○岩國
委員 中国の温家宝首相は、ことしに入って自分のことを
環境首相と呼んでほしいという発言まで踏み込んでしていらっしゃるんです。
世界のいろいろな先進国あるいは発展途上国の中で、
中国は大きな国であり、成長率は高い、
経済開発に熱心だ、したがってこういう公害問題が起きるに違いない、その
中国は
環境問題への
取り組みが非常におくれているんじゃないか、こういう印象を持っておりましたけれ
ども、温家宝首相
自身が自分を
環境首相と呼んでほしいと、そこまで意識を持っておられる。私は、こういう時期に、ぜひ今の黄砂、酸性雨について両
政府が緊密な連絡、
調査体制をとっていただいて、そして、胡錦濤主席もおいでになる、七月には
世界の
会議が行われる、こういうときにこのアジアにおける
環境をどうするかということについての
調査協力体制ということをしっかりと打ち出していただきたい、そのように要望して、この
質問を終わります。
次に、
日本の自治体について申し上げたいと
思います。
日本、
日本といいますけれ
ども、
日本には四十七都道府県があって、
CO2を出す県と
CO2を黙って
吸収している県、いい県と悪い県と言うと言い過ぎですけれ
ども、お配りした資料1をごらんください。これは
CO2を各都道府県がどれだけ出しているかということです。県名の右半分の方は、各県の
森林面積と
CO2の
吸収量。そして、県名のすぐ右のところがその寄与率です。北海道が一番
森林面積が多いから、一六・九%と書いてあります。
この中で小さな県の割にわかりやすい、私にとってですけれ
ども、島根県の場合には三・五%。岡山県は一・四%。
中国地方といいましても、これだけばらつきがあります。岡山県は、出す方はしっかりと出して、吸う方は一・四。島根県は、出す方は余り出さないで、
吸収する方だけはしっかりとこれだけの貢献をさせられる。こういうところに対して、やはり
環境平準化交付金というものを私は
考えるべきではないかと思うんです。
経済発展する県、岡山県、愛知県、神奈川県、兵庫県、東京、そういったところで
産業活動がしっかりと行われることも
日本にとって大切なこと。しかし、その陰では黙々と、
森林を大切にして、
CO2を
吸収して
日本の
環境に貢献しているところ。
環境省の立場から見れば、
経済産業省は左側です、
環境省の立場は右側です。この右側のこういう都道府県に対して、自治体の自主的な
努力だけに任せておっていいものかどうか。やはりこれに対して何らかの補助というものをやっていかなければ……。これからいろいろな県でどんどん
開発が進んでしまった場合、
開発すればメリットがある、税収がふえる。しかし、
森林を守っても税収はふえない。どちらを選ぶか。知事さんとして
考えることは左側ですよ。右側で
努力しても報われることがないんですから。こういう政治の不公平というものに対して、
環境という切り口、
環境という目線から、何か
考えなきゃいけないんじゃないんですか。
森林の
吸収能力というものが大切だといいながら、そちらに対してはほとんど助成金、交付金はない。左側に
努力すれば自然に法人から、あるいは個人の所得から、職場がふえて税収がふえる、消費税の収入も入ってくる。右側は何も入ってこないんですから。私は持論として
森林にも給料を払えと言っているのは、こういうことなんです。
同じ山林でも、岡山県の山林、岡山、岡山と言って申しわけありませんけれ
ども、表の上で並んでおりますから。岡山は一・四、島根県は三・五。
森林面積はほとんど同じでありながら、岡山の山よりも島根県の山の方がしっかりと仕事をしているんです、二倍ぐらい。こういう違いもこの山の中にはあります。よく働く山とそれほど働かない山、同じ国の中にもいろいろありますから、そういうよく働く山に対してはやはりそれだけの能力給というものが必要じゃないでしょうか、こういうことに対して貢献するのに。
私は、そういう切り口から自治体間にいい
意味の競争を誘導する、そうすることによって
日本の
環境を守り、
森林を守り、
吸収能力を全体として高めていく、こういう
政策が今必要ではないかと
思います。
大臣、お答えください。