○岡田
直樹君 自由
民主党の岡田
直樹でございます。
最初に、少しだけ自分の思いを述べさせていただきたいと思います。
私は元新聞記者でありまして、
平成九年十一月といいますとちょうど十年前になりますが、
北朝鮮に初めて渡りまして
拉致問題の取材をいたしました。当時、
北朝鮮は
拉致ということをもちろん一切認めませんで、我々が
拉致と一言言った途端に怒声を上げてでっち上げだと、こう叫ぶような
状況でありました。しかしながら、本当に底知れないようなやみの中に必ず
拉致はあるということを確信しておった次第であります。それから十年間たちました。
その翌年の
平成十年にも
北朝鮮に行きました。その年、
北朝鮮で憲法の改正があって、これはむしろ改正というより改悪というべきものだと思いますが、軍事をすべてのことに優先をさせる、先軍政治という
言葉がございますが、その年、金正日が国防
委員長という肩書で
北朝鮮を支配する、そういう体制が確立をしたわけであります。
私のほんの短い滞在期間でありましたけれ
ども、やはり
北朝鮮という国は人権、自由というものが全く見られない、また、ろくに食べるものもないと、こういう
状況の中で義憤に駆られたというと格好よ過ぎるかもしれませんけれ
ども、何とか何の罪もない
拉致被害者の方々を救いたい、また、あわよくばそうした独裁者に虐げられている
北朝鮮の人々も何とかしたいと、こういう気持ちで政治家になった、そういう思いがございます。
しかしながら、それからの
拉致問題というのは非常に遅々たるものでありまして、小泉総理が訪朝をして五人の被害者の方々、帰って五年、しかしながらまだまだ多くの被害者の方がやみの中にいると、こういう
状況を何とか打破をしたいわけであります。
御家族の方々もだんだんと年を召される。この
委員会で
横田めぐみさんの
拉致現場の視察にも参りましたし、その後
横田さんの御両親をこの
委員会にお招きをして本当に胸の張り裂けるような思いを伺ったこともございます。何とかこの
日本国民の重大な人権侵害、そしてそれは取りも直さず
日本国の主権の侵害でもあると思います。この
拉致問題について、
高村大臣始め
政府の方々、どうか全力で
解決にお取り組みをいただくよう改めてお願いをしたいと思います。
ちょっと前置きが長くなりましたけれ
ども、
福田内閣になりまして初めての
拉致特の
質疑でございますので、
外務大臣の基本的な姿勢というものをお伺いをしたいと思います。
小泉総理あるいは安倍総理の下では、
拉致問題の
解決なくして国交正常化なしあるいは
拉致の
解決なくして支援なしと、こう言い続けてきたわけであります。この基本姿勢に変わりはないと思うわけでありますが、先ほ
ども出ました対話と圧力のバランス、小泉時代には対話と圧力と言い、安倍時代には圧力と対話と言うことが多かったようにも思うわけであります。安倍
内閣では独自の経済
制裁も実施をするなど圧力にウエートを置いてきたと思うわけでありますが、
福田内閣は
対話路線にかじを切るのではないかと、そういう観測もございます。
この辺り、
福田内閣の
外務大臣として、
高村大臣の基本的な御
認識、所見というものをまずお伺いをしたいと思います。