うべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  104. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 弘友委員のおっしゃるとおりの経緯なんですね。そもそものことを申し上げれば、平成十一年の五月にある民間の企業の健康保険組合が、これが延納すると、もうお金払えない、負担できないと。要するに、高齢者が増えてくる、そういう状況の中で負担が増えていく、そういう状況で延納するということをしまして、それからそのときに千七百四十組合ぐらい、これは全体の九七%というんですけれども、それだけが延納の手続を始めると、こういう事態になったんですよ。これは大変だということで、翌年、これは何とかしてもらわなきゃいけないというために、それまでの、何というか、老人保健制度ですよ、今の前の老人保健制度は変えると、こういうことを、先ほどおっしゃったように、この参議院委員会でもって附帯決議でありますけれども決議したんですね。何としてもこれは変えなきゃいけないと、こういうことになったんですよ。  そういうことから、平成十四年から段々的に毎年年齢を一歳ずつ上げるとか、それから負担も三割から五割に上げるとかいうようなことを毎年積み重ねて、そしてこの高齢者医療制度に突入したというか入ってきたわけですね。新しい制度になったわけです。  そういう経緯を考えますと、やっぱりこれは、この制度によって何とか定着をさせなければいけないというふうに考えるのがまずは我々の責任だろうというふうに思います。これをましてや廃止して、そして、じゃ何か新しいいいものがあるのかと、それはまだないんだということでもって、ただ廃止だけを決めるというのは余りにも先を見ない議論だというように思いますので、私はその意見には賛成しかねると申しますか、無謀な意見だというふうに思っております。その辺、なぜ廃止するかということについてよくお話を伺わなければいけない、そんなふうにも思っているところであります。
  105. 弘友和夫

    弘友和夫君 時間がございませんので次に移りますけれども、次は地方財政とまた生活排水処理の質問をしたいと思うんですけれども。  一点目は、今いわゆる社会保障費の増大、どんどん増大してくる、借金もたくさんあるという中で社会保障費の財源どうするんだと、二千二百億の今論議になっていますけれども。私は、公明党としましては、まず第一には徹底的に無駄を省く、無駄をなくすということが第一で、昨年の十一月には税金の無駄遣い対策PTというのを設置して、今その洗い出しをやっております。それから、従来から事業仕分をきちっとやりなさいと、総理は先ほど政策の棚卸しをされるというお話がございましたけれども、まさしく今までこうやってきたからというんじゃなくて、もう一度ここで全部事業仕分というか政策の棚卸しをすべきじゃないかという観点。  第二点目は、今地方が非常に大変な状況借金が残高が百九十七兆だと、この返済負担がまさにあって、地方財政はがけっ縁にあるという二点目。  それから三点目は、七月には洞爺湖サミットありますけれども、環境問題、そういう中で水問題というのは、非常に大きな水資源の問題は様々あります。  日本の水質環境基準の達成率というのは今五割程度なんです。五割に達していない。その原因は、第一は生活排水によるものだという観点から、その三つの観点から、私は、従来の下水道政策を改めて浄化槽へ転換を図るべきじゃないかということを御質問したい。まず、そういうことが私は今の時点で一石何鳥にもなるんだという角度から質問をさせていただきたい。  生活排水といっても国民の皆様よくお分かりにならない方もいらっしゃいますけれども、まず、し尿、トイレですね、それから雑排水という、台所だとかおふろから流れ、それをどう処理するか。今まではずっと、国交省の下水道、それから農水省の農漁村集落排水事業、それから環境省の浄化槽という三つの事業をずっとそれぞれやってきております。とりわけ、下水道事業というのは公共事業のずっと一一、二%を占めてきたんです、一一、二%を。この二年は一〇%を切りましたけれども、ずっと今まで八十兆を使って下水道整備を行った。  その結果、じゃ地方財政どういう状況になっているか。資料にあると思いますけれども、平成十八年度決算では、地方公営企業決算規模十九・三兆円の中の下水道の占める割合が六・〇一兆円、三一%なんです。この三一%、六・〇一兆円というのはどういう数字か。これは、普通会計歳出八十九・二兆円ですよ。八十九・二兆円の六・七%を占めるのがこの下水道会計六・〇一兆円と。今いろいろ問題言われております、道路整備も言われておりますよ。これ、十年間五十九、一年間五・九兆円。道路特定財源でも五・四兆円ですよ。それを上回るのが下水道会計だという状況。  次に、その内訳を見てみましたら、地方債の償還、いわゆる借金を返すのが二・七兆円、維持管理費が一・〇六兆円、新たに造る建設改良費が二・一兆円掛かっている。使用料としていただけるのは一・四兆円。だから、あとは一般会計から繰り出ししています、一・八兆円。新たにまた借金、地方が借金をするのが一・五兆円なんです。国から、県からの補助金は七千六百億。だから、公営企業への繰り出し金三・四兆円の中の一・八兆円は公共下水道事業だと、こういうふうに言えるわけでございまして、これの負担が地方は今大変な状況になっているということでございますが。  総務大臣、この数字に間違いがないのか、そしてまた公営企業借金は今どれぐらいになっているのか、簡単にお答えいただきたい。
  106. 増田寛也

