○若林国務
大臣 今、世界の食料、とりわけ穀物の需給が逼迫をいたしまして、
委員が御指摘のように穀物価格は異常な高騰を示しているところでございます。
この穀物、食料価格の高騰の原因についてはいろいろ言われておりますけれども、四つほどあると考えております。
一つは、中国やインドなどの途上国の
経済発展に伴って食料需要が増大をしております。とりわけ、質的に変化しまして、畜産物消費などが伸びますとえさの需要がさらに拡大していく、そういう世界全体の需要の中で、中国、インドなどの途上国の需要が増大しているということが
一つ。二つ目は、豪州、やはり食料供給、輸出国でありますが、豪州が二年連続の干ばつがある、また地球温暖化などの地球規模の気象変動によりまして、供給面で変動があったということが二つ目にございます。三つ目は、原油価格が異常に高騰しておるために資材費だとか輸送費といったようなものの上昇がございまして、そのことが他穀物の価格を押し上げているということが三つ目でございます。そして四つ目、
委員が御指摘のように、穀物をバイオ燃料用の材料として使うという需要が増大しているといったような要因が実は複雑に影響した結果、生じてきているものというふうに思うのでございます。
しかし、いずれにしましても、バイオエタノールを初めとしたバイオ燃料というものにトウモロコシなどの穀物が使われているということも
一つの要因であるということについては、私どもはそれは重大な問題だというふうに認識しているわけでございます。そこで、穀物価格の高騰などに悪影響が生ずるような事態は厳に避けなければならないということを
基本に考えているわけでございます。
このために、我が国自身としては、稲わらだとか間伐材といった、食料と競合しないセルロース系の原料を活用したバイオ燃料を生産するという、いわば
日本型のバイオ燃料の生産拡大策を推進するということにしておりまして、諸外国に対しても、食料供給と競合しない形でのバイオ燃料の生産拡大の重要性を主張しているところでございます。
ことしの二月にバンコクにおきまして、我が国が主催をして、アジア地域の諸国に対しましてこのような
考え方を申し上げているわけでございますが、バイオ燃料
政策についての国際シンポジウムというのを開催いたしたところでございます。ここでは、中国、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ブルネイ、八カ国が参加いたしておりますが、ここのパネルディスカッションなどにおきましても我が国の
考え方というものを述べまして、必要な
政府間協力をしていこうじゃないかということで論議を行っているわけでございまして、食料の安定供給に最大限の注意を払いながらバイオ燃料
政策を進める必要があるということについては、その場で共通の認識を得ているところでございます。
現時点におきまして、米国が穀物を原料としてエタノールを生産しているということは、これ自身は米国内の諸事情を踏まえて米国
政府が判断をする、そしてまた実施しているというものでありますが、一方で、
委員が御指摘のように、このことが国際的な食料価格高騰の一因になっているというふうに指摘されてもおりますし、我が方もこれが要因の
一つであると考えているところ、北海道の洞爺湖サミット、あるいはこれに向けて関係閣僚会合などが行われておりますが、この点を踏まえて、食料価格高騰問題について
議論をするということで準備を進めているところでございます。
FAOの総会が六月の初めにローマで行われますが、国連の事務総長の要請がありまして、食料サミットというふうにしたいという
お話があり、我が国からは
福田総理が
出席をする予定で進めております。私も同行いたします。OECDもその後、食料問題を討議することになっております。
このようないろいろな場面を通じまして、
基本的には食料に悪い影響を与えるような形のバイオエタノール生産というものには慎重に対処すべきであるということを通じて、一貫して言っているところでございます。
〔
委員長退席、横光
委員長代理着席〕