○保坂展人君 私は、
社会民主党・市民連合を代表し、
道路整備費の
財源等の
特例に関する
法律の一部
改正案について、
福田総理並びに冬柴国交大臣に
質問をいたします。(
拍手)
「みちぶしん」「カントリーチャレンジャー」という国土交通省が仕込んだミュージカルが全国各地で公演をされていました。この
財源は
道路特定財源、
道路整備特別会計であり、目的は
道路事業に関する啓発、広報でありまして、
平成十六年に
道路局国道・防災課の寺元博昭企画専門官は、「情報が溢れる現代
社会においては、楽しみの中に正論を忍ばせる工夫もまた重要なこと」「音と光とで繰り広げられるドラマは全国各地で新たな対話と感動を生み出して好評を得ています。多くの「道のファン」が誕生しています」とねらいをあけすけに述べています。
福田総理、国が
公共事業を推進するに当たって、
道路特定財源を使って
国民の情感に訴えるミュージカルなどの
道路事業広報は必要不可欠だったんでしょうか。これはこれからどうするんでしょうか。
総理の明確な
答弁を求めます。
さて、
冬柴大臣、さきの
答弁で、このミュージカルは
平成十五年からの三年間で八十五回、総計五億二千万円がかかったということですが、間違いございませんか。また、
平成十八年も含めた四年間で計何回、
道路整備費を使ったんでしょうか。また、不思議なことに、私がこの問題を
質問してから、国土交通省
地方整備局等のホームページから次々と関連記事が消えているんです。税金を投入して
行政が責任を持って展開した事業なら、堂々と
データを示して
議論に応じるべきではないでしょうか。
八月十日は道の日でございます。全国各地で「みちフェスタ」「
道路フェア」などのイベントが、一カ所五百万円から八百万円で広告代理店などと随契で行われております。「
道路をまもる!ラジコン体験ゲーム」、人力車体験、セグウェイ試乗会など
道路にちなんだもののほかに、コンサートやワンワン大サーカス、いろいろなことをやっています。一体、去年、全国何カ所でこれらの
道路イベントが行われたのか、その意義と
コスト、
財源を
答弁していただきたい。
また、道の相談室なるものが
道路行政の出張窓口として全国に置かれて、天下り法人が運営しているようです。全国に一体何カ所あって、年間幾らかかっているのか、明らかにしていただきたいと思います。
さらには、
道路資料館という箱物も存在しているようです。全国で何カ所存在し、建設費、
維持管理費にどれだけの
コストを払っているのか、その意義と
財源は何なのか。
これらの事例は、
道路整備費の名で支出されている氷山の一角にすぎません。
道路行政の一般的な宣伝、啓蒙、こんなものは必要なのか、これらの融通無碍な事業支出の
見直しは必要ないのか、
冬柴大臣、答えていただきたいと思います。
法案について伺います。
法案では、
税収が
道路整備費を上回る場合には、毎
年度予算において全額を充てなくてもいい、こうなっていますが、これでは、余らない場合は
一般財源には移っていきません。そればかりか、
改正法の三条四項では、
道路財源が足りなくなった場合まで想定しています。本当に
一般財源となる
税収が見込めるんでしょうか。
しかも、余って
一般財源化したのに相当する額は、翌
年度以降、
道路整備費にさらに充当可能なものとして
措置をするということになっています。二〇一七
年度末に余った部分も二〇一八
年度以降の各
年度の
道路整備費に回すということが規定されていて、これでは結局、十年間で
一般財源にした部分はすべて
道路に取り戻すということになってしまう中身です。これを
一般財源化の偽装と言わずして何と言うんでしょうか。
道路利権を守るためなら何でもあり、
道路局
特定財源堅持の執念を見る思いです。
総理の明解な
答弁を求めます。
小泉
改革では、
日本高速道路保有・
債務返済機構は、新会社から
道路貸付料を受け取り、四十五年間で
債務を完済し解散、その後は
高速道路は無料開放することになっていました。しかし、今回、料金の値下げと
スマートインターチェンジ等の
整備を理由に、保有・
債務返済機構の
債務を国が承継するということになっています。これは、この間の
道路公団
改革の破綻を
意味するものではないですか。
総理の明解な
答弁を求めます。
この間、
予算審議の過程で、
道路のつくられ方、
交通量の需要予測などについて
議論が交わされています。
日本全国でつくられている
高速道路が、いずれは四車線に拡幅していくという暫定二車線方式で何と全国の
高速道路工事の八割が行われているという
実態も明らかになりました。
道路をつくるかやめるかの二元論ではなくて、建設
コストの再評価、これは真っ先にやらなければいけないでしょう。
低価格でつくれるというスマートインターチェンジ、この前宣伝は、実際には百二十億から百五十億もかかる本線流入型工事が次々と企画されて、しかも、五十九兆円の枠外につくった五千億円の
道路整備費から捻出する
実態もはっきりと見えています。
福田総理は、
道路事業コストを再評価するつもりはないのか、未来永劫この
日本型
道路建設システムを見直す必要はないのか、再評価の勇気はないのか、
総理の明快な
答弁を求めて、
質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣福田康夫君
登壇〕