    国務大臣(増田寛也君) 下水道財政の現状は今先生御指摘のとおりの数字で、状況でございます。  それから、今お尋ねのございました公営企業債全体の残高、これは平成十八年度末で五十九兆三千三百七十一億円と、こういう数字でございますが、そのうち公共下水道に係るいわゆる公共下水道事業債の残高、こちらが三十兆五千六百五十六億円ということでございますので、公営企業債全体の五一・五%と半分強を占めているところでございます。これは御案内のとおり、平成十八年度に繰り出し基準等を見直しまして、私どもも地方財政措置を講ずると、こんなことを行っているところでございますが、まだ残高の半分強残っていると、こういう状況でございます。
  107. 弘友和夫

    弘友和夫君 それで、こういうことを続けておりましたら地方財政は本当にもたない。  あの破綻した夕張市の下水道事業、資料にもあると思いますけれども、人口は一・三万、一万三千人なんです。普及率は二八・三%。余り普及していない二八・三%ですけれども、汚水処理に掛かる費用は三億三千四百万ですよ。使用料としていただいているのは五千八百万ですよ。回収率一七・四%、年間に二億七千五百万、これ一般会計から補てんしないといけないんですからね。毎年毎年、やればやるほど、この一万三千人の市で二億七千五百万を毎年これは、もっと整備やっていったらもっと増えると思う。だから、下水料、今度破綻して上げましたよ、もう倍近く。    〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕  ここだけの話じゃないんです。人口五万人未満の市町村の下水道事業、汚水処理、本来だったら一世帯当たり十四万二千九百四十八円、公営企業ですからね、使用料として賄う、十四万二千九百四十八円いただかないといけないのに、使用料金は四万三千七百八十九円。一世帯に十万円ずつ毎年、一世帯でですよ、五万人以下の方は補てんをしないといけないという構造になっているわけですよ。これはやはり大変な私は問題だというふうに思っております。ですから、これは全国で今一般会計等から補てんしているのは八千四百億ぐらいあるんですけれども、これ、だんだんだんだん、減らないんですから、これは。これは大変な数字だというふうに思います。  それで、私は、こういう公共事業は赤字だから全部やめなさいと言っているんじゃないんです。赤字でもやらなければならないものはありますよ。例えば道路にしても、それは無駄は徹底的に省かないといけない。無駄は省く。  そういう中で、私、先日、大分のいわゆる限界集落、豊後大野市の大野町北部、土師地区というところに、過疎集落に行ってまいりました。住民の皆様からそこで言われたのは、県道四十一号線、大分大野線という県道が来ている、すぐそばまで。だが、整備されていない、車が通れない。私は、車が通れない県道があるのかなというふうに思いましたけどね。だから本当に、これが整備されたら、子や孫が帰ってきて大分市に通えると、もう涙ながらに訴えられておりました。  ですから、私は、こういうのは当然やるべきだと。私は冬柴大臣に、同じ党だから言うんじゃないんですけど、本当に私は尊敬しておりまして、大変努力され、また庶民の心が分かる。だけど、信念の方です。幾ら今の世の中どういう風潮になろうとも、後世のためにやらなければならないものはやるんだと、徹底的に無駄は省きました。道路の予算なんて半額になったじゃないですか。さっきも法人が出ていましたけど、五十一法人、十六法人、これも今からもっと切り込みますよと、こう言われている。だけど、必要なものはやるんだと。病院もそうなんです。公営病院も赤字だから全部やめますと。無駄は省かないといけないけれども、残さないといけないのもある。だけど、これは本当に私は大事な観点だと思いますね。  渡辺大臣、私、一場面をとらえて、冬柴大臣は悪代官だと、渡辺大臣は正義の味方だと、こうテレビでずうっとやって、イメージは怖いものだなというふうに思いましたけれども、こうして拝見しておりましたら、何か反対なんじゃないかなという。まあ、しっかり渡辺大臣は非常に頑張っておられるんでね、いい仕事をされているというふうに思いますけれども。  だけど、私は、本当にやるべきことはやるんだ、公営病院だってそうだと。だけど、この下水道は違うんです。これは、国民の皆さんが、下水道が必要というよりも生活排水、汚水処理施設を必要としているわけですよ。ですから、代わり得るものがあれば、これは当然安くて、あれです、代わればいいじゃないですか。  環境大臣、私はこの浄化槽というのは世界に誇る本当に日本のすばらしい技術だというふうに思いますけれども、この特徴と、それから、だれとは言いませんけれども、下水道部局の方が各議員回って、浄化槽は二〇ppmで下水は一五ppmだから、二〇ppmの水は、隅田川のどろどろとしたあの汚い写真付けて、こういう水ですよとか言って回っている人がおりますけれども、とんでもないことだと、こういう人こそ接見禁止にすればいいんだというふうに思いますけれども、時間がありませんので、端的にお願いします。
  108. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) 浄化槽の特徴について幾つか申し上げます。  一つは、処理性能が優れている。下水処理場並みに、例えば放流水のBODが二十ミリグラム・パー・リットル以下でBOD除去率が九〇%以上で排水を浄化できるということ。さらには、コストが安いということ。それから、短時間で設置できる。そして、地形の影響を受けずどこでも設置が可能である。例えば駐車場一台分の面積があれば十分。さらに、地震に強いと。地震によって被害があっても早期の復旧が可能と。こういうようなことを加えまして、先ほどお話ありましたように、二十ミリグラム・パー・リットル以下という放流の水質基準は、これは都道府県が定める一般的な上乗せの排水基準に匹敵するレベルであると。  こういうようなことで、先生おっしゃるように極めて優れた装置であるということでございます。
  109. 弘友和夫

