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松本(大)
委員 今、中教審の答申をもとにおつくりいただいたという話がありましたが、私も中教審の答申を読みました。「子
どもの心身の健康を守り、安全・安心を
確保するために
学校全体としての取組を進めるための方策について」というものでありますが、これは時間があれば後で詳しく取り上げたいと思いますけれ
ども、ちょっと腰の引けた答申じゃないかなというふうに私は思っているんですね。設置者はこうすべきということは非常に明確に書いてあるんだけれ
ども、国と地方公共団体のことになると非常にあいまいな書きぶりにあえてとどめているんじゃないかなと、何かこう腰の引けたニュアンスが非常にぷんぷん漂っているんですね。
ですから、これをもとにした今回の法案だからこそ、私、本当に今の原案のままで
学校の安全が
確保されるのかなという点については非常に強い懸念を持っておりまして、その点について
一つずつお
伺いさせていただきたいというふうに思います。
まず、先ほど
大臣からも御指摘のありました
耐震化、公立
学校施設の
耐震化等をちょっと取り上げたいと思いますが、きょうは厚労副
大臣にもお越しいただいていますので、きのうの通告の際には、ちょっと
現場で順番変えるかもよというふうに
お話し申し上げましたが、厚労副
大臣の関係するところをぎゅっと前に持ってきて、途中で退席をしていただけるように、順番を二、一、六、七、三、四、そんな感じでやっていきたいというふうに思います。
まず最初に、公立
学校施設の
耐震化でありますけれ
ども、今回の条文二十六条のところにも、「
学校の設置者は、児童生徒等の安全の
確保を図るため、その設置する
学校の施設内において、事故、加害行為又は災害により児童生徒等に生ずる危険を未然に防止し、及び事故等により児童生徒等に危険又は危害が現に生じた場合において適切に対処することができるよう、当該
学校の施設及び設備並びに管理運営体制の
整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」というふうに書いてありまして、まさに、
耐震化はこの災害というところに非常に強くかかわってくる部分かなというふうに思います。
今の書きぶりでは、設置者も「講ずるよう努める」ということですから努力規定ということでありますけれ
ども、
大臣も御存じのように、
耐震化、思うように進んでいませんね。三位一体の改悪といいますか大幅カットの影響で、要するに地域の
財政力格差というものを無視したカットが行われた。その結果、
耐震化をしたいと地域が幾ら思っても思うように進まない、補助裏の負担ができない。
地方の自主財源といいますか、そこが乏しくなっているという状況がある中で、果たして、今のこの三条の書きぶり、「国及び地方公共団体は、相互に連携を図り、各
学校において保健及び安全に係る取組が確実かつ効果的に
実施されるようにするため、
学校における保健及び安全に関する最新の知見及び事例を踏まえつつ、必要な
施策を講ずるよう努めなければならない。」国も地公体も、これは努力規定なんですね。
学校の設置者も努力規定だし、国も都道府県も努力規定だ。そんな中で、
耐震化は進んでいない、地方の
財政は逼迫をしている、こういうことであります。
公立
学校施設の、特に小
中学校の
耐震化については、
大臣も、前回だったか御指摘ありましたけれ
ども、今我々も法案を出しましたし、与党でもその動きが出てきているということで、補助率のかさ上げなど、そういう動きが出ていることは私は評価すべきだというふうに思いますが、一方で、幼稚園とか高校というのはそういった公立小
中学校の枠組みの外にあるものですから、ではこれはどうしていくのかという問題が残るわけですね。
実際、幼稚園の
耐震化率というのを
文科省のホームページから見てみましたけれ
ども、例えば診断
実施率、
大臣の御地元の兵庫は一〇〇%ですけれ
ども、鳥取は〇%です。
耐震化率についても、静岡は八四・三%、一方で長崎は二〇%ですね。
避難所になる公立小
中学校から、しかも、とりわけ倒壊の危険性の高いところからと、
優先順位づけについては私もよくわかっているつもりではあります。しかし一方で、未就学ということは、それだけ自分で自分の身の安全を
確保することが難しい、避難において特段の配慮を要するという幼い
子供たちが一日の大半を過ごしているところをこのままにしておいていいはずはありませんし、地域の
財政力格差がその
子供たちの安全の格差になっちゃいかぬ、こういうことであります。
ところが、今の書きぶりでは、
財政措置その他を含めて国の責任は全く明確化されていませんよね。今のままで本当に
子供たちの安全の
確保は図られると思いますか、
大臣。どうですか。