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関委員 ありがとうございます。
私は、
自由民主党の
関芳弘でございます。
西村委員に続きまして、今回の
明石、
淡路のところの、また、
神戸市のところともかかわっております今回の
船舶の
事故に関します
水産関係者の、その
事故に関しまして今後どういうふうな
対策をとっていくかというところを
質問させていただきたいと思います。
私は、三月五日の
事故が起こりまして、すぐに
連絡を漁協から受けました。三月六日にはもう、すぐ
地元に帰って、
漁業関係者に
漁船を出してもらいまして、その船が沈んだところ、その沈んだ船からぽこぽこぽこぽ
こ油が出てきておるんですね。この油を実際に見てみないといけないということで、私は、すぐに国会の方から
地元に飛んで帰って、
漁業関係者の
漁船に乗せてもらって、現場まで行って、ぽこぽこぽこぽ
こ油が出ているのを見ました。
漁業関係者は、関さん、これを見てください、もう絶え間なく油が出てきていますでしょう、それで臭いですよねと。本当に油のすごい
においがします。臭いんですね。関さん、これはまだ
事故が起こったすぐですけれ
ども、これから何が起こるかわかりますかということを言われました。
私は、初めはぴんとこなかったんですが、この
神戸市の
垂水区の沖で、この
事故で、先ほどの
西村議員の横の
明石の
海峡と
垂水の
海峡は接しております。ここでは、ちょうど
イカナゴのくぎ煮の
最盛期でございます。
イカナゴのくぎ煮というのは、これぐらいの、二、三センチのちっちゃな魚の
かま揚げした、つくだ煮のようなものなんですが、
内閣総理大臣賞までいただいているぐらいの
地元の名物なんです。名産でございます。
これが、油がつきますと、
かま揚げにしたときに、
においがついて全然食べられる代物でなくなってしまいます。この
イカナゴのくぎ煮の漁がもうできないという形で、年間の総
売上高、全
収入の大半を占めるこの
イカナゴのくぎ煮が、漁ができなくなるということと、先ほど
西村議員からも配られておりましたけれ
ども、新聞に載っておりました
ノリですね、須磨の
ノリ、
明石の
ノリが、漁ができなくなる。
これ、ちょうど持ってきてみました。須磨の
ノリでございます。味つけ
ノリで、これは超高級品なんです。「日本乃味と香り」と書いていまして、これは
ノリの業界では、あの有明の
ノリと同じぐらい有名で、本当に日本の特産物の最高品でございます。
その
ノリなんかが、漁ができなくなるというのは非常に悲しいことでございまして、私は、その
ノリ業者のところに行ってまいりました。
そうしたら、
ノリ業者が言います。私たちは、この兵庫県の
ノリの品質を何とか守りたい。この品質を守るということは、消費者からの信頼をずっとずっといただけるように、品質保証をしっかりしておかないといけないんだ。この品質保証とはどういうことか。それは、
ノリが百トンとれて、一滴油がついたとしましても、この
ノリはもう全部捨ててしまうんだ。そして、このような、少しでも油のついたようなものは一切ないというふうなことで、消費者の人たちの信頼を得て、そして、高品質なんだということで、消費者に喜んで食べていただくんだ。だから、ちょうど
ノリの刈り取りの時期だったんですね、今まで一年かけて育ててきたこの
ノリはもう捨ててしまわないといけない。本当に悲しいんです。それでも兵庫県の
ノリの品質を守りたい、そういうことで、私たちは、もう涙ながらで、
ノリを全部引き揚げて、全部ほかしてしまいます。ですので、関さん、そこまで我々は兵庫県の
ノリ業者の品質保証のために頑張っていくので、どうか何とか我々の生活を助けてください。
こんな話を、ちょうど、
神戸市漁協の
ノリ業者の人たちが五、六十人集まって、私はそこの前に漁協の組合長と一緒に座って、涙ながらにそういう
ノリ業者の話を聞いてまいりました。
そこまで自分たちのつくるものに自信と誇りとそして消費者への信頼を持って頑張って仕事をやっているんだな。私は、わかりました、何とかできる手だてはすべてとってきます。でも、こういうふうに、民間と民間との
事故で何か起こったときというのは、通常はその民間の間の
保険で解決するというのが国会の制度のあり方のようでございますので、どこまでできるかわかりませんけれ
ども、本当にすべてのことはやってまいります。
皆さんも、
漁業の共済
保険を掛けていますでしょう、どれだけ掛けているんですか、足りない分はそれで補えますかと聞いてまいりましたけれ
ども、悲しいことに、
収入の一割をもらえるぐらいの共済金しか掛けていなかったんですね。これが実態でございます。
そうなると、
漁業関係者というのは、本当に、
基金を自分たちが掛けていなかった、それは、今から、反省し通しでございますけれ
ども、もう取り返しがつかないことでございます。
一方、沈んだ船は、
保険というのは、船の
事故というのは余りにも大きな
被害が出ますから、それに
保険を掛けようとすると莫大な金額になりますので、その金額が余りにも莫大になったら仕事自身ができない、業務自身が実際には成り立たないぐらいの
保険金額になりますから、もうこの金額ぐらいでいいですよというキャップがかけられております。ですので、今回も、何十億もの
被害が
漁業関係者にも出ているにもかかわらず、実際に船で
事故をした人たちというのは五億か六億ぐらいしか
保険金を掛けていない。要は、不足する、補償をしてあげないといけないような
部分、四十何億も実際には金額が不足する、みんな困ってしまうというのが実態でございます。
私は、これを考えまするに、沈没した人が掛ける
保険はこれだけのキャップでいいんですよという法律があるんですね。その法律でいいのであれば、本当に、
漁業関係者がそこからもらえる金額がないのであれば、何か国家としてその人たちを救えるような制度が正式にないと、これは私は国家全体の制度の整合性としてちょっともう
一つじゃないかなと思うところでございます。というのは、
漁業の共済
資金も、一〇〇%得られるだけの共済金を掛けていくと、その金額が余りにも大きくなって、日々の
漁業の
収入から十分に賄えないんですよね。漁をやって、それだけの
収入から
漁業基金の一〇〇%
収入が補償されるまでお金を払ってしまうと何も手元に残らない。結局は、
神戸や
明石の
漁業というのは制度的に成り立たない、こういうふうな制度的な不都合を私は感じた次第でございます。
こういうような中にあって、兵庫県や
神戸市や
明石市は、皆様のお手元に
委員長に御了解賜りましてお配りさせていただいております「
明石海峡船舶事故に係る
支援」ということで、兵庫県、
神戸市、
明石市は、それぞれ、三千四百万、
神戸市は約一億ぐらいを予定していて、
明石市は一億三千百万ぐらいを予定している。これだけ、やはり助けてあげないといかぬというふうな意識で、
地方自治体はそういう
対策をとったということでございます。
そして、
漁業関係者が私に言います。
地方自治体がこれだけ助けてくれています。私たちは県税、市税を払っておってよかった。しかし、我々は国税も払っていますよね、関さん、国に税金も私たちは払っています、国も何かこういうときは助けてくれるんですかと言われておる次第でございます。
そこで、私は、今制度がないのもよくよくいろいろ御説明を賜りましてわかった次第でございますけれ
ども、何か
漁業関係者を救える手だてがないのか、知恵を絞る方法はないのかということに関しまして
大臣に、本当にこれは異例かもしれませんけれ
ども、何か助ける方法はないのか、ちょっとお知恵を拝借したいと思います。