○阿部(知)
委員 大臣は、PCI自身は経理には問題なかったというふうにおっしゃいましたが、私は、
国民から見れば税金の無駄遣いという
意味で大きな問題があったんだと思います。
皆さんのお手元の資料四ページをごらんいただきますと、ここには
平成十一年から十八年度までの遺棄化学兵器処
理事業
予算執行推移というものが書いてございます。いろいろな数値が並んでおりますので、わかりやすくピックアップいたしますと、当初
予算額が一番上段、そして不用額という欄が一番下段にございます。
これは、十三年度から十五年度、十六年度から十八年度、おのおの委託の会社の名前は変わるのですが、中身にはPCIがおられるわけです。逆に、事業規模に応じて器もかえてきただけで、請け負っているところはPCIが
関係しているというところですが、例えば十四年度は、
予算の額では二百十四億円。
平成十五年度にいたしましょうか、三百七億円。そして、下に不用額、百六十八億円が不用と。
予算を三百七億要求し、しかし半分以上は使い残し、事業は進展しないという形になり、そういう形態が十三年度から十八年度まで毎年毎年続いております。十六年度も、
予算の請求に対して百三十億の不用額。
もちろん、不用は残りでうれしいと思えばいいですが、しかし、
国民にとっては、厳しい
予算編成のときに、それだけの
予算をとれば他の
国民生活にも問題が来るというところで、私は、こうしたお金の使い方は当然
内閣府の中でみずから点検されてしかるべきだと思います。
あと、もう一点。
大臣は十二月に随意契約を見直したとおっしゃいますが、
平成十九年十一月十二日の段階で出された
内閣府
大臣官房遺棄化学兵器処理担当室のペーパーによれば、「処
理事業に有用な調査
手法や技術上の情報等を有しており、業務の委託先として機構以外の者への代替は困難である」と。
大臣が大丈夫だと言った一カ月もたたない前に「困難である」というふうにわざわざ公の文書に書かれているわけです。
私はもちろん
大臣が見直しされたことを評価いたしますが、逆に言うと、そうでなければこのようにずるずるべったりがずっと続き、そして、PCIは、実はコスタリカの二〇〇〇年の問題以外にも、JICA関連だけで十六カ国二十件のいろいろな不正支出が言われている団体であります。それこそ情報の一元化が余りにないのではないか。
だって、不正でお金を使っていると言われているところに繰り返しここしかだめよ、ここしかだめよと事業を投げていけば、当然
国民から見て不透明だし、本当にこの事業の進捗を逆に一日も早く願う立場からは、何度も申しますが、
大臣の英断は評価いたしますが、私は、そういうことが続いていく体制そのものを危惧するものでございます。
時間がなくなって、高村
大臣に最後に一つお願いいたします。
私は、この事業がまだこれから先も、条約も延長されました、実は二〇〇七年までであったものが、どうにも終わらないから、二〇一二年と五年延長されました。しかし、例えばハルバ嶺という、埋まったところの環境評価もまだ済んでございません。そして、逆に言うと、いろいろな被害が偶然に掘り出された中で起きてきております。日中
関係においても懸念の材料になります。もちろん、そのすべてが
日本が遺棄したものかどうか、これは情報も精密に調査しなきゃならないということもあると思いますが、この大枠、
日本が国際公約した化学兵器の処理条約は、私は公約としてみなさなきゃいけないと思います。
そうした段の中で、子供たちが多く被害に遭い、そして十二、十三の子供たちが
日本に来て医療を求めて訴えているという現状は、非常に心が痛むものでございます。
大臣として、私はそれが訴訟という形で起こるということも非常に心が痛みますし、しかし、将来ある子供たちに、せめて医療の問題では安心して育つことができるというような
メッセージを送っていただきたいし、胡錦濤主席も来られるわけですから、そうしたときには、人道的にかんがみて
日本からのそうした
メッセージをぜひ伝えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。