    弘友和夫君 今大臣が言われました、これだけの性能が優れている、私はむしろ下水よりもいいんじゃないかと思っています。設置コストも安い。これ復唱しませんけれども、こういう機能があるんです。  残りが今二千二百三十七万人分、約七百五十万世帯なんです。これをもう、今まで付けたものは壊すわけにいきませんから、今からこの七百五十万世帯どうするかという話なんですよ。  それで、国土交通省の方、来られていると思いますけれども、じゃ、これを残り全部下水道でやった場合はどうなりますか、ちょっと。
  110. 江藤隆

    政府参考人(江藤隆君) お答え申し上げます。  未整備のところについて今議員の方からどのようにするのかということですが、基本的に公共団体において地域の特性を踏まえて経済比較を行って、人口が密集したところは下水道、人家がまばらなところは浄化槽ということでやっておりますので、人家がまばらなところまで下水道を整備する前提で算定を行っておりません。
  111. 弘友和夫

    弘友和夫君 多分そう言われると思って、これ勝手にというか、浄化槽の場合ははっきりしているわけですね。八十万円で七百五十万掛けたら六兆円ですよ。今、毎年国、地方二兆円の下水道予算使っております。三年でできるんです。私の試算はもっと、実勢価格五十万ぐらいですから、七百五十万というと三兆七千五百億、二年掛からないでできるんです。  だから、これは、上は私勝手に試算しましたけれども、一・五%、進捗状況、二兆使って云々と。もっと掛かるんじゃない、もっと今からどんどんどんどん郡部に行くわけですからね。ですから、むしろここはきっちりと、もう無駄なことはやらないと。どうしても下水道しか駄目だったらそれをやればいい。だけれども、そういうことは私はないというふうに思っております。毎年毎年、二年後からは二兆円ずつ浮くんですよ、財務大臣。そういう話なんです。だから、私はこれを大胆に切り替えるべきだというふうに思います。  先日も、ときがわ町という、埼玉県へ行きました。五年前に見直した。見直したら、中心部だけ大体下水道だったら七十億、これをやったらもう三五%、五〇%、二〇%も伸ばして健全経営ということで、最後に、なくなりました、是非これは変えていただきたい、棚卸しをして政策変えてもらいたいということを総理にお答えいただきまして、終わりたいと思います。
  112. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 内閣総理大臣、答弁は簡潔にお願いします。
  113. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 公共事業に限らず、国の支出在り方については、国民の目線に立って無駄の排除に向けた取組政府全体で進めているところであります。  そういう趣旨にのっとって、この下水道事業についても、従来の手法とかそういうことにこだわらず、地域ごとの汚水処理施設の整備手法、これを定期的に見直しを行いながら適正な方法を取っていかなければいけない。ただ、地元が実情を熟知しているということでありますので、地元の判断というものは大変大事だろうというふうに思っております。
  114. 弘友和夫

    弘友和夫君 終わります。
  115. 紙智子

    紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず初めに、後期高齢者医療制度の問題について総理に伺いたいと思います。  先週の六日、後期高齢者医療制度の廃止法案が参議院で可決されました。ここには国民の皆さんの痛切な願いが反映されているものです。そして、先日、沖縄の県議会議員選挙が戦われましたけれども、ここでも最大の争点となったのがこの後期高齢者医療制度でした。そして、結果は、与党が惨敗をし、過半数を割るという事態になりました。  この敗因について、総理もまた官房長官もそのことが背景にあるということをお認めになっていると思います。そうであるならば、ここはきっぱり廃止をされたらいかがでしょうか、総理
  116. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) やめるかどうかという話になりますが、そう簡単なものじゃないんです。今、どういう問題点があるかというものを集中点検いたしております。それの答えが出てまいりますので、そういうものを見て総合的に判断したいと思っております。
  117. 紙智子

