○江田(康)
委員 確かに、自主行動計画、
日本であるからこそ削減が達成できる可能性があると思いますが、実際、エネルギー転換部門の排出量でも、間接排出量では六・一%ですけれども、直接排出量では三〇・七%、こういうような、基準年に対して二四・九%というような大きな伸びを示していることもございます。
そういうような大きな伸びを示しているCO2排出に対して、革新的エネルギーも大変重要でございますけれども、システム自体、これは五〇年には半減をさせるという目標で、この十年、十五年でピークアウトさせるという大変大きな目標があるわけでございますので、果たしてこれでいいのかという点を私は問題を挙げておきたいと思うわけでございます。
六%削減目標の達成は、これは至上命題でございます。何としても達成しなければならない課題でございますけれども、その先には、二〇五〇年に世界の排出量の半減、そして中期目標もあるわけでございます。私は、そうした観点から、特に
日本モデルの国内排出量取引を早期に導入することが必要であると考えます。
国内排出量取引につきましては、既にEUで導入されて、米国では排出量取引の導入のための法案が昨年十二月に上院の
委員会で可決されました。二月五日のスーパーチューズデーで次期大統領候補に目されているクリントン、オバマ、マケイン各氏も、法案の提案者になるなど、排出量取引の制度化に非常に前向きでございます。
この排出量取引の導入について
総理の見解をお伺いしたいところでもございますけれども、このような
状況の中で、国内排出量取引の導入を強く進めていくリーダーシップを
総理にお願いしたいと思うわけでございます。
先日の代表質問におきまして、我が党の
太田代表が温暖化に関する賢人
会議を提案して、
総理も先日、
内閣に
環境問題の司令塔をつくりたい、この発言をなされたと聞いております。私としても高い期待感を持っておるわけでございます。関係省庁の縦割りの弊害を超えて、現在の
経済産業省、
環境省の審議会の合同部会が結論を出せなかった国内排出量取引とか
環境税の導入などの課題について、的確に
方向性を示せるような
会議にしていただきたいと思うわけでございます。
きょうは、幾つかの質問、なかなか時間の制限がございますので申し上げるだけでございますけれども、ぜひともこのような思いで
総理のリーダーシップをお願いしたいと思うわけでございます。
次の質問に入らせていただきます。
次は、原爆の被爆者の救済策についてお伺いをさせていただきます。大きく話は変わりますが、よろしくお願いを申し上げます。
与党の原爆被爆者対策プロジェクト
チームの積極的な取り組みで、在外被爆者の支援の拡大、また原爆症認定基準の見直しについては大きく前進してきたと思っております。
残るは、幾つかの課題がございます。長崎の課題でございます。長崎の被爆体験者精神影響等調査研究事業というのがございますけれども、これは、原爆投下時に爆心地から半径十二キロメーター以内の被爆未指定地域にいた者で、放射能による直接的な健康影響は認められないけれども、被爆体験に起因する不安による精神的な要因に基づいて特定の精神疾患を有する者に対して医療費を支給するもので、
平成十四年度から国の事業として実施をされております。
そもそも、この被爆地拡大につきましては、長崎の被爆者の四半世紀にわたる悲願でございました。広島では爆心地から半径十二キロメートルの円形で被爆地が認定されましたけれども、長崎は、南北十二キロ、東西七キロの楕円形でございます。明確な被爆体験を持つ一万人弱の人が認定外となりました。以来、拡大を求める地元に対しまして、当時の厚生省でございますが、一度決めたこととして再調査にすら応じませんでした。
平成十二年、公明党の働きかけで、長崎市が独自に八千七百人を対象とする証言調査を実施いたしました。未認定地域の人たちの被爆体験による不安障害が医学的に証明されたわけでございます。当時の森
総理も、国としての再調査を指示しました。現地調査の結果、不安障害を認めました。
当時の坂口
厚生労働大臣の尽力、また地元の熱意も加わって、
平成十四年四月には、ついに半径十二キロメートルの被爆地拡大が実現して、本事業がスタートしたわけでございます。戦後、長年にわたって放射能不安障害に苦しんできた長崎の被爆体験者の苦労が報われた瞬間でもございました。
しかしながら、
平成十七年度の制度改正でこの事業の対象となる判断基準が変更されたために、放射能不安による精神健康の悪化を訴えているにもかかわらず、被爆体験の
記憶がないとの理由から、二千八百十一人もの人が対象外になっております。この問題について質問をいたします。
舛添
大臣、この二千八百十一人が対象外となっている大きな要因は、それまで、被爆体験に起因する不安障害が確認されれば認定されていたものが、不安障害だけでなく、被爆体験の
記憶がなければ認定されなくなったことによるわけであります。
手元に長崎市の資料を配付いたしました。一枚目でございます。
対象外になった者の大部分は、被爆当時の年齢が〇歳、一歳、二歳、三歳、四歳、それと三十六歳以上に集中しているのが一目瞭然です。被爆者でなくても、そんな幼児のころの
記憶というのははっきりしないのが普通ではないでしょうか。
大臣は、一歳のときのことを
記憶されておいででしょうか。また、当時三十五歳以上の人は、今、九十八歳以上でございます。高齢であって、
記憶も確かとは言えないのではないでしょうか。放射能不安があるにもかかわらず、被爆体験の
記憶がないとの理由から事業の対象外となるのは、私はおかしいのではないかと考えます。
本制度創設の科学的根拠となりましたPTSD等に関連した健康影響に関する研究報告書では、放射能災害が精神的障害を引き起こす原因として考えられるものは、
記憶のほかに、被爆の有無や程度、その影響に関する不安、被爆に関する世間の偏見の影響を挙げておりまして、PTSDだけでなく、不安障害などのストレス関連障害も対象となっております。
このような
状況の中で、
厚生労働大臣にお伺いいたしますけれども、
記憶がなくても被爆体験に起因する不安障害を発症している者は本事業の対象とすることができるのではないでしょうか。原爆投下時幼かった人や現在の高齢者など、被爆体験の
記憶が難しい者の救済を私は図るべきと思いますが、
大臣、いかがでしょうか。