○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
十二月二十二日にお亡くなりになられました我々の先輩であります山本孝史さん、当
委員会でも大変活躍されました。がん対策基本法、それから自殺対策基本法、この成立に尽力されまして、交通遺児、中国残留孤児、在外被爆者等、つらい、苦しい立場の
方々に温かい
気持ちを向けられました。正に命を懸けて命を救われました。謹んで御冥福をお祈りしたいと、そのように思います。
肝炎訴訟の問題、それから年金の問題ありましたが、まずはちょっと
肝炎訴訟の問題について、私の個人的な意見かもしれませんが、少しコメントしたいと、そのように思います。
薬害肝炎患者さんを一律
救済するこの条件として、やっぱり国の
責任を明確にしなければならないというのは、これは当然あるんだろうと私は思います。先ほど、そうでもないという御意見はありましたけど、しかしながら、これは製薬会社、そこにも賠償を求める話でありまして、これは法に基づいたものでなければいけないだろうと私は思います。
しかし、そこで大事なことは、薬剤としての認可が誤りだったという
責任論は私はあってはならないと、そのように思っているんです。例えば、輸血によって
肝炎になった方には輸血
そのものが誤りだったということになってしまいますし、国民皆保険
制度においては
副作用のある薬は一切使えないことになりますし、
副作用のない薬はない、これもまた事実でございます。
そこで、フィブリノゲンあるいはフィブリングルー、これ二十八万人の方に投与されたと、そのように推計されております。そのうち、B型、C型
肝炎罹患
患者は約一万人という推計ですね、約三・五%。その二十八万人の中には、投与によって一命を取り留めた方もいらっしゃる。そして、私は外科医でしたから、手術不能と思われたけれども、それを使うことによって、特にフィブリングルーですけどね、何とか手術を乗り切った方もいらっしゃる。もし、これが薬剤としての認可
そのものが誤りだったとすれば、その
方々が受けたであろうその後の不利益は一体どうなるのかという問題があると私は思います。
そしてまた、この前話題になりました混合診療の問題で、すべての議員が未
承認薬の早期
承認、早期保険適用を求める、しかし
安全性に関する
議論がほとんど聞かれない、これもまた問題だと思いますし、今回のことで、欧米に対してドラッグラグが非常に問題になっている、これが更に大きくなるようなことになっては絶対にいけないと私は思います。
そこで、やるべきことは、効果と
副作用の比較で期待される効果が大きければ早期
承認すべきだと、これは当然だと思います。しかし、
副作用の懸念が高まれば
承認を取り消す、その決断ですね、そのためには
副作用報告をどんどん奨励して、実はこの八月から
副作用報告が激減しております、
大臣も御存じだと思います。これを奨励して
救済制度をもっとしっかりしたものに充実させる、これが
行政の
責任だと私は思います。薬については、市販後
調査、これを不断にやらなければいけない、もっと徹底してやらなければいけない、それもやはり
行政の
責任だと思います。
気になるのは、これ診療録の保管に関してなんですけど、これは実は
血液製剤については
薬事法の改正で十六年から二十年間保管と、そのようになっているとは思いますが、当時、私が十二、三年前大学に勤めていたときに、診療録を一体どうしようかという
議論になりました。これは
法律上は五年だったわけですが、結論として、全部の診療録を残すということになったわけです、したわけですね。
これは、診療録の保管というのは、診療録は私は未来に対するこれ遺産だと思っているんです。大切なことなんですね。となれば、これから先、電子化せざるを得ない、この電子化してきっちり保管させなきゃいけないと。そうなった場合に、電子化する余裕のある病院にしかできない。大病院にしかできない。地方の病院は電子化で保管もできないということは更にまた格差を助長する可能性もあるんですね。その分を全部診療報酬で見なきゃいけないのかという話にもなってきます。こういうところが私は
行政と立法の
責任があるんだと、そのように
考えます。
そこで、今
肝炎の治療助成の法案が衆参ともに出されておりますけれども、これ、当然
責任の所在を明確にすることも必要ですけれども、まずやっぱり是非とも、この
協議会のメンバーの方いらっしゃいますが、今やるべきことは
救済するということなんですね。
責任論を大前提にして、お互いにぶつかり合っていたら
患者さんの
救済はできないんですよ。是非とも歩み寄って、今は
原告団に対する
救済の問題、我々が法案として出しているのは、今
肝炎である
患者さんの治療を助成するための法案です。ここはぶつかり合わないで、是非とも
協議を成立させていただきたい、そのことをまずお願い申し上げます。
年金記録についても一点だけお伺いしたい。
厚生年金の台帳とマイクロフィルムのオンライン上のデータにどれぐらい誤りがあるか。今朝の部門会議では二万件のサンプル
調査されるということでしたね。しかし、今までどれだけこのことに関して
議論されてきたか。具体的に挙げますと、宙に浮いた年金記録五千万件のうち四千万件、これは厚生年金ですよね。それから、第三者
委員会が年金記録の訂正のあっせんをした今までの七百四十六件中五十四件が厚生年金です。そして、今年の常会で質問しましたように、平成十年から十八年度まで千八百十八万人、極めて記録に問題があると疑われる
方々に照会票を送って、返ってきたのが千二百万。つまり、五百六十五万人が未回答で、この
方々も記録が間違っている可能性が極めて高い。さらに言えば、六月七日にこれ福山議員が質問したことで、五十八歳通知をもらった方の平均九%が再
調査を依頼していると。こういう現実がある以上、厚生年金記録、そのオンラインデータに誤りがある可能性はもうほとんど間違いないわけですよ。
そこでお聞きしたいのは、二万件のサンプル
調査でどれだけ誤りがあったら全件
調査をやるつもりなんですか。
大臣も
総理も、
程度によっては全件
調査しなきゃいけないと。私たちは以前から全件調べないとこれは分からないと申し上げているわけです。数が少なかったら全件
調査する必要がないという結論には絶対ならないはずです。どれぐらい誤りがあったら全件
調査をやる予定なんでしょうか、
大臣。