    紙智子君 手直しでは駄目だというのが国民の皆さんの声なんですね。やはり、制度の根本的な考え方、年齢で切り分けて、そして医療を抑制する、差別する、こういう制度の根幹そのものに間違いがあるということで国民の皆さんが怒りを上げているわけです。そして、その怒りが、説明されればされるほどそのことに気が付くわけですから、ますます強くなってくる。そういう中で、先日、そのことを反映して廃止法案が出されて可決をされたわけです。  そして、これについては、与党の中、自民党の皆さんの中でいっても、本当に長老と言われる中曽根元総理大臣やあるいは堀内総務会長さんなども含めて、こんな冷たい制度じゃ駄目だと、堀内元総務会長などは、この思想はまさにうば捨て山だと、こういうふうに言われているわけですよ。ですから、やっぱりそこを真摯に受け止めて、これは廃止すべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。これはもう答弁は要りません。  次に移らせていただきます。  六月三日からローマでFAOが主催する食料サミットが行われました。ここに総理も出席をされて、そして発言をされました。今飢餓で苦しむ人たちのためにも一刻も早く支援の手を差し伸べなければならないと、それからまた、こうした今の食料不足の中で、世界最大の食料純輸入国である我が国においても、食料自給率を高めることを通じて今の不測の事態に対して貢献できるように、そのために努力を、あらゆる努力を尽くさなければいけないという発言をされたわけです。  私、お聞きしたいんですけれども、総理はこの自らの発言についてどのような理解の下でされたのかと。つまり、世界最大の食料純輸入国、確かにそうです。そのことは、つまりどういうことかといえば、日本はこれまで世界各国の食料を買い集めてきた、そのことが今日この食料危機、飢餓を一層促進しているということにつながっているということを自覚されての発言だったんでしょうか。
  118. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 今まで食料は世界でどちらかといえば余剰があった、だから我が国も輸入できたんです。そして、また同時に、低廉だったでしょう。低廉だったということはその大きな証明であると思いますよ。ですけれども、この一、二年状況が変わってきたというそういう状況の中で、我々は新しい状況ということで考え方を修正していかなければいけないという時期に至っているというふうに思っているわけであります。  この間のFAOで話をいたしましたのは、それは、緊急的に食料を困っている国に、飢餓にあえいでいる国に支援のために拠出するということ、そういうこととか、今こそそういう国々においても農業生産高を増強するための生産力強化、これを図らなければいけないということ、そのために我が国としても応援できることがあれば応援しましょうといったようなこと、それから、バイオマスにつきましても、これを食料、穀物に関係のないセルロース部分を利用するといったような新しい技術をもっと開発しようではないかと、こういったようなことを提言したわけであります。
  119. 紙智子

    紙智子君 私は、やっぱり人ごとであってはいけないと思うんです。やはり、自分の足下を見なければいけないと思うんですね。  米について言いますと、今世界の米の価格というのは三倍以上に上がっていますよ。そういう中で、アジア諸国では米が不足して手に入らないと。それこそ暴動が起きるような事態になっているわけです。そういうときに日本では、米を減反して、作っちゃいけないと、余ったらペナルティーだと厳しく規制を掛けているわけです。米が余っちゃいけないといってそうやっておきながら、一方では外国からの米を輸入しているわけです。  これまで外国からミニマムアクセス米で入ってきているのは八百三十二万トンです。そして、百五十二万トンが今余って在庫になっているわけです。しかも、これ自体もおかしいわけですけれども、今度はその余っている輸入米を三十万トン放出する用意があると国際公約をされてきたようなんですけれども、困っている国にお米を支援するのは、これはいいと思いますけれども、しかし、この問題にしてもアメリカからの了承があったからじゃないんですか。アメリカがうんと言わなければできなかったんじゃないかと。  ですから、こういったことを含めて、国内で減反する一方、輸入を続ける、こういう矛盾をそのままにして洞爺湖サミットを本当に開いていいのかと、私は恥ずかしいことになるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。総理です。
  120. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 総理、答弁難しいですか。
  121. 紙智子

    紙智子君 総理に、基本的に総理に。農水大臣は明日、明日委員会ありますので、そこでやりたいと思います。
  122. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 若林農水大臣、では、簡潔にお願いいたします。
  123. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) 一言だけ。  MA米を援助用に出すということなど、アメリカの了承が必要であるかのような御質問がございましたけれども、そのようなことはございません。我が国の判断として従来もMA米を援助に活用してきておりますし、これは我が国の判断として行うことといたしているわけでございます。
  124. 紙智子

    紙智子君 総理
  125. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 総理、引き続いて答弁求められていますが。
  126. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ただいまの農水大臣の答弁と同じでございます。
  127. 紙智子

