○
田島(一)
委員 民主党の
田島一成でございます。
ただいま
委員長から趣旨
説明がございました
石綿による
健康被害の
救済に関する
法律の一部を改正する
法律案につきまして、民主党を代表して意見を述べさせていただきたいと思います。
二年前の二〇〇六年一月三十一日、私は、本
会議場におきまして、
内閣提出の
石綿による
健康被害の
救済に関する
法律案に対し反対討論に立たせていただきました。
当時、民主党からは、国、
地方公共団体、そして事業者の責務を定め、国民と一体となってアスベストの問題に総合的に取り組むための基本的な枠組みを定めるアスベスト総合
対策推進法案を、
政府に先駆けて提出させていただいておりました。しかし、
内閣提出のこの
救済法案は、
政府の責任には触れることなく、表裏一体であるはずの
労災補償との格差やすき間や不備が目立つ
制度であると
指摘をし、私どもは反対をしたところであります。
本来ならば、改めて私どもからアスベスト総合
対策推進法案を提出したいところではありましたが、既に
施行されている
現行法において、遺族への
救済給付調整金が打ち切られていたり、
法施行後も
労災補償を受ける権利が時効成立で奪われている現実、隠れた
被害者の実態が一向に明らかにならない現実を黙って見過ごすわけにはまいりませんでした。
命の値段の差を埋めるという緊急的な
見直しが必要な
課題に対処するため、私ども民主党は、四月の二十四日に現行
救済法の改正案を参議院に提出させていただいたところであります。
二年前の当時ならば考えられなかったことでありましたが、一緒に考え、まとめて今
国会で成立させましょうと、今回は与党PTの皆さんと
認識を共有し合い、実務者レベルでの協議を重ねて、今回の合意に至ることができました。
与党の皆さんにも、私ども民主党が主張する改正点を十二分に御理解いただき、当面、
現行法が抱えるさまざまな問題点や不備、そして
救済のすき間を埋めることができたものと考えております。改めて、与党の
関係者の皆さん、そしてこの法案提出に至るまで支えていただいた
関係者の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
この機会に、ぜひ
関係省庁にお願いがあります。
まず最初は、中
皮腫、
石綿肺がん以外のアスベスト疾患の
救済が待たれているところです。
環境省として、ぜひ
救済の
対象疾病を
労災並みに
拡大するよう、
政令改正の作業に直ちに取り組んでいただきたいと思います。
そして、
現行法の不備で
救済を断念してこられた
被害者や遺族の皆さんに対して、
環境省、厚生労働省は、今回の改正を正しく通知し、周知徹底を図っていただきたいと思います。
また、特別遺族弔慰金や特別遺族給付金に係る請求期限の
見直しの
検討をするためにも、死亡年別の
労災補償件数や特別遺族給付金の支給件数など必要な
情報、基礎的な
データを、関連するそれぞれの機関からも公開するように取り組んでいただきたい。
そして、今回の改正は、あくまで
救済を受ける権利を失うことがないようすき間を埋めただけのことであり、
救済法の抜本的な
見直しの期限である
法施行五年、つまり二〇一一年の三月二十七日までにこの抜本的な
見直しを
検討するように取り組んでいただきたいと思います。
また、
関係閣僚会合の開催など、今回の
議論の中でも浮き彫りになってきた縦割り行政の弊害を克服し、
政府一丸となってアスベスト
対策に取り組むこと。
以上、五点を強く要望させていただきたいと思います。
健康被害者への
救済は、アスベスト
対策の最重要
課題であります。しかし、それだけがすべてではありません。今後、少なくとも数十年間続いていく
取り組みは、私たちの身の回りにあるアスベストをいかに計画的、段階的に除去、廃棄し、無害化するかにかかっています。
今回の法改正は、マラソンに例えるならば、折り返し地点手前の給水ポイントに到達したにすぎません。
国民の健康と安全を守り、
環境汚染の防止を総合的に推進するために、アスベスト総合
対策推進法を制定して、一日も早く築くべきノンアスベスト社会というゴールまで、私たち民主党もアンテナをさらに高く掲げて、全力で取り組むことをお誓い申し上げます。
どうぞ
委員各位の御賛同を心よりお願い申し上げて、発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。