○風間直樹君 この部分が私は非常にあいまいさを残してしまって、将来問題が出てくる素地となりかねないと思っております。
この
法案改正の
審議に先立ちまして、我々
委員の下には全国から多くの要望あるいは陳情が寄せられました。その中で
一つ、この就業規則に関する陳情書というものが今手元にあるんですが、中野布佐子さんという方の書いていらっしゃる
内容です。
労働基準監督署に届ける就業規則の
労働者代表は、黙って判を押す人を会社が名指しして印を押させ提出しております。社員は、
労働者代表が社員の選出によって選ばれなければならないということさえ知りませんし、
労働者代表がだれなのかも知りません。したがって、
労働者にとって不利益変更が次々と書き換えられております。会社が幾ら不当
労働行為をしても、それに
異議を唱えるということは即首ということですと、こういう御
意見があります。
それから、今のその合理性の部分ですが、これは働く女性の全国センター事務局から寄せられた中に記載をされていた私の一言というコメントなんですが、不利益変更を社長の一存で被った者です。一度だけでなく、過去数年の間に何度も持ち出され、正社員の身分変更以外はすべてのまざるを得ませんでした。私の会社には就業規則すらなく、
労使が協議して
合意すればよいではないかと
議論されていることに非常に悲しい気持ちを覚えています。職場に自分の居場所を確保するためにきゅうきゅうとせざるを得ない人間にとって、それはちょっとと声を上げることがどんなに困難かお察しください。こういう現状があるわけですね。
私が非常に心配しますのが、今回
法改正をした後にこの
内容がまず十分周知をすることができるのかどうか。やはり
企業ないし
労働現場では
労働者よりも
雇用側が立場的には強いわけですから、その
方々がこうした法を遵守するという精神を持ってこういった問題に当たっていただけるかどうか、この点を非常に不安を覚えているわけであります。
労働者にしてみますと、二つの選択肢、紛争になった場合は二つの選択肢になるとは思うんですが、まずは裁判。ただ、これはコストと時間が掛かります。そして、もう
一つは
労働局の総合相談窓口に行くということでありますが、この相談窓口の問題点も、さきの参考人招致で伊藤みどりさんの方から御
指摘がありました。当日、この
委員会に伊藤さんから参考資料として出されたものがございます。出典は
労働法律旬報千六百四十八号、五月下旬号ということになっておりますが、要は、相談に行くと、この相談窓口の方も相談に乗る方の人数が足りないために、できるだけ追い返そうと、こういう実態があるということですね。「追い返しおじさんの存在」というふうにこの資料にはありますけれ
ども、確かにそうなんだろうと思うんです。
まず、こういう
労働紛争が持ち上がったときに、この
法律では、
内容を遵守した上で、それでも問題が解決しない場合には、やはり
労働基準監督署なり監督官なりにその処理をお願いするという運びになると思いますけれ
ども、現状ではこの
労働基準監督官、三千名だと。この人数が少ないのではないかという
指摘もございます。
実際寄せられている相談件数、厚労省発表の
平成十七年度個別
労働紛争解決
制度施行
状況に基づきますと九十万七千八百六十九件、それに対して受理された件数が六千八百八十八件、そのうち助言、指導を実施したもの六千十一件、処理を打ち切ったもの九十二件と、非常に取り上げている数自体が少ないんですね。
この
労働紛争の処理の体制が現状では著しく不十分ではないかと思いますが、その点に対する
政府の御
認識をお願いしたいと思います。