    紙智子君 私が問題にしているのはそういうことじゃないんですね。  結局、世界で今食料が不足していると。不足しているときに、増産しなきゃいけないと呼びかけられているわけですよ。その増産が求められているときに、何で今、日本で輸入を続ける一方で減反しなければならないのかということなんですよ。おかしいですよね、これは明らかに。それは、やはり政府が米の買入れ価格をこの間一貫して下げてきた、さらに米の価格保障をなくして価格を市場に任せてきた、こういう問題があるわけです。  ちょっとパネルを見てほしいんですけれども、このように生産費を下回る政府の米の買入れ価格ですよ。ずっとこれ下がってきているんですね。この青い線というのは実は生産費です。生産費よりも常に下回っている、そういうことで続けてきて、全体が下がっているわけですよ。そして、去年の秋口には、この六十キロ当たりの米価が一万四千二百六十五円、こういうふうに下がってきたわけです。  これは、実は米を作っている生産者の九五%はもう採算割れなんですよ。作れば作るほど赤字になると、こういう事態になっているんですね。そして、これ、労働報酬に換算して計算出していますけれども、一時間当たりで二百五十六円ですよ。これじゃ到底やっていくことできないという事態になっているわけです。  ですから、本当に、総理が約束されてきたように、言われているように、増産しようと、自給率上げていこうということであれば、米の価格を保障して、減反をしなくても安心して生産に取り組めるようにするべきではないんでしょうか。いかがですか。
  128. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) 基本的には食料の価格、これはやはり需給、需要と供給の中で決定される、そのようなメカニズムでなければ、これは長期的に、安定的に供給が需要に応じて行われるというようなことが担保されないことだと、このように考えておりまして、国として、米の価格につきましても、市場の需給情勢を反映した形で取引が行われるように食糧法を定めてそのような運用をしているところでございまして、やはり需給を反映した形で価格が決定されるというメカニズムは維持していかなければならない、このように考えております。
  129. 紙智子

    紙智子君 今問題になっているのは、国際的にいっても、国際的な人々の需給そのものが問題になっているわけですよ。今までとは大きく情勢変わってきているわけですよ。全体に不足している、そういう中でもっと各国は増産しなければならないと、そういう状況になってきているからこそ、EUも減反政策決めていたわけだけれども、これ撤廃することを決断したわけですよね。日経新聞に出ていますけれども、そういう記事が出ています。それから、アジア各国も今、米の増産を次々と打ち出しているわけですよ。こんなふうに、今の状況を踏まえて各国が切り替えてきている。そういう状況の中で、相変わらず同じ延長線上で、いや、需要と供給のバランスがと、そういうことではやっぱりいけないと思うんですね。  我が党は、日本農業の再生プランの中で、米については六十キロ当たり一万七千円の価格保障をする、これ不足払い制度ですけれども、不足払い制度の導入をうたっていますけれども、こういう価格保障制度を導入すれば無理な減反をせずに安心して米作りに取り組めるわけです。そして、この価格保障制度によって飼料の自給率、食料自給率の引上げ、これもつながっていく飼料米、これも積極的にこの後作っていくことができると。そのことは世界の食料生産にとっても寄与できるはずだと思うんですね。  今、大きなそういう国際情勢の変化の中で、やっぱりこういう方向を転換することが本当に求められているんじゃないかと思いますけれども、総理、決断すべきではないでしょうか。
  130. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) おっしゃっていることは、半分分かりますけれども半分分からない。  分かるところは、それは確かに生産者の生活を保障した方がいい、高い値段で決めた方がいいということです。それはそうしてあげたい。だけれども、じゃ、高い値段で国民がそのお米を買って食べると、そういうことになるわけですか。そこのところはちょっとよく分からないんですけれども、それとも政府が差額でも補償しようと、政府が出すんですか。政府財政再建で今一生懸命やっているところなんですよね、そういう部分も考えていただかなければ、総合的に考えて今の政策を取っておるのであります。  しかし、おっしゃるように、今確かに世界の需給というものは変調を来している、そういう中でもって我が国も今のような自給率でいいのかと、こういうことは大いに反省しなければいけないというふうには思っております。
  131. 紙智子

