○遠藤(宣)
委員 ありがとうございます。
そうすると、
道路は福祉の前提であり、生活インフラだということをまず確認した上で、しかしながら、なぜ
道路についてうさん臭さがついて回るか。このマイナスの
部分をいかに
説明していくかということも重要だと思います。
私
自身は、長野県の佐久市というところの郵便局長で、九三年から九四年に行ったんですけれ
ども、ここでどういうことが言われていたか。長野県の人間は、ずっと上に上がっていくと、どこから新潟県に入ったかわかるというんですね。
道路が変わる、
道路がきちっと
整備されているところからが新潟県だとわかるというんですね。さらに、私の選挙区、福岡一区というところは、前に
大臣にも御
答弁いただきましたように、七・七キロの
道路が三十八年つくられていなかった。それは与党の
議員がおらぬからなというようなあきらめがあった。つまり、いまだに政治力によって
道路が左右されるというふうに思われている。
今回のこの法案というものは、冒頭
大臣にお答えいただいたように、そうではなくて、真に
国民生活に必要なところをやるんだよという、今までの疑念を払拭する最高のチャンス。巷間言われているように、ピンチをチャンスに変えるという最高のチャンスだと思います。
そこで、改めて、今度は
自動車の位置づけというものについて私は議論をしたいと思います。
もともと
自動車というのはぜいたく品だったと思います。私は今四十四歳ですけれ
ども、昔は、欲しいもの、三C、カーとクーラーとカラーテレビ。
自動車というのはあこがれのぜいたく品だった。そしてまた、ちょっと言葉は悪いんですけれ
ども、最近は結婚相手の条件、三高と言われていたのが十年ぐらい前にありましたけれ
ども、昔は何と言われていたか。家つき、カーつき、ばばあ抜きというのがあったんですね、それはいい言葉かどうかわかりませんけれ
ども。カーつき、つまり、車を持っているというのが非常に大事な要素だった。
さらに申し上げると、いまだに、車を持っているやつは、お金を持っているとかぜいたくだと。昔、大久保清という、車に乗って女の人を殺しちゃった人、あるいは宮崎何とかという、やはり車をいいものを持っていると、この人はお金持ちだと思われるのがついこの前まであった。
つまり、何を申し上げたいかというと、車というものがいまだにぜいたく品と思われて、だからそこに税金をかけるのはいいじゃないかと思われるのがあるんだけれ
ども、しかしながら、現実には、車はライフライン、車と
道路はセットで、ライフラインですね。無理をして乗らなきゃいけない
人たちもいる。私の大学の友達なんか、ラーメンをすすりながら、一生懸命車のローンを組んで、払い終わった途端に彼女に振られてしまったというかわいそうな人間もいる。そのくらい無理をして車を買っている
人たちもいるんですね。
こういった中で、ぜいたく品と位置づけられていた
自動車というものが、必ずしもぜいたくをするために買っている人ばかりじゃないということを、
一つまず確認をしなきゃいけないと思います。私も昔、千葉の交通の便の悪いところにいたんですけれ
ども、父親が車で出払った後に遊んでいたら、いきなり野良犬におしりをかまれたんですね。これで母親は大変慌てまして、車を持っている人にお願いをして病院にようやく行ったという経験があります。
つまり、いざというときに車しかないというところがやはりありますので、車自体が生活のインフラであって、そして
道路とセットであるということをまず確認したい。そして、これは次の
質問に関係することですけれ
ども、車に乗りたくても、高齢者とか免許を持っていない方は乗れません。
次の
質問の公共交通機関との関係に触れたいと思いますけれ
ども、こういった生活インフラたる
道路と
自動車の関係がありますけれ
ども、住民が欲しいのは、それとあわせて、便利な交通が欲しい、便利な交通
環境が欲しいということがあると思います。
私
自身の住んでいる福岡で、あかずの
踏切がなかなかあかなくて、小学生が渡って非常に危ない、三筑という
地域なんですけれ
ども。あるいは、美野島校区というところで、バスが廃止になったからむしろ川の水上交通をつくってもらいたい。あるいは、志賀とか西戸崎というのはバスの本数が減っちゃったんですね。車がいっぱい、みんな持っているから、バスの本数を減らしていいだろうというような話になる。あるいは、官幣大社の香椎宮という参道があるんですが、これは非常に格の高いところなんですけれ
ども、
踏切の前に
交差点があって大
渋滞なんですね。いつか大事故が起きる可能性がある。
こういった交通の不便さを感じている
方々がいっぱいいる中で、次が非常に重要なんですが、二〇〇一
年度からの五年間で、九百七十四あったバスの路線のうち百二十八路線が廃止になっています。旅客の輸送量に占めるシェア、一九八〇
年度にはバスが一九%だったのが今七%、民間鉄道が二二%で今一五%、乗用車が四六%が今六〇%になっている。
長々いろいろ言いましたけれ
ども、何が言いたいかというと、つまり、車がふえたことによって公共の交通機関が実は減っているという相関関係があるんじゃないか。前に
地域公共交通のことでも
質問に立たせていただきましたけれ
ども、私は今回の法案が、本当に
地域の住民の
方々、
国民の
方々に
理解を得られるかどうかということの
一つのかぎは、公共交通機関との相関関係を踏まえた上で議論しているかということが重要だと思いますけれ
ども、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。