○下田敦子君
経済産業委員の下田敦子でございます。
このたびのミャンマーの天災それから四川省の大地震災害について、被災後七十二時間が生死を分けると言われています。今朝のニュースでも拝見しましたけれ
ども、国連や我が国の救済を断る中国やミャンマーの意思決定のかたくなさ、心配が増します。一人の人間の生命の重さを上回る国家の裁定というものはないと
思います。一刻も早い救出を願っております。
さて、
質問に入ります前に、ちょっと今、ただいまお届けいたしましたこの奇妙な漢字をちょっと御覧いただきたいです。誠に奇妙でございます。これは何なのかと申しますと、中国の商標問題でございます。多分経産省の八十八選に倣ったのかなという気もしないわけではありませんが、そういう意識が非常にお強いのかもしれませんけれ
ども。
先日、中谷議員それから藤末議員がお取り上げになりました、商標問題で
お話をしていただきましたので、大変安心ではありますけれ
ども。
昨今、青森県のリンゴに端を発しまして、大変多くの食品あるいは衣類に至るまで、この「青森」という商標を使っておられるようでございます。そして、それを先般これじゃいけませんよということで
お話をいたしました。類似の商標出願に対する
異議申立てを青森県がいたしましたところ、事もあろうにこういう、青い水水水というのが出てきました。チンミャオと読むそうでございますが、ミャオというのは、大変さわやかで美しいということから、女の子の名前にもよく使われるそうです。
是非、これに対しての
異議申立て団体が、この要旨に書かれてありますように、地元では今大変な問題として取り扱っておりますので、
一つのお願いとして、
質問に入ります前に申し上げさせていただきました。よろしくお願い申し上げます。
さて、
質問に入ります前に、二月からの景気動向指数、これが一致指数の四四・四%、御案内のとおりの景気
判断に分かれ目となります五〇%を二か月連続で下回っております。さらに、日銀の短観を見ますと、その指数が二期連続で悪化しています。
御案内のとおり、円高あるいは原油価格の高騰、サブプライムローンの要因が問われておりますけれ
ども、今週に入ってから、
政府・与党による暫定税率の取扱いによりまして、再びガソリン税の高騰がじわじわと収益の圧迫要因になっております。あわせて、原油高騰による原材料の値上がり、これはもう
国民生活を更に圧迫しております。
昨今、
日本の
企業のトップは、関心事の第一に長期の金利の上昇、それから小泉政権後に対する経済政策の運営がどうなるのかということに注目している
経営者が多いと聞いております。私もそのように
感じます。
さて、それでは
質問にまず入らせていただきます。
先ほど、
中小企業者と
農林漁業者との
連携による
事業活動の
促進に関する
法律案、これは
鈴木陽悦議員がきちっと懇切丁寧に
質問なさいましたのであえてお尋ねすることではないのかもしれませんけれ
ども、私は
一つだけ後でまとめて
お話をさせていただきます。
まず、この
法案に関しまして、冒頭で申し上げました昨今の景気の中にあって、
農商工連携向けの融資、いわゆる
甘利ファンドを創設されまして五百億円の融資枠を確保されましたことは、誠に時宜を得た政策だと私は高く
評価させていただいております。
しかし、ここで私は大変心配になることがございます。それは、私
どもの
日本の国の農耕というのは集約型の
農業を
基本としておりますし、畜産を
基本とする粗放型のヨーロッパ、欧米型のものとは
農業の
内容が本質的に差異があります。
それからもう
一つ、我が国は、
農業を営んでまいりました歴史は家族
経営が
基本であります。
農業の就業人口の減少が始まりまして、欧米に比べますとやや一世紀遅れての減少でございますけれ
ども、ここのところ、とみに人口減少が
農業を襲っております。農家の一戸当たりの
農林水産総生産額は、EUは十五か国の平均ですが四万ドルに対しまして、
日本はわずか九千ドルと少ない
状況があります。逆を言えば、この
状況だから、こういう土壌だから
農商工連携が必要な時期だと
思います。
例えば、地元の私
どものところでは、これも重要ではあるんですが、いまだにこれが主流を成しているということが
一つあります。例えば、一個幾らのリンゴ、そしてリンゴ品評大会において金賞、銀賞を取り、言ってみれば芸術作品が生産されているなという
意見もないわけではありません。このような
法案を出してこられまして、どのようなイノベーションが起きて技術革新がそこに至るか、そして経済成長化するであろうかなどということが非常に私は心配をいたしております。
一つ気になることがいろいろありますけれ
ども、ただ、青森県も、早くに
認定指定をいただきまして、攻めの
農業、水
産業ということを表題に挙げながら、中でも注目しますことは、女性の起業を核としたミニクラスター創出
事業、それから、高い先見性を有している、例えば
マーケティング力、経理会計力、あるいは
経営能力を有した
経営革新を実践できます若手
農業トップランナー育成などを展開しております。
例えば、情報としてもうキャッチされておられることとは
思いますけれ
ども、地元弘前大学農学生命科学准教授の城田教授がいろいろ研究された結果なんですが、リンゴのジュースを取ることによって糖尿病の血糖値の
改善につながると、この研究データが出されまして、それに併せて、がん細胞を攻撃するナチュラルキラーという細胞がありますが、これの一〇%の
活性化が研究結果として出たと。これは最近のとても新しい研究結果であります。いろんなエビデンスとともに発表されまして、いわゆる免疫賦活剤としてせんだって特許もいただいておりますことを併せてお礼かたがた申し上げたいと
思います。
なお、これは釈迦に説法かもしれませんが、先般、昨年ですが、十一月十四日を国連は世界糖尿病の日と決議いたしました。
厚生労働省も糖尿病を生活習慣病対策の医療構造改革の柱の
一つに掲げました。当然なことだと
思いますが、世界の人口の六%を今糖尿病患者が占めておりますそうで、これが二〇二五年になりますと三億八千万人に増え、治療費が三十六兆円に上ると、そういうことを警告しておりますので、
日本のメタボリックシンドロームも当然といえば当然ですが、私はこういうところにやはり経産省の先見性をお示しいただくことはとても大事だし、また大変結構な有り難いことだと
思います。
こういうことに基づいて、ここでリンゴの有効性についてるる申し上げるつもりはありませんけれ
ども、学園
都市弘前市にあります六つの大学の高等教育機関、これがコンソーシアムをつくりまして、組織しまして、シーズをいろいろばらまいております。そこで、花が咲くためには農商工
関係の意識啓発、これ先ほど
大臣が何回もおっしゃっておられました、その意識啓発が非常に大事だろうと思っております。
地域のニーズを知って
企業化していく、シーズとして大学の研究成果や特許、製品化あるいは技術の重要化、これの仕組みが非常に重要であると、これが私は大事だと思っております。
そこで、
質問に入らせていただきますが、農商工
関係者に対します、先ほどの
大臣のお言葉で尽きるのでありますけれ
ども、この意識啓発をどのようにされていくのか、そのときとともに、
連携それから融資の具体策、こういう会計経理実践ということはなかなか農家は不得意であります。
農協にお金を借りに行くということぐらいが経験におありの方は多いんですけれ
ども、こういうふうなファンドに対する意識というものがどの程度育てられるかなと、あるいは産官学による組織
連携の具体策、併せて、先ほど
鈴木議員も申し上げておられましたが、コーディネート、アドバイザー機能をどのように強化していくのか。それから、既存の生産、流通体制にとらわれない戦略的流通あるいは販売システム活用のプロジェクトとして、この
法案にちなんで
販路を
開発される具体的政策があるのか。お伺いいたしたいと
思います。
以上です。