○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。
まずは、渡海
文部科学大臣、御
就任を心から
お祝いを申し上げたいと存じます。
つい二か月前まで、私、
文部科学大臣政務官を務めさせていただいておりまして、そうした立場から質問をすることもできずに、今民主党さんが座っているそちらの席でもうじっと耐えて
質疑を拝聴しておりました。そうした中で
教育基本法そして
教育関連三法の審議、
質疑が行われたわけでありますけれども、与野党の
先生方のすばらしい質問をお聞きして、実は感心するよりも感服をいたしておりました。
そうした
教育に造詣が深い
先生方が
出席されている本
委員会の質問は私は初めてでございまして、しかもよその
委員会で質問した以来、一年ぶりの質問でございますから、どうぞ何とぞよろしく
お願い申し上げたいと思います。そして、申し上げたように、本
委員会での質問は初めてでありますから、私の思いも少し申し上げさせていただきたいと思っております。
私、
国会議員をさせていただく前から、国家百年の大計であります
教育の大切さ、
教育が人をつくる、こうした
教育ということに強い関心を持っておりました。特に、昭和二十年八月十五日に我が国が有史以来の敗戦、占領という悲運に際会したわけでありますけれども、そうした戦後の混乱の中を国民は立ち上がって、今や我が国は平和を国是とする、そうした徹する国是の下に目覚ましい経済発展を遂げておるわけであります。
しかし、そうした中で、
教育という観点から考えますと、占領政策の後遺症や一部の偏向した
教育などによって人々に大きな影響が与えられた。そして、そうしたことが
日本人としての誇りやアイデンティティーがなくなってしまったんじゃないかな、こんなふうに私は思っているわけであります。特に、一九八〇年代からの
教育を考えてみますと、個人が最も大切だという教え方をしたと思っています。つまり、個人の自由とか個人の権利、平等というものが強調されて、その反面、個人の責任とか義務あるいは公といったものがほとんど教えてこられなかった。ましてや、
日本の
文化や伝統、家族や家庭の大切さ、そうしたものには余り触れてこなかったと思っています。
結果はどうでしょうか。私は、自分さえ良ければそれでいいというゆがんだ自己中心主義がはびこってしまったと思っています。そして、そのツケが、
子供が親を殺す、若い夫婦が
子供が邪魔になって殺してしまう。あの長崎県で起きた、小
学校六年生の女の子がカッターナイフで友達の首を切って殺してしまった痛ましい事件。忘れもしないのが、今年の五月の半ばでありましたけれども、福島県の会津若松市で起きた事件。母親を殺して頭部を切断して、手提げかばんに詰めて警察に自首した高校生の男子、本当におぞましい事件でしたけれども、動機はだれでもいいから殺してみたかったと、こう供述しているんです。正に自分の欲望を晴らす、自分さえ満足すれば、自分
たちさえ良ければという、そうした短絡的な考えから起きていると私は思っています。
そうした中で、昨年十二月に約六十年ぶりに
教育基本法が改正になりました。
内容は
先生方御承知のとおりでありますから詳しくは申し上げませんけれども、規範意識、公共の精神が盛り込まれています。規範意識といいますと、私
たちの
子供のころには隣近所にも怖いおじさんとかうるさいおばさんがいて、何か悪さをしようものなら、このやろうといって怒られてしまったものですけれども、こうしたことが今はなくなってしまった。社会規範というものが現在なくなってしまった。そして、生命及び自然の尊重とか、伝統と
文化の尊重、我が国と郷土を愛する態度を養う、こうしたことが
基本法に盛り込まれておりまして、本当に良かったなと思っているんです。
そして、私は多分この世にはもういなくなっていると思いますけれども、三十年先、四十年先の我が国を思ったときに、
日本の未来を担う
子供たちが自分の国に誇りが持てるような、自分の国を愛せるようなそうした人づくり、国づくりの
教育をやっていかなければいけない、このようにも考えております。
こうした三十年先、四十年先の我が国を見据えて
教育基本法が改正されたわけでありますけれども、しかし、この
教育基本法並びに
教育三法にある様々な
課題を具現化するためには
予算の裏付けが必要であるわけであります。
平成二十
年度予算案は、正に改正された
教育基本法の下で初めて編成されるわけでありますから、必ず所要の経費は確保する、将来に向けた先行投資である
教育に必要な財源を確保することが必要でありますから、私
たちもしっかりとやりますけれども、
文部科学省も是非頑張って、来るべく
予算編成に向けて英知を結集してしっかりと対応していただきたい、このことをまず要望しておきたいと思います。
前置きが長くなりましたけれども、そこで質問に入らせていただきますが、歴代
内閣が望んで果たせなかった
教育基本法を改正した安倍晋三前首相のまさかの退任劇をきっかけに
教育再生の動きにブレーキが掛かるんじゃないかな、こんなことを危惧しておりましたけれども、幸いにも安倍首相の後任に重厚と評価の高い福田康夫首相が
就任して、
教育再生会議も去る二十三日に再開されて、今後の第三次報告に向けた
議論が開始されましたけれども、この
議論の項目を拝見いたしますと、小
学校から大学までの六三三四制の在り方とか、あるいは小
学校での英語
教育の在り方とか、また
教育バウチャー制度導入の是非とか、こうした重要
課題が多岐にわたっているわけであります。
このバウチャー制度、東京など大都市では可能かもしれませんが、私の出身の新潟県の田舎の
学校では選択することはできないわけであります。むしろ、少子化で、町村合併もあって、
学校を統廃合される、そうした
状況に追い込まれているわけであります。たとえ大都市であっても、あそこの
学校はいいとか悪いとなるとこうしたことになるわけでありまして、
学校格差がますます顕著になるのは目に見えているわけであります。
小
学校の英語
教育にいたしましても、多分、高学年が英語の授業を受けるんだと思いますけれども、英語を教えるよりもまず
日本語を、国語をしっかりと教えるべきだという、そうした
意見もあるわけであります。
このように様々な
議論がありますけれども、いずれにいたしましても、
福田内閣においても
教育再生は最重要
課題、このように考えるわけであります。
そこで、
教育再生に向けた
大臣の御決意をまずお伺いしたい、このように存じます。