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山田政府参考人 ただいまお尋ねのありました漁業経営改善計画でございますが、これは
平成十四年の法律改正で設けられたものでございます。それまで漁業経営再建
整備特別措置法という法律がございましたが、それを全体的に見直しまして、法律名も、ちょっと長い名前ですが、漁業経営の改善及び再建
整備に関する特別措置法と直しまして、その中で今お話がありました漁業経営改善計画の制度が位置づけられたわけでございます。
この背景といたしましては、その前の年、
平成十三年に水産
基本法ができまして、
委員からお話がありました効率的かつ安定的な漁業経営の育成というものが水産
基本法の中で位置づけられて、これから進めていこうという制度が
基本法で位置づけられたことを踏まえて、今言いました法律改正をして設けたものでございます。
したがいまして、その目的といたしますところは、全漁業種類を対象として、意欲のある漁業者等が創意工夫を生かして漁業経営の改善に取り組むということで、
基本法に言っております効率的かつ安定的な漁業経営の育成を図っていくという趣旨で設けられたものでございます。
具体的な仕組みでございますが、法律上、
農林水産大臣が経営改善に関する指針を策定するというのがまず一番最初にありまして、その指針に則して各漁業者の方が経営改善計画を策定する、それについて
農林水産大臣が、あるいは都道府県知事の場合もありますが、それを認定していくという形でオーソライズをいたします。
その認定を受けますとどういう効果があるかという御質問でございましたけれども、法律上の措置といたしまして、もちろん、国なり都道府県が安定的な経営を育成するための助言、指導などを実施するということも法律上書かれておりますが、特に
意味があるものとしては農林漁業金融公庫等による資金の貸し付け等の規定がございます。そのほかに、法律の制度ではありませんが、
予算措置といたしまして、認定を受けた漁業者がリースで新しい代船を取得するときのリース代の助成をするというような
予算措置が講ぜられているということでございます。
それで、こういった改善計画によって経営の
状況がどうなってきているのかという御質問でございました。
この計画の期間というのは、五年間の期間でございます。五年経過したところで実際にどういうふうになっているかということを報告を求めるという仕組みになっておりますが、先ほどお話をしましたように、十四年に制度ができまして、初年度のものがようやく五年目に達してきている
状況でございます。現在、その計画の実施
状況についての報告は、一部上がってきておりますが、これは現時点では七つしかまだ数字が来ておりませんので、この制度全体についてどういう評価ができるかというのを見るのはまだちょっと早い
状況にあると思っております。
この七つの部分に限って申しますと、この七経営体は、遠洋マグロはえ縄漁業が七つあるわけでございますが、マグロ漁業を取り巻く環境、これはもう御案内のとおり、
資源の
状況とか規制強化がされるということで非常に厳しい
状況にありますので、経営全体として見た評価をする
生産額、付加
生産額と呼んでいる概念があるんですが、その概念で経営全体として見ますと、やはりそれぞれの経営は下がっている
状況にあります。ふえていないという
状況にあります。
ただ、この計画で、従業員一人当たりの付加
生産額をどれだけふやすかというのもあわせて
目標にしているんですが、その一人当たりの付加
生産額は増加をしているものが三つの経営体で見られる。つまり、経営を合理化することによって従業員一人当たりの
生産額はふえているというようなものも見られているということで、七つだけの分析でございますが、厳しい
状況の中で一定の効果があるのかなというようなところがとりあえずの
状況でございます。