    紙智子君 今、財政が大変だからということをおっしゃったんですけれども、私は、本当に農業予算そのものも振り返って見てみますと、もうどんどん切り削ってきているんですよ。かつては三兆円超えるだけの農業予算あったわけですよね、農林水産予算が。今はもう補正予算付けなければ二兆円台ですよ。  ですから、ずっと予算を下げてきて、これ七一年のときには一般会計に占める農業の予算というのは一一%ありましたよ。それが今何%になっているか御存じですか、今三%ですよ。これだけ減らしてきて、これだけ深刻な事態になっているときに、お金がないからということで補償するのは難しいというのは、これはやっぱり考え方変えなきゃいけないと思いますよ。  今私たち提案している再生プランでいきますと、例えばそういう所得補償、不足払い制度ですけれども、不足払い制度ということでさっき言ったようなことをやりますと、大体九千億ぐらいのお金でできるというふうに提案しています。二〇〇八年度の今年度の予算の中で大体、所得とか価格のところに回っている農業予算というのは五千四百億か六百億だと思います。ですから、それにプラスあと四千億ぐらい上乗せすれば、これはできることになるわけですよ。  しかも、WTO協定の中で価格支持は削るという方向で一致しているということをいつもこのできない要因に挙げるんですけれども、これは全部否定しているわけじゃないですから。それぞれの国に対して必要な補助については確保できるということを認められているわけですよ。日本はその枠をほとんど使ってないですよ、使ってないに等しいですよ。各国はみんな使っているわけですから、そこを本当にその気になればあしたからだってできることだと、私たちはそういうふうに考えているわけです。  先日総理が公約したことを本当に実現するためには、私は、やっぱり今、日本農業の政策転換が求められていると、そのことを強く申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  132. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今日、冒頭、小川委員長から道路特定財源の不適切な支出指摘がございました。これはまだまだあるわけですね。我が党もあの悪名高きミュージカルの問題、追及をいたしました。  せんだっても阪神国道事務所を現地調査をいたしました。十九年度の随契で当初一千二百八十一万円で冊子百五十冊とビデオ一千本を作る契約で、何か五十年史作りたいと、こういうことだったんですね。結果として、印刷物はなくて原稿とも言えない座談会のテープ起こしなどのファイルが一冊だけ。ビデオは、国交省関係者のインタビューですけれども、ポルノでもあるまいし、顔がモザイク掛けられていてだれだか全然分からない。ちょっと見させていただきました。作成の意義が全く分からない。こんな格好で印刷を中止をして、八百三十万円だけでも金掛かったからといって払った。ところが、何と今度はこの二十年度にまた印刷費を追加する、こんなばかげたことを言っているわけですね。  冬柴大臣もあきれて物が言えぬという顔なんですが、一国道事務所だけで所長の裁量でこんなルーズなずさんなことをやっている。全国で百十四か所の国道事務所、河川事務所、これがある。ここでの広報広聴費、出しているのは広報広聴費ですよね。これの予算が九十八億円、一か所平均でいきますと八千六百万円あると、こういうことになる。  そこで大臣、今年度の見直し計画、大変御奮闘いただきました。努力なさったが、これを半減するということですけれども、どのように行って、いつ御報告なさるのか、お答えいただきたい。
  133. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もう今御指摘のようなものにはお金払いません。支出をいたしません。それから、その他広報広聴費につきましては、必要性を厳格にチェックして、道路行政、事業との関係の薄いものについては支出を取りやめます。その費用を十分に精査をいたしまして、一定の上限額を設定いたしまして高額とならないようにいたします。  また、御指摘のような各地方整備局、またその下にあるところ、こういうものについての支出額の削減目標を定めさすとともに、計画的な広報広聴活動を実施するよう指示いたします。広報広聴にかかわる契約のうち、予定価格が五百万を超えるようなものにつきましては、これについては地方整備局本局の承認を得ることといたします。  事務所任せにすることはなく、広報広聴経費の半減は今年度中に実現をしたいというふうに思っております。
  134. 又市征治

    ○又市征治君 そこで委員長にお願いいたしますけど、国交省、大変御努力も今なさっているわけですが、余りにもずさん過ぎた。四月の改革方針見ますと、外郭団体の公益法人を言わば人身御供に差し出した感、私は否めないと思うんです。その反面、本体の、今言われましたように、国交省の国道事務所や地方整備局、ここらの支出見直しが非常にあいまいだ、こういう感も否めません。広報広聴費も全体の予算の中の〇・五%にすぎないわけですね。中心であるやっぱり工事関係も本来は点検をすべきです。  そこで、当委員会として、会計検査院に対して国会法百五条による地方支分部局の検査要請というものを当委員会として決定をいただきたい。
  135. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまの又市君の要請につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  136. 又市征治

