○郡
委員 わかりました。特別な扱いではなかったということですね。
パンデミック前夜ということで、急いでということでは必ずしもないという御答弁だったかと思います。
今御
説明いただきましたように、ウイルスの不活化、有害事象の問題な
ども、これは通常の治験でも想定し得る、承認し得る、そういう程度であったということなのでしょう。であるならば、
日本のワクチン企業それから研究者の
方々、医師主導治験をなさっている
方々ですけれ
ども、この皆さんたちにとっては、ある
意味で朗報と言えるような側面もあるのだろうというふうに思います。つまり、今の治験の
制度というのは、さまざまな手順も含めまして大変複雑になっているんですけれ
ども、簡単にといいましょうか、そういう
意味で承認を得られたということになりましょうから。
また、通常の治験と比べますと、この審査報告書の内容が果たして本当は十分だったのかどうかという反対の側面も、心配される側面もあるというふうにも
感じているところです。また、一般に研究をなさっている方、きのう聖マリアンナ大学の清野
先生がガイドラインの制定というのを望んでおられましたけれ
ども、これは欧州のガイドラインを
評価に使っているというふうにされています。これらのことも十分に研究者の
方々に知らせるべきだろうというふうにも思います。
今回承認された二つのワクチンについては、オーファンドラッグの
制度を適用されたということ、それから、第一相が百二十人であった、第二相、三相については合計三百人の被験者の
方々であったということ、それから免疫原性を
評価尺度として承認された、すなわち、本当の
意味での
有効性を確認したということでは必ずしもないということも言えるということだろうと思います。
まだ検討が不十分であった側面も否めません。国内でのガイドラインを整備していくなどの御要望もあるわけですから、その辺も含めて、さらに検討が必要なのだろうとも思います。きのうの参考人
質疑でもありましたように、経鼻ワクチン、細胞培養などによる製品の研究開発が進むように、さらに体制整備、そしてまた継続的な助成などを拡充していく必要があるんだろうというふうに思います。
一方で、これはBBCのインターネットのニュースの配信版なんですけれ
ども、この二つのワクチンを
舛添大臣が
予防接種するということにつきまして報じたものなんですけれ
ども、ここには、センシブル・オア・オーバーセンシティブ、分別があるのか、良識的なのか、あるいはまた敏感過ぎなのか、過剰反応なのではないかというような記事が書かれておりまして、WHOの担当の方のコメントは実に、大変私は、ほうと思いましたけれ
ども、無駄なかけというふうな、そういうコメントもされております。つまり、WHOはとめはしないけれ
ども、
日本はやりなさいよと、まあ、やりなさいというふうに冷たく見ているのだなということに、ある部分、衝撃を受けました。
と申しますのも、今この二つの
プレパンデミックワクチンができたということで、私たちは、早く
予防接種してもらいたい、もう使えるようになった、安心だというような
誤解が、そしてまた政策が十分に推進されているような
誤解が広がってしまっているのではないかと、実は恐れを持っているところでもあります。
ヒト・
ヒト感染が始まった
フェーズ4におきましては、
日本で承認されたワクチンが十分な
有効性を示さなかった場合、新たな
パンデミックワクチンが必要とされた場合に、供給が不十分である、あるいは、さまざまなケースを想定して、海外での有効なワクチンをどう国内に入れるのかということも検討すべきなのだろうというふうに思います。
例えば、以下のようなケースを想定した場合ですけれ
ども、どんなふうに考えられるか。
日本で承認された
プレパンデミックワクチンに
有効性と
安全性上の問題が明らかになった、または、量が足りない
状況で、海外で
有効性、
安全性にすぐれたワクチンが大量に製造されたという場合です。
一番目として、製造販売業者が薬事法の特例承認で輸入販売承認取得を希望した場合に、これは適用が可能なのかどうか。二番目として、その場合に、薬事・食品衛生審議会、
新型インフルエンザ専門家会議、また
新型インフルエンザ対策本部などの意見聴取と意思決定の手順というのは明確にされているのかどうか。それから、業者による申請ではなくて、
国家が国としてワクチンを買い上げて供給しようとする場合に、法令上、
制度上の根拠があるのかどうか。また、海外ワクチンの
評価、それから予算措置、また意思決定の手順、これらが明確になっているのかどうか伺わせていただきます。