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林芳正君 正に、十三兆円でやると、本当に単純にやりますと年収五百万円ぐらいの方を超える人はもうあきらめてくださいと、こういうことになってしまうんで、そこをきちっと財源を、じゃこうしましょうというものを出していただいて初めて、具体的に数字を出していただいて初めて、これは信なくば立たずということに対する答えになるんではないかと思っておるわけでございます。
ですから、いかなる案にも一長一短というのはあります。最初から完璧な案はないし、これは
年金ですから、長い推計をやって将来のことも考えていくわけですから、推計というのは違った現実になってしまうこともあり得るわけであります。そういう意味では、きちっとこれ
議論をしていって、お互いいいところを取り入れていくと。今の現行でも三分の一の負担を二分の一にしていこうと、これは
政府・
与党で決まっているわけですから、半分は税方式なわけですね。ですから、そういったことをきちっと
議論をしていく必要があるし、
予算委員会というのはそういう場であるべきだと私は思っておるわけでございます。
全体の
財政再建ということについてもこの財源というのは大変に大事でございまして、私は、民主党さんと共通しておりますのは、やっぱりプライマリーバランスというものを我々は二〇一一年を目標に達成していこうという
議論をしておりますが、これは民主党さんの方も何とかプライマリーバランスを達成していこうと、ここは一致をしておるわけでございます。
ただ、この財源があいまいだと私にとっては見えるわけでございまして、この必要な財源、いろんなことをおやりになる、農家の所得補償をやる、子
ども手当を出す、こういうものは、これは適否はいろいろあると
思います。これは
政策ですから、これをやるかやらないかというのはおきまして、このために掛かるお金、これは民主党さんの方でも十五・三兆円ほど必要になってくると、こういう問題点が、十五・三兆円必要になるとおっしゃっておられます。
これ、どうやって絞り出していくのか。これは
地方向けの補助金を一括交付化することで六・四兆円出すというんですが、総額十九兆円が
地方向けの補助金であります。これは
政府の
予算に入っておりますけれ
ども、この十九兆円のうち
生活保護や老人医療など
社会保障が十二兆円あります。義務教育も二兆円あります。ですから、残りの公共事業四兆円ありますけれ
ども、これを全部カットしてもまだ足らない。ですから、医療、教育に踏み込むと、こういうことを考えておられるのかどうかということがございます。
また、独法、特殊法人、特会、これ原則全部廃止をする、そして財源はそこから三・八兆円出てくるということでございますが、例えば住宅金融支援機構、三百万人が利用して、四十兆円超える残高がございます。また、
日本学生支援機構、八千五百億円の奨学金を出しております。こういうのを全部廃止する、こういうことでありましょうか。また、特別会計というのは、これは御存じだと
思いますけれ
ども、財布の中に仕切りを入れているわけですから、特別会計という
制度をなくしてもお金がどこかから出てくるわけではないわけでございます。
また、私はかつて
渡辺大臣の下で副
大臣をさせていただいて、
国家公務員法の
議論をいたしました。
衆議院でも答弁に立たしていただきましたけれ
ども、そのときに人件費削減をすると、民主党さんは二割削減で一・一兆円を出すと。では、具体的にどういうふうにこの二割を出していくんですかとおっしゃったときには、政権を取ったら民主党は行政刷新
会議をつくって、そこでどの仕事をやめるのかを検討していきますと。ですから、今はどの仕事をどういうふうにやめていただくのか、どの方が要らなくなるのかが全くないわけでございまして、この行政刷新
会議はどういうふうにどれぐらいやるのかということをやはり出していただかなければお互いの
議論にならないんではないかというふうに思っております。
我々は、
予算の各分野について、どの、どれだけ削減をやるのか。また、人件費につきましても、統計事業、食糧管理、北海道開発庁、随分抵抗もありましたけれ
ども、きちっと具体的に何人単位まで切り込んでこの計画を作って五・七%の削減をするということをもう既に決めておるわけでございます。やはり具体性を持って、数字を持って
議論をしないとどちらがいいのか比べようがない、こういうふうに思っております。
そして、正にこの十五・三兆円というのは、せっかくいい目標でお互いプライマリーバランスを達成していこう、こうなっておりますけれ
ども、民主党さんの方は新しい施策をやるのに十五・三兆円必要ですと、これでこれだけ出していきますと。しかも、その同じことをプライマリーバランスを達成するためにももう一回使う、これは正にそういうふうに書いてあるんですが、こっちで使っちゃったらこの穴を埋めるのには使えないわけでございますから、これは財源の二重計上問題というふうに申し上げなければならないわけでございます。
こういうところをきちっと
議論をして、数字具体的に裏付けを持って
議論をさせていただいてプライマリーバランスを実現するというのは一致しているわけですから、大いに
議論をさせていただいたらというふうに
思います。
そこで、これは一致している目標、プライマリーバランスでございますが、大変難しい目標であります。本年の一月に進路と戦略というもので示された試算を八月に改定を
政府はしておられます。プライマリーバランスが黒字化できる場合というのをケース別に分けて、なかなか厳しい
状況になってきているなと私も
思いましたけれ
ども、どういう
状況であれば何とか二〇一一年行けるのか、また一月から八月になって見通しが少し悪くなった、これはどういう理由なのか、大田
大臣にお伺いします。