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穀田委員 いろいろな方の意見を聞く、つまり、計画決定段階における住民参加を大きく位置づけたと。いろいろな不十分さはありますけれ
ども、有識者を含む住民合意を手続として位置づけて、これまで建設省など行政だけが計画をつくって、有識者や住民などにこれですよということで押しつけるやり方を改めた。つまり、計画はお上がつくり
国民は従うだけだという今までのやり方を改めて、行政も有識者や住民など
国民と一緒になって河川整備の計画をつくっていこうということに改めた、これが一つの眼目であるというように理解していいと思うんです。
九七年改正当時の建設省河川
局長だった尾田栄章さんは、次のように述べております。整備計画策定に関しては住民の意見を聞く仕組みにした、
関係住民を含めてみんなで議論して整備計画をまとめるのが改正河川法の趣旨だ、場合によっては、ここからが大事なんですね、場合によっては基本方針にさかのぼって見直すこともあり得ると述べておられます。これは、
国会でも次のように
答弁しています。「基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする、」としています。
さらに、この
答弁については、当時の課長だった竹村公太郎元河川
局長も、ダムがだめなら次の代替案はあるということだとまで言っておられます。
つまり、この一連の
国会答弁や河川
局長の見解からすると、住民らの意見で行政のダム案がまとまらなかったならば、別の代替案を考えるということなんですね。
したがって、流域
委員会の意見を無視するということは、結局、国の決めたことに文句を言うなという発想であって、国交省が住民参加の方向への
一定の転換をしたという経過それから
流れというものを逆戻りさせちゃいけないということを、私は
指摘しておきたいと思います。
そこで、そういう河川法改正の趣旨が生かされているかどうか議論しましょう。まず、河川整備の基本的考え方についてです。ダムと環境の問題について問いたい。
整備局は、計画原案で、河川の整備や利用が淀川水系や生活環境に与えてきた影響を真摯に受けとめ、生態系が健全であってこそ人は持続的に生存し活動できるとの考え方を示して、これからの河川整備と管理の取り組みを転換しなければならないとしています。
この河川整備と管理の取り組みを転換するということを示す内容は、これまで、先ほど
局長も
答弁したように、配慮が弱かった、わざわざ「目的」の第一条に加えた、環境への影響をこれからは重視すると受けとめるのが普通なんですね。
これに対して、流域
委員会は、意見書においては「ダム建設については、治水・利水面から先行的に計画が検討され、その上でダムが建設された場合の環境への影響についての検討が行われ、環境への影響は「小さい」あるいは「影響は回避、低減される」と結論づけており、上記の考え方が十分に反映されているとはいえない。」としているんですね。その上に「これまでの河川整備が与えてきた河川環境への影響を真摯に受け止め、治水・利水の考え方を根本的に転換するという姿勢で、環境・治水・利水を総合的に検討することを求め」ています。私は、とても大事な
指摘だと思います。
流域
委員会の
指摘は当然だと思うんですが、
大臣のお考えはいかがでしょうか。