○後藤(斎)
委員 先ほ
ども御
指摘をさせてもらったように、多分、個人の自営業者の方も農家の方も、なぜ後継者が育てられないかというのは、やはりもうからない。もうかるというのは、べらぼうにもうけるということではありませんが、やはり所得が生活するに十二分でないということで、戦後の歴史というのは、
農業人口から
工業やサービス業への人口移動が起こって今に至っているという。
農林省の方から資料をいただきまして、
農業所得は二〇〇五年で百二十四万円、これは
全国平均です。専業農家という言い方は今しないようでありますが、主業農家の方の平均が四百十四万円ということであります。
この原因というか、要するに所得というのは、当然、単価と収量を農作物であれば掛けて、トータルの売り上げがどうなるか、それに生産費みたいなコストを引くということで、これが総所得でも出てくるわけですけれ
ども、この所得を上げるときに多分二つあると思うんですね。
要するに、単価を上げること、これは出荷単価、小売単価の方は直接連動しません、上げることと、あと十アール当たりの収量、要するに総量を上げていくということだと思うんですね。
ただし、野菜も果物も、今はお米もそうですが、短期的というか日々の需給で単価が変わってしまうというところにネックが当然あって、本当にことし一年間どれだけの収入、所得が確保できるかというのは農家の皆さんにはわからない。これは自営業の皆さん方にも、今はなかなかサービス業、お店とかは非常に厳しいですから、わからない。
十アール当たりの例えば生産量というのを、例えば水稲であればこの三十年間で、一九七五年と二〇〇五年を比較すると、二〇〇五年が一反当たり平均で五百三十二キロということですから、三十年前よりも五十キロくらいふえているんですが、例えばナスとか
リンゴとかいうのは、むしろ単収についてはほぼふえていない。
農水省の方にこれからちょっとメーンにお尋ねをしますが、今までの農政の
仕組みというのは、むしろ生産量をふやさなくても単価を上げるような
施策を、米の生産調整についてもそうですし、ほかの産品についてもできるだけ、自分のところはふえた方がいいけれ
ども、よその
地域は、例えば災害があって減少した方が当然自分はもうかる。いろいろな部分がやはり
地域性というものがあって、それで卸売市場みたいな
地域市場というものがあって、そこで例えば青果、野菜や果物であれば値が決められたという
仕組みからどう脱皮するかというのは
農水省も御努力をされていますが、なかなか答えがやはり見つからないわけですね。
ですから、例えば今国内的には食料自給率が四〇%を切り三九にカロリーベースでなっているといっても、実際、農家の皆さんから見れば、短期的な部分では、自分たちの価格が上がらない、幾ら一生懸命つくっても所得が入らない、もうやめちゃおうかと。この悪の循環なわけですね。マクロベース、国家レベルで見れば、食料自給率をもっと上げなきゃいけないよねというふうに言っても、実際そこでつくっている方々はそうは思わないわけですよ。そこのギャップをどう埋めるかということで、
大臣の答えの多分
一つ、私もそう思っていますけれ
ども、
輸出という解があるんだったら、それに特化をする。
そしてもう
一つ、これはこの経産
委員会でも
大臣に何度かお話をさせていただいていますが、バイオという
エネルギーの部門で、今まで食料にしか回らなかった穀物が燃料になるという新たな答えがあるわけですね。
でも、この
輸出と燃料用の農作物をつくるという答えは、生産性というか収量が上がらないとペイしない、市場に受け入れられないというその二つがある。さっき
大臣もおっしゃられたように、いいものであってもなかなかその値段も、でも、それが徐々に
中国や台湾や韓国、アジアの諸国中心に所得が上がってきた。そこにやっと追いついたわけですね。
二十年前から、私が農林省にいさせていただいたときから、
輸出化ということはしようとしましたが、なかなか受け入れられなかった。当時は、干しシイタケとミカンと
リンゴとナシの多分四品目くらいをどうするかということだったんです。
でも、それが、日本だけが、これは以前にも
大臣に、この十年間、国内総生産は実はやはり伸びてこなかった。OECDの中で十八番目、一人当たりの国民所得は低くなってしまった。その逆相関の部分で、アジアの諸国の所得富裕層がふえてきた。それに対して、今は高いけれ
ども何とか売れる。でも、収量をふやしていけば、その部分は今と同じか、若干、二割、三割下げても売れていくということになるし、例えばバイオでも、さっきの米の五百キロじゃありませんけれ
ども、今、茎の部分まで含めれば、稲穂だけじゃありませんよ、茎の部分まで含めると二トンまで収量がとれるという品種が開発できたという話を聞いています。
まだこれがなかなか安定せずに、試験場レベルというお話なんですが、例えば、これを五トンに上げていけば、今の主食用のお米の十分の一の金額になっても、主食用と同じような所得が確保できる、農家の皆さんからいえば。そういう努力をこの収量の部分で、多分これだけバイオもできて、ちょっと品質や安全性の部分については後で触れますが、やはり量をまずふやしていこうと。
今まで食料だと、要するに主食用、口に入る生食用というものがやはりメーンで、野菜も果物も米もいろいろなものが、いわゆる
農産物というものは語られてきた。それが違った切り口が出てきたということに着目をし、私は、この
施策の
連携をだれとするかというマッチングをしてもらいたいと思うんです。
それが多分、後でお聞きをしますが、
事業認定、基本方針を具体的にどんな形でつくられるのか、そこの中で、
事業計画に基づいて認定をどう
大臣や農林
大臣が一緒になさるのかというところに尽きると思うんです。限られた二百億の
両省の予算ですし、今までの継続の部分が山ほどありますから、実際、真水の部分というのは多分少ないと思うんですよ。
こういう部分をどう生かすかというのは、そういう視点も含めてだと思うんです。
ちょっと長くなって恐縮だったんですが、
農水省の方にお尋ねをしたいんですが、生産量、特にバイオの技術を極力使って生産量をふやすという
技術開発についてはどこまでできているのか、お尋ねをしたいと思います。