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参考人(
田波耕治君) ちょっと
最初の点は私の言い方が少しまずかったと思います。
JBICに行って、特に最近年次において非常に印象があるのは、お金というものが、株に行ったり債券に行ったりということもございますけれ
ども、物に物すごく移るようになってきたということが非常に顕著になってきたということでございまして、これはかつてない。ですから、
実物経済という言葉が正直言って適当ではないんだと思います。
金融と
実物経済はまさに一体なんですが、物に対する投資みたいなもののお金の動きが非常に激しくなってきたということを言いたかったわけでございます。
二番目の
アジア危機に類したときに
日本が何を、今、例えば資金供給ができるかということでございますけれ
ども、私が
JBICで感じましたのは、
日本にそれだけの資金余力があるのかという問題が一つありますけれ
ども。
特に、中東のマネーですね、これが今、彼ら
自身もこの運用をどうするかということについて、本当は一つは自分の国の
経済を
発展させるための投資に回したいという気持ちが非常にあるんで、
JBICとしてもこういうものをお手伝いしております。
それから二番目には、そのお金が今度はアジアに来ると。アジアの
経済成長率というのは非常に高いですから資金の需要というのは非常にあるわけでございまして、何とかそういったお金をアジアに持ってくることを協力してできないのかというような取組を始めているところであります。
三番目の話は、今度は
日本にという話があるんですが、これはちょっと
JBICの仕事ではないんで、今アジアに何とかしてこのお金を回すようなことが
日本の一つの機関としてできることはないんだろうかというようなことを模索しているわけでございます。
三番目の
政策委員会と言わば
執行議長との
関係だろうと思うんですけれ
ども、これは端的に言って、法律に従って、今法律がそういうふうにあるわけですから、粛々として運用をしていくということが課せられた
課題だと思います。
それから、
円高が
JBICにとって、
日銀にとってというのはちょっと新しい切り口だと思いますけれ
ども、余りそういう意識で
JBICと
日銀を並べて
考えたことがないのと、やはりこの
円高、為替レートというのは、そう軽々にいろんな発言をすべきではないというふうに私は思っておりますので、ちょっとその程度にさせていただければと思います。
それから、大量の国債発行が
経済に与える
影響というのは、私はあると思います。普通の
経済理論でも、金利を高める、あるいは将来的にインフレを招くというような話があるわけでありますので、やはり今の
日本の国債の発行量というのは、
経済運営、その時々の
経済運営との
関係があることはもちろんですけれ
ども、望ましい水準では決してないというふうに今でも思っておるところです。