    ○又市征治君 次に、いわゆる限界集落という問題について取り上げたいと思います。  私、これ四度目なんですが、限界集落という言葉の是非、これは良くないですね、本当にね。あなた方もう限界よという式で言われているようなこんな言葉ですが。  現に、前回の調査から約十年で消滅した集落が百九十一、その半分は消滅が予想されてもいなかったという報告が国土交通省から出されました。昨年出されたんですね。今後十年で四百二十三集落が、そしていずれはというところも合わせると二千六百四十三の集落が消滅のおそれあり、こういうふうに報告されています。農地や森林、治水、小学校の放棄などが進んで、いったん人が住まなくなったらもう回復は不可能、これはもう常識であります。国民経済や社会、文化、大きな損失になるということだと思います。  そこで冬柴大臣、この報告書の中で、この役場本庁までの距離が二十キロ以上も離れて孤立した集落というのは、前回調査でいいますと一千三百九十四集落なんですね。ところが、今回やっていただいたこの調査では何と十倍に上る、一万三千四百七十五集落に上る。何でこんなこと起こったか。つまり、市町村合併、どんどん大型のことをやったからですね。随分と離れてしまった、こういうことです。この集落消滅の大きな一因だと思いますけれども、ここのところを大臣はまず一つ、これはどうお考え、受け止めておられるかということ。  二つ目に、この肝心の市町村行政担当者ですね。これアンケートやられているわけですが、この六四%、約三分の二の人が集落機能の維持、再編を行う予定はない、こういうふうに答えているというふうに集計されているんですね。これ、どういうふうにお受け止めになっておられますか。
  137. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 確かに市町村合併によりまして、今委員が言われましたように、前回調査千三百九十四集落に対して今回は一万三千四百七十五集落が役場本庁までの距離が二十キロ以上になったというところが、そのように増えたということは事実でございます。  そういうものに対してどう役場は反応しているのかということで、今アンケート調査によると、市町村行政担当者の六四%が集落機能の維持、再編を行う予定はないと答えたという御指摘ですが、これは問いが、何か具体的にどういうような施策を予定しているかという問いに対して具体的に今持っていないという、これも情けない話ですけれども、そういう人たちは予定なしと回答したというふうに言っているわけでございまして、これからこれはほっておける問題ではありません。  私どもも、これはただに国土交通省だけの話ではありません。国土交通省は、そういう住民の過半の方が高齢者であるという集落について調査はいたしました。しかし私は、そういう数だけの問題ではなしに、そこに住むお一人お一人がどのような思いでいられるのか。そこを離れる気はないのか、その理由は何なのか。例えばお墓がある、あるいは小さいけれども自分の耕作地がそこにある、あるいは生まれ故郷である、そういうようないろんな理由があります。  したがいまして、私は個別に、それは全国二十か所でいいからそこへ入って個別に訪問をして、一人一人に思いと、そしてこれからのどうあってほしいのか、それを聞いてほしいということで今やっているところでございます。その結果を踏まえて、また頑張りたいと思います。
  138. 又市征治

    ○又市征治君 冬柴大臣の方は国土保全という立場からこういうことをやっていただいていく、これはもう大変大事なんです。私は、これは総務省を挙げてやらにゃいかぬ仕事だと思うんですね、本当は。内閣府を挙げても。  今ちょっと、そういう感じを持たない担当者もおかしいという御指摘もございました。だけれども、一方で地方交付税五兆円も削られてそこにまで金が回せない、こういうこともあるわけですよ。そこのところもやっぱりしっかりと内閣全体として受け止めていただきたいと、こう思いながら、この点について総理にお伺いをしたいと思いますが。  四月に総務委員会が、京都府の綾部市の水源の里を視察をいたしました。ここの市長さん、全国に呼びかけて、こうした限界集落何としても活性化を図ろう、大変な努力をなさっています。総務委員会でも何度もお尋ねをいたしました。増田大臣からは重ねて、交付税の確保、他省庁と連携をして取り組む、今、冬柴大臣からもございました。そういう格好で努力をされていくんですが、大変重大な問題。  今、国土交通省の調査でいえば、昨年の調査では七千八百七十八か所、ここまでに上ってきた限界集落というものの急増と消滅の危機というのはこれはやっぱり大変な話。今申し上げたように、交付税の削減や大規模合併、こういったことなど、この間の弱肉強食の経済優先の政策の帰結、こう言わざるを得ない。経済効率優先で限界集落の消滅を放置するということは、それこそちょうど七十五歳以上後期高齢者のあなた方はもう限界ですよと、こう言ってレッテルを張っているのと同じ、私はそう言わざるを得ない、こう思うんですが。  経済効率で割り切るんではなくて、小さな集落も大事にして、今冬柴さんがおっしゃった、本当に何百年そこに文化、伝統根付いてきた、お墓がある、こういうところはやっぱり大事にしてもらいたい、みんなそうおっしゃっている。今こういうところを、やっぱり集落を消滅することを食い止めることは、まさに日本の社会と自然環境の原点を守るということでもあるんだろうと思うんです。  そういう意味で、地方交付税措置であるとか、あるいはバスだとかの交通手段の確保であるとか学校、医療、介護などの人材確保、さらには、そこで今度は郵便局もなくなっていきますなんて格好で問題が起こっているわけです。公共公益施設を存続をするということ、農林業振興策を別にやっぱり考えるということなど、様々な問題は各省を超えた私は総合的な活性化対策というのは必要なんだろうと思うし、総理は、今日繰り返しませんけれども、私、去年の十一月二十六日に代表質問で行ったときもかなり突っ込んだ御答弁をいただきました。  是非、そういう意味で、ここのところは各省挙げての対策を打っていく、そこらの決意をお伺いしたい。
  139. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 地方が消滅していくという姿、これは私は将来の日本の国土形成という観点からも大変問題視しなければいけないというように思っております。しかしながら、一方では人口も減少するという現実もありますので、そういう中でどういうことをしていくかということは極めて大事だというふうに思っております。  政府もそういう問題意識は常に持っておりまして、例えば地域活性化統合本部、こういうところでもって省庁横断的に地方再生戦略を取りまとめまして、医療、生活交通などの生活者の暮らしの維持確保、また農林業の維持、再生などによる地域資源を生かした産業の活性化、また二地域居住とか観光体験交流などを促進する施策のうちから個々の地域が自主的に選択できるような仕組みを考えているところであります。  また、更にきめ細かい対応をするために、今年二月に、東北、九州などの地域ブロックで地域活性化を一元的に進めるために八つの地方連絡室というものを設置いたしました。より一層きめの細かい地域のニーズにこたえてまいりたいと、そういうようなことをする中で消滅を何とか食い止めなければいけない。むしろ私は、地域が本当に元気になってほしいと思っているんですよ。そういう方向で何とか方向性が出るように努力してまいりたいと思います。
  140. 又市征治

