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後藤(斎)
委員 民主党の
後藤斎と申します。
きょうは代打なんですが、民主党の中に
バイオマス活用
推進議連というのがございまして、その幹事長をやっている立場からも、きょうは
大臣を
中心に
質問をさせていただきます。
大臣、この
法案は、確かに画期的な
法案であります。ただし、幾つか問題があるのかなというふうに実は思っています。
と申しますのは、せんだって経済産業
委員会の中で農商工連携に関する法律というのが議論をされ、衆議院は今通っておりますけれ
ども、今、時代が変化をした中で、このバイオという、今まで
食料、
飼料にしか使わなかった、
食料と言われているものが
燃料というものに新たな価値を見出したということではないかなと。
過去のいろいろな歴史をひもときますと、私が少なくとも
承知をしておる範囲で、
大臣の方がずっとお詳しい部分はありますけれ
ども、今、
我が国では、例えば
バイオ燃料であるとか、米の価格が下落をしているとか、後継者がいないとか、
耕作放棄地があるとか、ある
意味ではいろいろな
農業の負の面があります。
特に後継者不足というのは、言うまでもなく、要するにつくってももうからないから、
耕作放棄地も増大をするし、全農地面積の一〇%くらいにまで
拡大をしてしまった。
農家の後継者の
皆さんも、今お話ししたようなことも確かに将来というか今やらなきゃいけないことなんですが、これは戦後四十年近くも、昔の
農業基本法、
農業と他産業の所得の格差を是正するとかいうものから始まって、なかなかそれが達成できない。
ある
意味では、今回、
食料を
バイオ燃料に使うとか、新興国、BRICsの国々が新たに
食料を輸入する、
飼料を輸入する、お肉を輸入する、それで
世界の
需給バランスが崩れながら国際相場は一本調子で上がっている。そこにまたファンドという新たなお金が……。
ただ、
大臣、なぜファンドが入るかというと、これは石油もそうなんですが、私の意識は、限られた生産量である、一方で需要はたくさんある、そこでバランスが崩れて、このお金を投入すれば相場が上がるだろうなどというふうなことも含めてじゃないかなと思うんです。
そこの複合的なものをどうやって解を見つけるかというのは大変厳しいわけですけれ
ども、これは農水省も一貫して、政府全体でもそうですが、
食料自給率を上げよう、
食料自給力を上げようとこの三十年間ずっと言ってまいりました。でも、一方で米の生産調整をこの四十年間一貫してやっている。ですから、トータルとしての農政のあり方というものが、国際的な
環境の変化に合致をした政策に十二分になってこなかったというのも一方であると私は思うんです。
もう一点は、今回、三省庁共管でこの
バイオ燃料の法律をつくられて今議論をしているわけですけれ
ども、今までの新
エネルギーというものは、
平成十四年のときに
バイオマスも新
エネルギーの中に入りましたが、今までの新
エネルギーの歴史というのは、例えば石油価格の上昇局面では、石油に代替する新しい
エネルギーを確保しなきゃいけないという議論はいっぱいあるんですが、がくんと石油相場が下がると、ああ、もういいやということで、国も民間企業も予算の投入や
研究開発費の投入というのはなくて、世の中から忘れられはしませんけれ
ども、余り脚光を浴びなくなってしぼんでいくという歴史をずっと繰り返したわけですね。
今回の穀物相場も、昨年からの
高騰というのも、多分、これは短期的な……。一九七〇年代にあった穀物相場は、
アメリカで生産調整をし、それが不作になってがくんと落ちて、
アメリカの大豆の輸出禁止ということで、
我が国も、いや、これは困ったよということで、それが第一次石油ショックと合体をして大変な
状況になったわけですけれ
ども、そのトラウマの中で常に今まで
食料自給率論が語られてきたというふうに私は思うんです。
今回の国際相場の上昇局面もやはり構造的であって、石油もそうですが、インドや中国の新興国の
皆さん方が需要がどんどん伸びてくる。これは、主食用の穀物もそうですけれ
ども、
飼料用の穀物もどんどん伸びている。構造的に全く違うんだという中で、今回の
バイオ燃料の
原材料利用促進の法律を議論しないといけないのかなと。
これは一方で、自分
たちの国民にまずおなかをいっぱいにしてもらわなきゃ困るということで、輸出規制もこの半年間で
世界じゅうでどんどん起こっています。そこで暴動も起こり死者も出るという
世界の偏在性の中で、穀物が生産をされ消費をされているというもろもろのことを考えながら、私は、この
バイオ燃料の一番大きなポイントは、先ほどお話がありましたが、
バイオ燃料に向けるものの単価をどうやって下げていくかということだと思うんですね。そのためには生産量を上げるしかないわけです、バイオの
技術を使いながら。
この裏返しをどうやっていくかということで、戦後の今までの農政というのは、生産量を上げることは
基本的にはだめよと、
国内の中だけで
農業政策をやるというのが大きな流れだったというふうに思います。
ですから、その大きな転換点の中でこの法律を議論し、そして、今局面がいろいろ変わりながら、バイオの
技術で生産量を上げ、この法律をきっかけにどうプラスに転じていくか、その
施策を重点的に予算も含めてやっていくか。それがひいては
世界の
食料需給も正しい方向にバランスがとれた形に戻すでしょうし、
国内の中で主食、
飼料、
燃料という優先順位があるのかないのかよくわかりませんが、少なくともおなかがいっぱいにならなきゃいけないということもありますから、やはり
食料自給率の強化というところにどうプラスに転じていくかということが私は大変必要だと思うんですが、まずその点について
大臣の御見解をお伺いしたいと思います。