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馬淵委員 今、三つの行政機関に
お答えをいただきました。端的にわかりやすく御説明をいただきまして、ありがとうございます。
つまり、組織を改編あるいは新設していくときには、そのような
所掌事務を行う組織の新設が必要かどうか、行政上の組織あるいは役割、役職などの
設置については、行政管理局が組織肥大化を防ぐためにしっかりとそこは査定をする。これは、機構・定数要求というような形で当該
府省から要求が出てきた場合に、その要求を受けて、総務省行管局においてこれを査定、ヒアリングをする。そこに、当然ながら財政当局は、予算がかかわってくる、組織をつくるということは人が発生します、当然経費も含まれてくるわけですから、財政当局としてもそれを全く無視するわけにはいかないということで、主計局もそこに連携をしながらこれを見ている。さらに、
人事院は、今度は、そういう組織の中で課長だとかあるいは係員、係長とか、その役職の方々を給与上どういう級別にしていくべきなのかという評価、給与上の評価ですね。さらに、いわゆる号級制の中で、これでお給料が決まるわけですが、各級は何人置くかということの定数を設定する、いわゆる級別定数を設定する。こういう仕組みになっているんですね。
つまり、一
府省がさまざまな、
渡辺大臣がおっしゃるように、能力・実績主義でこういう形でやっていくんだとしても、この三つの行政機関による査定を受けることになるわけであります。
この三つの行政機関の査定、特に行政管理局の方はスクラップ・アンド・ビルドというふうにおっしゃっておられましたから、ただ単に
所掌事務がふえたので、あるいは新たな行政サービスを展開するために組織を
設置するというときには、単に純増はだめですよということで、そこは厳しく組織全体を見ているということでありました。また、総定員も当然ながら行管局で見ておられるわけでありますが、スクラップ・アンド・ビルドですから、単純にはふえるというところの要求は出てこない。出てくることもあるかもしれませんが、通常出てこないという前提になる。そうなりますと、では、一番硬直的になるのはどこなのかというところの疑問が私としては出てまいります。
そこで、お
手元の
資料、5、6とお配りをしましたが、5の部分は今、各行政機関から説明を受けたものでございますが、一枚めくって6のところ、級別定数の例ということで指し示しておりますが、
人事院さんにお出しいただきました。
例えば、ある
府省の局ですか、一般会計という形で、行政職の俸給表というものはこういう形でつくられる。一級から十級までありまして、十級、九級、八級、これはそれぞれ課長あるいは室長という形でその役職名が付されています。つまり、役職と俸給という部分は実は別でして、ただし、その役職の評価の中でこの俸給が当てはめられる。ここが
人事院のお仕事としてされている部分である。これをごらんいただければ、つまり、八級の行政職の方は課長レベルですね、ここで見ますと。これは十五という総数が定められているということになります。
渡辺大臣、基本法
成立後、
所要の
措置を講ずるとおっしゃっておられましたが、つまり、単純じゃないんですよ。行政管理局、あるいは財務省、これはお金のことですから一番重要でしょう、どっちが一番、上かどうかというのは別として、これは当然大もととなりますよ。
そして、この俸給表の中で、号級表の中で行政職の級別定数を設定していくということも、
人事院としては、これはお配りの
資料の5にありますように、重要な勤務条件の設定であり、また、昇格管理、単に管理職がついつい部下を、上げる分は楽ですよ、下げるのはきついねということで、上げるときに人件費の膨張、皆上げてしまうようなことのないようにということで、これもよく
理解をいたします。こういう役割の上で級別定数を設定しているということであります。
しかし、これは民間はどうかということを考えますと、民間では、行政サービスを提供する機関と民間とは違うというのはよくわかっていますよ、しかし、民間の知恵ということで考えれば、これはまずは予算ありきですね。その予算の中で自分が抱える部署の人をふやしていこう、あるいはこの部門に特化していこうという中で、ただ単にやみくもに違う部署をつくっていこうとすると、それはほかの予算が厳しくなっていきますので、人件費だけでなくほかにも予算はありますので、その厳しい予算の中ではやはりスクラップ・アンド・ビルドは当然ながら自動的に行われますよ。さらに、そこで、厳しい
人事管理の中で実績と能力に見合った評価というのを時にはこれは厳しくせざるを得なくなります。
私は、
現状、この行政機構で、基本法を定めて、これから
所要の
措置を講ずるとおっしゃっておられても、この三つの行政機関の三つ
どもえの状態の中で、果たして当該
府省が本当に能力と実績に見合った
人事制度を構築することができるのかということは非常に懸念材料として持っております。
そこで、まず
渡辺大臣に
お尋ねしたいのは、このような三つ
どもえの煩雑な手続と言ったら怒られるかもしれませんが、大変ですよ、関係部署が三つあるわけですから。そこでこれは査定をしながら、交渉といいますか、議論しなきゃいけないわけですが、こういう実態というのを
大臣は認識されておられるのかということと、そして、されておられるのであれば、私はこの級別定数だけとは言いませんよ、行政管理局、申しわけないが、ひょっとすると行政管理局の
機能も、ある意味、一元化していくような形で、よりスリムな形に持っていく方がいいのかもしれません。このようなことも踏まえて、
現状の認識をお持ちなのかということと、この
現状認識の中では、この三つ
どもえの査定という仕組み、これをお変えになるという意思はおありなのかということについて、
大臣に
お答えいただきたいというふうに思います。