○泉
委員 警察の中で認知されていたかどうかはわかりませんが、こういった幅寄せ、追い越しというのは常日ごろから、場合によってはそれはよくあることですよ。でも、それを我々
国民だれしもが
一つ一つ把握しているわけも多分ないでしょう。だけれども、今のお話をお伺いしていても、大型の車だからそれは保護する必要性が低いと。これはおかしいですよね、
皆さん。これは納得できないですよ。同じ二種免許でも、普通
自動車、タクシー
運転手さんは保護しなければならないから。
だけれども、もう
一つ大事なことを言います。では、どんな立法事実があってこういう法律にしたんだということなんです。私が
警察に聞いたら、
高齢者の
交通事故がふえているという資料を持ってきたんですよ。でも、
皆さん、それでうなずいちゃいけないんですよ。
私がきょうお配りしている資料の2、一枚めくってください。まず一番上の表を見ていただくと、年齢別二種免許保有者、これは、
先ほどお話がありましたように、バスとタクシー、両方です。現在というか、十八年度の一番最新の数字でいくと二百三十三万五千人、七十五歳以上が二十五万七千八百九十六人ということになっております。
ちょっと飛ばしまして、一番下の表をごらんいただきたいんですね。ハイヤー・タクシー
運転者(第一当事者)の年齢層別
死亡事故件数、七十五歳以上のところを見てください。十五年から見て、ゼロ件、一件、ゼロ件、一件、二件ですよ。
真ん中の表を見てください。これは、普通の一種の免許を持っておられる方、全部合わせた
死亡事故件数の推移です。これを見ると、七十五歳以上は確かに微増、ずっと、まあ全体の件数は少ない。これは、走行距離が少なかったり、実際、免許を持っていても
運転者が少ないということはあるでしょう。だけれども、微増していっている、ここを、この真ん中の資料をもってして、
高齢者はイコール
運転は危険だ、こういう論理展開なんですよ。
先ほど、松島副
大臣がおっしゃいました。
高齢者のマークをつけているからといって、必ずしもそれを選ばないというわけじゃなくて、逆に選ぶ
ケースもある。
だけれども、国はこういうふうに、
高齢者の
運転は危険ですよ、できたら免許は返納してくださいね、国交省と
警察庁は今一緒になって、一生懸命、
国民にそういうふうに宣伝しているわけです。
高齢者の
方々、余り
運転しちゃいけませんよ、慎重に、講習も受けてやってくださいね、こういうふうにやっているわけです。できれば免許を返納してくださいね、こういうふうにやっていながら、まあ、マークをつけていても選ぶ人は選ぶでしょうと。世の中、そんな甘いものじゃないです。
私は、実際にタクシー会社にアンケート
調査をとりました。そしてまた、タクシー会社だけじゃなくて、例えば社団法人全国個人タクシー協会、こういったところにもアンケート
調査をとりました。私の地元の近畿でいいますと、個人タクシー協会は総
運転者数が七千四百九十八名、そのうち七十五歳以上が三百十一名、七十歳以上は千百四十四名。七分の一ぐらいが七十歳以上だというんですね。
いろいろと事情を聞きました。タクシー
運転手というのは若い人が今少ないんだと。どうしてかといえば、それだけで食っていけないからです。大変なんです、生活。一般の
方々のお給料が大体五百万から五百五十万、だけれども、タクシー
運転手さんは年収が三百万台です。低い方であれば、二百万という方もおられるでしょう。そういう中で、基本給だとかタクシーの運賃から得られる給料だけでは、会社勤めのタクシー
運転手さんは基本的にやっていけない、だから若い人たちが参入しないというんですね。勢いどうなるかといえば、年金をもらいながら、会社を退職して、第二の人生で
運転手をやる人が非常に多いんです。これがタクシー業界の実態なんです。そういう中で、まさに公安
委員長と同じような年代の、同級生の
方々がタクシー
運転手をやられているんです。
そういう中で営業をされている
方々に対して、しかも大型の免許についてはこれは表示しなくていい。だけれども、同じ二種免許でも、普通の免許にだけは表示しなければならない。同じ営業車でも違いがある。タクシーだけはなぜかこの表示をしなければならない。
この表示がなされれば、恐らく、この近畿支部におられる七十五歳以上の三百十一名、
平成十四年に法律が変わって、新規の個人タクシーの免許を取られる方については、基本的には国交省さんの方で七十五歳定年制ということがとられ始めています。ですから、いずれ消え行く存在かもしれません。だけれども、現にこれだけの
方々がおられるという中で、生活、大変なんです。そういう
方々の首を本当に絞める気なんですかということなんです。そんなことを本当に国がやっていいんですか、こういうことなんですよ。
公安
委員長、岸田
大臣、そして松島副
大臣、どうですか。これは本当に、タクシー
運転手さんにまでこの表示をさせるべきですか。多分、答弁ではというか、この
委員会の場で、そののりはなかなか越えられないんだと
思います。だけれども、もう本当に、六月一日からという段階なんです。これはぜひ特別の御配慮をお願いしたい。御答弁をいただきたいと
思います。
三
大臣、まあ三
大臣といっても岸田
大臣は直接の担当じゃないですから、お二方で結構です。松島副
大臣と泉
大臣、お願いします。