    ○又市征治君 是非しっかりと取り組んでいかなきゃならぬし、我々もまた更にこういう人々の声を聴きながら、しっかりと政治に反映できるように努力してまいりたいと思っています。  最後の質問になりますが、二〇〇六年度の決算審査も事実上今日で終わるということになります。私もこの決算委員会ずっと長いんですが、長年来特別会計の余剰資金の問題、追及をしてまいりました。累計で三十兆円活用されることになったことについては、大変これも評価はしてまいりました。しかし、その使い道の大部分が国債の繰上償還で銀行に行くだけと、減税や医療や介護など国民生活改善にやっぱり回っていない、このことは何度も申し上げてきた。しかも、これは、この余剰資金は、特別会計、まだ依然として増えている。そういう点で、今年度の措置要求決議案も、今のところ各党合意でもっと活用を図るべし、こういうことになる予定であります。  そこで財務大臣、この積立金がストックだからといっても元はフローが積もったものでございまして、そういう意味では、この二つを区分けをして一般会計に戻せないという条文は、これは理屈になっていないんだと思うんですよね。景気減速に対応して減税など、やっぱり国民の暮らし、内需拡大にもっと活用すべきじゃないか。  例えば、アメリカは景気後退局面に入って今年の二月中旬にGDPの一%相当、つまり日本の金でいうと十七兆円を減税をして小切手で各家庭に送付する、内需拡大を図って景気の底支えをしていく、こういう対策を取られている。そういうことを通じて税収増が図られてその中から国債償還に図っていく、国民の懐を通ってやっぱり国債償還も図っていく、このことこそ今取るべきだ、このことを何度も申し上げてまいりました。  改めて財務大臣の御決意のほどを聞いておきたい。
  141. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 又市委員は、いつもこの特別会計の問題について取り上げられております。  もう御承知のとおり、特別会計の法律を改正しまして、特別会計の剰余金については一般会計に繰り戻すという形になっておりまして、二十年度においても、外為特会等を入れて一・九兆円ぐらい振り込んでいるわけでございます。一方で、財政投融資会計については、これは委員がおっしゃるように、まあ長年その財投で運用してきたお金ですから、これはやっぱり国債の残高の解消のために使わせていただくのが正しいんではないか、これは子々孫々のためにツケ回しをしていくんではなくて、ここでやっぱりきっちりとけじめを付けておくことがいいんではないのか、そういう考え方で対応させていただいているわけであります。  そういうお金を……
  142. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 大臣質疑時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
  143. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) はい。  減税とか何か言っておりますけれども、バブル経済崩壊後、我々はいろいろ公共投資とか減税とかやってきましたけれども、結果的には自律的な景気回復の過程に乗せることができなかった。そういうことをよく踏まえて今構造改革を行っているわけでございますので、ここは慎重に考えていかなければならないというふうに思っております。
  144. 又市征治

    ○又市征治君 議論は分かれるところでありますが、ここで終わります。  ありがとうございました。     ─────────────
  145. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、紙智子君が委員辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。     ─────────────
  146. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認めます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  148. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 速記を始めてください。     ─────────────
  149. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。  国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、お手元に配付のとおり、各府省所管の公益法人財務等の状況について、年金記録問題について、国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行について及び防衛装備品の一般輸入による調達について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  暫時休憩いたします。    午後四時十九分休憩      ─────・─────    午後四時二十七分開会
  151. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  次回は明十日午後零時十分に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十八分散会