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弘友和夫君 公明党の
弘友和夫でございます。
私は、まず初めに、今いろいろ
議論されております長寿医療制度について、時間の
関係で
総理に一問だけお伺いしたいというふうに思っております。
この四月からこの制度はスタートしたわけでございますけれども、今までの説明不足だとかいろいろ不手際もあったのかもしれませんが、やれうば捨て山だとか、また、年寄りを殺すのかなど、とんでもない制度ができたように連日テレビ等で言われておりますけれども、そもそも、なぜこの長寿医療制度ができたのかと、またつくらなければならなかったのかと。
高齢者の方を切り捨てるのではなくて、本格的な高齢社会の進行の中で、
国民全体で
高齢者の方をどう支えていくのかという趣旨でつくられた制度だと思うんです。
先ほど、民主党の
柳澤議員、本当に真摯な
議論をされておりまして、私は、まさしく国が八百四十九兆もの
借金を抱えて、そして高齢社会が急激に進んでいくと。そういう中で、今までの制度では駄目だというこの必要性において、与野党ともこの
認識において十年前からずっとこの論議をされていた、これは共通
認識の下で論議をされてきたわけですよ。
スタートして、運用の
改善等いろいろあるので、与党としてはまとめておりますけれども、野党の皆さんに、この長寿医療制度はじゃどこが駄目なんだと、駄目と言うならばその対案を出していただけないかということで言いましたら、今回出されたのはあの後期
高齢者医療制度の廃止法案という、私、これ目を疑ったんですけれども。今までの老人保健制度では駄目だと、もうもたないと、こう言って、その駄目だと言った制度に、元に戻しなさいという、こんなことはおかしいんじゃないかなと思うんですね。
平成十二年の十一月三十日、
参議院国民福祉
委員会、健康保険法の一部改正の
審議の際の附帯決議、これは共産党さんを除いて全党全会派共同提案者で、提案理由の説明は民主党の議員さんがされたわけです、提案理由の説明を。それにこう書いているんです。「
政府は、次の事項について適切な
措置を講ずるべきである。」と。その一番目に、「抜本
改革の重要な柱である老人保健制度に代わる新たな
高齢者医療制度等の創設については、早急に検討し、
平成十四年度に必ず実施すること。」と、一番目にあるんです。老人保健制度に代わる新たな
高齢者医療制度、それを早急に検討して、
平成十四年度に必ず実施することという附帯決議まで付けているわけですよ。
しかも、
平成十七年の衆議院の民主党さんのマニフェスト、「新たな
高齢者医療を創設します。」と明確に書かれておりますよ。そしてまた、お聞きしますと、小沢代表が以前に、七十歳以上の
高齢者医療制度をつくるべしというふうに言われている。そういう中で、にもかかわらず元の老人保健制度、その悪いと言った、どうしようもない、変えなければいけないと言った老人保健制度へ戻しなさいというのは、余りにもこれは無
責任じゃないかと。
しかも、最近は、取りあえず長寿医療制度、これを取りあえず廃止して次のことを考えるんだと、こう言われておりますけれども、取りあえずといったって、この廃止法案は来年の四月一日に廃止することになっているわけですよ。来年の四月ですよ。そして、そのときに元の老人保健制度へ戻るわけですから、じゃ、その後どうするんですかという話になる。
しかも、先週、厚労
委員会、
参議院の、これはもうびっくりしましたけれども、理事会で
委員長さんが、理事会といったら普通協議する場なんです、
委員長さんが、与党の発言もともかく、社民党さんや共産党さんの意見も聞かずに採決する日を決めて強行採決したと。今までにない、かつてないこういう問題、私はこんなことが、先ほどからもお話ありますけれども、繰り返しをしていたら、今世界が本当に動いている中で、こんなことで果たして日本はどうなるのかと私は思うわけでございます。
本来、年金や医療、介護、こういうものは、社会保障については政争の具にするんじゃなくて、真摯に与野党で私は論議をして決めるべきだと、こういうふうに思いますけれども、
総理、
総理はこれについて、まあ
参議院がこういう逆転の
状況だからじっと我慢されているのかもしれませんけれども、こういうことははっきりと明確に私は言うべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。