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国務大臣(
冬柴鐵三君) 四月十一日の
政府・与党
決定というものを時系列的に整理しますと、その前文は、二十年度については租特も道路整備の財特の方も早急に成立をさせるということがうたわれております。それが一番最初に来るんだろうと思うんですね。
そして、そこと競合して、要するに、無駄遣い、
委員がおっしゃった無駄遣いは徹底的にこれは排除するということ。
そして、その次に、今年度の税制抜本改革において、道路の特定財源制度というものを
見直しというか廃止をして、そして来年、二十一年度から一般財源化するということがうたわれているわけでございます。その際に、必要と判断される道路は着実に整備するということもうたわれております。
そして、暫定税率につきましては、野党の御意見も入れながら、そしてその使い道等も配慮するわけですけれ
ども、しかし、今の環境問題とか、あるいは地方、国の道路の問題というものを十分に考慮しながら、その税率についてはそこで
決定していくということも書かれていると思います。
そして、その次に、今言われたように、この道路の整備計画を今、中期計画として、私
どもは昨年の十一月十三日に道路中期計画として、今後十年間に整備すべき道路というものの姿を
国民に広く示しまして、そしてタックスペイヤーに払っていただく、十年間ですね、暫定税率を含む税を払っていただくこと、これは負担でございますから、それに見合う受益の姿というものをそこで示したわけです。これには、本当に今後、整備していこうとすれば、もう百兆円を優に超えるものが必要になるんです。
直近の
平成十五年から二十年までの道路整備のボリュームは三十八兆と決められておりました。したがって、十年に延ばせばこれは七十六兆になるんですね、七十六兆に。それを我々は厳選して六十五兆というふうにして示したんですけれ
ども、
政府それから与党のいろんな検討、財務省の検討とかで、そのおおむね一割を削って五十九兆を上回らないものとするということにされたわけです。
したがいまして、その枠組みの中で、我々としてはいろんな点で合理化あるいは集中と選択というものでこれを実現していこうとしていたわけですが、今回の
決定によってこれを五年間ということになりますと、本当にどれを選んでいいのか、これから
作業は進めなきゃいけません。
それから、最新のデータでもう一度見直すということは、私も、参議院のこれは予算だったと思いますけれ
ども約束をしました。工事中のものも全部BバイCを取り直すということも
約束しました。
このBバイCも、実は、
平成十一年の交通センサスというもので十四年の将来交通需要予測というものをデータに道路の中期計画を作っているわけですね。BバイCはそれでやっているわけです。それは古過ぎるじゃないかという議論がたくさんありました。しかしながら、昨年の十一月十三日が最終でございますが、それを作るために用いなければならないデータというのはそれが最新だったわけです。その後、
平成十七年に交通センサスはやっていますけれ
ども、これはそれに基づく膨大な
作業の結果、その将来交通需要予測が出てくるのは今年、
平成二十年の秋以降になるんです、秋以降に。したがいまして、これに基づいてこのBバイCを取るとするならばそれ以降になります。
もう一つ、BバイCをつくる、何を便益と見るかという一つのもの、いわゆるBバイCの取り方、それについても
平成十五年の
基準でやっておりますので、五年たった二十年、この秋には改めたいと思っております。もう今学者にもいろいろお願いして
作業に入っているところでございますが、そういうものを用いて今後五年間にどれだけのものをするかということになってくるわけでございますが、大変困難な、ちょっとその見当も付かないほど困難な
作業が待っているような気がいたします。
というのは、いろいろ、どの道路が不要と言えるのか、これはだれも言えないですね。真に必要な道路という言葉は何ぼでも言えます。しかしながら、セ
レクトしてこれは造らなくていいという道路はどこなのか。それぞれ選挙区持っておられますよ。
委員も新潟県の中で、今挙がっている道路の中で、中期計画の中に挙げてありますよ。どれをカットしますか。そういうことを考えたときに、非常に困難な
作業になりますが、
約束は
約束ですから、その時期になれば、これはまだ来ていませんよ、時期は、来ていませんけれ
ども、そうなれば我々は困難だということで
作業を放擲するわけにはまいりません。
いずれにしましても、これは我々
国土交通省だけじゃなしに、政治家全部あるいは日本
国民全部が考えなきゃならない重大な問題じゃないでしょうか、私はそういうふうに思います。