○とか
しき委員 ありがとうございました。
私も、この千五百五十五兆円の
個人資産、これは巨大な水がめでもありますので、やはりこれをいかに揺らして
市場にお金を出してくるか、ここが大切ではないかなと思います。この水がめを揺らすパワーというのが、多分、心理的な問題が今非常に大きいのではないかと思います。
日本人の中では非常に不安感が今広がっているんですけれども、この不安感を取り除かないと、
経済政策を打っても不発に終わるのではないかと思います。
そこで、なぜ
日本人が
資産運用ができないのか。済みません、パネルの数が多過ぎて失礼いたしました。非常に、
資産運用ができない理由、私は、大きく二つあると思います。
まず一つ目は、バブル期以降、失敗体験を踏んでしまって、超消極的な閉塞状態に陥ったということでございます。八〇年代までは、
資産をほっておいても価値がふえて、持ち家を持っていれば一億円を超えた。九〇年代前半までは金利八%、戦後平均でも大体五・五%ということで、
資産価値はほっておいても大きくなっていったわけです。
しかし、バブル崩壊以降は、これは非常に債務超過になっていたということで、もう失うのは嫌だ、安全でなければだめだということで、このグラフをごらんになっていただくとわかるんですけれども、バブルの時期を境に安全性志向が非常に高くなっていって、収益性が非常に軽視される、そういう流れになってしまいました。ということで、
日本人は、安全でなければだめだということで、ちょっとでも利回りのいいものがあると、何かイカサマなのではないかと思うような心理が働くまでになってしまいました。
そして、さらに二番目には、バブルの後遺症で安全性にシフト、減らなければいいということで、さっき言いましたように収益性から安全性にシフトしてしまったという、この二つの、消極的な失敗体験とバブルの後遺症、安全重視、この辺が大きな理由で運用できないのではないか、このように考えているわけでございます。
そこで、実際その
資産が
一体だれのところに一番行っているのかというところで、これは
各国の
資産の
状況をグラフにしたものなんですけれども、
日本と
アメリカとイタリアを比較させていただきました。
日本が非常に不思議な国になっているのがこれを見るとよくわかるんですけれども、
日本というのは死に至る直前に
皆さん一番
資産がふえているという
状況になっております。そして、
アメリカ、イタリアは引退するとだんだん
資産が減っていくのが普通の状態なんですけれども、なぜか
日本人は、老後が心配といいながら、上流クラスになってあの世に旅立っていくという非常に不思議な
状況になっているわけです。
さらに、アンケートをしてみると、
日本人十人のうち九人までが老後に不安を抱えている。もっと言いますと、若い人たち、四十代の人たちが老後が不安、さらに
貯蓄がないから不安である、このように言っているわけでございます。
さっき飛ばしてしまったグラフを一個使いますけれども、こちらもそうなんですけれども、なぜ若い人がそんな不安になるのかといいますと、若い人たちは今、子育て世代の三十代、四十代が非常に負債が多くなって、そして
資産が急にふえてくるのは高齢者ということになっております。ですから、
日本は、使いたいときに全然お金がなくて、そして使いたくなくなった、購買意欲が落ちたときに一番お金持ち、そういう
状況になって、そして亡くなる前の
資産の平均が、大体三千五百万円を持ったままあの世に旅立つという非常に不思議な
状況になっているわけでございます。
ですから、海外から見れば、これは
資産をいっぱい持っているから、さぞかしゆとりのある
生活をしているのだろう。さらに年金も、問題にはなっておりますけれども、
世界トップクラスの年金でございます。さらにそれを証明するのは、
日本人は年金の三〇%を
貯蓄に回しているということで、ある意味、非常にゆとりのある
生活をしているんですけれども、なぜか不安感だけは抜群でございまして、非常に不安を抱えている、こういう
状況に陥っているわけでございます。
そこで
質問なんですけれども、何でこんなに
国民の中に不安が広がっているのか、この処方せんをいかがお考えなのかということで、
内閣府の
梅溪大臣官房審議官にお伺いいたします。