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石井政府参考人 お答え申し上げます。
今、委員から非常に多くのテーマにわたりまして
指摘をちょうだいいたしました。その中で、今端的にお尋ねのありました、電話と訪問に切りかえるべきではないか、この点についてお答え申し上げたいと
思いますけれども、その前に、お許しをいただければ、この五千万件の未統合の記録、これがどういうような
背景で出てきたのか、そしてまたこの問題について
政府としてどういうような方針で対応することとされているのか、その点、簡潔にではありますが説明をさせていただいた上で、お答え申し上げたいというふうに
思います。(階委員「簡潔に」と呼ぶ)はい。
まず、この問題の
背景でございますけれども、御案内のように、現時点におきまして
社会保険庁のコンピューターシステムで管理している記録が三億件ございます。このうち、
平成九年一月以降でございますが、
基礎年金番号が
導入され、そのもとにある記録が二億五千万件、その
基礎年金番号のもとにない未統合の記録、これが五千万件でございまして、その属性というのは、
平成九年一月以前は各
年金制度ごとに
年金番号というものが出されていたものですから、同じ方でも転職を繰り返すと異なる
年金番号を複数お持ちになる、そういうような状態があった。
私どもとしては、
基礎年金番号を
導入して以降、そのようなばらばらの状態のものを一刻も早く
基礎年金番号のもとに統合するという責務を忠実に実行してこなければいけなかったわけではございますけれども、この点についていろいろな不十分な対応ということがあり、今日御迷惑をおかけしておるわけでございまして、この点については重ねておわびを申し上げる次第でございます。
それで、記録の内容でございますけれども、実は大変古いものもございまして、厚生
年金保険
制度というのは昭和十七年に発足して、戦中戦後、そして今日に至るまでのものがずっと積み上がっているわけでございます。そういうかなり古い記録などもむしろ精査の対象にしながらのオペレーションをさせていただいている。
それで、これに対する
政府全体の取り組みでございますけれども、御案内のように、昨年、
平成十九年の七月五日でございますが、
政府・与党の協議会におきまして、これに対する抜本的な解決方策への取り組みというものが政策パッケージということで決定されてございます。私ども、これにのっとってできるだけ忠実に作業をする、そのお約束の期日を守るべくこれまで対応させていただいているというのが実情でございます。
そこで、大変長くなりましたけれども、お尋ねのねんきん特別便の
関係でございます。
これは、今申し上げた七月五日の政策方針、これにのっとって、昨年の十二月からことしの三月まででございますけれども、まずはプログラムを開発して名寄せをやり、そしてその結果として判明した記録、これをその持ち主と思われる方々にお知らせをする、これをずっとやってきてございまして、本年三月末までに送付は完了させていただいたところではございます。ただ、御
指摘のように、なかなか私どもの方の広報、周知、これが至らない点もあろうかと
思います。そういうこともありまして、先ほどお話がございましたように、ねんきん特別便を御送付した方のうち、訂正なしということで御回答をいただいた方が相当数ございます。
現在はさらにこの回答数が上昇しておりまして、受給者でございますけれども、六〇%を超えるところまで参っているわけでございますが、その中身を分析してみますと、私どもの方からしますと、その方以外にほかの方にお送りはしていない、かつ、その方に出ていますということでお知らせをした記録、記録そのものはお見せしていないわけでございますけれども、私どもが管理していて、その方に、あなたの記録はこうですということで特別便でお知らせした記録、これとその記録を時系列で対応させてみますとほぼ矛盾なく合致する、そういう
意味で、非常に蓋然性が高い方というのが相当程度おられて、先ほども御
紹介いただきましたように、かなりの数に上るわけでございます。
それで、そういうような訂正なしの御回答をいただいた方のうち、内容から見てその方のものである確率が極めて高いという方につきましては、改めて私どもの方から電話を申し上げ、あるいは訪問するということなどによりまして直接御本人と接触をする、そういう入念的な照会作業というのを進めさせていただいております。
このオペレーションでございますけれども、これは引き続き進めていこうというふうに思っておりまして、蓋然性が高くない方については特別便を送付し続け、いろいろな方法で記録の内容についての御確認をちょうだいしつつ、蓋然性の高い方については、今申し上げたような電話あるいは訪問という形での直接確認、これをきちっと進めていくことで進めたい、これを優先的な
課題というふうにしたいということで取り組んでいるというのが
状況でございます。
それで、お尋ねの趣旨は、それ以外の方についてもそういうことをすべきではないかという
意味合いもあろうかと思うわけでございますけれども、人員の方が、大変恐縮ではございますけれども限られてございまして、したがって、そういう中で優先順位ということで
考えますと、今申し上げたように、相当数に上りますその方のものである可能性が極めて高い方々、この方々で、要するに訂正なしという回答をお寄せいただいた方々、まずはこの方々に対する取り組みというのを何しろ先行させたい、かように
考えているわけでございます。