○馬渡
委員 ぜひ一日も早く、また治安のいい国
日本と誇れるような国を取り戻していただきたいと思います。
さて、全然話は違いますけれども、もうここからは
質問じゃなくて、時間がないので、私の
大臣に対する提言をさせていただきます。
この間、自民党の人権問題等
調査会で、冒頭、
大臣は、以前の
人権擁護法案は再提出しない、前の法案をベースにせず自由に
議論してほしいと言っていただきました。私はこれは、白紙の
状態から大いに
議論をして、本当にどういった形がいいのか、そういうお気持ちがあるんだと思います。
ところが、私
自身は、全く法の素人でありますが、十七年のあの法律の案を見ますと、疑問とか不安が出てきます。
一つは、例えばDV防止法とか、例えば児童虐待防止法とか、例えば高齢者虐待防止法などの人権にかかわる法律を活用して、足りなければそれを改正して適用できないものかどうか。
もう一つは、パリ原則、いわゆる国連の勧告によって、独立した機関、
委員会が必要だということですが、私が承知しているのは、実は、財政的に独立をして、そして政府が影響を及ぼすことがないように、財政でコントロールされないように職員とか事務所を持つようにという内容ととらえておりますが、なぜかしら、三条による強力な権限を持つ
委員会というのが十七年に出てきました。ただ、ここで
質問にしなかったのは、法案そのものが今ない
状態ですから、
質問してもお答えのしようがないと思いますから、提案です。
そしてもう一つは、人権侵害という定義があいまいなのに、これを処罰してしまうような法律があっていいのかどうか。例えば、本人には全くそんな
意思がなくても、受けた方によってとらえ方がまた違うと思います。重大な人権侵害があったといって
委員会に訴えたときに、例えば出頭を命ぜられたり、
関係する書類を提出させられたり、立入検査があったりと、本人がそのつもりでなくても、相手が重大な人権侵害だと言えばそうなり得る
可能性もあるんじゃないかな、あの法律案を見てそう思いました。
となると、私は、弟子として、
大臣が一番大丈夫かななんて心配をしたりするんですけれども、要するに、そんな思いじゃなかった、そんな思いじゃなかったけれども、相手のとらえ方によっては何かすごい心配をするような法律があっていいのかな、そう思うんです。
それで、
大臣は
所信の中でこうおっしゃっていました。和をなす
文明、美と慈悲の
文明、そしてより身近でわかりやすい
法務行政をやっていきたい、そうおっしゃっていただきました。
私は法律の素人ですから、それでもこれだけの疑問が出てくる。今、
日本国じゅうで多くの人たちが、一体どういうことなのかと。出ないお化けにおびえてもしようがないんですが、事と次第によってはすべての
国民が対象となる法律だと思います。だから、すべての
国民が疑問と不安と恐怖感を持たないような形にしなきゃいけない、そう思っていまして、
大臣のあのときの、もう一回白紙からやってくれというのは、私はいい
方向に解釈したんです。
最後に、エスニックジョークというのはおわかりになりますよね、民族の特性をあらわしたような。スープにハエが入っていたときの話というのがあるんですね。これは、
日本人じゃなくてアメリカ人がつくったジョークです。ある国の人は加熱しているから大丈夫だといってハエをよけてスープを飲む、ある国の人はハエごと食べちゃう、ある国の人はここにハエが入っていたのは
日本のせいだといって物すごい抗議をする、ところが、
日本人は周囲に気を遣ってお店の人にそっとハエが入っていたので取りかえてくださいと言うような民族性を
外国人があらわしているわけですよ。
だから、うまく
社会を回していくための、それこそ
相互尊重、
相互理解、
相互扶助という
日本民族ならではのものがありましたから、まだ形がわからないのにこういうことを言ってはいけないんでしょうけれども、少なくとも十七年のあのような法律ができると
日本の国はぎくしゃくしちゃうのかな、私はそう思って心配なんです。
ですから、
大臣もこのことは、過去物すごい激しい論争があったということを御承知だと思いますが、私としては、そもそもこれが必要なのか、そこから始めてまた勉強していただければありがたいなと思います。
時間が参りましたので、これで
質問を終わります。ありがとうございました。