○中川雅治君 こういう、
答弁でこれだけ時間を使われますと私の持ち時間なくなりますので、
質問をというよりか、私の考えをこれからずっと述べさせていただきます。
民主党の今の御説明を伺っていますと、この改正案は東京都の豊洲新市場の土壌汚染問題をターゲットにしており、この豊洲新市場に
土壌汚染対策法を遡及適用させることが最大の目的であると理解せざるを得ないのであります。
しかしながら、今、鈴木
議員もおっしゃいましたように、東京都は豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する
専門家会議を設置し、食の安全、安心の
観点から土壌汚染調査対策の妥当性について検証を行っており、この
会議の
指摘を受けて東京都は新市場予定地の全域にわたり
土壌汚染対策法に基づく調査と同等以上の精度を持つ調査を実施したところであります。実際に敷地全体について十メートルメッシュで四千百二十二か所で土壌及び地下水を調査したとのことであります。その結果、一部地点において
基準の四万三千倍のベンゼンの土壌溶出量等が確認されたとのことであります。
東京都の
専門家会議では近く対策等について提言をすることとしておりますが、現
時点で既に
環境基準を超える土壌汚染はすべて除去する、地下水についてもいずれはすべて
環境基準以下とするとの提言をする方針を固めたとのことであります。
東京都はこの
専門家会議の提言に沿って対策を取るとのことでありますから、仮に民主党
提案の
土壌汚染対策法改正案が成立してもしなくても、実態は何ら変わらないわけであります。この改正案には緊急性があるとは思えません。ですから、東京都の豊洲新市場予定地をターゲットにしたこのような不十分な改正案をお出しになるのではなく、もっと幅広い課題を
検討した上で、しっかりとした
法律改正をすべきだと思います。
そこで、民主党
提案の改正案の疑問点についてお
伺いしたいと思いますが、まず第一に、新たに法の対象とする範囲について、公園、学校、卸売市場などの特定公共施設等の用に供する場合に限定している点であります。
東京都の調べによれば、
平成十五年度から十七年度までに都の条例に基づいて東京都区部において土壌汚染対策を講じた百五十八事例のうち、学校は六件、公園は四件でありまして、卸売市場は含まれていません。むしろ、必ずしも公共施設とは限らない用途の方が多く、例えば住宅は六十件、再開発などは十一件を数えます。なぜ法の対象範囲を特定公共施設等に限定するのか、
提案者にお
伺いをしたいと思います。
このようにお聞きしますと、
提案者の方から、住宅や純然たる私有財産を「これらに準ずる施設」で読んで、あとは政令で定めればよいという
お答えが返ってくるのであれば、過去の立法例から見てもそれは困難であるということをあらかじめ申し上げておきます。
それからもう一つ、民主党
提案のこの改正案は、豊洲新市場予定地を何とかして指定区域という
名称をかぶせたいという意図から出ていると言ってもよいというふうに私は思うわけでありますが、私は、むしろ現行の指定区域の在り方を再
検討すべきであると思います。
指定区域の在り方についてでございますが、現在の
土壌汚染対策法では、指定区域になった場合、覆土や封じ込めなどの対策が講じられても、汚染が完全に除去されない限り指定区域が解除されない。つまり、覆土や封じ込めなどの対策が講じられて通常の使い方なら健康に影響が生じないような区域も、このような対策が全く講じられない区域も、現行の
法律上は指定区域として同じように表現されてしまいます。
指定区域の指定とその公示は、土地取引に必要な
情報を共有するために必要なものではありますが、このような一律的な区域指定によりそれぞれの土地の汚染による健康リスクが正しく理解されず、不動産としての資産価値が不当に低く評価され、さらには塩漬けにされてしまうという問題が生じています。
そこで、対策を講じた場所については、対策を講じたんだということが分かるように区分することが必要ではないかと考えます。このようにすることにより土壌汚染のリスクが正しく理解され、また不動産の適正な評価がなされることにより、いわゆるブラウンフィールド問題の解消にも効果があると考えております。
指定区域になっても、対策を講じた場所については対策を講じたことが分かるように別の区分として
表示し
管理していくことについて、
提案者はどのようにお考えなのかということをお
伺いします。
こういったようないろいろな問題、まだまだ詰めていかなければならない問題がたくさんあるわけです、ほかにもまだございますが、豊洲新市場をターゲットにした改正案でこういった、取りあえずこういう不十分な
法案を出されているわけですが、まだまだ
検討すべき、詰めなきゃいけない課題があります。これは現に
環境省において詰めているわけでありますから、それを待ってしっかりした改正をすべきだというふうに私は思います。
以上でございます。